英単語学習ラボ

moral

/ˈmɔːrəl/(モーラル)

第一音節にアクセントがあります。/ɔː/ は日本語の『オ』よりも口を縦に大きく開け、喉の奥から出すような音です。/r/ は舌をどこにもつけずに、奥に引っ込めるように発音します。『ル』で終わらず、舌を引いた状態で終わることを意識しましょう。

専門的な内容に関するご注意

このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。

形容詞

道徳的な

善悪の判断や、社会的に正しいとされる行いに沿っていることを指す。個人の行動や判断基準、社会規範など幅広い対象に使われる。例:moral obligation(道徳的義務)

My mother always taught me to be a moral person.

母はいつも私に道徳的な人間であるように教えてくれました。

この文は、幼い頃にお母さんが優しく「正しいこと」を教えてくれる、心温まる情景を描いています。「a moral person」は「道徳的な人」という、'moral' の非常に基本的な使い方です。家庭での教育は、私たちが道徳を学ぶ最初の場所であることが多く、この例文はまさにその典型的な場面を表しています。

It was a difficult decision, but he made a moral choice.

それは難しい決断でしたが、彼は道徳的な選択をしました。

誰かが真剣な顔で考え、自分の利益よりも「正しい行い」を優先して決断した瞬間を想像してみてください。「a moral choice」は「道徳的な選択」という意味で、倫理的な判断が求められる状況でよく使われます。たとえ困難な状況でも、自分の良心に従って行動することの大切さを伝えています。

The story had a clear moral lesson about honesty.

その物語には、正直さについての明確な道徳的な教訓がありました。

この例文は、子供向けの物語や寓話を読み終え、その中に込められた大切なメッセージに気づく場面を想像させます。「a moral lesson」は「道徳的な教訓」という意味で、物語や経験から学ぶべき倫理的なメッセージを指す際に非常に一般的です。'about honesty' のように、何の教訓なのかを具体的に示すことができます。

名詞

倫理

社会や集団における善悪の基準、または個人の良心に基づく行動原理。哲学的な議論や倫理観を語る文脈で用いられることが多い。例:a question of morals(倫理上の問題)

She always tries to do what is right, based on her strong morals.

彼女は常に、強い倫理観に基づいて正しいことをしようと努めています。

この例文は、個人が「正しいこと」を判断し行動する際の基準としての「倫理」を描いています。彼女がどんな状況でも正直さや公平さを大切にしている、芯の通った人だというイメージが伝わります。ここでは「moral」が複数形「morals」で使われ、個人の道徳観や行動規範全体を指す、最も自然で一般的な使い方です。

Many people believe that cheating on an exam goes against basic morals.

多くの人が、試験でのカンニングは基本的な倫理に反すると考えています。

この文は、社会や集団の中で共有されている「倫理」の基準を示しています。試験でのカンニングという具体的な行動が、社会的に見て倫理的に適切ではないとされる様子がわかります。「go against morals」は「倫理に反する」という非常によく使われる表現です。ここでも「morals」は複数形で、社会的な道徳や規範を意味します。

Parents often teach their children good morals from a young age.

親は幼い頃から子供たちに良い倫理観を教えることが多いです。

この例文は、子供が成長する過程で「倫理」を学ぶという、教育的な側面を描いています。親が子供に善悪の区別や、他人への思いやりを教えている温かい家庭の風景が目に浮かびます。「teach good morals」は「良い倫理観を教える」という、非常に典型的で自然なフレーズです。ここでも「morals」が複数形で、育むべき道徳観や行動規範を指します。

名詞

教訓

物語や経験から得られる、行動や生き方に関する有益なメッセージ。寓話や物語の結末で語られることが多い。例:the moral of the story(物語の教訓)

My grandma always told me the moral of that old story was to be honest.

おばあちゃんはいつも、あの昔話の教訓は「正直であること」だと教えてくれました。

この例文は、おばあちゃんが孫に物語を読み聞かせ、その物語が伝えたい大切なメッセージ(教訓)を教える、温かい情景を描いています。「The moral of the story is...」は、物語や寓話の教訓を伝える際に使われる、非常に典型的な表現です。この形で「教訓」という意味の『moral』が使われることを覚えておきましょう。

After the big mistake, she finally understood the important moral of being careful.

