dissolve
最初の 'dɪ' は、日本語の『ディ』よりも短く、曖昧母音に近い音です。強勢は 'zɑːlv' の 'ɑː' に置かれ、ここは長母音でしっかり発音しましょう。語尾の 'lv' は、まず舌先を上の前歯の裏につけて 'l' の音を出し、すぐに唇を軽く噛んで 'v' の音へ移行します。この連続が難しい場合は、'ル' を弱く添えるイメージで発音すると、よりネイティブに近い響きになります。
専門的な内容に関するご注意
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溶かす
固体が液体に混ざって見えなくなるイメージ。砂糖が水に溶ける、雪が解けるなど。物理的な溶解だけでなく、問題や障害が徐々に消えていく様子にも使われる。
She gently stirred her coffee to dissolve the sugar.
彼女は砂糖を溶かすために、コーヒーをそっとかき混ぜました。
※ 【情景】朝、コーヒーカップの中でスプーンがゆっくりと動く様子が目に浮かびますね。温かい飲み物に固体の砂糖が溶けていく、日常生活でよくある場面です。 【ポイント】「dissolve」は、水や他の液体に固形物(この場合は砂糖)が「溶ける」「溶かす」という、最も基本的な使い方です。動詞の後に「何を溶かすのか」を置きます。
The pharmacist told me to dissolve this powder in water before drinking it.
薬剤師は、この粉薬を水に溶かしてから飲むように言いました。
※ 【情景】薬局で薬剤師さんが親切に説明してくれている様子や、自宅で粉薬をコップの水に入れる場面が想像できます。健康に関わる具体的な行動ですね。 【ポイント】薬や化学物質を液体に溶かす際にもよく使われます。「in water」のように「何の中に溶かすのか」を付け加えることで、より具体的な状況を伝えられます。
This powerful cleaner can dissolve even tough grease stains.
この強力な洗剤は、頑固な油汚れさえも溶かすことができます。
※ 【情景】キッチンやお風呂場で、洗剤が頑固な汚れに吹きかけられ、みるみるうちに汚れが落ちていく様子が目に浮かびます。掃除が楽になる期待感が伝わりますね。 【ポイント】「dissolve」は、汚れや固まりが液体によって分解され、消えていくような状況でも使われます。ここでの「tough grease stains」は「頑固な油汚れ」という意味で、洗剤がその汚れを「溶かしてなくす」ニュアンスがよく伝わります。
解消する
組織や関係などを解体・消滅させる意味。会社が解散する、契約を解除する、などの文脈で使用される。徐々に消えていくニュアンスもある。
The old club decided to dissolve after many years of fun activities.
その古いクラブは、長年の楽しい活動の後、解散することを決めました。
※ 長く続いたクラブが、活動を終える(解散する)場面です。仲間たちとの思い出を振り返りながら、少し寂しそうに決断する様子が目に浮かびます。dissolveは、このようにグループや組織が「解散する」「なくなる」という意味でよく使われます。
Her worries began to dissolve as she saw her family's warm smiles.
家族の温かい笑顔を見て、彼女の心配事は薄れ始めました。
※ 遠く離れて不安だった彼女が、迎えに来た家族の顔を見てホッと安心する、そんな場面です。dissolveは、不安や緊張といった感情、あるいは問題や困難が「スーッと消えていく」「解消する」時にも使われる、とても自然な表現です。
The company had to dissolve its partnership due to unexpected financial issues.
その会社は、予期せぬ財政問題のために提携を解消しなければなりませんでした。
※ ビジネスの世界で、協力関係や契約が「解消される」場面です。厳しい表情の経営陣が、やむを得ず提携の終わりを決断する様子が伝わってきます。had to ... は「〜しなければならなかった」という過去の義務を表す重要な表現です。
ぼやける
輪郭や境界線が曖昧になる様子。記憶が薄れる、感情が曖昧になる、などの抽象的な対象にも使用される。
My eyes filled with tears, and the city lights began to dissolve.
私の目に涙があふれ、街の明かりがぼやけ始めた。
※ 悲しい時や感動した時に、涙が目にいっぱいになって、目の前の景色、特に光がじわっと滲んで見えなくなる様子を描写しています。涙で視界が不鮮明になる状況は、多くの人が経験する共感できるシーンで、「ぼやける」という意味で 'dissolve' を使う典型的な例の一つです。
In the thick morning fog, the distant trees began to dissolve.
濃い朝霧の中で、遠くの木々がぼやけ始めた。
※ 早朝の深い霧の中、遠くにある木々がはっきり見えなくなり、輪郭が曖昧になっていく様子が目に浮かびます。霧や霞など、視界を遮るものによって景色が「溶け込むように見えなくなる、ぼやける」状況は、'dissolve' が自然に使われる場面です。
Over time, the old memories of my childhood started to dissolve.
