dutiful
第一音節にアクセントがあります。/juː/ は二重母音で、日本語の『ユー』よりも口を大きく開け、意識して二つの音を繋げましょう。/tɪ/ は、日本語の『ティ』よりも舌を使い、息を強く出すイメージで発音するとよりクリアに聞こえます。最後の /fl/ は、唇を軽く噛むようにして出す無声音の摩擦音 /f/ で終わる点に注意。日本語の『ル』のような音は入りません。
忠実な
義務や責任をきちんと果たす様子。上司や組織、家族など、自分より上位の存在に対して誠実に行動するニュアンスを含む。単に言われたことをこなすだけでなく、相手への敬意や献身が感じられる場合に用いられる。
She was a dutiful daughter who always helped her elderly parents.
彼女は、いつも年老いた両親を手伝う、親孝行な娘でした。
※ この例文は、「dutiful」が家族、特に親に対して責任感があり、期待に応えようとする様子を表す典型的な使い方です。「親孝行な娘」という温かい情景が目に浮かびますね。
The dutiful employee stayed late to finish the important report.
その真面目な従業員は、大切な報告書を仕上げるために遅くまで残りました。
※ ここでは、「dutiful」が仕事や任務に対して、責任感を持ち、与えられた役割をきちんと果たす様子を表しています。会社や組織の一員として「本分をわきまえている」態度が伝わります。
Our dutiful dog always waited patiently by the door for us to come home.
私たちの忠実な犬は、いつも私たちが帰ってくるのをドアのそばで辛抱強く待っていました。
※ 「dutiful」は、人間だけでなく、ペットが飼い主や与えられた役割(例えば家を守るなど)に忠実に従う様子を表すのにも使われます。この例文では、犬が「家族を待つ」という役割をきちんと果たしている情景が目に浮かびます。
従順な
指示や命令に素直に従う様子。特に、反抗せずに大人しく従うニュアンスが強い。子供や部下などが、親や上司の言うことをよく聞く場合に用いられる。必ずしも自発的な行動ではなく、権威に対する服従の意味合いを含むことがある。
The little boy was always dutiful, helping his mom with chores without being asked.
その小さな男の子はいつも従順で、頼まれなくてもお母さんの家事を手伝っていました。
※ この例文は、子どもが親の期待に応え、責任感を持って自分の役割(お手伝いなど)を果たす様子を描いています。「dutiful」は、言われたことをきちんと守るだけでなく、自分がすべきことを理解し、責任を持って行動する態度を表します。褒め言葉として使われることが多いです。
A dutiful assistant carefully followed all instructions from his boss.
従順なアシスタントは、上司からの指示をすべて慎重に実行しました。
※ この例文は、職場などで、与えられた職務や指示をきちんと守り、忠実に遂行する人の姿を示しています。「dutiful」は、特に仕事や任務において、責任感を持って真面目に義務を果たす様子にぴったりの言葉です。信頼できる人物というニュアンスも含まれます。
A dutiful guide dog gently led its blind owner through the busy street.
従順な盲導犬は、目の見えない飼い主をにぎやかな通りで優しく導きました。
※ この例文は、動物が訓練された役割や主人への忠誠心から、自分のすべきことをきちんと果たしている様子を描写しています。盲導犬が、その大切な任務を責任感を持って、そして忠実に遂行している情景が目に浮かびますね。
コロケーション
親孝行な息子/娘
※ これは最も一般的で直接的なコロケーションの一つです。親の期待に応え、尊敬し、世話をする息子や娘を指します。単に「親を大切にする」だけでなく、親の意向を尊重し、それに沿った行動をとるニュアンスが強く、文化的な背景として、家族の絆や伝統を重んじる社会で特に重要視されます。例えば、進路や結婚相手を選ぶ際に親の意見を尊重する、といった行動が含まれます。類似表現として 'obedient child' がありますが、'dutiful' はより自発的な愛情や忠誠心を含意します。
忠実な召使い、献身的な使用人
※ 文字通りには召使いですが、比喩的に組織や理念に対して忠誠を誓い、献身的に働く人を指すこともあります。歴史的な文脈では、王や貴族に仕える忠実な家臣を指すことが多く、現代では企業や団体において、組織の目標達成のために尽力する従業員を指すことがあります。'loyal employee' と似ていますが、'dutiful' は義務感や責任感の強さをより強調します。例えば、「彼は社長の期待に応えようと、職務にdutiful servant励んだ」のように使われます。
