member
最初の音は日本語の『メ』よりも口を少し横に開いた『エ』に近い音(/e/)。舌先は下の前歯の裏側に軽く触れるイメージで発音しましょう。最後の 'er' は、口を軽く開けて曖昧母音(/ər/)を発音し、舌を喉の奥に引っ込めるように意識するとよりネイティブに近い響きになります。日本語の『ー』で伸ばしすぎないように注意しましょう。
一員
あるグループ、組織、家族などに所属している人。日本語の「メンバー」と同様に使えるが、よりフォーマルな響きがある。例:a member of the team(チームの一員)
He is a very important member of our basketball team, and we always count on him.
彼は私たちのバスケットボールチームのとても大切な一員で、私たちはいつも彼を頼りにしています。
※ バスケットボールチームで、みんなから頼りにされている「彼」の姿が目に浮かびますね。スポーツチームやクラブ活動では、「member」は仲間意識やチームの一員であることを表すのにぴったりです。「important member」で「大切な一員」という気持ちを強調できます。
Our dog, Pochi, is a beloved member of our family and sleeps with us every night.
私たちの犬のポチは、家族の大切な一員で、毎晩私たちと一緒に寝ています。
※ ポチが家族の一員として、愛情いっぱいに大切にされている情景が伝わります。ペットを「家族の一員」と表現することは非常に自然で、多くの人が共感できるでしょう。「beloved member」は「愛されている一員」という意味で、温かい気持ちが込められています。
As a new member of the project team, she listened carefully to everyone's ideas.
プロジェクトチームの新しい一員として、彼女はみんなの意見を注意深く聞きました。
※ 新しいプロジェクトチームに加わったばかりの彼女が、真剣にみんなの意見に耳を傾けている様子が想像できます。会社や学校のグループで、新しく加わった人が状況を理解しようと努める場面でよく使われます。「As a member of...」は「〜の一員として」と、役割や立場を説明するのによく使われる表現です。
会員
特定のクラブ、協会、団体などの会員。会費を払って特典やサービスを受ける権利を持つ人を指す。例:a gym member(ジムの会員)
I became a new member of the local tennis club last week.
先週、私は地元のテニスクラブの新しい会員になりました。
※ 新しい趣味を始めるワクワクする場面です。「become a member」は「会員になる」という、とても自然でよく使われる表現です。地元のクラブに入会し、これからテニスを楽しむ期待感が伝わってきますね。
Everyone in our team is an important member and works hard.
私たちのチームの誰もが重要なメンバーで、一生懸命働きます。
※ チームで協力し合う情景が目に浮かびます。ここでは、ただの「会員」ではなく、「重要な」という形容詞(important)がついて、一人ひとりがチームに貢献している様子が強調されています。このように「member」の前に形容詞を置いて、どんなメンバーかを説明することがよくあります。
Excuse me, are you a member of this library?
すみません、あなたはこの図書館の会員ですか?
※ 図書館の受付で、スタッフが利用者に優しく話しかけている場面です。何かサービスを利用する際に、会員かどうかを確認する非常によくある質問文です。「Are you a member of 〜?」は「〜の会員ですか?」と尋ねる際の典型的なフレーズとして覚えておきましょう。
構成要素
全体を構成する個々の要素、部品、または部分。抽象的な意味合いで使われることが多い。例:Hydrogen and oxygen are members of water.(水素と酸素は水の構成要素である)
Every member of my family loves to sing together on holidays.
私の家族はみんな、休日に一緒に歌うのが大好きです。
※ この例文は、家族みんなで楽しく過ごす温かい情景を描いています。「member of my family」は、ごく自然に「家族の一員」という意味で使われる典型的な表現です。動詞 'loves' は、主語 'Every member' が単数扱いのため、三人称単数現在形になっています。
The new member of our soccer team practiced very hard every day.
私たちのサッカーチームの新しいメンバーは、毎日とても熱心に練習しました。
※ この例文からは、新しい仲間がチームに加わり、一生懸命努力する姿が目に浮かびます。「member of our soccer team」のように、スポーツチームやクラブの「メンバー」を指す際に非常によく使われます。'new member' という組み合わせも頻繁に出てきますよ。
At the meeting, every member expressed their honest opinions.
