impairment
第一強勢は「ペー」にあります。/ɪm/ は、日本語の『イ』よりも口を少し横に引いた短い音です。/r/ の発音は、舌を口の中で丸めるように意識し、舌先がどこにも触れないようにしましょう。最後の /ənt/ は曖昧母音で弱く発音します。日本語の『ント』のように強く発音しないように注意してください。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
損害
機能や価値が低下・損傷している状態。身体的な機能、認知能力、または物の性能など、広範囲に適用される。一時的なものから永続的なものまで含む。
His doctor explained that age can cause some visual impairment.
医者は、加齢が視力にいくらかの損害(低下)を与えることがあると説明しました。
※ この例文は、年配の人が医者から自分の視力について説明を受けている場面です。加齢によって身体の機能が自然に衰えることはよくありますね。「visual impairment」は「視覚障害」や「視力低下」を意味し、医療や健康の文脈で非常によく使われる典型的な表現です。このように『具体的な機能+impairment』の形で使われることが多いです。
The old car had a serious engine impairment, making it hard to drive.
その古い車はエンジンのひどい損害(故障)があり、運転が困難でした。
※ この例文は、古い車が故障して運転しにくい状況を描いています。車が古くなって、エンジンという重要な部分に『損害』や『機能低下』が生じたことを示していますね。このように、機械や装置の性能が落ちたり、一部が損傷したりする場合にも「impairment」を使うことができます。何が損なわれたのかを具体的に示すと分かりやすいです。
Lack of sleep can lead to a significant impairment in your concentration.
睡眠不足は、集中力に著しい損害(低下)をもたらすことがあります。
※ この例文は、睡眠が足りないと感じている人が、集中できない状況を想像させます。このように「impairment」は、身体的なものだけでなく、集中力や記憶力といった抽象的な能力が低下する際にも使われます。特に『in + 能力』の形で、何が損なわれたかを明確にするのがポイントです。日常生活で、体調が悪い時や疲れている時に感じる『能力の低下』を表現するのに役立ちます。
悪化
状態や能力が徐々に悪くなること。健康状態、環境問題、関係性など、改善が必要な状況で用いられる。
The athlete noticed a slight impairment in his knee after the long run.
その選手は長い距離を走った後、膝にわずかな悪化を感じました。
※ この例文は、スポーツ選手がトレーニング後に自分の体に異変を感じる、という状況を描いています。「膝の機能が少し損なわれた」という具体的なイメージが湧きやすいでしょう。`impairment` はこのように、体の特定の部位の機能が「悪くなる」「損なわれる」ことを表す際によく使われます。`slight`(わずかな)のような形容詞と一緒に使うことで、悪化の程度を表現できます。
Lack of sleep often leads to a temporary impairment of memory.
睡眠不足はしばしば一時的な記憶力の悪化につながります。
※ 徹夜明けや体調がすぐれない時に、頭がぼーっとして記憶が曖昧になる、という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。この例文は、そんな「脳の機能(ここでは記憶力)の一時的な悪化」を表現しています。`impairment` は、集中力や判断力など、精神的な機能が一時的または永続的に損なわれる場合にも自然に使われます。`temporary`(一時的な)は、悪化が限定的であることを示すのに役立ちます。
Her grandmother experienced a gradual impairment of her eyesight.
彼女のおばあちゃんは、徐々に視力が悪化するのを経験しました。
※ この例文は、加齢によって視力が徐々に衰えるという、多くの人が共感できる状況を描いています。おばあちゃんが新聞の字が読みにくくなったり、テレビの画面がぼやけて見えたりする様子を想像してみてください。`impairment` は、視力や聴力といった感覚機能が「悪くなる」「衰える」ことを表す際にも非常に頻繁に用いられます。`gradual`(徐々に)という言葉が、時間の経過とともに悪化が進む様子を伝えています。
弱める
何か(力、能力、価値など)を徐々に低下させる行為。例:健康を害する、信頼を損なう、効果を弱める。
Lack of sleep can seriously impair your concentration during class.
