hearty
最初の "h" は息を強く出す音で、日本語の「ハ」よりも摩擦が強いです。母音 /ɑː/ は日本語の「ア」よりも口を大きく開け、喉の奥から出すイメージです。語尾の "-ty" は「ティ」と発音しますが、舌先を上の歯茎につけてから素早く離すように意識しましょう。アメリカ英語では、"r"の音がやや聞こえる場合があります((ル)と表記)。強勢は最初の音節にあります。
元気いっぱいの
人や行動が活発で、エネルギッシュな様子を表す。健康で、積極的なイメージ。例:a hearty laugh(心からの笑い)
She gave me a hearty greeting with a big smile this morning.
彼女は今朝、満面の笑みで元気いっぱいの挨拶をしてくれました。
※ 朝、誰かに会った時に、笑顔で元気よく「おはよう!」と挨拶する様子が目に浮かびます。「hearty greeting」は、ただの挨拶ではなく、気持ちがこもっていて、相手に元気を与えるような挨拶を意味します。
After a long walk, we enjoyed a hearty soup to warm us up.
長い散歩の後、私たちは体を温めるためにボリュームたっぷりのスープを楽しみました。
※ 寒い日や疲れている時に、体が温まり、お腹も満たされるような「ボリュームたっぷりの食事」や「栄養満点の食事」を「hearty meal/soup」と表現します。この例文では、散歩で冷えた体に、温かいスープが染み渡る情景が描かれています。
Everyone shared a hearty laugh when the dog started chasing its tail.
犬が自分のしっぽを追いかけ始めたとき、みんなは元気いっぱいに笑い合いました。
※ みんなで声を出して、心から楽しそうに笑う様子を表すのが「hearty laugh」です。この例文では、犬の可愛らしい行動に、その場にいる全員が一体となって朗らかに笑い合っている様子が伝わってきます。
心のこもった
感情が深く、誠実な気持ちが伝わる様子。温かさや親愛の情が含まれる。例:a hearty welcome(心からの歓迎)
When I visited my grandma's house, she gave me a hearty welcome with a big hug.
おばあちゃんの家を訪ねた時、彼女は大きなハグで私を心から歓迎してくれました。
※ この例文は、おばあちゃんが孫を温かく迎える、愛情のこもった場面を描いています。「a hearty welcome」は「心からの歓迎」という意味で、相手に対する温かい気持ちが伝わる典型的な表現です。動詞 'give' と組み合わせて「give a hearty welcome to someone」の形でよく使われます。
After a long hike, we enjoyed a hearty meal at the mountain lodge.
長いハイキングの後、私たちは山のロッジでボリュームのある食事を楽しみました。
※ この例文は、疲れた体をお腹いっぱいに満たす、満足感のある食事の場面を示しています。「hearty meal」は「ボリュームがあって、栄養があり、心身ともに満足できる食事」を指します。特に、朝食や夕食など、しっかり食べたい時に使われることが多いです。
He sent a hearty thank-you note to everyone who helped him move.
彼は引っ越しを手伝ってくれたみんなに、心からの感謝のメモを送りました。
※ この例文は、助けてくれた人々へ真心を込めて感謝する場面を描いています。「a hearty thank-you note」は「心からの感謝のメモ」という意味で、形式的ではなく、本当に感謝している気持ちが込められていることを強調します。'hearty thanks' や 'hearty appreciation' のように、感謝の気持ちを表す際によく使われる形容詞です。
ボリューム満点の
料理や食事が量的に豊富で、満足感を与える様子。栄養価が高い、または腹持ちが良いイメージ。例:a hearty meal(ボリューム満点の食事)
After a long walk in the cold, a hearty bowl of oatmeal felt wonderful.
寒い中を長く歩いた後、ボリューム満点のオートミールがとてもおいしく感じられました。
※ この例文は、寒い中で活動した後、体が温まり満足感を得られるような「ボリューム満点の食事」の情景を描いています。特に朝食や、体が温まる食べ物に対して「hearty」を使うのはとても自然で、お腹が満たされる感覚が伝わってきます。
After a busy day, she cooked a hearty stew for dinner.
