英単語学習ラボ

grapple

/ˈɡræpəl/(グラァプゥル)

強勢は最初の音節にあります。母音 /æ/ は日本語の『ア』と『エ』の中間のような音で、口を大きく開けて発音します。『l』は舌先を上の歯の裏につけて発音しますが、直前の母音と繋がるように滑らかに発音するとより自然になります。最後の『ル』は、舌を弾かないように意識すると、より英語らしい発音になります。

動詞

組み付く

相手を捕まえようと、手や腕を使って強くつかむこと。格闘技や争いの場面で、相手の動きを封じるために使われるイメージ。

The young wrestler tried to grapple his strong opponent tightly.

その若いレスラーは、強い相手にしっかりと組み付こうとした。

この例文は、レスリングの試合で、体が小さいながらも一生懸命相手に組み付こうとする選手の姿を描いています。「grapple」は、このように物理的に相手をしっかりと掴み、動きを封じたり優位に立ったりする意味合いで使われます。スポーツの場面でよく見られる、中心的な使い方です。

He had to grapple the rope to stay on the boat during the storm.

彼は嵐の間、船にとどまるためにロープに組み付かなければならなかった。

荒れた海で、船から落ちないように必死にロープにしがみつく男性の姿が目に浮かびます。「grapple」は、困難な状況で何かを必死に掴んで安定を保つ、という物理的な「組み付く」の状況でも使われます。危機的な状況での「しがみつく」というニュアンスが伝わります。

She had to grapple with a very difficult math problem for hours.

彼女は非常に難しい数学の問題と何時間も格闘しなければならなかった。

机に向かい、何時間も難しい数学の問題を解こうと苦戦している女性の姿を描いています。この例文のように、「grapple with + 問題/課題」という形で、物理的な意味から転じて、難しい問題や課題に真剣に取り組む、格闘するという比喩的な意味で非常によく使われます。この使い方は日常会話でもビジネスでも頻繁に出てくる、極めて典型的な表現です。

動詞

立ち向かう

困難な問題や状況に対して、積極的に解決しようと努力すること。物理的な戦いだけでなく、抽象的な課題にも用いられる。

The student had to grapple with a difficult math problem for hours.

その生徒は何時間も難しい数学の問題と格闘しなければなりませんでした。

この例文は、生徒が机に向かい、難しい問題に頭を抱えながらも、諦めずに解こうと努力している情景を描写しています。「grapple with」は、このように「困難な問題や状況に真剣に取り組む」「格闘する」という意味で非常によく使われます。物理的な力だけでなく、頭を使う努力にも使われる典型的な例です。

Our team must grapple with the new challenges in the market.

私たちのチームは、市場の新しい課題に立ち向かわなければなりません。

この例文は、会議室でチームメンバーたちが真剣な表情で、未来の課題について話し合っている様子を想像させます。「grapple」は、企業や組織が直面する大きな課題や困難な状況に対して、「真剣に向き合い、解決策を見つけようと努力する」という意味で使われることが多いです。ビジネスの文脈で非常によく聞かれる表現です。

She tried to grapple with her mixed feelings after the news.

彼女はその知らせの後、複雑な感情と向き合おうとしました。

この例文は、一人の女性が静かに、心の中で様々な感情が渦巻いている様子、混乱しながらもそれを受け止めようとしている姿を描写しています。「grapple」は、このように「複雑な感情」や「理解しにくい概念」など、心の内面的なものと向き合い、消化しようと努力する際にも使われます。感情の動きを伴う状況で使われる自然な例です。

名詞

格闘

組み付いて戦うこと。レスリングや柔道のような格闘技、または比喩的に困難な問題への取り組みを指す。

The final grapple on the mat was very intense, making the crowd cheer loudly.

マット上での最後の格闘はとても激しく、観客は大声で声援を送った。

この例文は、レスリングや柔道のようなスポーツでの「組み打ち」や「格闘」そのものを指します。観客が興奮して声援を送る様子から、力と力がぶつかり合う緊迫した場面が目に浮かびますね。

The two playful puppies had a little grapple over a squeaky toy.