睡眠不足は、授業中の集中力をひどく低下させることがあります。
※ この例文では、睡眠不足が人の集中力という「能力」を低下させる様子を描いています。`impair`は、このように健康や能力が一時的に損なわれる状況でよく使われます。`seriously`は「深刻に、ひどく」という意味で、その影響の大きさを表します。ちなみに、`impairment`は名詞で「機能障害」や「損害」といった意味になります。
As people get older, their eyesight can gradually impair.
人は年を取ると、徐々に視力が衰えることがあります。
※ 年を取るにつれて視力のような身体機能が徐々に衰えるという、自然な変化の場面です。`gradually`(徐々に)という言葉が、ゆっくりと機能が低下していく様子を伝えています。`impair`は、加齢による身体機能の衰えを表現する際にもよく用いられます。ちなみに、`impairment`は名詞で「機能障害」や「損害」といった意味になります。
Sharing a secret carelessly can impair the trust between friends.
うっかり秘密を漏らすことは、友達間の信頼を損なう可能性があります。
※ この例文は、不注意な行動が人間関係における「信頼」という抽象的なものを損なう様子を描いています。`impair`は、このように目に見えない関係性や評判などにも使われます。`carelessly`は「不注意に、うっかり」という意味で、意図せず損なってしまう状況を伝えます。ちなみに、`impairment`は名詞で「機能障害」や「損害」といった意味になります。
コロケーション
認知機能障害
※ 「cognitive」は「認知の」「認識の」という意味で、記憶、思考、理解、学習などの知的機能の低下を指します。医学、心理学、教育分野で頻繁に使われ、加齢に伴うものから、病気や外傷によるものまで原因は様々です。単に「物忘れ」と区別し、日常生活に支障をきたすレベルの症状を指すことが多いです。例えば、「軽度認知機能障害 (Mild Cognitive Impairment: MCI)」というように、具体的な病名の一部として用いられることもあります。
聴覚障害
※ 「hearing」は「聴覚」という意味で、聴力低下や難聴といった聴覚機能の障害全般を指します。この表現は、医学的な診断名としてだけでなく、公的な文書や福祉関連の文脈で広く用いられます。「hearing loss」も同様の意味ですが、「impairment」の方が、より客観的でフォーマルな印象を与えます。例えば、学校や職場における合理的配慮を求める際に、「hearing impairment」という言葉が適切です。
視覚障害
※ 「visual」は「視覚の」という意味で、視力低下、視野狭窄、色覚異常など、視覚機能の障害全般を指します。「blindness」(失明)よりも広い概念で、矯正視力や視野の程度によって定義されます。福祉、教育、医療の分野で用いられ、視覚補助具の利用や特別な教育プログラムの必要性を示す際に使われます。例えば、「visually impaired students」(視覚障害のある学生)のように、具体的な対象者を指す場合にも用いられます。
(~を)損なう、低下させる
※ 「cause」は「原因となる」という意味ですが、ここでは「(悪い影響を)及ぼす」という意味合いで使われています。例えば、「Sleep deprivation can cause cognitive impairment.」(睡眠不足は認知機能の低下を引き起こす可能性がある)のように、ある要因が機能低下の原因となることを示す際に用いられます。「cause」の代わりに「lead to」や「result in」も使用できますが、「cause」はより直接的な因果関係を示唆するニュアンスがあります。
機能障害
※ 「function」は「機能」という意味で、身体機能や精神機能の低下を指します。医学的な文脈でよく用いられ、特定の臓器や組織、あるいは認知機能などが正常に働かない状態を表します。「impairment of function」は、原因や程度に関わらず、機能低下全般を指す一般的な表現です。例えば、リハビリテーションの目標設定や、障害者手帳の申請などで用いられます。
障害等級
※ 「rating」は「評価」「等級」という意味で、労働災害や交通事故などによる後遺症の程度を評価し、等級として示すことを指します。この等級は、補償額や年金額を決定する際の基準となります。医学的な診断だけでなく、法的な手続きや保険の請求に関わる重要な概念です。「impairment rating」は、客観的な基準に基づいて障害の程度を数値化するため、公平性を担保する役割も担っています。
薬物による機能障害