時が経つにつれて、私の子供の頃の古い思い出はぼやけ始めた。
※ 子供の頃の楽しかった思い出が、時間が経つにつれて少しずつ曖昧になり、細部が思い出せなくなっていく、少し切ない気持ちが伝わります。'dissolve' は物理的なものだけでなく、記憶や感情など、抽象的なものが「薄れる」「曖昧になる」という意味でもよく使われます。'Over time' は「時が経つにつれて」という、時間の経過を表す便利な表現です。
コロケーション
砂糖/塩を溶かす
※ 「dissolve」の基本的な物理的意味合いを示すコロケーションです。砂糖や塩などの物質が液体に溶けて見えなくなる状態を指します。料理や化学実験など、具体的な場面でよく使われます。類似の表現として"melt"(溶ける)がありますが、"melt"は通常、熱によって固体が液体になる場合に用いられ、"dissolve"は液体に分散して溶けるというニュアンスが強いです。例えば、「氷が溶ける」は"melt"、「砂糖が水に溶ける」は"dissolve"が適切です。
パートナーシップ/会社を解散する
※ ビジネスの文脈でよく用いられる表現で、契約や組織を正式に終了させることを意味します。単に「解散する」だけでなく、法的な手続きを経て正式に終了させるニュアンスが含まれます。類似の表現として"terminate"や"break up"がありますが、"dissolve"はより公式な、法的な解散手続きを伴う場合に使われることが多いです。例えば、"dissolve a marriage"(離婚する)も同様の用法です。
涙に暮れる、泣き崩れる
※ 感情が非常に高ぶり、涙が止まらなくなる様子を表す比喩的な表現です。悲しみ、喜び、感動など、強い感情が原因で泣き出してしまう状況で使われます。文学作品や映画などでよく見られる表現で、感情的なシーンを強調する効果があります。類似の表現として"burst into tears"がありますが、"dissolve in tears"はより感情が深く、静かに涙が溢れ出すイメージです。
疑念/恐怖を解消する
※ 抽象的な概念を「溶かす」という比喩的な表現です。疑念や恐怖が徐々に消えてなくなる様子を表します。多くの場合、情報や証拠が提示されることで、不安や疑念が解消される状況で使われます。例えば、「証拠が彼の疑念を解消した」のように使われます。類似の表現として"dispel"がありますが、"dissolve"はより徐々に、自然に消えていくニュアンスがあります。
境界線をなくす、区別をなくす
※ 物理的な境界線だけでなく、社会的な境界線や固定観念などを取り除くという意味で使われる比喩的な表現です。グローバル化や文化交流が進む現代社会において、国境や文化の壁が薄れていく状況を表す際によく用いられます。例えば、「インターネットは地理的な境界線を溶解させた」のように使われます。類似の表現として"blur the lines"がありますが、"dissolve"はより完全に境界線がなくなるイメージです。
完全に溶ける、完全に解散する
※ "completely"という副詞を伴うことで、「完全に」という意味合いを強調する表現です。物理的な溶解だけでなく、組織の解散や感情の消失など、様々な文脈で使用可能です。例えば、「砂糖は完全に水に溶けた」や「会社は完全に解散した」のように使われます。この表現は、不確実性や曖昧さを排除し、最終的な状態を強調する効果があります。
酸で溶解する
※ 酸の腐食作用によって物質が溶けることを指す、科学的な文脈でよく使われる表現です。例えば、金属が酸によって溶ける場合などに用いられます。この表現は、化学実験や産業プロセスなど、特定の分野で専門的な知識を持つ人々に理解されるものです。日常会話ではあまり使われませんが、科学技術に関する記事や論文などで頻繁に見られます。
使用シーン
学術論文や科学系の記事でよく見られます。例えば、化学の実験で「物質を溶かす」という意味で使われたり、社会科学で「社会構造や既存の概念が崩壊する」といった抽象的な意味で使われたりします。研究者が客観的な事実や理論を説明する際に、文語的な表現として用いられます。
ビジネスシーンでは、契約や合意が「解消される」という意味で、法務関連の書類や会議で使われることがあります。また、組織再編の際に「部署を解散する」という意味合いでも使用されますが、より口語的な場面では 'wind down' や 'close' などが好まれる傾向にあります。フォーマルな文書やプレゼンテーションで使われることが多いです。
日常会話ではあまり使いませんが、比喩的な表現として使われることがあります。たとえば、「不安が溶けてなくなる」のように、感情や状態が徐々に消えていく様子を表現する際に用いられます。ニュースやドキュメンタリー番組などで、社会問題や環境問題について語られる際に、「問題が解消される」という意味で使われることもあります。
関連語
類義語