2匹の遊び好きの子犬が、キュッキュと鳴るおもちゃをめぐってちょっとした格闘を始めた。

ここでは、子犬同士のじゃれ合いのように、少し可愛らしい「取っ組み合い」や「格闘」を表しています。人間の子ども同士の軽いケンカや、何かを取り合う微笑ましい状況にも使えます。

Her long grapple with the difficult math problem finally ended with a solution.

彼女の難しい数学問題との長い格闘は、ついに解決策を見つけて終わった。

grappleは、物理的な格闘だけでなく、難しい問題や困難な状況に「苦労しながら取り組む」という意味でも使われます。この例文では、頭を悩ませて問題と向き合う姿がイメージできます。

コロケーション

grapple with a problem

問題に真剣に取り組む、難題と格闘する

「grapple」は元々「組み付く」「つかみ合う」という意味ですが、比喩的に困難な問題や課題に立ち向かい、解決しようと努力する状況を表します。特に、問題が複雑で解決が難しい場合に用いられます。'wrestle with'も同様の意味ですが、'grapple'はより真剣で骨の折れる取り組みを強調するニュアンスがあります。ビジネスシーンや学術的な文脈でよく見られます。

grapple for control

支配権を争う、主導権を奪い合う

組織内、市場、あるいは政治的な状況において、権力や影響力を得ようと激しく争う様子を表します。文字通りに物理的な争いを意味することは少なく、競争や駆け引きを通じて優位に立とうとする状況を指します。ニュース記事や政治分析などで頻繁に使用されます。'fight for control'よりも、より泥臭く、戦略的な要素が強いニュアンスがあります。

grapple with one's conscience

良心と葛藤する、自責の念に苦しむ

道徳的なジレンマに直面し、自分の行動や決断が正しいかどうか深く悩む状態を表します。内面の葛藤や苦悩を伴うことが特徴で、文学作品や心理学的な議論でよく用いられます。'struggle with one's conscience'とほぼ同義ですが、'grapple'はより激しい内面の闘争をイメージさせます。例えば、不正行為を目撃した人が、告発すべきか否かで悩む状況などが該当します。

grapple with grief

悲しみに打ちひしがれる、悲嘆と闘う

喪失や悲劇的な出来事によって引き起こされた深い悲しみを乗り越えようと苦闘する様子を表します。感情的な痛みを伴い、立ち直るまでに時間がかかる状況を示唆します。'cope with grief'よりも、より積極的に悲しみに向き合い、感情を処理しようとするニュアンスがあります。カウンセリングや心理療法に関する文脈でよく使用されます。

grapple with the implications

(出来事・決定の)影響を理解しようと苦心する

ある出来事や決定がもたらすであろう結果や影響を深く考え、理解しようと努力する様子を表します。特に、影響が広範囲に及ぶ場合や、予測が困難な場合に用いられます。ビジネス戦略や政策決定の文脈でよく見られます。'consider the implications'よりも、より深く、困難な分析を伴うニュアンスがあります。例えば、新しい技術が社会に与える影響を評価する際に使われます。

grapple with a feeling

感情を抑えようと苦闘する、感情に翻弄される

特定の感情(怒り、恐怖、嫉妬など)が強く、それをコントロールしようと必死になる状態を表します。感情に圧倒されそうになりながらも、理性的に対処しようとする様子を示唆します。'struggle with a feeling'と類似していますが、'grapple'は感情とのより直接的で激しい戦いを連想させます。個人的な経験や感情を表現する際に用いられます。

使用シーン

アカデミック

学術論文や研究発表で、「(問題、概念など)に取り組む」「(データ、証拠など)と格闘する」という意味で使われます。例えば、経済学の論文で「政策決定者はインフレと失業率という相反する目標にgrappleしている」のように、複雑な問題に苦心している状況を表す際に用いられます。文語的な表現であり、客観性と厳密性が求められる文脈で用いられます。