会議で、メンバー一人ひとりが正直な意見を述べました。
※ この例文は、会議で活発に意見が交わされる真剣な場面を想像させます。会社や委員会などの組織において、「構成員」や「参加者」を指す場合に「member」が使われます。「every member」は「メンバー一人ひとり」という意味で、それぞれの意見が尊重される様子が伝わりますね。
コロケーション
熱心な、忠実なメンバー
※ 文字通りには『会員証を持つメンバー』ですが、比喩的に『あるグループや主義に心から賛同し、積極的に支持している人』を指します。特に政治やイデオロギーに関連する文脈で用いられ、その人のコミットメントの深さを強調するニュアンスがあります。たとえば、『a card-carrying member of the environmental movement』(環境保護運動の熱心なメンバー)のように使います。皮肉を込めて使われることもあります。
貢献しているメンバー、寄与しているメンバー
※ 組織やコミュニティに対して、積極的に貢献しているメンバーを指します。金銭的な寄付だけでなく、時間、スキル、知識などを提供している場合も含まれます。ビジネスの文脈では、プロジェクトの成功に不可欠な役割を果たしているメンバーを指すことが多いです。単に『member』と言うよりも、その人の積極的な関与と価値を強調する際に用いられます。
創設メンバー、設立メンバー
※ 組織や団体の設立に携わったメンバーを指します。単なる初期メンバーではなく、組織の理念や構造を決定する上で重要な役割を果たした人物を指すことが多いです。歴史的な意義を持つニュアンスがあり、組織のルーツやアイデンティティを語る上で重要な存在として扱われます。たとえば、『a founding member of the United Nations』(国連の創設メンバー)のように使います。
活動的なメンバー、積極的に参加するメンバー
※ 組織やグループの活動に積極的に参加し、貢献しているメンバーを指します。単に会員であるだけでなく、会議への出席、イベントの企画・運営、ボランティア活動など、具体的な行動を通じて組織に貢献していることが強調されます。対義語は『inactive member』(休眠会員、非活動的なメンバー)です。組織運営において、active members の存在は非常に重要視されます。
議決権を持つメンバー、投票権のあるメンバー
※ 組織や団体の意思決定において、投票を通じて意見を表明できるメンバーを指します。株主総会における株主、組合における組合員などが該当します。voting rights(議決権)を持つことは、組織の運営に直接影響を与えることができるため、重要な権利とみなされます。企業や団体のガバナンスにおいて、voting member の構成や権利行使は重要な要素となります。
会費を払っているメンバー
※ 組織の会員として会費をきちんと支払っているメンバーを指します。会費を払うことで会員資格を維持し、組織のサービスや特典を受けることができます。また、組織の運営を支える経済的な基盤となります。この表現は、会員資格の維持と組織への経済的貢献を同時に強調する際に用いられます。単に『member』と言うよりも、会費を支払っているという事実を明確にすることで、会員としての義務を果たしていることを示します。
若いメンバー、経験の浅いメンバー
※ 組織やチームにおいて、経験や地位が比較的低いメンバーを指します。年齢が若い場合もあれば、組織への参加年数が浅い場合もあります。教育や指導を受ける立場であることが多く、先輩メンバーのサポートを受けながら成長していくことが期待されます。ビジネスの文脈では、新入社員や若手社員を指すことが多いです。対義語は『senior member』(ベテランメンバー、経験豊富なメンバー)です。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使われます。「研究チームの一員 (member of the research team)」や「学会の会員 (member of the academic society)」といった形で、研究者や学生が所属を示す際によく用いられます。また、「サンプル集団の構成員 (member of the sample population)」のように、統計的な分析における対象者を指す場合もあります。文語的な表現が中心です。
ビジネスシーンでは、会議の参加者を指す「プロジェクトメンバー (project member)」や、組織の一員である「チームメンバー (team member)」として使われます。また、「会員制サービス (member-only service)」のように、顧客を指す場合もあります。社内メールや報告書など、比較的フォーマルな文脈で登場することが多いです。会話では、より口語的な表現が用いられることもあります。
日常生活では、スポーツクラブの「会員 (member of the sports club)」や、オンラインコミュニティの「メンバー (member of the online community)」として使われます。また、「家族の一員 (member of the family)」のように、所属集団を表す場合もあります。ニュース記事やウェブサイトなど、様々な媒体で見かける機会があります。友人との会話では、くだけた表現が好まれる傾向があります。
