panic
第1音節にアクセントがあります。/æ/ は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を大きく開けて発音します。「ニ」は、弱母音に近いニュアンスで、軽く短く発音するとより自然です。最後の/k/は、息を止めてから勢いよく破裂させるように発音してください。
専門的な内容に関するご注意
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大混乱
突然の恐怖や不安によって引き起こされる、制御不能な状態。災害や緊急事態、個人的な危機などで見られる。群衆心理によって増幅されやすい。
When the fire alarm rang, a sudden panic filled the building.
火災報知器が鳴ったとき、突然のパニックが建物中に広がった。
※ 火災報知器のけたたましい音、そしてその音を聞いた人々の間に、一瞬で「大混乱」が広がる緊迫した場面を想像してみてください。この文では、'panic' がまるで水や空気のように、建物全体に『満ちる』様子を描写しています。緊急事態で人々がどのように動揺するかを示す、とても典型的な使い方です。
Before the big presentation, she felt a wave of panic wash over her.
大勢の前での発表の前に、彼女はパニックの波が押し寄せるのを感じた。
※ 大勢の人の前で話す直前の、心臓がドキドキするような強い緊張感を想像してみてください。'a wave of panic' は「パニックの波」という意味で、感情が急に、そして強く押し寄せてくる様子を比喩的に表現する、とても自然な言い回しです。個人的なプレッシャーや不安を感じる時に使われます。
He felt a moment of panic when he realized his wallet was gone.
彼は財布がなくなったことに気づいたとき、一瞬パニックになった。
※ ポケットを触って、いつもそこにあるはずの財布がないことに気づいた瞬間の「ゾッとするような焦り」を想像してみましょう。'a moment of panic' は「一瞬のパニック」という意味で、予期せぬ出来事によって一時的に強い動揺や混乱を感じる状況を表します。日常で起こりうる、誰もが共感しやすい場面ですね。
うろたえる
予期せぬ事態に直面し、冷静さを失い、適切な行動が取れなくなること。個人的な失敗やプレッシャー、緊急事態などが原因となる。
When the fire alarm suddenly rang, people started to panic and rush out.
火災報知器が突然鳴り響いたとき、人々はうろたえて外へ駆け出し始めました。
※ この例文は、予期せぬ緊急事態に直面した人々が、冷静さを失い、動揺する様子を描いています。火災報知器の音という具体的なきっかけがあり、「うろたえて(panic)」から「駆け出す(rush out)」という一連の行動がイメージしやすいでしょう。「start to panic」は「うろたえ始める」という意味で、よく使われる自然な表現です。
He panicked when he realized he had forgotten his passport at home.
彼はパスポートを家に忘れてきたことに気づいて、うろたえました。
※ この例文では、旅行や重要な場面でパスポートが必要なときに、それを忘れてきたと気づいた瞬間の「焦り」や「困惑」が伝わってきます。頭が真っ白になるような、まさに「パニックになる」状況です。「realized he had forgotten...」と原因が示されており、なぜ彼がうろたえたのかが明確にわかります。
Please don't panic even if you make a mistake; just try to fix it calmly.
たとえ間違いを犯しても、うろたえないでください。ただ落ち着いて直そうとしてください。
※ この例文は、誰かが間違いを犯したときに、感情的にならず冷静に対応するよう促す場面です。日常会話や仕事の指示などで「パニックにならないで」と注意を促す際によく使われる形です。「Don't panic」は命令形ですが、優しく相手を落ち着かせたいときに使うことができます。失敗した時の心の動きが想像できますね。
狼狽させる
他者を混乱させ、冷静さを失わせること。意図的な場合と、意図せず結果としてそうなってしまう場合がある。ニュースや事件などが原因となる。
The sudden fire alarm panicked everyone in the building.