ビジネス

ビジネスシーンでは、主にフォーマルな文書やプレゼンテーションで、「(困難な問題、市場の変化など)に対処する」「(競合他社)と競争する」という意味で使用されます。例えば、経営戦略会議で「当社は新たな規制という課題にgrappleしなければならない」のように、組織として困難な状況に立ち向かう必要性を述べる際に使われます。日常会話よりは、やや硬い印象を与える表現です。

日常会話

日常会話では、スポーツや格闘技に関連する文脈を除き、あまり使われません。ニュース記事やドキュメンタリーなどで、「(個人的な問題、感情など)と格闘する」という意味で使われることがあります。例えば、「彼は長年、依存症とgrappleしてきた」のように、深刻な問題に苦しんでいる個人の状況を描写する際に用いられます。口語的な表現としては一般的ではありません。

関連語

類義語

  • wrestle

    『組み付いて戦う』という意味で、文字通りレスリングのような格闘技、または比喩的に困難な問題や相手と奮闘する状況で使われる。自動詞・他動詞両方。 【ニュアンスの違い】"Grapple"は物理的な組み合いだけでなく、抽象的な問題に対する取り組みにも使われるが、"wrestle"はより身体的な格闘のイメージが強い。また、"wrestle"は内面的な葛藤を表すこともある。 【混同しやすい点】"Grapple"が問題解決への取り組み全般を指すのに対し、"wrestle"はより苦闘、苦悩のニュアンスが強い。例えば"wrestle with a decision"(決断に苦悩する)のように使う。

  • 『苦闘する』『もがく』という意味で、物理的な困難や抽象的な問題、感情的な葛藤など、広範囲な状況で使われる。自動詞。 【ニュアンスの違い】"Grapple"は相手や問題に積極的に立ち向かうイメージがあるが、"struggle"はより受動的、または必死にもがく様子を表す。また、"struggle"は生活苦や貧困といった状況を表すこともある。 【混同しやすい点】"Grapple"が具体的な対象(問題、相手)を伴うことが多いのに対し、"struggle"は対象が曖昧、または漠然とした困難さを表すことが多い。「経済的な苦境にあえぐ」は"struggle financially"だが、「難題に取り組む」は"grapple with a difficult problem"。

  • 『(困難なことに)対処する』『主張する』という意味で、ビジネスや学術的な文脈でよく使われる。自動詞・他動詞両方。 【ニュアンスの違い】"Grapple"は問題に正面から取り組むイメージだが、"contend"は問題に対処し、なんとか乗り越えようとするニュアンスが強い。また、"contend"は競争や論争の場面でも使われる。 【混同しやすい点】"Contend"は「~と主張する」という意味も持つため、文脈によって意味を混同しやすい。"contend with"で「~に対処する」という意味になるが、"grapple with"の方がより積極的に取り組む印象を与える。

  • 『(問題などに)取り組む』という意味で、特に困難な問題や課題に対して積極的に対処する際に使われる。ビジネスやスポーツの文脈で頻出。他動詞。 【ニュアンスの違い】"Grapple"と同様に問題に立ち向かう意味合いを持つが、"tackle"はより具体的な行動を伴うニュアンスが強い。また、"tackle"はフットボールのタックルのように、勢いよくぶつかっていくイメージもある。 【混同しやすい点】"Tackle"は他動詞であり、必ず目的語が必要。"tackle a problem"のように使う。また、"grapple with"は問題そのものと格闘するイメージだが、"tackle"は問題解決のために具体的な手段を講じるイメージ。

  • 『(困難な状況に)対処する』という意味で、ストレスや困難な状況を何とか乗り切ろうとする際に使われる。日常会話で頻出。自動詞。 【ニュアンスの違い】"Grapple"は問題解決に向けて積極的に行動するニュアンスがあるが、"cope"は困難な状況を受け入れ、なんとか適応しようとするニュアンスが強い。より受動的な意味合い。 【混同しやすい点】"Cope"は自動詞であり、"cope with"の形で使う。"grapple with"と比較すると、"cope with"は問題そのものを解決するというより、問題によって生じるストレスや負担を軽減しようとする意味合いが強い。