固体が熱によって液体になることを指す。物理的な変化を表す場合に使用される。日常会話や科学的な文脈で用いられる。 【ニュアンスの違い】"dissolve"が液体に溶け込むプロセス全体を指すのに対し、"melt"は固体から液体への状態変化に焦点を当てる。感情や組織など抽象的なものには通常使われない。 【混同しやすい点】"melt"は主に熱による状態変化に限定されるが、"dissolve"は液体に溶けるあらゆるプロセスに適用できる。比喩的な意味合いでも"dissolve"の方が広範囲に使える。
問題や困難を解決する、または決定するという意味。ビジネス、政治、個人的な問題など、幅広い状況で使用される。 【ニュアンスの違い】"dissolve"が解消・消滅するニュアンスを持つ一方、"resolve"は積極的な解決策を見出す意味合いが強い。対立や紛争を収める場合にも使われる。 【混同しやすい点】"resolve"は解決策を見出す行為を指し、"dissolve"は単に消滅・解消することを指す。文脈によって、解決策の有無が重要な違いとなる。
- disintegrate
崩壊する、分解するという意味。物理的な物体の崩壊や、組織、システムなどの崩壊を指す。フォーマルな文脈で使用されることが多い。 【ニュアンスの違い】"dissolve"が均一に溶け込むイメージに対し、"disintegrate"はバラバラになる、粉々になるイメージが強い。組織や計画が崩壊する場合にも用いられる。 【混同しやすい点】"disintegrate"は全体がまとまりを失い、各部分が分離するニュアンスがある。"dissolve"は均一な混合物を形成するイメージなので、対象が異なる。
突然消える、見えなくなるという意味。物理的な消失だけでなく、希望や夢が消えるなど、抽象的な概念にも使われる。日常会話や文学的な表現で用いられる。 【ニュアンスの違い】"dissolve"が徐々に消えていくイメージなのに対し、"vanish"は突然、跡形もなく消えるイメージが強い。魔法や幻想的な文脈でよく使われる。 【混同しやすい点】"vanish"は原因が不明な消失を指すことが多いが、"dissolve"は溶けるというプロセスが明確。比喩的な意味合いでも、消失の仕方に違いがある。
制度や法律、習慣などを廃止するという意味。政治、法律、社会的な文脈で使用される。フォーマルな場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】"dissolve"が組織や関係の解消を指すのに対し、"abolish"は制度や法律の公式な廃止を意味する。より公式で法的なニュアンスが強い。 【混同しやすい点】"abolish"は具体的な制度や法律の廃止に限定されるが、"dissolve"はより広範な対象に使用できる。組織や関係だけでなく、問題や疑念の解消にも使える。
関係が終わる、解散するという意味。恋愛関係、会社、会議など、さまざまな状況で使用される。日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"dissolve"が徐々に解消されるニュアンスを持つ一方、"break up"はより直接的で、関係の終わりを強調する。感情的な要素が強く含まれることが多い。 【混同しやすい点】"break up"は主に人間関係の終了を指し、"dissolve"はより広範な対象に使用できる。会社や組織の解散にも使えるが、感情的なニュアンスは薄い。
派生語
『溶解性のある』という意味の形容詞。語尾の『-ble』は形容詞を作る接尾辞で、『〜できる』という可能の意味合いを付加する。化学や薬学の分野で、物質が液体に溶ける性質を表す際によく用いられる。溶解の『可能性』を示唆する点で、dissolveと意味が関連する。
『解決策』または『溶液』という意味の名詞。『solve(解決する)』という動詞から派生し、『-tion』という名詞化接尾辞が付加された。問題が『解ける』という比喩的な意味と、物質が『溶ける』という物理的な意味の両方を持つ。ビジネスや科学など幅広い分野で使用される。
『溶媒』という意味の名詞、または『支払い能力のある』という意味の形容詞。ラテン語の『solvere(緩める、解放する)』に由来し、物質を『溶かす』という物理的な意味と、束縛から『解放する』という比喩的な意味を持つ。化学分野や金融分野で専門用語として用いられる。
反意語
『凝固する』、『固める』という意味の動詞。液体が固体に変化する過程を表し、『dissolve(溶解する)』とは逆の物理現象を示す。比喩的には、計画や意見などを『具体化する』という意味でも用いられる。科学技術分野やビジネスシーンで使われる。
- congeal
『凝結する』、『凍る』という意味の動詞。特に液体が冷えて半固体状になる状態を表し、『dissolve』が示す『分散』とは対照的に、物質がまとまって形を成すことを意味する。料理や科学の文脈で、物質の状態変化を説明する際に用いられる。
- coagulate
『凝固する』という意味の動詞。特に血液やミルクなどの液体が凝固する様子を表し、『dissolve』とは逆のプロセスを示す。医学や生物学の分野で、生体内の液体が固まる現象を説明する際に用いられる。比喩的には、意見や感情などがまとまるという意味でも使われることがある。
語源