忙しい一日を終えて、彼女は夕食にボリューム満点のシチューを作りました。
※ 一日を頑張った後、疲れた体を癒すために作られた「ボリューム満点のシチュー」の場面です。「hearty stew」は、具だくさんで栄養があり、これ一品でお腹いっぱいになるような料理を指すのにぴったりです。作る人の気持ちも感じられますね。
My grandmother always makes a hearty meal when we visit.
祖母は私たちが訪ねて行くと、いつもボリューム満点の食事を作ってくれます。
※ この例文は、誰かを愛情込めてもてなす際に「ボリューム満点の食事」が提供される典型的な状況です。おばあちゃんが作ってくれるご飯は、量が多くておいしいというイメージと結びつきやすく、「hearty」の持つ温かいニュアンスも感じ取れます。
コロケーション
旺盛な食欲、食欲が非常に良いこと
※ 「hearty」はここでは「強い」「活発な」という意味合いで使われており、「appetite(食欲)」を修飾することで、ただ食欲があるだけでなく、非常に旺盛で、食べることを心から楽しんでいる様子を表します。単に"big appetite"と言うよりも、健康的なイメージや、食事への肯定的な姿勢が加わります。例えば、アウトドアで一日中活動した後の食事や、病み上がりで食欲が戻ってきた状態などを表現するのに適しています。健康や幸福感と結びつけて使われることが多い表現です。
心からの笑い、腹の底から笑うこと
※ "hearty laugh"は、偽りや遠慮のない、心の底から湧き上がるような笑いを指します。日本語の「豪快な笑い」に近いニュアンスです。この表現は、単に声を出して笑うだけでなく、感情が豊かに表現されていることを強調します。例えば、コメディ映画を見て大笑いしたり、旧友との再会を喜んだりする場面で使われます。"genuine laugh"も似た意味ですが、"hearty laugh"はより感情的な解放感や、笑い声の大きさ、体の動きを伴うイメージが含まれます。
心からの歓迎、温かい歓迎
※ "hearty welcome"は、形式的な歓迎ではなく、心からの温かい歓迎を表します。ビジネスシーンでも使われますが、より個人的な感情が込められているニュアンスがあります。例えば、長年会っていなかった親戚を家に迎え入れる際や、ボランティア活動に参加した人を歓迎する際などに用いられます。"warm welcome"と似ていますが、"hearty welcome"はより感情がこもっているニュアンスが強く、相手を心から歓迎する気持ちが伝わります。
心からの祝福、お祝いの言葉
※ "hearty congratulations"は、単なるお祝いの言葉よりも、心からの喜びと祝福の気持ちを込めた表現です。結婚、出産、昇進など、人生の大きな節目や喜ばしい出来事に対して使われます。手紙やカード、スピーチなど、フォーマルな場面でもインフォーマルな場面でも使用できます。"sincere congratulations"と似ていますが、"hearty congratulations"はより感情が豊かで、相手の成功を心から喜んでいる気持ちが伝わります。
具沢山の温かいシチュー
※ この場合の "hearty" は、料理が栄養満点で、体を温めるような、満足感を与えるという意味合いを持ちます。特にシチューやスープなどの料理に使われ、「具沢山で食べ応えのある」というニュアンスを含みます。寒い日に温かいシチューを食べるような、心身ともに満たされるイメージです。"wholesome stew"も似た意味ですが、"hearty stew"は量が多く、食べ応えがあるという点が強調されます。
ボリュームのある朝食、満足できる朝食
※ "hearty breakfast"は、一日の始まりに十分なエネルギーを供給する、ボリューム満点の朝食を指します。卵、ベーコン、ソーセージ、パン、シリアルなど、様々な食材が含まれていることが一般的です。特に、体力を使う仕事や活動をする人にとって、"hearty breakfast"は一日のパフォーマンスを向上させるために重要です。"substantial breakfast"も似た意味ですが、"hearty breakfast"はより家庭的で、温かい雰囲気を持つことが多いです。
使用シーン
学術論文においては、比喩表現として用いられることがあります。例えば、「hearty debate(活発な議論)」のように、研究テーマに関する議論の熱意を表す際に使われます。ただし、より直接的な表現が好まれる傾向があるため、頻度は高くありません。