※ 「drug-induced」は「薬物によって引き起こされた」という意味で、処方薬や違法薬物の影響で、認知機能や運動機能が低下した状態を指します。運転能力の低下や判断力の鈍麻など、安全に関わる問題を引き起こす可能性があります。法的な文脈や、医療現場でよく用いられ、薬物使用のリスクを啓発する際にも使用されます。例えば、「drug-induced driving impairment」(薬物による運転能力の低下)のように、具体的な状況を説明する際にも使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、機能や能力の低下を客観的に記述する際に用いられます。例えば、医学論文で「加齢に伴う認知機能のimpairment(低下)」、心理学研究で「睡眠不足が判断能力にimpairment(悪影響)を与える」といった文脈で使用されます。専門的な議論において、正確な情報伝達のために重要な語彙です。
ビジネスシーンでは、財務報告書やリスク評価報告書などのフォーマルな文書で、資産価値の減少や事業運営上の支障を指す際に使われます。例えば、「固定資産のimpairment(減損)」、「サプライチェーンのimpairment(機能不全)」といった表現が見られます。日常会話ではあまり用いられず、専門的な知識を持つ者が使用する傾向があります。
日常生活では、ニュース記事や健康に関する情報などで、身体機能や精神機能の低下を伝える際に用いられることがあります。例えば、「視覚impairment(視覚障害)」、「聴覚impairment(聴覚障害)」といった表現で、公共サービスや福祉に関する情報で目にすることがあります。会話で直接使用することは比較的稀ですが、社会問題に関心を持つ上で知っておくと理解が深まります。
関連語
類義語
身体的、精神的、または認知的機能の制限を指す。多くの場合、長期的な状態を意味し、日常生活に支障をきたす可能性がある。法律や社会福祉の文脈で頻繁に使用される。 【ニュアンスの違い】"Impairment"が機能低下そのものを指すのに対し、"disability"は機能低下によって生じる社会的な制約や不利な状況を含む。したがって、"disability"はより広範な概念であり、社会的な対応や権利擁護の必要性を示唆する。 【混同しやすい点】"Impairment"は医学的な診断や評価に用いられることが多いが、"disability"は社会保障や雇用機会の文脈で使用されることが多い。例えば、「視覚障害」は"visual impairment"だが、「障害者雇用」は"disability employment"となる。
構造や機能上の欠陥を指す。物理的なもの(機械、建物など)や、生物学的なもの(先天性欠損症など)に用いられる。品質管理や医学の分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Impairment"が機能の一時的または部分的な低下を指すことがあるのに対し、"defect"はより根本的な欠陥や欠損を意味する。また、"defect"はしばしば製造過程や設計上の問題に起因する。 【混同しやすい点】"Defect"は可算名詞として使われることが多い(例:manufacturing defects)。"Impairment"は通常、不可算名詞として使われる(例:cognitive impairment)。また、"defect"は道徳的な欠陥(性格の欠点)を指す比喩的な意味でも使われることがある。
体力、精神力、またはシステムの脆弱性を指す。個人的な能力の欠如や、議論の弱点など、抽象的な概念にも用いられる。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"Impairment"が特定の機能の低下を指すのに対し、"weakness"はより一般的な弱さや欠如を意味する。"Weakness"は必ずしも病的な状態を指すとは限らず、単なる能力不足や欠点を示す場合もある。 【混同しやすい点】"Weakness"は強度や抵抗力の欠如を意味することが多い(例:weak muscles)。"Impairment"は機能の低下を意味するため、より専門的な文脈で使用されることが多い。また、"weakness"はしばしば"strength"(強み)と対比される。
徐々に悪化すること、品質や状態の低下を指す。健康状態、環境、社会状況など、様々な分野で使用される。しばしば、時間経過に伴う変化を伴う。 【ニュアンスの違い】"Impairment"が特定の時点での機能低下を指すことがあるのに対し、"deterioration"は時間の経過とともに徐々に悪化していくプロセスを強調する。したがって、"deterioration"は進行性の状態を指すことが多い。 【混同しやすい点】"Deterioration"はしばしば不可算名詞として使われ、具体的な事例を指す場合は"instance of deterioration"のように表現される。"Impairment"も通常不可算名詞だが、特定の症状や状態を指す場合は可算名詞として使われることもある(例:cognitive impairments)。