  • deal with

    『(問題や課題)を処理する』という意味で、ビジネスや日常会話など、幅広い場面で使われる。他動詞。 【ニュアンスの違い】"Grapple"が問題に深く関わり、苦心しながら解決しようとするニュアンスがあるのに対し、"deal with"は問題に対して効率的に、あるいは事務的に対処するニュアンスが強い。問題の複雑さや深刻さにはあまり言及しない。 【混同しやすい点】"Deal with"は非常に汎用的な表現であり、具体的な問題の種類や状況によって様々な意味合いを持つ。"grapple with"のように困難な問題に限定されないため、より広い範囲の問題を扱う場合に適している。

派生語

  • 『しっかり握る』という意味の動詞および『握り』『支配力』を意味する名詞。「grapple」は『組み付く』という意味だが、元々は『grip』と同様に『掴む』という根源的な意味合いを持つ。そこから、より積極的・戦闘的なニュアンスが加わり、格闘や問題解決において『掴んで取り組む』という意味に発展した。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用される。

  • grapes

    『ブドウ』を意味する名詞。「grapple」と直接的な語源関係は薄いが、ゲルマン祖語の『krippil(かぎ)』に由来するとされ、ブドウの房が蔓に『掴まっている』様子を表しているという説がある。間接的ながらも、『掴む』という原義との関連性を示唆しており、語源学習を通じて単語同士を結びつける視点を提供できる。日常会話で頻繁に使われる。

  • grapnel

    『錨鉤(いかりかぎ)』を意味する名詞。「grapple」と同様に、何かを『掴む』ための道具を指す。特に船を固定したり、海底の物を引き上げたりする際に用いられる。日常会話ではあまり使われないが、海洋関係の専門用語として存在する。接尾辞『-nel』は道具や器具を表すことが多い。

反意語

  • 『解放する』『手放す』という意味の動詞および名詞。「grapple」が何かを掴んで離さない、または問題に積極的に取り組むことを意味するのに対し、『release』は文字通り何かを解放し、手放すことを意味する。物理的な意味だけでなく、義務や責任から解放されるといった抽象的な意味でも用いられる。日常会話やビジネスシーンで頻繁に使われる。

  • 『分離する』『取り外す』という意味の動詞。「grapple」が『結合する』『組み付く』という意味合いを含むのに対し、『detach』は文字通り何かを分離させることを意味する。物理的な分離だけでなく、感情的な距離を置くといった比喩的な意味でも用いられる。技術文書や学術論文でよく見られる。

  • 『(戦闘や議論から)手を引く』という意味の動詞。「grapple」が積極的に関与するニュアンスを持つ一方、『disengage』は文字通り関与をやめることを意味する。接頭辞『dis-』は否定や分離を表す。軍事、政治、ビジネスなど、様々な文脈で使用される。例えば、紛争から手を引く、契約から離脱するなど。

語源

"Grapple」は、古フランス語の「grapel」(鉤、つかむための道具)に由来します。これはゲルマン祖語の「*krappō」(鉤、つかむもの)から派生したと考えられています。この語源から、文字通り「何かをつかむ」「組み付く」という意味合いが生まれ、そこから転じて、「問題や困難に立ち向かう」「格闘する」といった抽象的な意味へと発展しました。日本語で例えるなら、困難な問題に「食らいつく」という表現が近いかもしれません。「grapple」は、物理的な掴み合いから、精神的な闘いまで、何かを必死につかみ、克服しようとするイメージを想起させる単語と言えるでしょう。

暗記法

「grapple」は単なる掴み合いではない。騎士道物語では、ドラゴンとの格闘に勇気と正義が宿る。シェイクスピア劇では、良心や運命との葛藤が描かれる。それは肉体的な戦いを超え、知力、精神力が試される状況を象徴する。現代では企業が市場で苦闘し、政治家が難題に挑む姿を映す。時代を超え、挑戦、克服、成長を意味する言葉として、文化に深く根付いている。