大きな間違いの後、彼女はついに「注意深さ」という大切な教訓を理解しました。

この例文は、ある人が失敗を経験し、その経験から何か大切なことを学んで成長する姿を描いています。私たちは人生の様々な経験、特に失敗から多くの教訓を得ます。このように『moral』は、単なる知識ではなく、経験を通じて心に刻まれる大切な学びや教訓を指す場合によく使われます。『understand a moral』や『learn a moral from experience』といった形で使われることが多いです。

The old man sighed and said, "There's a clear moral in what happened yesterday."

老人はため息をついて、「昨日起こったことには、はっきりとした教訓がある」と言いました。

この例文は、人生経験豊かな老人が、最近起きた出来事について深く考え、そこから得られるべき教訓を語る場面を描いています。「There is a moral in...」という形は、特定の出来事や状況の中に、私たち全員が学ぶべき大切な教訓や教えが存在することを示す際によく使われます。この場合の『moral』は、倫理的な意味合いを持つ教訓を指すことも多いです。

コロケーション

moral compass

道徳的指針、良心の呵責

文字通りには『道徳的な羅針盤』を意味し、人が正しい道を選ぶための内なる指針、つまり良心を指します。困難な状況や倫理的なジレンマに直面した際に、自身の価値観や信念に基づいて判断する能力を意味することが多いです。ビジネスシーンや政治的な議論など、倫理観が問われる場面で頻繁に使われます。例えば、『彼の行動は、彼の道徳的指針が狂っていることを示している』のように使います。

moral obligation

道徳的義務

法律や規則によって定められた義務ではなく、良心や道徳に基づいて当然行うべきだと考えられる義務のことです。例えば、困っている人を助けることや、約束を守ることなどが該当します。法的な責任はないものの、社会的な信用や人間関係に影響を与える可能性があります。ビジネスの文脈では、企業の社会的責任(CSR)に関連して議論されることがあります。

moral dilemma

道徳的ジレンマ

二つの異なる道徳的価値観が衝突し、どちらを選択しても何らかの倫理的な問題が生じる状況を指します。例えば、『トロッコ問題』のように、ある人を助けるために別の人を犠牲にせざるを得ない状況などが該当します。哲学的な議論や倫理学の研究でよく取り上げられるテーマであり、ビジネスや医療の現場でも遭遇する可能性があります。この表現は、単に難しい選択というだけでなく、倫理的な葛藤を伴う状況を指す点が重要です。

moral high ground

道徳的優位性

ある問題や議論において、自分の方が相手よりも道徳的に優位な立場にあると主張すること、またはその立場そのものを指します。政治的な議論や社会的な論争でよく用いられ、相手を批判したり、自分の主張を正当化したりするために使われます。ただし、相手に『上から目線』の印象を与える可能性もあるため、注意が必要です。例えば、『彼は常に道徳的優位に立とうとする』のように使います。この表現は、単に正しいだけでなく、相手よりも優れているというニュアンスを含む点がポイントです。

moral decay

道徳的退廃

社会や個人の道徳的価値観が低下し、倫理観が失われる状態を指します。犯罪の増加、不正行為の蔓延、家族の崩壊など、様々な社会問題と関連して議論されることがあります。歴史的な文脈や社会学的な研究でよく用いられ、社会全体の危機感を表すために使われます。例えば、『現代社会は道徳的退廃に直面している』のように使います。この表現は、単に道徳が低いだけでなく、悪化しているというニュアンスを含む点が重要です。

moral imperative

道徳的命令、道徳的要請

良心や道徳に基づいて、当然行うべきだと強く感じられる行為や義務のことです。カント哲学における『定言命法』に近い概念で、普遍的な道徳法則に従うことを意味します。人道支援や環境保護など、社会的な課題に取り組む際に、その行動の根拠として用いられることがあります。例えば、『貧困をなくすことは、私たち全員にとっての道徳的要請である』のように使います。この表現は、単なる義務ではなく、強い倫理的な動機に基づいている点を強調します。

moral support

精神的な支え、道徳的支援

困難な状況にある人に対して、励ましたり、共感したりすることで、精神的な負担を軽減し、勇気づけることです。金銭的な援助や具体的な行動を伴わなくても、言葉や態度で示すだけでも十分効果があります。友人や家族、同僚など、親しい関係にある人に対して行うことが多いです。例えば、『彼女は私に道徳的支援を与えてくれた』のように使います。この表現は、物質的な支援ではなく、心の支えとなる点を強調します。