物理的な損傷、または損害を指す。物、人、評判など、様々な対象に用いられる。法律、保険、環境保護などの分野で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】"Impairment"が機能の低下を指すのに対し、"damage"は物理的な破壊や損傷を意味することが多い。しかし、"damage"は比喩的に精神的な苦痛や評判の低下を指す場合もある。 【混同しやすい点】"Damage"は可算名詞としても不可算名詞としても使われる(例:physical damage, damages)。"Impairment"は通常不可算名詞として使われる。また、"damage"はしばしば賠償責任と関連付けられる(例:liable for damages)。
- dysfunction
正常な機能が損なわれている状態を指す。医学、心理学、社会学など、様々な分野で使用される。しばしば、システム全体の機能不全を意味する。 【ニュアンスの違い】"Impairment"が特定の機能の低下を指すのに対し、"dysfunction"はより広範な機能不全や、複数の機能が連携して働かない状態を意味する。したがって、"dysfunction"はより深刻な状態を示すことが多い。 【混同しやすい点】"Dysfunction"はしばしば家族関係や社会システムにおける問題を示すために使われる(例:family dysfunction)。"Impairment"はより個人レベルの機能低下を指すことが多い。また、"dysfunction"はしばしば原因が特定できない場合や、複数の要因が絡み合っている場合に使用される。
派生語
『損なう』『悪化させる』という意味の動詞。「impairment」の直接の動詞形で、状態や機能を低下させる行為を表します。ビジネス文書や医療報告書などで、具体的な損傷や機能低下について言及する際に用いられます。使用頻度は「impairment」より低いものの、関連性を理解する上で重要です。
『(機能などが)損なわれた』『低下した』という意味の形容詞。「impair」の過去分詞形で、「impairment」の結果の状態を示します。例えば、「impaired vision(視力低下)」のように使われます。医学、法律、技術分野でよく見られ、ある機能が正常でない状態を指します。
- impairing
『(機能を)損なう』という意味の現在分詞。形容詞として使われることもあります。例えば、「impairing factors(阻害要因)」のように、何かが機能を低下させる原因となっていることを示します。学術論文や技術文書で原因を分析する際に用いられます。
反意語
『改善』『向上』という意味の名詞。「impairment」が示す機能や状態の低下とは反対に、より良い状態への変化を表します。ビジネス、医療、教育など幅広い分野で使用され、進歩や進展を意味します。例えば、「an improvement in health(健康状態の改善)」のように使われます。
『強化』『向上』という意味の名詞。「impairment」が弱体化を意味するのに対し、能力や質を高めることを指します。技術、美容、パフォーマンスなどの文脈でよく用いられ、既存のものをさらに良くすることを強調します。例えば、「performance enhancement(パフォーマンス向上)」のように使われます。
『回復』『修復』という意味の名詞。「impairment」によって失われた機能や状態を元の状態に戻すことを意味します。歴史的建造物の修復、健康の回復、生態系の再生など、さまざまな分野で用いられます。例えば、「restoration of sight(視力の回復)」のように使われます。
語源
「impairment」は、古フランス語の「empeirer」(悪化させる、損なう)に由来し、さらに遡るとラテン語の「impejorare」(より悪くする)から来ています。この単語は、「im-」(~の中に、~に向かって、否定の意味も持つ)と「pejorare」(悪化させる)という二つの要素で構成されています。「pejorare」は「pejor」(より悪い)という比較級に由来します。つまり、「impairment」は、文字通りには「より悪い状態にすること」を意味し、そこから「損害」、「悪化」、「弱める」といった意味に発展しました。日本語で例えるなら、「事態を悪化させる方向に(im-)向かわせる(pejorare)」というイメージです。何かを損ない、価値を低下させる行為や状態を指す言葉として、現代英語で使用されています。
暗記法
