英単語学習ラボ

duty

/ˈdjuːti/(デューティ)

最初の音 /d/ は、日本語の『ダ』行の子音とほぼ同じですが、舌先を上の歯茎につけて発音します。/juː/ の部分は、日本語の『ユー』よりも少し長めに発音すると、より自然になります。強勢は最初の音節 /ˈdjuː/ に置かれます。

専門的な内容に関するご注意

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名詞

義務

社会的な役割や立場に伴う、当然の責任や務め。法律、道徳、契約などによって定められることが多い。個人の感情よりも客観的な規範に基づくニュアンス。

The security guard walked through the dark hall, knowing it was his duty to protect the building.

警備員は暗い廊下を歩いていました。建物を守ることが自分の義務だと分かっていたからです。

この例文は、仕事や役割における「義務」を表しています。夜の静まり返ったビルで、警備員が一人、暗い廊下を巡回している情景が目に浮かびますね。眠気や疲れを感じながらも、「これは自分の大切な仕事だ」という強い責任感を持って行動している様子が伝わります。このように、特定の役割や職務に伴う責任を表現する際に「duty」はよく使われます。

Even after a long day at work, she felt it was her duty to take care of her sick child.

仕事で長い一日を終えた後でも、彼女は病気の子供の世話をすることが自分の義務だと感じていました。

この例文は、家族に対する「義務」や、心からそうすべきだと感じる「責任」を表しています。仕事で疲れてヘトヘトなのに、熱を出した子どもの看病をする母親の姿が目に浮かびます。義務というと堅苦しく聞こえるかもしれませんが、ここでは「愛する家族のために当然すべきこと」という温かいニュアンスも含まれています。このように、個人的な関係性や道徳的な側面から生じる義務にも「duty」を使います。

When he saw the old man struggling with heavy bags, he felt it was his duty to help him.

重い荷物を持って苦労しているお年寄りを見たとき、彼は助けるのが自分の義務だと感じました。

この例文は、社会生活の中で自然と生まれる「義務」や「人として当然すべきこと」を表しています。駅の階段で重い荷物を持ったお年寄りが困っているのを見かけ、一瞬ためらったものの、「助けるべきだ」という強い気持ちに駆られて行動する情景が想像できます。これは法律で定められた義務ではなく、人として、社会の一員として感じる道徳的な義務感です。このように、困っている人への援助など、一般的な「良心」に基づく義務にも「duty」が使われます。

名詞

関税

輸入品に課される税金。国家間の貿易において、価格調整や国内産業の保護のために用いられる。

At the airport, I had to pay a high duty on the expensive watch I bought abroad.

空港で、海外で買った高価な時計に高い関税を払わなければなりませんでした。

この例文は、海外旅行から帰国した際に、お土産などの品物に関税がかかるという、誰もが経験しうる(あるいは想像できる)身近な場面を描写しています。「duty」が「関税」として最も身近に感じられるのは、空港の税関での経験でしょう。ここでは「pay a duty on ~」で「~に関税を払う」という典型的な表現を学ぶことができます。

Our company worried about the high duty when importing new machines from overseas.

わが社は、海外から新しい機械を輸入する際の高い関税について心配しました。

この例文は、企業が海外から商品を輸入する際に、関税がコストに大きく影響するという、ビジネスのリアルな場面を描写しています。国際的な取引において、関税は非常に重要な要素です。「worry about ~」で「~について心配する」という表現と、「when importing ~」のように「~する時」を表す動名詞句の使い方も確認できます。

The country decided to put a duty on imported cars to protect its own industry.

その国は、自国の産業を守るために輸入車に関税をかけることを決定しました。

この例文は、国家が自国の産業を保護する目的で、特定の輸入品に関税を課すという経済政策の場面を描写しています。ニュースなどでよく耳にする、ややフォーマルな文脈での「duty」の使い方です。「put a duty on ~」は「~に関税をかける」という、この文脈で非常に典型的な動詞の組み合わせです。目的を表す「to protect ~」も重要なポイントです。

名詞

任務

割り当てられた、または自ら引き受けた重要な仕事や役割。多くの場合、達成すべき目標や責任が伴う。軍事的な文脈や、組織における役割を指す場合に使われる。

As a mother, it's my daily duty to read a bedtime story to my child.