使用シーン

アカデミック

学術論文や倫理学の講義などで頻繁に用いられます。例えば、「環境問題における企業のmoral responsibility(道徳的責任)」や「実験結果の解釈における研究者のmoral judgment(道徳的判断)」といった文脈で使われます。研究発表のディスカッションで、「その研究のmoral implications(道徳的含意)についてどう考えますか?」と質問されることもあります。

ビジネス

ビジネスシーンでは、企業の倫理綱領やコンプライアンスに関する文書で使われることがあります。例えば、「The company has a strong moral compass(その企業は強い道徳的指針を持っている)」というように、企業文化や価値観を表現する際に用いられます。また、プロジェクトの倫理的な側面について議論する際に、「We need to consider the moral implications of this decision(この決定の道徳的影響を考慮する必要がある)」といった形で使われることもあります。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで倫理的な問題を取り上げる際に登場することがあります。例えば、「The documentary explores the moral dilemmas faced by doctors during the pandemic(そのドキュメンタリーは、パンデミック中に医師が直面した道徳的ジレンマを探求する)」といった文脈で見かけることがあります。また、「What's the moral of the story?(この話の教訓は何?)」のように、寓話や物語の教訓を尋ねる際に使われることもあります。

関連語

類義語

  • 倫理的な。より形式ばった、客観的な道徳基準や行動規範を指す。ビジネス、法律、医療などの専門分野でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"moral"が個人の内面的な道徳観念や良心に基づく判断を指すのに対し、"ethical"は社会的に合意された行動規範や専門職の倫理規定に沿うことを強調する。より客観的で普遍的な基準。 【混同しやすい点】"moral"は個人の価値観に左右されることがあるが、"ethical"は組織や社会が定める基準に従う必要がある。例えば、倫理委員会(ethics committee)は道徳委員会(moral committee)とは呼ばれない。

  • principled

    主義のある、信念に基づいた。特定の道徳的原則や信念を強く持っており、それに基づいて行動することを意味する。政治、社会運動、個人の生き方など、幅広い文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"moral"が一般的な道徳心や善悪の判断を指すのに対し、"principled"は特定の主義や信念を重視する。その信念が必ずしも社会的に広く受け入れられているとは限らない。 【混同しやすい点】"moral"は必ずしも明確な原則に基づいているとは限らないが、"principled"は常に特定の原則に基づいて行動する。ある行動が"moral"であっても、"principled"でない場合や、その逆の場合もある。

  • 正しい、正義感の強い。道徳的に正しいと信じること、または道徳的に正しいと見なされることを意味する。宗教的な文脈や、強い正義感を伴う状況でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"moral"が一般的な道徳的判断を指すのに対し、"righteous"は自己の正当性を強く主張するニュアンスを含む。しばしば、他者に対する優越感や批判的な態度を伴うことがある。 【混同しやすい点】"moral"は必ずしも自己主張を伴わないが、"righteous"はしばしば自己の正しさを強く主張する。また、"righteous"はしばしば宗教的な意味合いを持つが、"moral"はより世俗的な意味合いを持つ。

  • 徳の高い、貞淑な。道徳的な美徳を備えていることを意味する。しばしば、伝統的な道徳観念や宗教的な文脈で用いられる。 【ニュアンスの違い】"moral"が一般的な道徳的判断を指すのに対し、"virtuous"は特定の道徳的資質(例:誠実さ、忍耐、慈悲)を備えていることを強調する。より内面的で個人的な道徳的卓越性を意味する。 【混同しやすい点】"moral"は必ずしも特定の美徳を必要としないが、"virtuous"は常に特定の美徳を備えている。また、"virtuous"はしばしば伝統的な道徳観念に沿うことを意味するが、"moral"はより現代的な道徳観念にも適用される。