突然の火災報知器が鳴り、建物中の全員をパニックに陥らせた。
※ けたたましい火災報知器の音が鳴り響き、人々が驚き、慌てふためく様子が目に浮かびます。このように、予期せぬ緊急事態が人々を動揺させる典型的な場面で「panic」が使われます。ここでは「The fire alarm(火災報知器)」が主語となり、「everyone(全員)」を「panic(パニックにさせた)」という他動詞の使い方です。
The doctor's serious words panicked the patient's family.
医師の真剣な言葉は、患者の家族をひどく動揺させた。
※ 医師が厳しい表情で言葉を紡ぎ、その内容に患者の家族が不安と恐怖で顔色を失っていく様子が想像できます。悪い知らせや不確実な情報が、人を精神的に強く動揺させる状況で使われる典型例です。「The doctor's serious words(医師の真剣な言葉)」が主語となり、「the patient's family(患者の家族)」を「panic(動揺させた)」という他動詞の形です。
Losing her passport in a foreign country really panicked her.
外国でパスポートをなくしたことは、本当に彼女を狼狽させた。
※ 見知らぬ異国の地で、頼りのパスポートがないことに気づき、心臓がバクバクする彼女の絶望的な顔が目に浮かびます。予期せぬトラブルが、人を大きく動揺させる状況を表しています。「Losing her passport in a foreign country(外国でパスポートをなくしたこと)」という出来事が主語となり、「her(彼女)」を「panic(狼狽させた)」という他動詞の使い方です。
コロケーション
突然押し寄せるパニック
※ 「wave」は文字通り波を意味しますが、ここでは感情が急激に高まる様子を比喩的に表しています。「A wave of panic washed over me.(パニックの波が私を襲った)」のように使われ、予期せぬ出来事や状況によって引き起こされる強い不安感や恐怖感を強調します。類似表現に 'a surge of panic' があり、これも同様に感情の急上昇を表しますが、'wave' はより広範囲に感情が広がるイメージがあります。
パニックを引き起こす
※ 'Trigger' は銃の引き金を引くことから、何かを誘発・開始させる意味合いを持ちます。特定の出来事や情報が、人々の間にパニックを引き起こす状況を表します。「The news triggered panic buying.(そのニュースは買い占めパニックを引き起こした)」のように使われます。 'Cause panic' と似ていますが、'trigger' はより直接的で即時的な反応を示唆します。ビジネスやニュース報道でよく使われる表現です。
パニック状態に陥る
※ 'Descend' は「降りる、下る」という意味で、徐々に悪い状態に陥っていく様子を表します。冷静さを失い、徐々にパニックに支配されていく過程を描写する際に用いられます。「The crowd descended into panic when the fire alarm went off. (火災報知機が鳴ると、群衆はパニックに陥った)」のように使われます。 'Fall into panic' と似ていますが、'descend' はより制御不能な状態への移行を示唆し、より深刻な状況を表すことが多いです。
パニック寸前の、ほとんどパニック状態の
※ 'Near-' は「近い」という意味で、完全なパニック状態ではないものの、それに近い極度の不安や興奮を表します。「The market experienced near-panic selling.(市場はパニック売り寸前の状態を経験した)」のように使われ、危機的な状況や感情の高ぶりを婉曲的に表現する際に用いられます。ビジネスや経済のニュースで、状況の深刻さを強調しつつ、完全な混乱を避けるニュアンスを含ませるために使われることがあります。
緊急ボタン、非常事態対応策
※ 文字通りの緊急ボタンの意味の他に、比喩的に「最後の手段」「切り札」といった意味合いで使われます。問題解決のために、焦って安易な解決策に飛びつくことを批判的に表現する際にも用いられます。「They pushed the panic button and slashed prices.(彼らは焦って最後の手段として価格を大幅に下げた)」のように使われます。政治やビジネスの文脈でよく用いられ、安易な解決策への批判的なニュアンスを含むことが多いです。
パニック状態で、慌てふためいて