義務的な遂行、形式的な実行
※ 義務として課されたことを、きちんとこなすことを指します。しかし、必ずしも熱意や創造性が伴っているとは限りません。例えば、契約上の義務を履行する場合や、形式的な儀式に参加する場合などに用いられます。'perfunctory performance' と意味が近く、しばしば批判的なニュアンスを伴います。例えば、「彼はdutiful performanceに報告書を提出したが、内容は薄かった」のように使われます。
規則/原則への忠実な遵守
※ 規則や原則に厳格に従うことを意味します。単に規則を知っているだけでなく、それを守ることを重要視し、逸脱しないように努める姿勢を表します。法律や倫理規定、組織のルールなど、様々な場面で使用されます。'strict compliance' と類似していますが、'dutiful adherence' は個人の内面的な義務感や責任感をより強調します。例えば、「彼は会社の倫理規定にdutiful adherenceを示した」のように使われます。
真面目な出席、欠席しないこと
※ 会議、授業、イベントなど、定められた場所にきちんと出席することを指します。単に出席するだけでなく、義務として真面目に出席しているというニュアンスが含まれます。学校や職場など、出席が重要視される場面でよく用いられます。'regular attendance' と似ていますが、'dutiful attendance' はより義務感や責任感に基づいた行動であることを強調します。例えば、「彼は会議にdutiful attendanceを示し、一度も欠席しなかった」のように使われます。
義務的な沈黙、口をつぐむこと
※ 発言を控えることが義務付けられている、または状況的にそれが求められている場合に、沈黙を守ることを意味します。組織の秘密を守るため、裁判での証言を拒否するため、あるいは単に目上の人に逆らわないためなど、様々な理由が考えられます。'strategic silence' とは異なり、'dutiful silence' は個人の意思よりも、義務や強制力によって沈黙を強いられているニュアンスが強いです。例えば、「彼は上司の不正を知っていたが、dutiful silenceを守った」のように使われます。
使用シーン
学術論文や教科書で、特に社会科学や倫理学の分野で「義務を果たす」「責任を全うする」といった文脈で用いられます。例えば、歴史学の研究で「彼は君主に対して忠実な臣下だった」と記述したり、倫理学の議論で「義務論的なアプローチでは、人は自身の義務に忠実であるべきだ」と論じたりする際に使われます。
ビジネスシーンでは、従業員の行動や態度を評価する際に、ややフォーマルな表現として用いられることがあります。例えば、人事評価で「彼は上司の指示に忠実で、責任感を持って業務を遂行する」と評したり、プロジェクト報告書で「チームメンバーは計画に忠実に従い、期限内に成果を上げた」と記述したりする際に使われます。ただし、日常的な会話ではあまり使われません。
日常会話ではほとんど使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、特定の人物の行動や態度を説明する際に用いられることがあります。例えば、「彼は家族に対して忠実で、常に彼らのために尽くした」といった文脈で使用されることがあります。また、文学作品や映画などで、キャラクターの性格描写として用いられることもあります。
関連語
類義語
「従順な」「言うことをよく聞く」という意味で、特に権威や指示に対して素直に従う様子を表します。子供や部下など、立場が下の人に対して使われることが多いです。日常会話や教育の場面でよく使われます。 【ニュアンスの違い】「dutiful」は義務感や責任感から行動するニュアンスが強いのに対し、「obedient」は命令や指示に無条件に従うニュアンスがあります。「dutiful」は自発的な要素を含むことが多いですが、「obedient」は強制的な要素を含む場合があります。 【混同しやすい点】「obedient」は、対象となる権威や指示が明確である必要があります。漠然とした義務感や責任感を表す場合には不適切です。また、大人が大人に対して「obedient」を使うと、相手を見下しているような印象を与えることがあります。
「(要求や規則などに)従順な」「応じる」という意味で、要求や規則にいやいやながらも従う様子を表します。ビジネスや法律の場面でよく使われます。 【ニュアンスの違い】「dutiful」が自発的な義務感から行動するのに対し、「compliant」は外部からの圧力や要求に応じて行動するニュアンスがあります。「dutiful」は肯定的な意味合いが強いですが、「compliant」は必ずしも肯定的な意味合いを持ちません。 【混同しやすい点】「compliant」は、必ず何らかの要求や規則が存在する必要があります。自発的な行動や義務感を表す場合には不適切です。また、「compliant」は、消極的な意味合いを含むことがあるため、使用する際には注意が必要です。