ビジネスシーンでは、「hearty welcome(心からの歓迎)」のような表現で、歓迎の意を示す際に使われることがあります。しかし、日常的なビジネスメールや会議では、より簡潔な「warm welcome」などが好まれるため、頻度は高くありません。プレゼンテーションなどで、聴衆に好印象を与えたい場合に、意図的に使用することがあります。
日常会話では、食事の場面で「hearty meal(ボリューム満点の食事)」という表現が比較的よく使われます。例えば、レストランで料理を注文する際や、家庭料理について話す際に、「今日はheartyなシチューを作ったよ」のように使われます。また、「元気いっぱいの」という意味で、子供の様子を表現する際にも使われることがあります。「He's got a hearty laugh(彼は元気のいい笑い方をする)」のように。
関連語
類義語
心からの、偽りのない、誠実なという意味。感情や行動が本物であることを強調し、感謝、謝罪、賞賛などを表現する際に用いられる。フォーマルな場面でも使用可能。 【ニュアンスの違い】"hearty" はしばしば暖かく、元気な印象を与えるが、"sincere" はより真剣で、感情の深さを伝える。"hearty congratulations" は喜びを表すが、"sincere condolences" は深い悲しみを表す。 【混同しやすい点】"hearty" は身体的な強さや食欲を意味することがあるが、"sincere" は感情や態度にのみ使われる。"sincere" は名詞 (sincerity) としても使われる。
熱心な、熱狂的なという意味。興味や関心が非常に高く、積極的に行動する様子を表す。日常会話からビジネスまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"hearty" は暖かく、寛大な気持ちを表すことが多いが、"enthusiastic" は情熱的で、行動を促すようなニュアンスがある。"hearty welcome" は温かい歓迎だが、"enthusiastic support" は熱烈な支持を表す。 【混同しやすい点】"hearty" は必ずしも行動を伴わないが、"enthusiastic" は行動を伴うことが多い。"hearty eater" は食欲旺盛な人を指すが、"enthusiastic eater" はあまり一般的ではない。
- genial
愛想の良い、気さくな、という意味。人柄が温かく、友好的であることを表す。ビジネスシーンや社交的な場面でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"hearty" は内面から湧き出るような温かさを表すのに対し、"genial" は表面的な愛想の良さを表すことが多い。 "hearty laugh" は心からの笑いだが、"genial host" は愛想の良い主催者を表す。 【混同しやすい点】"genial" は、時に表面的な愛想笑いのように、深みのない印象を与えることがある。"hearty" はより感情がこもっているニュアンスがある。
精力的な、活発な、という意味。体力や気力が充実しており、活動的であることを表す。スポーツ、健康、ビジネスなど幅広い分野で用いられる。 【ニュアンスの違い】"hearty" は温かく、寛大な気持ちを表すことが多いが、"vigorous" は力強く、エネルギッシュな様子を表す。 "hearty applause" は温かい拍手だが、"vigorous exercise" は激しい運動を表す。 【混同しやすい点】"hearty" は感情や態度を表すことが多いが、"vigorous" は体力や活動力を表すことが多い。"hearty" は人だけでなく、スープなどにも使えるが、"vigorous soup" は不自然。
強健な、たくましい、という意味。体力や構造がしっかりしていることを表す。健康、経済、システムなど幅広い分野で用いられる。フォーマルな場面でも使用される。 【ニュアンスの違い】"hearty" は暖かく、寛大な気持ちを表すことが多いが、"robust" は力強く、安定している様子を表す。 "hearty appetite" は旺盛な食欲だが、"robust economy" は力強い経済を表す。 【混同しやすい点】"hearty" は感情や態度を表すことが多いが、"robust" は体力や構造を表すことが多い。 "hearty" は人だけでなく、スープなどにも使えるが、"robust soup" は不自然。