関連語
類義語
ある活動、イベント、会議などに『参加する人』を指す。能動的に関わっているニュアンスが強い。日常会話、ビジネス、イベント関連で使われる。 【ニュアンスの違い】"member"は組織やグループに所属していることを示すのに対し、"participant"は一時的な活動への関与を示す。"participant"はより活動的で、能動的な関わりを強調する。 【混同しやすい点】"member"は継続的な関係性を示唆するが、"participant"は必ずしもそうではない。イベント参加者リストなどに使われるのは"participant"が自然。
企業、組織、または個人と『提携関係にある人や組織』を指す。ビジネス、マーケティング、法的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"member"は単に所属していることを意味するが、"affiliate"はより公式で、ビジネス上の関係性を示す。関連会社、提携企業などを指すことが多い。 【混同しやすい点】"affiliate"は金銭的な関係や相互利益を伴うことが多いが、"member"は必ずしもそうではない。アフィリエイトプログラムなどは典型的な"affiliate"の使用例。
会社や組織で『同僚、仲間、協力者』を指す。ビジネス、学術、専門職の文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】"member"は組織の一員であることを示すが、"associate"はより個人的な関係性や協力関係を強調する。同僚、共同研究者などを指すことが多い。 【混同しやすい点】"associate"は上下関係がない、または比較的対等な関係性を示すことが多いが、"member"は階層的な組織構造内での所属を示す場合がある。法律事務所のアソシエイト弁護士などが例。
選挙区の『有権者』、または組織の『構成要素』を指す。政治、社会学、科学の文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】"member"は組織の一員であることを示すが、"constituent"はより大規模な集団(選挙区など)における個々の要素を指す。政治的な代表者とその支持者との関係性を示すことが多い。 【混同しやすい点】"constituent"は全体を構成する一部という意味合いが強く、"member"よりも抽象的な概念を指すことがある。例えば、ある化合物の構成要素なども"constituent"で表現される。
学会、専門機関、または大学などの『会員、研究員』を指す。学術、専門職の文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】"member"は一般的な会員を指すのに対し、"fellow"はより高い地位や専門性を持つ会員を指す。選ばれた会員、研究員などに与えられる称号。 【混同しやすい点】"fellow"は名誉や栄誉を伴うことが多く、"member"よりも選ばれた人々に限定される。学会のフェロー、大学の研究員などが例。
新聞、雑誌、サービスなどの『定期購読者』を指す。ビジネス、メディアの文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】"member"は組織の一員であることを示すが、"subscriber"は特定のサービスやコンテンツの利用者であることを示す。継続的な利用契約に基づいている。 【混同しやすい点】"subscriber"は料金を支払ってサービスを利用する関係性を示すが、"member"は必ずしも料金が発生するとは限らない。YouTubeチャンネルの登録者なども"subscriber"で表現される。
派生語
『会員資格』や『会員であること』を意味する名詞。member に名詞化の接尾辞 '-ship' が付加され、個々の成員の状態から、集団への所属という抽象的な概念へと意味が発展。日常会話からビジネス、フォーマルな場面まで幅広く使われる。
『思い出す』という意味の動詞。接頭辞 're-'(再び)と 'member' の語源である 'memor'(記憶)が組み合わさり、『再び記憶する』というイメージ。日常会話で頻繁に使われ、過去の経験や知識を呼び起こす際に用いられる。
『記念の』『追悼の』という意味の形容詞、または『記念碑』『記念館』という意味の名詞。member の語源である 'memor'(記憶)から派生し、『記憶にとどめる』という意味合いを持つ。フォーマルな場面や歴史的な文脈でよく用いられる。
『覚え書き』『記録』という意味の名詞。member の語源である 'memor'(記憶)から派生し、『記憶すべきこと』というニュアンス。ビジネスシーンで、会議の議事録や社内連絡などに用いられる。
反意語
『部外者』『門外漢』を意味する名詞。集団や組織の『メンバー』ではない人を指し、明確な対立構造を持つ。日常会話からビジネス、社会的な文脈まで幅広く使われ、内部と外部を区別する際に用いられる。
- nonmember
『非会員』を意味する名詞。接頭辞 'non-'(非〜)が 'member' に付加され、会員ではない状態を直接的に表す。主にフォーマルな文脈や、会員制の組織・サービスなどにおいて用いられる。