混同しやすい単語

『grapple』と語頭の 'gra' が共通しており、続く 'sp' と 'pple' の音も似ているため、発音とスペルの両面で混同しやすいです。『grasp』は『把握する』『つかむ』という意味の動詞で、より一般的な意味合いを持ちます。grapple が『格闘する』『組み合う』といった特定の状況を指すのに対し、grasp は抽象的な概念にも使われます。日本人学習者は、文脈からどちらの単語が適切かを判断する必要があります。

gravel

『grapple』と発音が似ており、特に語尾の 'el' の部分が曖昧母音で発音されると区別がつきにくいことがあります。スペルも 'gra' が共通しているため、視覚的にも混同しやすいです。『gravel』は『砂利』という意味の名詞であり、意味が全く異なります。道路や庭などで使われる素材を指すため、文脈から容易に区別できるはずです。

『grapple』の語尾 'pple' の部分が、身近な単語である『apple』(リンゴ)と一致するため、スペルミスや発音の誤りにつながることがあります。特に、早口で発音する際に、'gra' の部分がおろそかになると、apple と聞き間違えられる可能性があります。『grapple』は動詞であり、『apple』は名詞であるという品詞の違いを意識することが重要です。

『cripple』は『手足を不自由にする』という意味の動詞で、スペルも 'grapple' と類似しており、特に語尾の 'pple' が共通しています。発音も似ているため、文脈によっては混同しやすいかもしれません。意味合いとしては、grapple が『組み合う』『格闘する』といった能動的な行為を指すのに対し、cripple は『(何かを)不自由にさせる』という結果を表すことが多いです。語源的には、cripple は古英語の『這う』を意味する creopan に由来し、grapple は古フランス語の grapil に由来するため、直接的な関連はありません。

『grapple』の語頭 'gra' が共通しており、続く 'ze' と 'pple' の音も似ているため、特に発音において混同しやすいです。『graze』は『(草を)食む』『かすめる』という意味の動詞で、意味も文脈も大きく異なります。また、graze は『軽い擦り傷』という意味の名詞としても使われます。日本人学習者は、発音の際に 'l' と 'z' の音を意識的に区別する必要があります。

graffito

『grapple』と語頭が同じ 'gra' で始まるため、スペルを見たときに混同する可能性があります。『graffito』は『落書き』という意味のイタリア語由来の名詞で、複数形は graffiti です。意味が全く異なるため、文脈から判断できるはずですが、スペルミスには注意が必要です。語源的には、graffito はイタリア語の graffiare(引っ掻く)に由来し、grapple は古フランス語の grapil に由来するため、関連はありません。

誤用例

✖ 誤用: The government is grappling to decide the new tax rate.
✅ 正用: The government is grappling with the decision of the new tax rate.

多くの日本人は『grapple』を『〜しようと苦闘する』という意味で捉えがちですが、この用法はやや不自然です。『grapple』は、物理的な格闘や、解決困難な問題に立ち向かうニュアンスが強く、後ろに直接『to 不定詞』を続けると、まるで『(物理的に)掴みかかろうと苦闘する』ような印象を与えます。より自然な英語としては、『grapple with 問題』のように、前置詞『with』を用いて、問題そのものと格闘している様子を表すのが適切です。日本語の『〜しようと苦闘する』という表現に引きずられ、『to 不定詞』を直接繋げてしまうことが原因です。英語では、問題解決のプロセスを『問題そのものとの対峙』として捉える傾向があります。

✖ 誤用: I am grappling with my friend about who pays the bill.
✅ 正用: I am arguing with my friend about who pays the bill.

『grapple』は、物理的な格闘や、深刻な問題について議論する際に使われることが多い単語です。友人との間で、夕食の勘定をどちらが払うかという程度の議論に使うと、大げさな印象を与えます。より自然な英語としては、『argue』や『discuss』を使うのが適切です。日本人は『grapple』を『議論する』という意味で安易に捉えがちですが、英語の『grapple』は、もっと深刻な、解決困難な問題について、真剣に議論する際に使われる単語です。日常的な議論には、より穏やかな表現を選びましょう。文化的背景として、英語では、問題の深刻度に応じて適切な単語を選ぶことが重要です。

✖ 誤用: The old wrestler could still grapple well into his sixties.
✅ 正用: The old wrestler could still wrestle well into his sixties.