心からの、友好的な、という意味。儀礼的で丁寧な印象を与える。ビジネスシーンや外交など、フォーマルな場面でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"hearty" は暖かく、親しみやすい印象を与えるのに対し、"cordial" はより丁寧で、フォーマルな印象を与える。 "hearty welcome" は温かい歓迎だが、"cordial relations" は友好的な関係を表す。 【混同しやすい点】"hearty" は内面から湧き出るような温かさを表すのに対し、"cordial" は礼儀正しさに基づいた友好的な態度を表すことが多い。 "cordial" は、時に形式的で、感情がこもっていない印象を与えることがある。
派生語
『心からの』『友好的な』という意味の形容詞。『heart(心臓)』を意味するラテン語の『cor』に由来し、『hearty』と同様に、感情や誠実さを表す。日常会話やビジネスシーンで、温かい人間関係を表現する際に用いられる。例えば、『cordial greeting(心からの挨拶)』のように使われる。
『勇気』という意味の名詞。『heart(心臓)』を意味するラテン語の『cor』に由来し、かつては『心の強さ』を意味した。困難に立ち向かう精神力を指し、物語やスピーチなど、幅広い文脈で使用される。例えば、『show courage(勇気を示す)』のように使われる。
『勇気づける』という意味の動詞。接頭辞『en-(〜にする)』と『courage(勇気)』が組み合わさり、『人に勇気を与える』という意味になる。ビジネスや教育の場面で、相手の行動を促す際に用いられる。例えば、『encourage teamwork(チームワークを奨励する)』のように使われる。
反意語
- half-hearted
『気が進まない』『熱意のない』という意味の形容詞。『hearty(心からの)』とは対照的に、不熱心さや消極的な態度を表す。日常会話やビジネスシーンで、努力や関心の欠如を指摘する際に用いられる。例えば、『half-hearted attempt(生ぬるい試み)』のように使われる。
『無感動な』『無関心な』という意味の形容詞。『hearty』が示す熱意や活気とは対照的に、感情の欠如や無関心を表す。社会問題や政治など、広範なテーマに対する関心の低さを表す際に用いられる。例えば、『apathetic voters(無関心な有権者)』のように使われる。
- luke-warm
『生ぬるい』という意味の形容詞で、感情や熱意が不十分な状態を指す。『hearty』が示す熱意や温かさとは対照的である。ビジネスシーンでは、例えば『lukewarm response(生ぬるい反応)』のように、期待されたほどの熱意がない場合に用いられる。
語源
"hearty」は、古英語の「heorte」(心臓、心、精神、勇気)に由来します。これはゲルマン祖語の*hertōnに遡り、さらに遡るとインド・ヨーロッパ祖語の*ḱḗr-d-(心臓)にたどり着きます。つまり、「hearty」は文字通りには「心臓のような」という意味合いを持ち、そこから「心からの」「誠実な」「元気な」といった意味に発展しました。日本語で例えるなら、「腹を割って話す」の「腹」が、単なる臓器ではなく、感情や意気込みの源として使われるのに近い感覚です。心臓が生命力や感情の中心と考えられていたため、「hearty」は、単に物理的な心臓だけでなく、精神的な強さや活力を表す言葉として用いられるようになったのです。ボリューム満点という意味も、心が満たされるような満足感から派生したと考えられます。
暗記法
「hearty」は、中世騎士道の「勇気」「誠実さ」「寛大さ」を宿す言葉。心臓が感情の源とされた時代、単なる力強さではなく、共感や不屈の精神を意味しました。物語の騎士は弱者を守り、敗者に慈悲を。領主は旅人を温かく迎えました。現代の「hearty welcome」にも通じる、もてなしの精神。困難に立ち向かい、他者を受け入れる、そんな生き方そのものが「hearty」なのです。
混同しやすい単語
『hearty』と『healthy』は、どちらも健康に関連する単語ですが、意味合いが異なります。『healthy』は「健康な、健康によい」という意味で、状態や性質を表します。一方、『hearty』は「心のこもった、元気な、たっぷりの」という意味で、行動や食事などを修飾します。発音も似ていますが、『healthy』は/ˈhelθi/、『hearty』は /ˈhɑːrti/と、母音部分が異なります。日本人学習者は、文脈と発音の違いに注意して使い分ける必要があります。