母親として、毎晩子供に寝る前の物語を読んであげるのが私の日課です。

【情景】お母さんが毎晩、子供に絵本を読んであげる、愛情あふれる温かい場面が目に浮かびます。 【なぜ典型的か】「duty」は、親が子供に対して果たすべき「務め」や「責任」を表す時によく使われます。特に「It's my duty to do...」という形は、「〜するのが私の務めだ」と、自分の役割を意識している気持ちが伝わります。 【文法/ヒント】「As a mother, ...」は「母親として、...」という意味で、自分の立場や役割を説明する時に便利な表現です。

The night guard's main duty was to check all the doors and windows carefully.

夜間警備員の主な任務は、全てのドアと窓を注意深く確認することでした。

【情景】夜の静かなオフィスビルで、警備員さんが懐中電灯を持って、一つ一つドアや窓が閉まっているか真面目に確認している様子が想像できます。 【なぜ典型的か】「duty」は、仕事や特定の役割における「任務」や「職務」を指す際によく使われます。この例文では、警備員という職業の最も重要な任務が示されています。 【文法/ヒント】「main duty」で「主要な任務」という意味になります。動詞の後に「to + 動詞の原形」が続くことで、「〜すること」という具体的な内容を説明できます。

Every citizen has a duty to vote in elections to shape our future.

全ての市民には、私たちの未来を形作るために選挙で投票する義務があります。

【情景】未来の社会を良くするために、一人ひとりの市民が投票所に足を運び、大切な一票を投じている、責任感のある場面です。 【なぜ典型的か】「duty」は、社会の一員として果たすべき「義務」や「責任」を表現する時にも使われます。投票は、民主主義社会における市民の重要な義務の一つです。 【文法/ヒント】「has a duty to do...」は「〜する義務がある」という意味で、社会的な責任や個人の倫理的な義務を表す時によく使われます。「shape our future」は「私たちの未来を形作る」という意味で、未来への影響力を示しています。

コロケーション

a sense of duty

義務感、責任感

「duty」が持つべきもの、あるいは人が抱く感情として、最も基本的かつ重要なコロケーションです。単に「義務」を果たすだけでなく、それが内面から湧き上がる自発的な感情や倫理観に基づいているニュアンスを含みます。例えば、「a strong sense of duty」と言えば、強い責任感を持って仕事や役割を果たす人を表します。ビジネスシーンや公的な文脈で頻繁に使われます。

dereliction of duty

職務怠慢、義務放棄

「dereliction」は「放棄、怠慢」を意味し、「duty」と組み合わさることで、本来果たすべき義務や責任を意図的に、あるいは過失によって怠ることを指します。法的な文脈や、軍隊など規律を重んじる組織でよく用いられます。単なるミスではなく、重大な責任を伴う義務の不履行を非難する際に使われる、非常に強い表現です。

call of duty

使命感、義務感に突き動かされること

「call」はここでは「呼びかけ、要請」を意味し、「duty」と組み合わさることで、まるで運命や天命に導かれるかのように、義務を果たすことを強く意識させる表現です。英雄的な行為や、自己犠牲を伴う行動を描写する際によく用いられます。例えば、災害現場で危険を顧みず救助活動を行う人などを表現するのに適しています。映画や文学作品でよく見られる表現です。

be bound by duty

義務に縛られている、義務によって行動を制限されている

「be bound by」は「~に拘束される、~に縛られる」という意味で、「duty」と組み合わさることで、義務が行動の自由を制限している状態を表します。必ずしもネガティブな意味合いだけでなく、義務を果たすことの重要性や、それに伴う制約を認識していることを示す場合もあります。例えば、伝統や家柄、役職などによって行動が制限される状況を説明する際に使われます。