「責任感のある」「信頼できる」という意味で、義務や責任をきちんと果たす様子を表します。ビジネスや日常生活で広く使われます。 【ニュアンスの違い】「dutiful」は特定の義務や役割を忠実に果たすニュアンスが強いのに対し、「responsible」はより広い範囲で責任を果たすニュアンスがあります。「dutiful」は行動の具体的な内容に焦点が当たりますが、「responsible」は人物の性格や能力に焦点が当たります。 【混同しやすい点】「responsible」は、必ずしも特定の義務や役割を指すとは限りません。一般的な責任感や信頼性を表す場合にも使われます。また、「responsible」は、原因や理由を表す場合にも使われるため、文脈に注意が必要です。
「忠実な」「誠実な」という意味で、特定の人物、組織、主義などに対して裏切らない姿勢を表します。ビジネス、政治、人間関係など幅広い場面で使われます。 【ニュアンスの違い】「dutiful」は義務感に基づいて行動するニュアンスが強いのに対し、「loyal」は忠誠心や信頼に基づいて行動するニュアンスがあります。「dutiful」は、規則や命令に従うことを重視しますが、「loyal」は、相手への献身や支持を重視します。 【混同しやすい点】「loyal」は、必ず対象となる人物、組織、主義などが存在する必要があります。漠然とした義務感や責任感を表す場合には不適切です。また、「loyal」は、盲目的な忠誠心を意味することがあるため、文脈に注意が必要です。
「良心的な」「誠実な」という意味で、仕事や行動に真面目に取り組み、倫理的な基準を守る様子を表します。ビジネスや学術的な場面でよく使われます。 【ニュアンスの違い】「dutiful」は特定の義務や役割を果たすことに重点を置くのに対し、「conscientious」は倫理的な基準や良心に基づいて行動することに重点を置きます。「dutiful」は形式的な側面が強いですが、「conscientious」は内面的な側面が強いです。 【混同しやすい点】「conscientious」は、必ず倫理的な判断や良心が伴う必要があります。単に義務をこなすだけでなく、善悪の判断に基づいて行動する場合に使われます。また、「conscientious」は、過度に几帳面な人を指す場合があるため、文脈に注意が必要です。
派生語
名詞で「義務」「職務」を意味し、「dutiful」の語源。元々は「当然なこと」というニュアンスがあり、そこから「果たすべきこと」へと意味が発展。日常会話からビジネス、公的な場面まで幅広く使われる。
副詞で「忠実に」「まじめに」を意味する。「dutiful」に副詞化の接尾辞「-ly」が付いた形。行動や態度を修飾し、例えば「命令に忠実に従う」のように使われる。フォーマルな場面での使用が多い。
- undutiful
形容詞で「義務を怠る」「不真面目な」を意味する。「dutiful」に否定の接頭辞「un-」が付いた形。期待された義務や責任を果たさない状態を表す。ややフォーマルな文脈で使用される。
反意語
「不従順な」「反抗的な」という意味の形容詞。「obedient(従順な)」に否定の接頭辞「dis-」が付いた形。「dutiful」が義務を果たすことに重点を置くのに対し、「disobedient」は命令や規則に従わないことを強調する。子供の行動や組織における規則違反などを表す際に用いられる。
「怠慢な」「不注意な」という意味の形容詞。「dutiful」が義務をきちんと果たすことを意味するのに対し、「negligent」は必要な注意やケアを怠ることを指す。法律やビジネスの文脈で、責任を怠った場合に用いられることが多い。
- remiss
「怠慢な」「不注意な」という意味の形容詞。「dutiful」とは対照的に、義務や責任を果たすことを怠る状態を表す。やや硬い表現で、ビジネス文書や法的な文脈で使用されることが多い。例えば、「職務怠慢」といった場合に用いられる。
語源
"dutiful"は、「義務」や「当然のこと」を意味する"duty"に、形容詞を作る接尾辞"-ful"が付いた単語です。 "duty"自体は、古フランス語の"duete"(負っているもの、当然のこと)に由来し、さらに遡るとラテン語の"debere"(~を負う、~すべきである)に行き着きます。 "debere"は、英語の"debt"(借金)や"due"(期日、当然の)とも関連が深く、これらは全て「何かを相手に差し出す義務がある」という根源的な意味を共有しています。つまり、"dutiful"は、文字通りには「義務に満ちた」という意味合いを持ち、そこから「忠実な」「従順な」といった意味に発展しました。私たちが「義務」という言葉から連想する、責任感や誠実さといったイメージと重なる部分も多いでしょう。
暗記法