『hearty』と『hardy』は、スペルが似ており、発音も一部共通する(特に語尾の/ti/)ため、混同しやすい単語です。『hardy』は「たくましい、丈夫な、耐寒性のある」という意味で、人や植物の性質を表す際に用いられます。一方、『hearty』は「心のこもった、元気な、たっぷりの」といった意味合いで、行動や食事などを修飾します。日本人学習者は、文脈から意味を判断し、スペルの違いを意識することが重要です。
『hearty』と『earthy』は、語尾が 'thy' で終わる点が共通しており、スペルと発音の両面で混同しやすい可能性があります。『earthy』は「土のような、素朴な、現実的な」という意味を持ちます。一方、『hearty』は「心のこもった、元気な、たっぷりの」という意味です。文脈が大きく異なるため、それぞれの単語が使われる状況を理解することが重要です。
『hearty』の語源である『heart』は、「心臓、感情、中心」という意味を持つ基本的な単語です。スペルは似ていますが、『hearty』は形容詞であり、元の名詞である『heart』に接尾辞 '-y' が付いて派生した単語です。『heart』は名詞として使われ、『hearty』は形容詞として使われるため、品詞の違いを意識することが重要です。また、『heart』を基に考えると、『hearty』の「心のこもった」という意味が理解しやすくなります。
『hearty』と『party』は、語尾の '-ty' の部分が共通しており、特に発音において混同される可能性があります。『party』は「パーティー、政党」という意味の名詞であり、『hearty』とは意味も品詞も異なります。ただし、『hearty』は「パーティー」の料理などが「たっぷり」であることを表す場合もあり、関連性が全くないわけではありません。発音の違い(/ˈpɑːrti/ vs. /ˈhɑːrti/)を意識して区別することが重要です。
『hearty』と『haughty』は、どちらも「hau-」の音を含み、語尾が似ているため、発音とスペルの両面で混同される可能性があります。『haughty』は「傲慢な、横柄な」という意味で、人の態度を表す形容詞です。一方、『hearty』は「心のこもった、元気な、たっぷりの」という意味です。意味が正反対であるため、文脈をよく読んで判断する必要があります。語源的には、『haughty』は「高い(high)」に由来し、「見下すような態度」を意味します。
誤用例
日本語の『心温まる歓迎』を直訳すると『hearty』を使いがちですが、この単語は『(食事などが)ボリューム満点』『(人が)元気いっぱい』といった意味合いが強く、歓迎の気持ちを表す場合は不自然です。歓迎には『warm』が適切で、心のこもった温かさを伝えます。日本語の『心』という言葉に引きずられず、英語の語感を意識しましょう。また、heartyはフォーマルな場面にはやや不向きな点も考慮すべきです。
『hearty』を『心の底からの〜』という意味で使ってしまう誤用です。日本語の『心から』という表現に影響されやすいですが、英語の『hearty』は、どちらかというと大らかで陽気なイメージです。謝罪の文脈では、真摯さを示す『sincere』が適切です。日本人が形式ばらない表現を好む傾向から、ついheartyを選んでしまいがちですが、謝罪は相手への敬意を示す場面なので、より丁寧なsincereが適しています。
『hearty』を『気さくな』『おおらかな』という意味で使うのは間違いではありませんが、常に大声で笑うという行動と組み合わせると、少し下品な印象を与えてしまう可能性があります。より洗練された表現としては、『spirited』が適切です。spiritedは、活発でエネルギッシュな女性を表すのに適しており、教養ある大人の会話にふさわしい上品さがあります。heartyは、どちらかというと庶民的なイメージが強く、使う場面を選ぶ必要があります。
文化的背景
「hearty」は、単に「心がこもっている」「元気な」という意味を超え、中世ヨーロッパの騎士道精神における「勇気」「誠実さ」「寛大さ」といった価値観を体現する言葉として深く根付いています。心臓(heart)が感情や勇気の源と考えられていた時代、heartyは単なる身体的な強さだけでなく、精神的な豊かさや他者への共感、そして困難に立ち向かう不屈の精神を象徴していました。