discharge one's duty

義務を果たす、責任を遂行する

「discharge」は「(義務などを)果たす、遂行する」という意味で、フォーマルな場面でよく使われます。単に義務をこなすだけでなく、それを最後までやり遂げるというニュアンスを含みます。ビジネスシーンや公的な場面で、責任感の強さをアピールする際に適しています。例えば、プロジェクトを成功裏に完了した、任務を無事に終えた、といった状況を説明するのに使えます。

a moral duty

道徳的義務

「moral」は「道徳的な」という意味で、「duty」と組み合わさることで、法律や規則で定められた義務ではなく、良心や倫理観に基づいて行動すべき義務を指します。社会的な問題や倫理的なジレンマに直面した際に、個人の判断や行動を左右する重要な要素となります。例えば、「助けを求める人を見過ごせないのは、道徳的義務だ」のように使われます。

tax duty

関税

「tax」は「税金」という意味ですが、「tax duty」とすることで、特に輸入品に課せられる税金、つまり関税を指す専門用語となります。経済や貿易に関する文脈で用いられます。例えば、「import tax duty」のように、より具体的に輸入関税と表現することもできます。日常会話ではあまり使いませんが、ニュースや経済記事を読む際には知っておくべき表現です。

使用シーン

アカデミック

学術論文や教科書で、研究倫理や社会における役割を論じる際に「義務」の意味で使用されることが多いです。例えば、研究者がデータ保全の義務を負うことや、市民が社会契約上の義務を果たすことなどを説明する際に使われます。文語的で、フォーマルな文脈で使われます。

ビジネス

ビジネス文書や会議で、職務上の責任や輸出入に関する「関税」の意味で使用されます。例えば、従業員が秘密保持義務を負うことや、特定の製品に輸入関税が課せられることなどを議論する際に用いられます。フォーマルな文脈で使用され、契約書や報告書に頻出します。

日常会話

日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事や法律関連の話題で「義務」や「関税」の意味で登場することがあります。例えば、市民が納税の義務を果たすべきだという意見や、輸入品の関税率が変更されたというニュースを聞くことがあります。やや硬い表現なので、日常会話では別の言葉で言い換えることが多いです。

関連語

類義語

  • 責任。ある役割や地位に伴って当然負うべき義務や責任を指す。ビジネス、法律、日常会話など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"duty"よりも広い意味を持ち、道徳的な責任や個人的な責任を含むことが多い。また、ある行動の結果に対する責任という意味合いも含む。 【混同しやすい点】"duty"が特定の規則や法律、倫理観などによって課せられた義務であるのに対し、"responsibility"はより個人的な判断や状況によって生じる義務であるという点。

  • 義務、契約、恩義などによって生じる拘束力のある義務を指す。法律、契約、ビジネスシーンでよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"duty"よりも形式的で、法的拘束力や契約に基づく義務というニュアンスが強い。個人的な感情よりも、客観的なルールや合意に基づいている。 【混同しやすい点】"obligation"はしばしば契約書や法律文書に登場するフォーマルな語であり、日常会話では"duty"の方がより一般的である。また、"obligation"はしばしば受動態(be obligated to do)で用いられる。

  • 課題、仕事。特定の目的を達成するために行うべき仕事や活動を指す。ビジネス、教育、日常会話で使用される。 【ニュアンスの違い】"duty"よりも具体的で、より小さな単位の仕事を指すことが多い。また、個人的な興味や裁量によって選択される場合もある。 【混同しやすい点】"duty"が長期的な責任や役割を指すのに対し、"task"はより短期的で具体的な作業を指す。例えば、「納税は国民の義務(duty)」だが、「レポート作成は私のタスク(task)」となる。

  • 約束、献身。ある目標や人に対して、時間やエネルギーを費やすことを約束する状態を指す。ビジネス、人間関係、社会活動で使用される。 【ニュアンスの違い】"duty"よりも自発的な要素が強く、個人的な価値観や信念に基づいて行動するというニュアンスが含まれる。また、感情的な結びつきや責任感も伴う。 【混同しやすい点】"duty"が外部から課せられた義務であるのに対し、"commitment"は内発的な動機に基づいている。例えば、「会社への忠誠は社員の義務(duty)ではないが、プロジェクトの成功へのコミットメント(commitment)は重要だ」となる。