『grapple』は名詞として使われる場合、『掴み合い』や『格闘』を意味しますが、動詞として使われる場合、しばしば『wrestle』と混同されます。日本語ではどちらも『格闘する』と訳されることがありますが、『grapple』はより広い意味で『(困難な問題に)取り組む』という意味合いも持ちます。ここでは、レスラーが格闘技としてのレスリングをするという意味なので、動詞『wrestle』を使うのがより適切です。特に、年齢に関する記述があるため、単に『問題に取り組む』という意味合いの『grapple』を使うと、文脈にそぐわない印象を与えます。英語では、具体的な行為を表す場合には、より直接的な単語を選ぶことが重要です。

文化的背景

「grapple」は、文字通りには組み付く、掴み合うという意味ですが、文化的には、困難や敵対勢力との苦闘、解決困難な問題への取り組みといった、精神的・知的な格闘を象徴することがあります。それは、単なる物理的な争いを超え、人間の意志、知性、そして精神力が試される状況を表す言葉として、文学や歴史の中で深く根付いています。

中世ヨーロッパの騎士道物語において、「grapple」はしばしば、騎士がドラゴンや怪物といった強大な敵と肉弾戦を繰り広げる場面で用いられました。この文脈では、「grapple」は単なる戦闘技術ではなく、騎士の勇気、力、そして正義を象徴する行為として描かれます。騎士は、己の肉体と武器を駆使し、不正や悪に「grapple」することで、人々の平和を守るという使命を果たすのです。このイメージは、後の時代にも受け継がれ、英雄譚や冒険物語において、主人公が困難な状況に果敢に立ち向かう姿を描写する際に用いられるようになりました。

また、「grapple」は、抽象的な概念、例えば「良心との葛藤」や「病気との闘い」といった、目に見えない敵との戦いを表現する際にも用いられます。シェイクスピアの戯曲では、登場人物が運命や内なる悪魔と「grapple」する様子が描かれ、観客は彼らの苦悩や葛藤に共感します。このように、「grapple」は、人間の内面的な闘争や、人生における困難な選択を迫られる状況を表現する言葉として、文学作品において重要な役割を果たしてきました。

現代社会においても、「grapple」は、企業が市場競争で優位に立とうと苦心する様子や、政治家が複雑な問題の解決に奔走する姿など、様々な場面で用いられます。それは、単なる問題解決ではなく、知恵、戦略、そして不屈の精神をもって難題に立ち向かう姿勢を意味します。特に、テクノロジーの進化が加速する現代においては、企業は常に変化に対応し、新たな課題に「grapple」し続けなければなりません。このように、「grapple」は、時代を超えて、人間の挑戦、克服、そして成長を象徴する言葉として、私たちの文化に深く根付いているのです。

試験傾向

英検

1. 出題形式: 主に長文読解、稀に語彙問題。2. 頻度と級・パート: 準1級以上で稀に出題。1級でやや頻度が高まる。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、歴史など硬めのテーマの長文で「取り組む」「格闘する」の意味で使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 比喩的な意味合いで使われることが多い。動詞としての用法をしっかり押さえること。

TOEIC

1. 出題形式: Part 7(読解)で稀に出題。2. 頻度と級・パート: 出題頻度は低い。3. 文脈・例題の特徴: 企業間の交渉、問題解決などビジネス関連の文章で「取り組む」「対処する」の意味で使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンにおける文脈を理解しておくこと。他の類似表現(address, tackle)との使い分けを意識すると良い。

TOEFL

1. 出題形式: リーディングセクションで頻出。2. 頻度と級・パート: Academicな文章で頻繁に見られる。3. 文脈・例題の特徴: 学術的な議論や研究、社会科学系のテーマで「取り組む」「論じる」の意味で使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や複雑な問題に対する取り組みを表すことが多い。文脈から正確な意味を把握する練習が必要。

大学受験

1. 出題形式: 主に長文読解。2. 頻度と級・パート: 難関大学で出題される可能性あり。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、歴史など幅広いテーマで「取り組む」「格闘する」の意味で使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。比喩的な意味合いで使われる場合もあるため、前後の文脈を丁寧に読むこと。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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