『よそ者』『外国人』を意味する名詞。ある社会やグループのメンバーではない人を指す。member が組織や集団の内部に属するのに対し、alien は外部から来た、異質な存在というニュアンスが強い。社会学や政治学などの分野で、帰属意識やアイデンティティの対比として用いられる。
語源
"member」は、ラテン語の「membrum(体の一部、手足、肢)」に由来します。これは、さらに古いインド・ヨーロッパ祖語の根 *mēms-(肉、筋肉)に遡ると考えられています。つまり、元々は「体の一部」を意味し、そこから「(全体を構成する)一部分」という意味へと発展しました。そして、「集団を構成する一部分=一員、会員」という意味合いを持つようになりました。日本語で例えるなら、会社における「社員」が、会社という組織の「体の一部」である、というイメージに近いかもしれません。組織やグループにおける個々の構成要素としての「member」を捉えることで、その語源的な意味合いがより深く理解できるでしょう。
暗記法
「member」は、古代ローマの身体の一部を意味する言葉に由来し、組織や社会との不可分な繋がりを示唆します。中世ギルドでは、技術と規範を共有する共同体の一員であり、社会的地位と名誉を意味しました。シェイクスピア劇団のmemberは、創造的エンジンの一部。現代では、政党、クラブ、オンラインコミュニティなど多様な集団への参加を意味し、共通の関心事やライフスタイルを共有します。貢献を通じて自己実現を達成し、社会との繋がりを深める、文化的・社会的な意味を持つ言葉なのです。
混同しやすい単語
『member』と『remember』は、どちらも日常的によく使う単語で、スペルも発音も非常に似ています。特に語頭の『re-』があるかないかで意味が大きく変わります。『member』は『会員、一員』ですが、『remember』は『覚えている』という意味の動詞です。日本人学習者は、文脈をよく読み、どちらの単語が適切かを判断する必要があります。また、発音する際は、語頭の『re-』を意識することで区別できます。
『member』と『number』は、どちらも名詞で、スペルに共通する部分が多く、視覚的に混同しやすいです。特に、急いで読んでいるときや、聞き取りにくい音声を聞いているときには注意が必要です。『member』は『会員、一員』ですが、『number』は『数、番号』という意味です。また、『number』は動詞として『数える』という意味も持ちます。日本人学習者は、文脈から意味を判断し、必要に応じてスペルを確認することが重要です。発音も異なりますので、カタカナ発音に頼らず、正しい発音を意識しましょう。
『member』と『timber』は、どちらも2音節の単語で、語尾の『-ber』が共通しているため、発音やスペルが似ていると感じることがあります。『member』は『会員、一員』ですが、『timber』は『木材、材木』という意味です。特に、森林や建築に関する話題では『timber』がよく使われます。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。また、発音する際は、語頭の音を意識することで区別できます。
『member』と『limb』は、どちらも体の部位に関連する意味を持つ場合があります。特に、比喩的な表現では混同しやすいかもしれません。『member』は『(組織の)一員』という意味が一般的ですが、『limb』は『手足、四肢』という意味です。例えば、『the limbs of a tree』は『木の枝』という意味になります。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。また、スペルが似ているため、注意深く読むことが重要です。
『dismember』は『member』に接頭辞『dis-』がついた単語で、『手足を切断する、バラバラにする』という意味の動詞です。『member』が『一員』という意味であるのに対し、『dismember』は非常にネガティブな意味を持つため、誤用すると深刻な誤解を招く可能性があります。スペルが似ているため、注意深く読むことが重要です。接頭辞『dis-』は『分離、否定』の意味を持つことを知っておくと、単語の意味を推測するのに役立ちます。
『member』と『memento』は、どちらも『mem-』という綴りを含んでいるため、視覚的に似ていると感じることがあります。特に、筆記体で書かれた場合や、フォントによっては混同しやすいかもしれません。『member』は『会員、一員』ですが、『memento』は『記念品、思い出の品』という意味です。例えば、旅行先で買ったお土産は『memento』と呼ばれます。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。また、発音も異なるため、カタカナ発音に頼らず、正しい発音を意識しましょう。
誤用例
日本語の『仲間入り』という発想から、不機嫌な態度である『無視』を『silent treatment』という名詞で捉え、『仲間』を意味する『member』を使って表現してしまう誤りです。英語では『give someone the silent treatment』というイディオムを用い、能動的に『(誰かに)無視という行為を与える』という構文で表現します。日本人がつい『〜の一員』という発想でmemberを使ってしまうのは、日本語の集合的な思考が影響していると考えられます。英語では、状態や行為そのものを動詞で表現する方が自然な場合があります。