中世の物語や詩歌では、heartyな騎士は勇敢で、弱者を守り、正義のために戦う存在として描かれます。彼らは、敵に対しては堂々と立ち向かい、敗者に対しては慈悲深く接します。この「寛大さ」こそが、heartyという言葉に込められた重要な要素です。単なる腕力や勇気だけでなく、相手を思いやる心、許す心、そして分け与える心の豊かさが、真のheartyな人物を形作ると考えられていました。例えば、アーサー王物語に登場する円卓の騎士たちは、それぞれの欠点や弱さを抱えながらも、互いを尊重し、助け合い、高め合うことで、heartyな共同体を築き上げています。彼らの冒険は、肉体的な強さだけでなく、精神的な成長と道徳的な責任を追求する旅でもありました。
さらに、heartyは「もてなし」の心とも深く結びついています。中世の城では、heartyな領主は旅人や困窮者を温かく迎え入れ、食事や寝床を提供しました。彼らは、自らの富を分け与え、困っている人々を助けることを、当然の義務と考えていました。この伝統は、現代の「hearty welcome(心からの歓迎)」という表現にも受け継がれています。誰かを家に招き、温かい食事を振る舞う行為は、単なる親切心だけでなく、相手への敬意と友情の証として、heartyな精神を体現するものと見なされます。
現代社会において、heartyは必ずしも騎士道精神や領主の義務といった文脈で使われるわけではありませんが、その根底にある「勇気」「誠実さ」「寛大さ」「もてなし」といった価値観は、依然として私たちの心に響きます。誰かのために尽くすこと、困難に立ち向かうこと、そして温かい心で他人を受け入れること。それらはすべて、heartyな生き方の一部であり、私たちが目指すべき理想の姿なのかもしれません。
試験傾向
1. 出題形式: 主に語彙問題(短文の空所補充)。長文読解でも意味を問われる可能性あり。リスニングでの出題は稀。
2. 頻度と級・パート: 準1級・1級で出題される可能性あり。3級以上ではまれ。
3. 文脈・例題の特徴: フォーマルな文章、手紙、物語など様々な文脈で使われる。人の性格を表す際や、食事に関する記述が多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「心からの」「元気な」「たくさんの」など複数の意味があるため、文脈から判断する必要がある。類義語の「sincere」「enthusiastic」「abundant」との使い分けに注意。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め問題) で語彙問題として出題される可能性あり。Part 7 (長文読解) でも文脈理解を問われる。
2. 頻度と級・パート: TOEIC L&R全体で考えると出題頻度はそれほど高くない。しかし、ビジネスシーンで使われることがある。
3. 文脈・例題の特徴: 取引先への感謝の気持ちを表すメールや、イベントへの招待状などで使われることがある。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「心からの」という意味で使われることが多い。ビジネスシーンでは、相手への感謝や歓迎の気持ちを表す際に用いられることを覚えておくと良い。
1. 出題形式: リーディングセクションで、語彙問題または文脈推測問題として出題される可能性あり。スピーキング・ライティングでの使用は、適切に使えるならば高評価につながる。
2. 頻度と級・パート: TOEFL iBT全体で考えると出題頻度は中程度。アカデミックな文章で使われる。
3. 文脈・例題の特徴: 歴史、社会科学、自然科学など、様々な分野の文章で使われる可能性がある。特に、人の感情や態度を表す文脈で使われることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「心からの」「元気な」という意味に加え、「大量の」という意味もあることを覚えておく。文脈によって意味が異なるため、注意が必要。
1. 出題形式: 主に長文読解問題で、文脈から意味を推測する問題として出題される可能性が高い。
2. 頻度と級・パート: 大学によって異なるが、難関大学ほど出題される可能性が高い。標準的なレベルの単語帳には掲載されていない場合がある。
3. 文脈・例題の特徴: 物語、評論文、説明文など、様々な文章で使われる可能性がある。人の感情や行動を表す文脈で使われることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「心からの」「元気な」など、複数の意味を覚えておく必要がある。文脈から適切な意味を判断できるように、多くの英文に触れることが重要。