※ 前置詞句として、人の状態や行動を修飾します。「She ran out of the building in a panic.(彼女はパニック状態で建物から走り去った)」のように、感情が行動に直接影響を与えている様子を表します。 'Panicked' と似ていますが、'in a panic' は行動の背景にある感情をより強調し、状況の緊迫感を伝えます。日常会話からニュース報道まで、幅広い場面で使われます。
激しいパニック、制御不能なパニック
※ 'Wild' は「野生の、制御されていない」という意味で、極度の混乱と恐怖を表します。「Wild panic broke out when the earthquake struck.(地震が発生したとき、激しいパニックが起こった)」のように、予期せぬ出来事によって引き起こされる、人々の理性を失わせるほどの強い感情を強調します。 'Utter panic' と似ていますが、'wild panic' はより原始的で本能的な反応を示唆し、状況の深刻さをより強く伝えます。ニュース報道や文学作品で、状況の緊迫感や混乱を強調するために用いられます。
使用シーン
心理学、経済学、社会学などの分野で、実験結果や社会現象を分析する際に使われます。「市場のパニック」「集団パニック」といったフレーズで、特定の状況における混乱や不安を表すのに用いられることが多いです。研究論文や学術的な議論で、客観的な視点から現象を説明する際に使われるため、感情的なニュアンスは抑えられています。
ビジネスシーンでは、株価の暴落や経済危機など、企業経営に影響を与えるような緊急事態を説明する際に使われます。「パニック売り」「市場のパニック」といった表現で、投資家や市場関係者の動揺を表すことがあります。日常的な業務報告や会議ではあまり使われませんが、リスク管理や危機管理に関する議論では登場する可能性があります。
日常生活では、緊急時や災害時など、予期せぬ事態に遭遇した際に使われます。「パニックに陥る」「パニックを起こす」といった表現で、個人的な感情や行動を表すことが多いです。ニュースや報道番組で、事件や事故の状況を説明する際にも使われることがあります。ただし、日常会話では、より口語的な表現(例:「マジ焦った」)が好まれる傾向があります。
関連語
類義語
危険や差し迫った問題に対する突然の恐怖や心配を表す。警告や警報を意味する場合もある。名詞・動詞として使用。 【ニュアンスの違い】"panic"よりも、ある程度の根拠がある恐怖や不安を指すことが多い。また、集団心理よりも個人の警戒心に近いニュアンスがある。動詞としては、騒ぎ立てるというよりも、危険を知らせるという意味合いが強い。 【混同しやすい点】"alarm"は、しばしば具体的な脅威や警告と結びついている。一方、"panic"は、必ずしも明確な理由がない場合でも起こりうる。また、"alarm"は他動詞として「~を不安にさせる」という意味でも使われる。
危険や苦痛に対する感情的な反応。恐怖、不安、心配などを包括的に表す。名詞・動詞として使用。日常会話、文学、学術など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"panic"よりも一般的で、強さの程度も様々。"panic"は、制御不能な状態に近い激しい恐怖を指すが、"fear"はもっと穏やかな恐怖心も含む。また、"fear"は対象が明確な場合が多い。 【混同しやすい点】"panic"は、しばしば一時的な状態を指すが、"fear"は、長期的な感情や状態を表すこともある(例:He has a fear of heights)。また、"fear"は、動詞として「~を恐れる」という意味で使われることが多く、自動詞として使われる"panic"とは異なる。
将来に対する心配や不安。漠然とした不快感や緊張感を伴う。名詞として使用。心理学、医学、日常会話など幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"panic"よりも持続的で、慢性的であることが多い。"panic"は突然発症する強烈な恐怖だが、"anxiety"は、より緩やかで、持続的な不安感を表す。また、"anxiety"は、具体的な対象がない場合も多い。 【混同しやすい点】"anxiety"は、しばしば特定の状況や出来事に関連付けられるが、必ずしも明確なトリガーがあるわけではない。一方、"panic"は、しばしば特定のトリガーによって引き起こされる。また、"anxiety"は、状態を表す名詞として使われることがほとんどである。
非常に強い恐怖。生命の危機を感じるような状況で起こる。名詞として使用。文学、歴史、ニュースなど、深刻な状況を描写する際に用いられる。 【ニュアンスの違い】"panic"よりも強い恐怖を表す。"panic"は、混乱や狼狽を含む場合があるが、"terror"は、より純粋で圧倒的な恐怖を指す。また、"terror"は、大規模な暴力や破壊行為に関連付けられることが多い。 【混同しやすい点】"terror"は、しばしば政治的な目的やテロ行為と結び付けられる。一方、"panic"は、個人的な状況や事故など、より広範な状況で起こりうる。また、"terror"は、名詞としてのみ使用されることがほとんどである。