『〜のように考える』という日本語を直訳し、『thinking so』を名詞句として捉え、『仲間』を意味する『member』を使って『〜という考えの仲間ですか?』と表現してしまう誤りです。英語では、意見や考えを尋ねる場合、『Do you also think so?』のように、直接的な疑問文を用いるのが一般的です。また、英語では抽象的な概念を名詞で表現するよりも、動詞で表現する方が自然な場合があります。日本人がつい抽象的な概念を名詞で表現してしまうのは、日本語の抽象的な表現を好む傾向が影響していると考えられます。
『謙虚であることの一員』という、やや不自然な表現です。日本語の『〜の一員』という発想から、抽象的な性質(謙虚さ)をグループのように捉え、『member』を使って表現してしまう誤りです。英語では、人の性質を述べる場合、『naturally』のような副詞を使って『生まれつき〜だ』と表現したり、単純に形容詞(humble)を使う方が自然です。日本人がつい『be動詞 + a member of + doing』のような構文を使ってしまうのは、日本語の受動的な表現を好む傾向が影響していると考えられます。英語では、能動的かつ直接的な表現が好まれる傾向があります。
文化的背景
「member」という言葉は、単なる構成員以上の意味を持ち、集団への帰属意識、責任、そして共有されたアイデンティティを象徴します。古代ローマの「membrum(体の一部)」に由来するこの言葉は、組織や社会における個人の役割と、全体との不可分なつながりを強調します。
中世のギルド制度において、「member」は単なる職人ではなく、ギルドの規範と技術を共有し、相互扶助の精神を持つ共同体の一員でした。ギルドメンバーシップは、経済的な安定だけでなく、社会的地位と名誉をも意味しました。シェイクスピアの劇団「Lord Chamberlain's Men」の「member」は、才能と献身によって劇団を支え、作品創造に貢献する重要な存在でした。彼らは単なる役者ではなく、劇団という共同体の創造的なエンジンの一部だったのです。
現代社会においては、「member」は政党、クラブ、非営利団体など、多様な集団への参加を意味します。会員制のスポーツクラブの「member」は、健康維持だけでなく、同じ趣味を持つ仲間との交流や、特定のライフスタイルへの共感を共有します。政治団体の「member」は、特定の政策や理念を支持し、社会変革を推進する主体的な役割を担います。オンラインコミュニティの「member」は、地理的な制約を超えて、共通の関心事を持つ人々とつながり、情報交換や意見交換を行います。
このように、「member」という言葉は、時代や文脈によってその意味合いを変化させながらも、常に個人と集団との関係性を表してきました。それは単なる数の一部ではなく、責任、貢献、そして共有されたアイデンティティを包含する、文化的・社会的な意味を持つ言葉なのです。組織やコミュニティにおいて「member」であることは、単に名前が登録されているだけでなく、その集団の価値観や目標に共鳴し、積極的に貢献することを意味します。そして、その貢献を通じて、個人は自己実現を達成し、社会とのつながりを深めていくのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも稀に出題
- 文脈・例題の特徴: フォーマルな文章、ニュース記事、エッセイなど
- 学習者への注意点・アドバイス: 「会員」「構成員」といった基本的な意味に加え、「団体の一員」というニュアンスを理解。'membership'との関連も押さえる。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: 頻出。特にPart 7のビジネス関連文書
- 文脈・例題の特徴: ビジネスレター、契約書、会議の議事録など
- 学習者への注意点・アドバイス: 「会員」の意味で使われることが多い。'member of staff' (社員) のように、組織における役割を示す用法も重要。
- 出題形式: リーディングセクション
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出
- 文脈・例題の特徴: 学術論文、研究レポート、歴史的文書など
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を表す文脈で使われることが多い。類義語(participant, constituent)との意味の違いを理解。
- 出題形式: 長文読解、自由英作文
- 頻度と級・パート: 難関大学で頻出
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、歴史など多岐にわたる
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈に応じて意味を正確に把握することが重要。'Remember'とのスペルミスに注意。また、'member state'(加盟国)のような複合語も覚えておくと有利。