  • 正直な、公正な。道徳的に正しい行動をとることを意味する。ビジネス、政治、社会生活など、幅広い文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"moral"が一般的な道徳的判断を指すのに対し、"upright"は特に正直さや公正さを強調する。不正や欺瞞を避けることを意味する。 【混同しやすい点】"moral"は必ずしも正直さや公正さを伴わない場合があるが、"upright"は常に正直さや公正さを伴う。例えば、道徳的には許される嘘(white lie)は"upright"な行動とは言えない。

  • 名誉ある、高潔な。尊敬に値する道徳的な資質や行動を示す。軍隊、騎士道、武道など、伝統的な名誉を重んじる文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"moral"が一般的な道徳的判断を指すのに対し、"honorable"は社会的な評価や名誉を伴う道徳的卓越性を意味する。自己の名誉を重んじ、それを汚すことを避ける。 【混同しやすい点】"moral"は必ずしも社会的な評価を伴わないが、"honorable"は常に社会的な評価を伴う。また、"honorable"はしばしば伝統的な名誉観念に沿うことを意味するが、"moral"はより現代的な道徳観念にも適用される。

派生語

  • 『道徳(性)』を意味する名詞。moral に抽象名詞を作る接尾辞 -ity が付加され、道徳という概念そのものを指す。日常会話よりも、倫理学や社会学などの学術的な文脈や、道徳的規範について議論する際に多く用いられる。

  • moralize

    『道徳的に説教する』という意味の動詞。moral に動詞化する接尾辞 -ize が付き、道徳的な見地から何かを評価・批判する行為を表す。しばしば、相手に押し付けがましい印象を与えるニュアンスを含む。

  • 『不道徳な』という意味の形容詞。moral に否定を表す接頭辞 im- が付加されたもの。道徳に反する行為や性質を指し、日常会話から報道、文学作品まで幅広く用いられる。moral と対比して、倫理的な判断を示す基本的な語彙。

反意語

  • moral の反意語として最も直接的な語。『不道徳な』という意味で、道徳的な原則や規範から逸脱している状態を表す。moral が『道徳的な』と行動や性質を肯定的に評価するのに対し、immoral は否定的な評価を与える。

  • amoral

    『道徳観念がない』という意味。a- は無(without)を表す接頭辞で、道徳的な判断基準を持たない状態を指す。immoral が道徳に反するのに対し、amoral は道徳そのものが存在しないか、意識されていない状態を表す。例えば、幼児や動物の行動を評する際に用いられる。

  • 『非倫理的な』という意味。特に職業倫理や行動規範に反する場合に使われることが多い。moral が個人的な道徳観念に関わるのに対し、unethical は社会的に合意された倫理基準からの逸脱を意味する。ビジネスや医療などの分野で頻繁に用いられる。

語源

"moral"は、ラテン語の"mos"(複数形:mores)に由来します。この"mos"は「習慣、慣習、行動様式」といった意味を持ち、人々の間で受け入れられている行動規範や社会的なルールを指していました。"moral"は、この"mos"に「〜に関する」という意味の形容詞語尾"-alis"が付いた"moralis"が語源で、「習慣に関する」「行動に関する」という意味合いから、「道徳的な」「倫理的な」という意味へと発展しました。日本語で例えるなら、「世間体」や「しきたり」といった言葉が、"mos"の元の意味に近いかもしれません。つまり、"moral"は、社会生活における適切な行動や判断の基準を示す言葉として、古代ローマの時代から現代まで受け継がれてきたのです。

暗記法

「moral」は、古代ギリシャ・ローマの哲学に根ざし、善悪の判断や義務を意味しました。中世ではキリスト教道徳と結びつき、騎士道においては高潔さを象徴。ルネサンス以降は個人の良心に基づく倫理規範へと変化し、フランス革命の理念にも影響を与えました。産業革命後、社会正義や人権と結びつき、現代では多様な価値観の中で倫理的な意思決定の基盤となっています。SNSやAIの発展は、「moral」の新たな解釈を迫り、その意味は常に更新され続けています。

混同しやすい単語

発音が非常に似ており、カタカナで表現するとどちらも『モラル』に近くなるため、特にリスニングで混同しやすい。綴りも 'moral' と 'morale' であり、最後の 'e' の有無だけ。意味は『士気』であり、『道徳』とは異なる。品詞は 'moral' が形容詞・名詞であるのに対し、'morale' は名詞のみ。日本人学習者は、文脈から判断する練習が必要。語源的には、'moral' はラテン語の 'mos'(習慣)に由来し、'morale' はフランス語を経由しており、異なる背景を持つ。