"dissolve」は、ラテン語の「dissolvere(分解する、ばらばらにする)」に由来します。これは、「dis-(分離、否定)」と「solvere(緩める、解く)」という二つの要素から構成されています。「solvere」はさらに、「se-(分離)」と「luere(緩める)」に分解できます。つまり、もともとは「縛られたものを解き放つ」といった意味合いがありました。この「解き放つ」というイメージが、物質を溶かしてバラバラにする、関係を解消する、形をぼやけさせるといった現代的な意味につながっています。日本語で例えるなら、「雪解け」のように、固まったものが徐々にほどけていく様子を想像すると理解しやすいでしょう。一度結合したものが、再び分離していくイメージです。
暗記法
「dissolve」は、単なる溶解に留まらず、社会や人間関係の崩壊、変容を映す鏡。産業革命以降、伝統が Dissolve し、社会運動は不平等を Dissolve させようと試みました。映画では、ディゾルブが時間や記憶の曖昧さを表現。心理学では、自我の溶解を指すことも。現代では、グローバル化で国境が Dissolve し、アイデンティティの流動性を象徴します。崩壊と解放、その両義性こそが Dissolve の深淵。
混同しやすい単語
スペルが非常に似ており、接頭辞 'dis-' と 're-' の違いのみであるため、視覚的に混同しやすい。意味は『解決する』、『決意する』など。『dissolve』が『溶解する』、『解散する』という意味であるのに対し、正反対の意味合いを持つ場合もあるため注意が必要。発音も似ているため、文脈で判断することが重要。
これも接頭辞の違い('dis-' vs 'de-')によるスペルの類似性から混同しやすい。意味は『(権限などが)委譲される』、『悪化する』など。『dissolve』と直接的な意味の関連性はないものの、共に変化や過程を表す動詞であるため、文脈によっては誤解が生じやすい。発音は母音部分が異なるため、意識して区別する必要がある。
語幹の 'solve' が共通しているため、スペルと意味の両面で混同の可能性がある。『absolve』は『免除する』、『赦免する』という意味であり、『dissolve』とは意味が大きく異なる。ただし、どちらも何かを『解放する』というニュアンスを含む場合があるため、文脈依存で判断する必要がある。発音も似ているため注意。
こちらも語幹が共通しており、スペルミスや意味の誤解を招きやすい。『involve』は『巻き込む』、『含む』という意味で、直接的な意味のつながりはない。しかし、何かが他のものに影響を与えるという点で、共通のイメージを持つことがあるため、文脈によっては誤解が生じうる。発音も似ているため、注意が必要。
発音記号は異なりますが、日本語で発音すると『デザート』と『ディゾルブ』で音が似ていると感じる人がいるかもしれません。スペルも 'dissolve' と 'dessert' で文字数が近く、'ss' の位置が異なるため、タイプミスしやすい。意味は全く異なり、『dessert』は食後の甘いもの。
接頭辞が同じ 'dis-' で始まるため、意味の関連性を想像してしまう可能性がある。『disown』は『勘当する』、『否認する』という意味で、『dissolve』とは意味が異なる。しかし、どちらも何かとの関係を断つというニュアンスを含む場合があるため、文脈によっては混同が生じうる。スペルも 'dis' が共通しているため、視覚的な混同も起こりやすい。
誤用例
日本語の『(借金などが)解消する』という訳語に引きずられ、debt(負債)のような抽象的なものが『dissolve(溶解する)』と表現されることがあります。しかし、'dissolve'は物理的に固体が液体に溶ける、あるいは組織や関係が徐々に消滅するイメージが強く、負債の解消には不適切です。IPO成功による負債の解消は、より直接的に'eliminate'(除去する)や'extinguish'(消滅させる)を使う方が適切です。日本人が『解消』という言葉を安易に『dissolve』に置き換えてしまうのは、日本語の抽象的な表現をそのまま英語に当てはめようとする傾向の表れです。
スキャンダル後の政治家の評判について、'dissolve'を使うと、評判がまるで水に溶けるように消え去るような印象を与えます。しかし、実際には評判は完全に消滅するのではなく、傷つき、損なわれることが多いです。そのため、'tarnish'(汚す、傷つける)や'damage'(損なう)を使う方が、より実態に即しています。また、'dissolve'は比較的フォーマルな語彙であり、政治家のスキャンダルという場面では、感情的なニュアンスが不足する場合があります。より強い表現である'ruin'(破滅させる)なども検討できます。日本人は、状態の変化を表現する際に、つい『〜になる』という受け身的な表現(〜 is dissolved)を選びがちですが、英語では能動的な表現(〜 is tarnished)の方が自然な場合が多いです。