  • 責任。ある役割や地位に伴って当然負うべき義務や責任を指す。ビジネス、法律、日常会話など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"duty"よりも広い意味を持ち、道徳的な責任や個人的な責任を含むことが多い。また、ある行動の結果に対する責任という意味合いも含む。 【混同しやすい点】"duty"が特定の規則や法律、倫理観などによって課せられた義務であるのに対し、"responsibility"はより個人的な判断や状況によって生じる義務であるという点。

  • 雑用、日課。日常的な、しばしば退屈な仕事や義務を指す。家庭生活でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"duty"よりも重要度が低く、より個人的な、あるいは家庭内の義務を指すことが多い。しばしば、やりたくないがやらなければならないというニュアンスを含む。 【混同しやすい点】"duty"がよりフォーマルで、社会的な義務や道徳的な責任を伴うのに対し、"chore"はよりカジュアルで、日常的な雑用を指す。たとえば、「兵役は国民の義務(duty)」だが、「皿洗いは私のチョー(chore)」となる。

派生語

  • 『義務を果たす』『忠実な』という意味の形容詞。名詞の『duty』に形容詞を作る接尾辞『-ful』が付加されたもので、義務を重んじる性質を表します。例えば、『dutiful son(忠実な息子)』のように、人や行動を修飾する際に用いられ、ややフォーマルな場面や文学作品にも見られます。

  • duteous

    『dutiful』とほぼ同義で、『義務的な』『従順な』という意味の形容詞です。接尾辞『-eous』が付いていますが、現代英語では『dutiful』よりも使用頻度が低く、やや古風な印象を与えます。詩や文学作品などで見かけることがあります。

  • undutiful

    接頭辞『un-』が『dutiful』に付いた形で、『義務を果たさない』『不忠実な』という意味の形容詞です。『dutiful』の否定形として明確な対比を示し、人の行動や態度を批判的に表現する際に用いられます。例えば、『undutiful behavior(義務を怠る行為)』のように使われます。

反意語

  • 『duty(義務)』に対する最も一般的な反意語の一つで、『自由』を意味します。『duty』が拘束や責任を伴うのに対し、『freedom』は何ものにも縛られない状態を表します。日常会話から政治的な議論まで幅広く用いられ、『freedom of speech(言論の自由)』のように具体的な権利を指すこともあります。

  • 『license』は『許可』という意味の他に、『放埓(ほうらつ)』『わがまま』という意味合いを持ち、『duty』の対義語として機能します。『duty』が抑制を意味するのに対し、『license』は制限からの逸脱を示唆します。例えば、『abuse of license(権利の濫用)』のように、本来認められた自由を逸脱した行動を指す際に用いられます。

  • 『duty』に対する反意語として、『職務怠慢』『過失』という意味合いを持ちます。『duty』が責任ある行動を求めるのに対し、『negligence』はその義務を怠ることを意味します。法的文脈やビジネスシーンでよく用いられ、『criminal negligence(業務上過失致死)』のように重大な責任を問われる状況で使用されます。

語源

"duty」は、「当然のこと」や「義務」といった意味を持つ英単語です。これは古フランス語の"deu"(当然のこと、負債)に由来し、さらに遡るとラテン語の"debitum"(借りているもの、負債)にたどり着きます。 "debitum"は"debere"(借りがある、義務がある)という動詞から派生しており、この語根は「~から離れて」を意味する接頭辞"de-"と、「持つ」を意味する"habere"から構成されています。つまり、元々は「何かを手放す義務がある」というイメージだったと考えられます。日本語で例えるなら、「借りを返す」という行為が、まさに「duty」の根底にある「当然な義務を果たす」という概念に通じるでしょう。この語源を知ることで、「duty」が単なる強制ではなく、倫理的な責任や人間関係における信頼に基づいた行為であることをより深く理解できるでしょう。

暗記法

「duty(義務)」は西洋で倫理の柱。古代ローマの家族や国家への義務感「pietas」が源流。中世騎士道では、領主への忠誠や弱者保護を誓い、アーサー王物語にも影響。近代には国家への忠誠心と結びつき、国民国家を形成。現代では職業倫理や社会的責任へと多様化。企業や個人が社会全体への義務を意識。しかし、個人の自由との緊張関係も。「duty」は、社会を支えつつ、柔軟な解釈が求められる概念。