発音の最初の部分が似ており、特に 'mor-' の部分が共通しているため、発音を聞き間違えやすい。綴りも似ており、'a' と 'o' の違いだけ。意味は『死ぬ運命にある』、『致命的な』であり、『道徳的な』とは大きく異なる。品詞は形容詞・名詞。'mortal sin'(大罪)のように、宗教的な文脈で使われることもあり、'moral' と意味が重なる部分もあるため注意が必要。語源はどちらもラテン語の 'mors'(死)に由来するが、意味の発展が異なる。

発音の最初の2音節が似ており、特にアメリカ英語では 'moral' の 'o' の音が曖昧母音になりやすく、'model' と区別がつきにくいことがある。綴りも 'o' と 'e' の違いのみで、視覚的にも混同しやすい。意味は『模型』、『手本』であり、『道徳』とは異なる。品詞は名詞・動詞。日本人学習者は、文脈と品詞から判断する必要がある。語源的には、'model' はラテン語の 'modus'(尺度)に由来し、'moral' とは異なる。

morel

発音が似ており、特に 'more' の部分が共通しているため、発音を聞き間違えやすい。また、'moral' と同様に 'o' の音が曖昧母音になりやすい。綴りも 'l' の位置が異なるだけで、視覚的にも混同しやすい。意味は『アミガサタケ』という食用キノコであり、『道徳』とは全く異なる。単語を知らないと文脈から判断することも難しい。語源はフランス語の 'morille' に由来する。

接頭辞 'im-' がついているものの、'moral' の部分が共通しているため、意味を推測する際に混同しやすい。『不道徳な』という意味で、'moral' の反対の意味を持つ。品詞は形容詞。'amoral'(道徳観念がない)という類似語もあり、意味の違いを理解する必要がある。日本人学習者は、'im-' が付くことで意味が反転することを理解することが重要。

接頭辞 'im-' がついている点では 'immoral' と共通するが、'mortal'(死ぬ運命にある)の否定形であり、『不死の』という意味。発音も 'moral' と 'mortal' の混同しやすさから、'immoral' と同様に誤解しやすい。品詞は形容詞・名詞。文脈によっては 'moral' と関連する概念(例えば、魂の不滅など)を扱う場合もあるため、注意が必要。

誤用例

✖ 誤用: The moral of the story is that you should always obey your parents.
✅ 正用: The lesson of the story is that you should always obey your parents.

『moral』は名詞の場合、『道徳』や『倫理』といった意味合いが強く、物語の教訓を指す場合はやや硬い印象を与えます。日本語の『教訓』を安易に『moral』と訳してしまうと、意図したよりも重いニュアンスになることがあります。物語の教訓には、『lesson』を使う方がより自然です。また、道徳的な意味合いで使用する場合でも、特定の行動規範を指す場合は複数形の『morals』を使う方が適切な場合があります(例:He has no morals.)。

✖ 誤用: It's a moral issue for me to cheat on my taxes.
✅ 正用: It's a matter of principle for me to cheat on my taxes.

この誤用は、日本語の『倫理的な問題』という表現を直訳した際に起こりがちです。確かに『moral』は倫理的な意味合いを持ちますが、個人的な信念や信条に関わる問題を表す場合、『principle』の方が適しています。『moral issue』は、社会全体に関わるような、より普遍的な倫理問題を指すニュアンスが強くなります。例えば、死刑制度の是非などは『moral issue』として議論されます。一方、脱税は個人の信条に関わる問題なので、『matter of principle』を使う方が適切です。

✖ 誤用: He has a very moral character.
✅ 正用: He has a very upright character.