「dutiful」は、封建時代の忠誠心や騎士道、武士道の忠義にも通じる、自己犠牲を伴う献身の美徳を象徴します。しかし、全体主義国家における盲従のように、個人の自由を奪う負の側面も。現代では、義務と責任のバランスを取り、倫理的な判断に基づいた行動が求められます。家族、職場、社会への責任を果たすことは重要ですが、個人の尊厳と自由を尊重する自律的な「dutiful」さが、成熟した社会を築く鍵となるのです。
混同しやすい単語
『dutiful』と『beautiful』はどちらも形容詞で、語尾の '-ful' が共通しているため、スペルと発音の両方で混同しやすい。しかし、意味は大きく異なり、『dutiful』は『忠実な、従順な』、『beautiful』は『美しい』を意味する。特に、発音のアクセント位置が異なる(『dutiful』は最初の音節、『beautiful』は2番目の音節)点に注意が必要。また、文脈から判断することも重要です。
『dutiful』と『doubtful』は、スペルが似ており、どちらも形容詞であるため混同しやすい。特に、語頭の 'd' と 'dou' の違いを見落としがち。『dutiful』は『忠実な』、『doubtful』は『疑わしい』という意味で、意味は大きく異なる。発音も異なり、『doubtful』の 'b' は発音されないサイレント文字である点に注意。スペルを丁寧に確認し、意味の違いを理解することが重要です。
『dutiful』と『fruitful』は、語尾の '-ful' が共通しているため、スペルと発音の両方で混同しやすい。どちらも形容詞だが、『dutiful』は『忠実な』、『fruitful』は『実り多い、有益な』という意味で、意味は異なる。特に、語頭の 'du-' と 'fru-' の違いに注意が必要。文脈から判断することも重要であり、例えば、『fruitful discussion(実り多い議論)』のように使われます。
『dutiful』は『duty』という名詞から派生した形容詞であり、スペルと意味が関連しているため、混同されることは少ないかもしれませんが、品詞が異なるため注意が必要です。『duty』は『義務、任務』という意味の名詞であり、『dutiful』は『義務を果たす、忠実な』という意味の形容詞です。例えば、『It is my duty to help.(助けることは私の義務です)』と『He is a dutiful son.(彼は忠実な息子です)』のように使われます。品詞の違いを意識して使い分けることが重要です。
『dutiful』と『fateful』は、語尾の '-ful' が共通しているため、スペルと発音の両方で混同しやすい。また、どちらも形容詞ですが、『dutiful』は『忠実な』、『fateful』は『運命的な、重大な』という意味で、意味は大きく異なる。特に、語頭の 'du-' と 'fate-' の違いに注意が必要。『fateful』は『運命』を意味する 'fate' から派生した単語であり、運命的な出来事を表す際に使われます。
『dutiful』と『pitiful』は、語尾の '-ful' が共通しているため、スペルと発音の両方で混同しやすい。どちらも形容詞ですが、『dutiful』は『忠実な』、『pitiful』は『哀れな、痛ましい』という意味で、意味は大きく異なる。特に、語頭の 'du-' と 'pit-' の違いに注意が必要。『pitiful』は『同情』を意味する 'pity' から派生した単語であり、哀れな状況や状態を表す際に使われます。
誤用例
『dutifully』は『義務的に』『忠実に』という意味合いが強く、自由を『楽しむ』という行為と組み合わせると不自然です。退職後の自由を積極的に楽しむニュアンスを出すには、『assiduously(熱心に)』のような語が適切です。日本人が『まじめに』『きちんと』という言葉を安易に『dutifully』に置き換えてしまう傾向がありますが、英語では文脈によってより適切な語を選ぶ必要があります。
『dutiful』は義務感や忠誠心に基づく行動を指しますが、状況によっては自主性の欠如や思考停止を連想させる可能性があります。特にビジネスシーンでは、単に上司に『同意する』という行為に対して『dutiful』を使うと、ネガティブな印象を与えることがあります。より中立的な表現としては『compliant(従順な)』が適切です。日本的な『言われたことをきちんとやる』という価値観をそのまま英語に翻訳しようとすると、意図しないニュアンスが生じることがあります。
『dutifully』は義務や責任を果たす意味合いが強く、侮辱を『受け入れる』という行為に使うと不自然です。侮辱を耐え忍ぶニュアンスを出すには、『stoically(ストイックに)』のような語が適切です。日本人が『仕方なく』『我慢して』という気持ちを表現する際に『dutifully』を使いがちですが、英語では感情のニュアンスを考慮した語を選ぶ必要があります。また、英語では侮辱に対して何らかの反応を示すのが一般的であり、何も言わずに受け入れるのは、状況によっては弱腰とみなされることもあります。