「impairment」は単なる機能不全ではない。歴史的に、社会からの排除や能力の過小評価と結びついてきた言葉だ。しかし、社会の受容度が高ければ、その影響は軽減される。文学では、盲目の預言者のように、impairmentが新たな視点や能力をもたらす可能性も示唆される。この言葉を使う際は、背景にある社会的、文化的意味合いを理解し、差別的な表現を避けることが重要。impairmentは、私たちが目指す社会のあり方を問う、重い問いを内包している。
混同しやすい単語
スペルが似ており、特に語尾の '-ment' が共通しているため、視覚的に混同しやすい。意味は『改善』であり、impairment(機能障害、損傷)とは反対の意味を持つことが多い。日本人学習者は、接頭辞 'im-' の意味(ここでは『中に』ではなく『否定』のニュアンス)を意識すると区別しやすい。improvement は 'in-' + 'prove' + '-ment' で、prove(証明する、良くする)の方向に向かうイメージ。
スペルの一部が共通しており、特に 'imp-' の部分が視覚的に類似しているため、混同しやすい。発音も最初の音節にアクセントがある点で共通している。意味は『実行する、実施する』または『道具、器具』であり、名詞と動詞の両方の用法がある。impairment は名詞のみ。 implement は 'in-' + 'ple' (fill) + '-ment' で、何かを満たす、実現するというイメージ。
最初の 'imp-' の綴りと発音が共通しているため、混同しやすい。意味は『妨げる、遅らせる』であり、impairment が『機能や能力の低下』を意味するのに対し、impede は『進行の妨げ』を意味する。impede は動詞であり、impairment は名詞である点も異なる。impede は 'im-' + 'ped' (foot) で、足止めするというイメージ。
語尾の '-ment' が共通しているため、スペルが似ていると感じやすい。また、音の響きも似ている部分がある。意味は『永続的な、恒久的な』であり、impairment(一時的または長期的な機能障害)とは対照的な意味を持つことが多い。permanent は 'per' (through) + 'man' (stay) + '-ent' で、ずっと留まるというイメージ。
語尾の '-ment' が共通しているため、スペルが似ていると感じやすい。payment は『支払い』という意味で、経済的な文脈で使われることが多い。impairment は身体的または機能的な文脈で使われることが多いため、文脈から判断することが重要。payment は 'pay' + '-ment' で、支払う行為を表す。
発音がわずかに似ており(特に母音部分)、スペルも 'air' が共通しているため、注意が必要。意味は『一対、ペア』であり、impairment(機能障害)とは全く異なる。pair は名詞で、impairment も名詞。pair の語源はラテン語の 'par'(等しい)であり、二つのものが等しい、対になっているというイメージ。
誤用例
日本語の「〜にも関わらず」を直訳的に 'because' で表現しようとする誤りです。'impairment' は名詞であり、原因を表す節を導く 'because' と直接繋げるのは不自然です。英語では、譲歩や対比を表す際には 'despite' や 'although' を用いる方が自然で、文全体の流れもスムーズになります。また、'didn't matter' はやや口語的で、フォーマルな文脈では避けるべきです。教養ある大人の文章では、より洗練された表現が求められます。
'Impairment' は機能的な低下を指す一方、'disability' は社会的な制約を含む概念です。日本語では「障害」という言葉が広く使われるため、'impairment' を安易に「障害」と翻訳し、この文脈で使用してしまう可能性があります。しかし、英語では、社会的なサポートが必要な状況を指す場合には、'disability' の方が適切です。また、'impairment' はしばしば一時的な機能低下や部分的な損傷を指す場合もあり、恒常的な困難を抱える状況を表すには不向きです。
'Impairment' は名詞であり、動詞として使用することはできません。日本語で「〜を損なう」「〜を弱める」という意図から、動詞形を想像してしまいがちですが、英語では 'curtail', 'diminish', 'weaken' などの動詞を使用する必要があります。特に、企業の権力や影響力を弱めるという文脈では、'curtail' が適切です。この誤用は、日本語の動詞的なニュアンスを英語に直訳しようとする際に起こりやすい典型的な例です。
文化的背景