突然の、一時的な恐怖。驚きや衝撃を伴うことが多い。名詞として使用。日常会話や物語などで、軽い恐怖や驚きを表す際に用いられる。 【ニュアンスの違い】"panic"よりも軽度で、瞬間的な恐怖を表す。"panic"は、制御不能な状態に陥ることを示唆するが、"fright"は、すぐに落ち着くことができる程度の恐怖である。また、"fright"は、しばしば子供や動物が感じる恐怖を表す。 【混同しやすい点】"fright"は、しばしば「a fright」という形で使われ、具体的な出来事や状況によって引き起こされることが多い。一方、"panic"は、より抽象的な恐怖や不安から生じることもある。また、"fright"は名詞としてのみ使用されることが多い。
予期せぬ出来事による驚きと当惑。混乱や落胆を伴う。名詞として使用。フォーマルな場面や文学作品で用いられる。 【ニュアンスの違い】"panic"よりも冷静さを失っている度合いが低い。"panic"は、しばしば行動を伴うが、"consternation"は、驚きと当惑による静止状態を表すことが多い。また、"consternation"は、他者の行動に対する反応として用いられることが多い。 【混同しやすい点】"consternation"は、しばしば公的な場面やフォーマルな状況で起こる。一方、"panic"は、個人的な状況や緊急事態など、より広範な状況で起こりうる。また、"consternation"は、名詞としてのみ使用される。
派生語
- panicked
『パニックに陥った』という意味の形容詞または過去分詞。動詞『panic』に過去形・過去分詞を作る接尾辞『-ed』が付いた形。一時的な感情状態を表し、ニュース記事や個人の体験談などでよく見られる。例:『The panicked crowd rushed towards the exits.(パニックに陥った群衆は出口に殺到した)』
- panicky
『パニック状態の』『取り乱した』という意味の形容詞。名詞『panic』に『〜のような状態』を表す接尾辞『-y』が付いた形。恒常的な性質や状態を表すニュアンスがあり、『panicked』よりも主観的な状況描写に用いられることが多い。例:『a panicky feeling(パニックのような感覚)』
- panic-stricken
『パニックに襲われた』という意味の形容詞。複合語であり、『panic』と『stricken(打たれた、襲われた)』が組み合わさって、突発的な強い感情を表す。災害や事故など、緊急事態の状況を説明する際によく用いられる。例:『panic-stricken refugees(パニックに襲われた難民たち)』
反意語
『冷静』『落ち着き』を意味する。panicが突発的な混乱状態を指すのに対し、calmは感情や状況が安定している状態を表す。日常会話からビジネスシーン、学術的な文脈まで幅広く使用される。例:『Stay calm and assess the situation.(冷静さを保ち、状況を評価しなさい)』
『平静』『落ち着き』を意味する名詞。特に困難な状況やプレッシャーの中で、感情をコントロールし、冷静さを保つことを指す。ビジネスシーンやフォーマルな場面でよく用いられる。panicとは対照的に、自己制御の重要性を示す語。例:『She maintained her composure despite the crisis.(彼女は危機にもかかわらず平静を保った)』
『静穏』『穏やかさ』を意味する名詞。感情的な激しさや混乱とは対照的に、心の平穏や静けさを表す。panicが騒々しい状況を連想させるのに対し、serenityは平和で穏やかな状態を示す。文学作品や精神的なテーマを扱う文脈でよく用いられる。例:『The serenity of the garden helped me relax.(庭の静けさが私をリラックスさせた)』
語源
"panic"(パニック)の語源は、ギリシャ神話に登場する牧神パーン(Pan)に由来します。パーンは、半人半獣の姿で、気まぐれで騒々しく、人気のない場所で突然現れては、人々に恐怖や狂気をもたらすとされていました。特に、森や山の中でパーンに出くわした人々は、理由もなく突然激しい恐怖に襲われたと伝えられています。このパーン神が引き起こすとされた原因不明の恐怖から、英語の"panic"という言葉が生まれ、「大混乱」「狼狽」といった意味を持つようになりました。つまり、"panic"は、神話に登場する気まぐれな神がもたらす、予期せぬ恐怖や混乱を起源とする言葉なのです。