文化的背景
「dutiful(義務深い)」という言葉は、単なる行動様式を超え、社会的な秩序、家族の絆、そして個人の倫理観が複雑に絡み合った文化的価値観を体現しています。特に、伝統的な社会構造においては、義務を果たすことが個人の美徳とされ、社会全体の安定に不可欠であると考えられてきました。
「dutiful」が深く根付いているのは、長きにわたる封建制度の影響です。中世ヨーロッパにおいては、領主に対する忠誠、騎士道精神、そして家臣としての義務を果たすことが、社会的身分を維持し、名誉を守る上で不可欠でした。文学作品においても、例えばアーサー王物語に登場する円卓の騎士たちは、王に対する忠誠と義務を絶対的なものとして捉え、それを果たすために命を懸けました。このような文脈において、「dutiful」は単なる命令への服従ではなく、自己犠牲を伴う高潔な行為として賞賛されたのです。また、日本の武士道においても、「忠義」は最も重要な徳目の一つであり、主君への絶対的な忠誠を誓い、いかなる困難にも立ち向かう姿は、「dutiful」の概念と共通する部分があります。
しかし、「dutiful」という言葉が持つ意味合いは、時代とともに変化してきました。近代以降、個人の自由や権利が重視されるようになると、義務に対する盲目的な従順は批判の対象となることもあります。全体主義国家においては、国家への義務を絶対化し、個人の自由を抑圧する手段として「dutiful」が利用された歴史もあります。ジョージ・オーウェルの小説『1984年』に描かれるような社会では、党への義務を果たすことが個人の思考や感情を奪い、人間性を喪失させる要因となりえます。そのため、現代においては、「dutiful」であることの意義を改めて問い直し、義務と責任のバランスを考慮することが重要となっています。
現代社会においては、「dutiful」は、家族、職場、そして社会全体に対する責任を果たすという、より広い意味合いを持つ言葉として理解されるべきでしょう。親としての義務、従業員としての責任、そして市民としての役割を果たすことは、社会の安定と発展に不可欠です。しかし、その義務を果たす際には、常に倫理的な判断を伴い、個人の尊厳と自由を尊重することが求められます。「dutiful」であることは、単なる服従ではなく、自律的な判断に基づいた責任ある行動であるべきなのです。このように、「dutiful」という言葉は、歴史的な背景や社会構造の変化を反映しながら、現代においても重要な意味を持ち続けています。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級以上で出題される可能性あり。1級で頻出。
- 文脈・例題の特徴: フォーマルな文脈、倫理観や義務感に関する内容で登場しやすい。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「義務深い」「忠実な」という意味を理解し、synonym(faithful, obedient)も合わせて学習。派生語(duty, dutifully)も重要。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め問題), Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: TOEIC L&RではまれにPart 7で登場する程度。TOEIC S&Wでは使用する機会があるかもしれない。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンでの従業員の姿勢や責任感を表す文脈で使用される可能性がある。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネス文書やメールで使われる可能性を考慮。類義語(responsible, compliant)とのニュアンスの違いを理解。
- 出題形式: リーディングセクション
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章でまれに出題される。
- 文脈・例題の特徴: 歴史、社会学、倫理学などの分野で、義務感や責任感に関する議論で使われる可能性がある。
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での使用に注意。文脈から意味を推測する練習が必要。
- 出題形式: 長文読解、和訳問題
- 頻度と級・パート: 難関大学で出題される可能性あり。比較的レベルの高い語彙。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、歴史、文学など、幅広い分野で登場する可能性がある。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で正確な意味を把握する練習が必要。類義語・反意語(disobedient)も合わせて学習。