混同しやすい単語

『duty』とスペルが似ており、特に手書きの場合に誤読しやすい。発音も母音部分が若干似ているため、聞き取りにくい場合がある。『dirty』は『汚い』という意味の形容詞であり、品詞も意味も大きく異なる。日本人学習者は、文脈から判断することが重要です。

dewy

発音が似ており、特に語尾の/juː/の音が共通しているため混同しやすい。『dewy』は『露に濡れた』という意味の形容詞で、主に詩的な表現で使われる。『duty』とは意味も文脈も異なるため、注意が必要です。発音記号を確認し、違いを意識することが重要です。

『duty』の最初の部分の発音が似ているため、特に早口で話された場合に聞き間違えやすい。『do』は動詞として『する』、助動詞として疑問文を作るなど、多岐にわたる意味を持つ基本的な単語です。文脈から判断することが重要であり、『duty』は名詞であるという品詞の違いを意識しましょう。

語尾の「-uty」というスペルが共通しているため、視覚的に混同しやすい。『beauty』は『美しさ』という意味の名詞であり、『duty』とは意味が全く異なります。スペルを正確に記憶し、混同しないように注意する必要があります。

doody

スペルと発音が似ており、特に子供っぽい表現やスラングで『うんち』という意味で使われることがある。フォーマルな場面で『duty』と間違えて使うと非常に不適切。文脈をよく理解し、使用する場面を間違えないように注意する必要がある。

duet

最初の3文字が同じで、発音も最初の部分が似ているため、聞き間違いやすい。『duet』は『二重奏』という意味の名詞で、音楽関連の文脈で使われることが多い。『duty』とは意味が全く異なるため、文脈から判断することが重要。

誤用例

✖ 誤用: It's my duty to say, I think your new policy is not very effective.
✅ 正用: With all due respect, I don't think your new policy is very effective.

日本語の『〜すべき義務がある』という直訳から、自分の意見を述べる際に 'It's my duty to say...' と始めてしまう誤用です。英語では、相手に敬意を払いながら意見を述べる場合、'With all due respect' という婉曲的な表現がより適切です。直接的な 'duty' の使用は、上司や組織に対して意見する場合、無礼に聞こえる可能性があります。この背景には、英語圏の文化における直接的な表現を避ける傾向と、相手への配慮を優先するコミュニケーションスタイルがあります。また、'duty' はより重い義務や責任を指すため、意見を述べる程度の状況には不適切です。

✖ 誤用: He felt a strong duty to his feelings, so he quit his job.
✅ 正用: He felt compelled by his feelings, so he quit his job.

ここでの 'duty' は、感情に突き動かされるという意味で使おうとしていますが、不自然です。 'duty' は、道徳的、法的、あるいは社会的な義務感を指し、個人的な感情に使うのは適切ではありません。より自然な表現は 'compelled'(衝動に駆られる)です。日本人が『義務』という言葉を感情にも適用してしまう背景には、『感情に責任を持つ』という考え方があるのかもしれませんが、英語では感情は義務ではなく、むしろ個人の内面から湧き上がるものとして捉えられます。この誤用は、日本語の『義務』という言葉の適用範囲が、英語の 'duty' よりも広いことに起因します。

✖ 誤用: The duty-free shop was very crowded, so I couldn't fulfill my duty to buy souvenirs for everyone.
✅ 正用: The duty-free shop was very crowded, so I couldn't fulfill my obligation to buy souvenirs for everyone.