暗記法
「パニック」の語源は、ギリシャ神話の牧神パーン。彼は森で奇妙な音を立て、人々に根源的な恐怖を与えた。戦場での兵士の逃走、金融危機、災害時の混乱…これらは全て、パーンの恐怖が現代に形を変えたもの。理性では制御できない、本能的な恐れ。文明社会の裏に潜む、原始的な感情の発露なのだ。
混同しやすい単語
『panic』と発音が似ており、特に語尾の 'ic' の部分が共通しているため混同しやすい。スペルも最初の3文字が同じ。意味は『ピクニック』であり、楽しい屋外での食事を指す。品詞は名詞。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要がある。語源的には、picnic はフランス語から来ており、元々は『気楽な食事』という意味合いだった。
『panic』と発音がやや似ており、特に母音の部分が曖昧になりやすい。スペルも似ており、'pain' という単語が含まれているため、関連性を感じやすい。意味は『苦痛を感じている』であり、動詞 'pain' の過去分詞形。品詞は形容詞または動詞(過去分詞)。日本人学習者は、'ed' が付いていることに注意し、時制や文法的な役割を考慮する必要がある。
『panic』と最初の音節の発音が似ており、特に 'pen' の部分が共通しているため混同しやすい。スペルも最初の3文字が同じ。意味は『ペナント』であり、スポーツチームの優勝旗や装飾用の旗を指す。品詞は名詞。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要がある。語源的には、pennant は中英語の 'pennon' から来ており、元々は『小さな旗』という意味合いだった。
『panic』と語感が似ており、特に語尾の子音の音が近い。スペルも 'an' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。意味は『追放する』であり、ある場所や社会から強制的に排除することを指す。品詞は動詞。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要がある。語源的には、banish は古フランス語の 'banir' から来ており、元々は『宣告する』という意味合いだった。
『panic』と発音が似ており、特に最初の音節が共通しているため混同しやすい。スペルも 'an' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。意味は『躁病の』であり、極端に興奮した状態や活動的な状態を指す。品詞は形容詞。日本人学習者は、医学的な文脈で使われることが多いことを知っておく必要がある。語源的には、manic はギリシャ語の 'mania' から来ており、元々は『狂気』という意味合いだった。
『panic』と発音がやや似ており、特に最初の音節の母音が曖昧になりやすい。スペルも最初の3文字が同じ。意味は『軽石』であり、火山性の多孔質の岩石を指す。品詞は名詞。日本人学習者は、どちらもpで始まる名詞であるため注意が必要。語源的には、pumiceはラテン語の'pumex'に由来する。
誤用例
日本語の「〜にパニックになる」という表現に引きずられ、panicを他動詞的に捉え、誤って前置詞を置いてしまう例です。panicは自動詞として使われることが多く、目的語を直接取ることは稀です。この場合、andで繋ぎ、panicという状態と、その結果としての行動を表現するのが自然です。日本人は、目的語を明確にすることで安心感を覚える傾向がありますが、英語では状態を表す自動詞を積極的に使うことで、より自然な表現になります。
panicは、通常、個人の感情や行動を表す言葉であり、市場のような抽象的なものを主語に用いるのは不自然です。市場の混乱や動揺を表す場合は、volatility(変動性)やturmoil(騒乱)といった言葉が適切です。日本人は、感情を表す言葉を比喩的に使うことを好む傾向がありますが、英語では、より直接的で客観的な表現が好まれる場合があります。また、stock market's panicという表現は、あたかも市場が感情を持っているかのように聞こえ、擬人化された印象を与えてしまいます。
Don't panic so much! は文法的に間違ってはいませんが、状況によっては相手を非難しているように聞こえ、非常に直接的で失礼な印象を与える可能性があります。特に、相手がすでにパニックになっている場合、逆効果になりかねません。より丁寧で建設的な言い方としては、Try to remain calm.(落ち着いてください)や、Let's think this through.(一緒に考えましょう)などが適切です。日本人は、相手を思いやる気持ちから、遠回しな表現を好む傾向がありますが、英語では、直接的な表現が好まれる一方で、相手の感情を考慮した表現を選ぶことが重要です。また、panicという言葉自体が強い感情を表すため、状況によっては、より穏やかな表現を選ぶことが望ましいです。