「impairment(機能障害、損傷)」という言葉は、単に医学的な状態を指すだけでなく、社会的な認識や障壁と深く結びついています。歴史的に、機能障害を持つ人々は社会から排除され、その能力や貢献が見過ごされてきました。この言葉は、そうした過去の負の遺産を背負っていると言えるでしょう。
「impairment」が持つ文化的背景を理解する上で重要なのは、それが単なる身体的な状態ではなく、社会的な構築物であるという認識です。例えば、聴覚障害を持つ人が、手話が公用語として認められている社会で生活する場合、その「impairment」は、そうでない社会に比べて、生活の質に与える影響が大きく異なります。同様に、視覚障害を持つ人が、音声読み上げソフトやバリアフリーな環境が整備された社会で生活する場合、その「impairment」は、そうでない社会に比べて、能力を発揮する機会が格段に増えます。このように、「impairment」は、社会の制度や文化、人々の意識によって、その意味合いが大きく変化するのです。
文学作品においても、「impairment」はしばしば重要なテーマとして扱われてきました。例えば、盲目の預言者テイレシアスは、ギリシャ悲劇において、肉体的な視力を失う代わりに、未来を見通す力を得ました。この例は、「impairment」が必ずしもネガティブなものだけでなく、新たな能力や視点をもたらす可能性を示唆しています。また、近年では、発達障害を持つ人々が、その特異な才能を発揮して社会で活躍する姿が描かれることも増えてきました。これらの作品は、「impairment」に対する社会的な認識を変化させ、多様性を尊重する社会の実現に貢献しています。
「impairment」という言葉を使う際には、その背後にある歴史的、社会的、文化的な背景を理解し、慎重に言葉を選ぶことが重要です。特に、差別的な表現や偏見を助長するような言葉遣いは避けるべきです。私たちは、一人ひとりの個性と尊厳を尊重し、「impairment」を持つ人々が、その能力を最大限に発揮できる社会を築いていく必要があります。この言葉は、単なる医学用語ではなく、私たちがどのような社会を目指すのかを問いかける、重要なキーワードなのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題。
- 頻度と級・パート: 準1級以上でまれに出題。1級でやや頻出。
- 文脈・例題の特徴: 環境問題、健康問題、社会問題など、アカデミックな話題で登場しやすい。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての「機能障害、損傷」の意味だけでなく、動詞「impair(〜を損なう)」の形も覚えておくこと。関連語句(deteriorate, damage)との意味の違いを理解しておく。
- 出題形式: 主に長文読解(Part 7)。
- 頻度と級・パート: TOEIC L&Rでまれに出題。TOEIC S&Wでは、ビジネスシーンでの状況説明で使う可能性がある。
- 文脈・例題の特徴: 契約、品質管理、安全衛生など、ビジネス関連の文脈で、機能低下や損傷を表す際に用いられる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 主に名詞として登場する。「impairment of productivity(生産性の低下)」などの形で覚えておくと良い。同義語の「damage」や「deterioration」とのニュアンスの違いを理解しておくと、より正確な語彙選択ができる。
- 出題形式: 主にリーディングセクション。
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。
- 文脈・例題の特徴: 科学、医学、心理学など、専門的な分野で、機能の低下や損傷を説明する際に用いられる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての用法だけでなく、動詞「impair」の用法も重要。特に、抽象的な概念(例:cognitive impairment, visual impairment)を理解しておくこと。類義語との微妙なニュアンスの違いを理解し、文脈に応じた適切な語彙選択ができるように練習する。
- 出題形式: 主に長文読解。
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試でまれに出題。
- 文脈・例題の特徴: 科学、医学、社会学など、幅広い分野の文章で、機能の低下や損傷を表す際に用いられる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。接頭辞「im-」が否定の意味を持つことを知っておくと、初見の単語でも意味を推測しやすくなる。類義語(damage, deterioration, disability)との使い分けを理解しておく。