『moral』は形容詞として『道徳的な』という意味を持ちますが、人の性格を表現する際に使うと、やや紋切り型で不自然な印象を与えることがあります。より自然な英語では、『upright』『virtuous』『principled』などの形容詞を使う方が、その人の高潔さや誠実さをより適切に表現できます。日本語の『道徳的な人』という表現をそのまま『moral person』と訳すのではなく、英語の自然な表現を意識することが重要です。また、『moral character』という表現自体は間違いではありませんが、学術的な文脈や、道徳哲学を議論するような場面でより多く用いられます。

文化的背景

「moral」は、社会の秩序を維持し、個人が良き市民として生きるための指針となる規範意識を象徴する言葉です。古代ギリシャ・ローマ哲学に起源を持ち、善悪の判断基準、義務、責任といった概念と深く結びついてきました。中世ヨーロッパにおいては、キリスト教道徳が社会規範の根幹をなし、「moral」は神の意志に従う生き方、罪からの救済といった宗教的な意味合いを帯びました。騎士道物語では、騎士の「moral」は勇気や忠誠心だけでなく、弱者を守り、不正を正す高潔さを意味し、社会的な理想像を体現していました。

ルネサンス以降、宗教改革や啓蒙思想の影響を受け、「moral」は個人の良心や理性に基づく自律的な判断へと重心を移します。ジョン・ロックやイマヌエル・カントといった哲学者は、「moral」の普遍的な原理を探求し、個人の権利や自由、社会契約といった概念を打ち立てました。この時期から、「moral」は単なる宗教的な教えではなく、社会契約に基づいた倫理的な規範として理解されるようになります。フランス革命のスローガン「自由、平等、博愛」は、「moral」が政治的な文脈においても重要な意味を持つことを示しました。

19世紀の産業革命以降、資本主義の発展とともに貧富の格差が拡大し、「moral」は社会正義や労働者の権利といった問題と密接に結びつきます。ヴィクトリア朝時代のイギリスでは、厳格な道徳観が社会を覆い、「moral」は性的な規範や階級秩序の維持といった保守的な意味合いも持ちました。一方で、チャールズ・ディケンズの小説は、貧困層の悲惨な生活を描き出し、「moral」の再評価を促しました。20世紀に入ると、世界大戦や全体主義の台頭を経て、「moral」は人権や民主主義といった普遍的な価値を守るための重要な概念として認識されるようになります。現代社会においては、「moral」は多様な価値観が共存する中で、社会的な合意形成や倫理的な意思決定を行うための基盤となっています。企業の社会的責任(CSR)や環境問題への取り組みは、「moral」が経済活動においても重要な役割を果たすことを示しています。

現代において「moral」は、絶対的なものではなく、社会や文化、個人の価値観によって解釈が異なる相対的なものとして理解される傾向にあります。しかし、普遍的な人権意識の高まりやグローバル化の進展により、「moral」は異なる文化や価値観を持つ人々が共存するための共通の基盤としての重要性を増しています。SNSの普及は、個人の「moral」が瞬時に世界中に拡散される可能性を生み出し、倫理的な問題に対する意識を高める一方で、炎上や誹謗中傷といった新たな問題も引き起こしています。AI技術の発展は、倫理的な意思決定をAIに委ねることの是非を問い、「moral」の概念を再考する必要性を提起しています。このように、「moral」は時代とともに変化し、常に社会的な課題と向き合いながら、その意味を更新し続けているのです。

試験傾向

英検

準1級・1級で長文読解、語彙問題で出題される可能性あり。文脈から意味を推測する問題や、類義語・反意語を選ぶ問題が多い。倫理的なテーマの長文で使われることが多い。形容詞 'moral'(道徳的な)だけでなく、名詞 'morale'(士気)との混同に注意。

TOEIC

Part 5, 6, 7で登場する可能性があるが、頻度は高くない。ビジネスシーンにおける従業員の士気や企業の倫理観について問われる場合がある。文脈から適切な意味を判断する必要がある。名詞 'morale'(士気)との混同に注意。

TOEFL

リーディングセクションで、倫理学、哲学、社会学などのアカデミックな文章で頻出。名詞、形容詞として登場し、抽象的な概念を説明する際に使われる。文脈における正確な理解が求められる。類義語・反意語を理解しておくことが重要。

大学受験

難関大学の長文読解で出題される可能性あり。抽象的なテーマや社会問題に関する文章で使われることが多い。文脈から意味を推測する力、派生語(immoralなど)の知識も必要。英作文で倫理的なテーマが出題された際に使用できると高評価につながる可能性がある。

免責事項

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このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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