この例では、お土産を買うことを『duty』と表現していますが、これはやや大げさです。お土産を買うのは、より軽い意味合いの『obligation』(ささやかな義務、義理) と表現する方が適切です。 'duty' は、より重大な責任や職務上の義務を指します。日本人がお土産を重視する文化から、『お土産を買う=義務』と捉えがちですが、英語圏ではお土産はあくまで任意であり、強制的なものではありません。この背景には、文化的な価値観の違いがあります。また、'fulfill my duty' は、やや硬い表現であり、日常会話では 'take care of my obligation' の方がより自然です。

文化的背景

「duty(義務)」は、西洋文化において、単なる強制ではなく、個人の尊厳や社会秩序を支える倫理的な支柱として重んじられてきました。それは、古代ローマの「pietas(ピエタス)」、すなわち家族や国家に対する敬虔な義務感に源流を見出すことができ、中世の騎士道精神や、近世の国家主義、そして現代の職業倫理へと形を変えながら受け継がれてきたのです。

中世ヨーロッパにおける騎士道精神は、「duty」の概念を大きく発展させました。騎士は、領主への忠誠、弱者の保護、キリスト教信仰の擁護を「duty」として誓い、そのために命を捧げることも厭いませんでした。アーサー王物語に登場する円卓の騎士たちは、まさに「duty」を体現した存在であり、彼らの行動規範は、後の世の貴族や軍人の倫理観に大きな影響を与えました。この時代の「duty」は、単なる命令遵守ではなく、名誉と自己犠牲を伴う、高貴な行為とみなされていたのです。

近代に入ると、「duty」は国家への忠誠心と結びつき、国民国家の形成に大きな役割を果たしました。兵士は国家のために戦い、市民は法律を守り、税金を納めることを「duty」とされました。この「duty」は、愛国心と結びつき、時には自己犠牲を美化するイデオロギーとして利用されることもありました。第一次世界大戦や第二次世界大戦では、多くの若者が「duty」の名の下に戦場に赴き、命を落としました。しかし、同時に、「duty」は、社会の秩序を維持し、共通の目標に向かって人々を団結させる力ともなりました。

現代社会においては、「duty」は、職業倫理や社会的責任といった形で、より多様な意味を持つようになっています。企業は、顧客や株主だけでなく、社会全体に対する「duty」を果たすことが求められるようになり、個人は、環境保護や人権擁護といったグローバルな課題に対する「duty」を意識するようになっています。しかし、「duty」は、依然として、個人の自由や権利との間で緊張関係を生み出すことがあります。過度な「duty」は、個人の創造性や自発性を阻害し、抑圧的な社会を生み出す可能性も孕んでいるのです。したがって、現代社会においては、「duty」の概念を、個人の尊厳と両立させながら、柔軟に解釈していくことが求められていると言えるでしょう。

試験傾向

英検

- 出題形式: 語彙問題、長文読解、リスニング

- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でも長文読解で出題の可能性あり。リスニングでは日常会話で使われる。

- 文脈・例題の特徴: フォーマルな文章、ニュース記事、エッセイ、日常会話など幅広い文脈で登場。

- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての意味(義務、任務)だけでなく、duty-free(免税)のような複合語も重要。動詞として使われることは稀。

TOEIC

- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)

- 頻度と級・パート: Part 5, Part 7 で中程度の頻度で出題。

- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(契約、雇用、顧客対応など)で使われることが多い。

- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての意味(義務、関税)が中心。responsibility(責任)やobligation(義務)との意味のニュアンスの違いを理解しておく。

TOEFL

- 出題形式: リーディング、ライティング

- 頻度と級・パート: リーディングセクションで中程度の頻度。ライティングセクションでは議論の根拠として使用。

- 文脈・例題の特徴: アカデミックな文章(歴史、社会学、政治学など)で、倫理的・道徳的な義務について論じる際に使用されることが多い。

- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念としての「義務」の意味を理解することが重要。リーディングでは文脈から意味を推測する練習、ライティングでは的確に使いこなせるように練習する。

大学受験

- 出題形式: 長文読解、語彙問題(稀に文法問題)

- 頻度と級・パート: 難関大学の長文読解で頻出。標準的な大学でも出題される可能性あり。

- 文脈・例題の特徴: 社会問題、倫理、歴史、科学など、幅広いテーマの文章で登場。

- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。類義語(obligation, responsibility)との違いを理解し、文脈に応じて適切な語を選択できるようにする。派生語(dutiful, duty-free)も覚えておく。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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