'Dissolve'は通常、物質が自然に溶ける様子を表す場合に用いられます。スプーンでかき混ぜて溶かす場合は、'stir'(かき混ぜる)を使う方が適切です。'Dissolve'を使うと、あたかも砂糖が自力でコーヒーに溶け込んでいくような印象を与えてしまい、不自然です。日本人は、結果としての『溶ける』という状態に注目しがちですが、英語では、その行為やプロセスをより具体的に表現することが重要です。また、'dissolve'は科学的な文脈や、詩的な表現で用いられることもあり、日常的なコーヒーを飲む場面では、少し大げさな印象を与える可能性があります。
文化的背景
「dissolve」は、単に物理的な溶解現象を指すだけでなく、社会的な関係や制度、個人のアイデンティティが徐々に消滅・変化していく様を象徴的に表現する言葉として、西洋文化において深い意味合いを持ちます。それは、崩壊、変容、そして時には解放を意味します。
19世紀の産業革命以降、伝統的な共同体や価値観が急速に変化する中で、「dissolve」は社会構造の流動性を表す言葉として頻繁に用いられるようになりました。例えば、ディケンズの小説には、貧困や都市化によって人間関係が希薄になり、個人の尊厳が失われていく様子が描かれていますが、これはまさに「dissolve」が持つ負の側面を捉えたものです。一方で、20世紀以降の社会運動においては、人種差別や性差別といった不平等な社会構造を「dissolve(解消)」しようとする肯定的な意味合いでも使われるようになりました。
文学や映画においては、「dissolve」は時間経過や夢の曖昧さを表現する技法としても用いられます。映画における「ディゾルブ」は、あるシーンから別のシーンへの滑らかな移行を可能にし、時間の流れや記憶の断片を視覚的に表現します。これは、人生の出来事が徐々に薄れていく様や、過去と現在が曖昧に混ざり合う感覚を表現するのに効果的です。また、心理学においては、自我の境界が曖昧になる状態、例えば瞑想や精神的な恍惚状態を「dissolve」と表現することもあります。
現代社会においては、グローバル化やテクノロジーの進化によって、国家や文化の境界線が曖昧になりつつあります。このような状況下で、「dissolve」は、アイデンティティの流動性や多文化共生といったテーマを考える上で重要なキーワードとなります。それは、古い価値観や固定観念を乗り越え、新たな可能性を探求するための挑戦を象徴する言葉でもあるのです。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。特に1級の長文読解で出題される可能性あり
3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、科学技術、社会問題などアカデミックな文脈で使われることが多い。「溶解する」「解消する」といった意味で使われ、比喩的な意味合いも含む。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「解決する(resolve)」や「崩壊する(disintegrate)」など、意味が似ている単語との区別が重要。特に長文読解では文脈から意味を正確に判断する必要がある。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)
2. 頻度と級・パート: Part 7 で比較的頻出。Part 5でも稀に出題される
3. 文脈・例題の特徴: 契約、合併、問題解決などビジネス関連の文脈で使われることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「解散する」「解消する」といった意味で使われることが多い。「解決する(resolve)」や「終了する(terminate)」など、ビジネスシーンでよく使われる類似語との区別が重要。文脈から適切な意味を選ぶ必要がある。
1. 出題形式: リーディングセクション
2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出
3. 文脈・例題の特徴: 科学、社会科学、歴史など、幅広い分野のアカデミックな文章で使われる。「溶解する」「解消する」という意味に加え、抽象的な概念が「薄れる」「消滅する」といった意味で使われることも多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 名詞形(dissolution)も重要。文脈から意味を正確に判断する必要がある。類義語として「vanish」「fade」などがある。
1. 出題形式: 長文読解、語彙問題(稀に)
2. 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。特に国公立大学の2次試験や難関私立大学で出題される可能性が高い
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術など、幅広いテーマの文章で使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 比喩的な意味合いで使われることも多いので、文脈から正確に意味を把握することが重要。類義語や対義語も合わせて覚えておくと、読解問題で有利になる。