文化的背景
「パニック」は、ギリシャ神話の牧神パーン(Pan)に由来し、元来は森や自然に対する根源的な恐怖、あるいは神出鬼没な存在が引き起こす狂騒を意味しました。この言葉は、人間が理性では制御できない、本能的な恐怖に直面したときに陥る状態を象徴しており、文明化された社会においても、その原始的な感情が潜在的に存在し続けることを示唆します。
パーンは、上半身が人間、下半身がヤギという姿で描かれ、笛を吹きながら森を駆け巡る神です。彼の突然の出現や奇妙な音は、旅人や羊飼いたちに理由のわからない恐怖を与え、集団的な混乱を引き起こすと信じられていました。この「パーンの恐怖(panic fear)」こそが、「パニック」の語源です。初期の使用例では、戦場における兵士たちの突然の逃走や、群衆心理によって引き起こされる無秩序な状態を指すことが多く、個人の理性や自制心が失われた状態を意味していました。
時代が下るにつれて、「パニック」は、経済恐慌や金融危機など、社会全体を揺るがすような大規模な混乱を表す言葉としても使われるようになりました。例えば、1929年のウォール街大暴落や、2008年のリーマン・ショックなど、市場の崩壊や金融システムの危機は、「金融パニック(financial panic)」と呼ばれ、投資家や一般市民の間に広がる不安と混乱を象徴しています。このような状況下では、人々は理性的な判断を失い、噂やデマに踊らされ、状況をさらに悪化させるような行動をとることがあります。
現代社会においては、「パニック」は、テロ事件や自然災害など、予期せぬ出来事に対する人々の反応を表す言葉としても用いられます。緊急事態が発生した際、人々が冷静さを失い、避難経路を塞いだり、必要な物資を奪い合ったりする様子は、「パニック」状態の典型的な例と言えるでしょう。しかし、同時に、パニックを最小限に抑え、冷静な行動を促すための防災訓練や情報提供の重要性も認識されるようになり、「パニック・マネジメント(panic management)」という概念も生まれています。このように、「パニック」は、人間の根源的な恐怖を表す言葉であると同時に、社会的な混乱や危機管理の必要性を象徴する言葉でもあるのです。
試験傾向
- 出題形式: 語彙問題、長文読解、リスニング
- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でもまれに出題
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学、文化など幅広いテーマ。会話文でも使用
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞と動詞の区別を明確に。類義語 (e.g., anxiety, fear) とのニュアンスの違いを理解する
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め), Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 7 で比較的頻出。Part 5でも時々見られる
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連のニュース記事、メール、報告書など
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでの「panic」の使われ方を把握。文脈から意味を推測する練習が重要
- 出題形式: リーディング、リスニング
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで比較的頻出
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな文章、講義など。社会科学、心理学分野でよく使われる
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での「panic」の使われ方を理解。類義語との違いを意識する
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。標準的な大学でも出題の可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、心理学など幅広いテーマ
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。類義語との違いを理解し、適切な訳語を選択する