英単語学習ラボ

discourse

/ˈdɪskɔːrs/(ディスコーゥス)

第一音節にアクセントがあります。/ɪ/ は日本語の「イ」よりも曖昧で、口を少し開いて発音します。/ɔː/ は日本語の「オー」よりも口を丸めて長く伸ばす音です。語尾の /rs/ は、/r/ を発音した後に、軽く「ス」と言うように発音すると自然です。/r/ は舌を丸める音で、日本語のラ行とは異なります。

名詞

会話

フォーマルな場面での議論や意見交換。論文や講演など、体系的なコミュニケーションを指すことが多い。単なるおしゃべりとは異なるニュアンス。

The professor encouraged an open discourse among the students in class.

教授は授業中、学生たちの間で開かれた議論を促しました。

この例文は、大学の教室で、教授が学生たちにもっと自由に意見を出し合うように促している場面を描いています。「discourse」は、このように特定のテーマについて深く意見を交換する「議論」や「対話」を指すときに非常によく使われます。ここでは、学生たちが真剣な表情で、あるいは楽しそうに話し合っている様子が目に浮かびます。

We had a long discourse about our future plans over coffee.

私たちはコーヒーを飲みながら、将来の計画について長い話し合いをしました。

この例文は、カフェで親しい友人やパートナーと向かい合い、将来について真剣に、でもワクワクしながら語り合っている場面を表現しています。単なる雑談ではなく、内容のある「話し合い」や「対話」を指すときに「discourse」が使われます。「over coffee」は「コーヒーを飲みながら」という意味で、食事や飲み物をしながら何かをする際によく使われる自然な表現です。

The public discourse on climate change is growing more urgent.

気候変動に関する世間の議論はますます緊急性を帯びています。

この例文は、テレビのニュース番組やオンラインの掲示板で、多くの人々が気候変動について真剣に話し合っている社会的な場面を描いています。「public discourse」は「世論」や「公衆の議論」という意味で、社会的な問題についての意見交換や議論を指す際によく使われます。ニュース記事や公式な場で耳にすることが多い典型的な使い方です。

動詞

語る

あるテーマについて、形式ばって議論・講演する。論文で論じる、会議で発表する、などの文脈で使用。

The professor began to discourse on the philosophy of art to his eager students.

教授は熱心な学生たちに、美術の哲学について語り始めました。

大学の講義室で、教授がホワイトボードの前で、目を輝かせた学生たちに、難解ながらも魅力的な美術の哲学について、熱く語り始める様子を想像してみてください。「discourse on/about」で「〜について語る」という、この単語の最も典型的な使い方です。特に、専門的なテーマや深く掘り下げた内容について、公式な場や学術的な文脈で話す際によく使われます。

My grandfather would often discourse about his memories of the old days by the fireplace.

私の祖父は、よく暖炉のそばで昔の思い出について語ったものです。

暖炉の火がパチパチと音を立てるリビングで、おじいちゃんが目を細めながら、遠い昔の出来事や、若かりし頃の冒険について、孫に優しく語り聞かせている温かい場面です。個人的な経験や思い出について、じっくりと話す様子を表しています。フォーマルな場面だけでなく、このように落ち着いた雰囲気の中で、あるテーマについて深く話す際にも使えます。「would often ~」は「よく~したものだ」という過去の習慣を表す表現です。

During their coffee break, the team members discoursed on new ideas for the project.

コーヒーブレイク中、チームのメンバーたちはそのプロジェクトの新しいアイデアについて語り合いました。

オフィスの一角にある休憩スペースで、コーヒーを片手に、ホワイトボードを囲んで座っているチームメンバーたち。活発に意見を交わし、新しい企画について真剣に、しかしリラックスした雰囲気で語り合っている場面です。ここでは、複数人で特定のテーマについて「語り合う」「議論する」というニュアンスで使われています。ビジネスの場や、何かを企画する際に、活発な意見交換が行われる様子が目に浮かびます。

コロケーション

critical discourse analysis

批判的談話分析

談話(テキスト、会話など)を分析する際に、それが社会構造や権力関係をどのように反映・強化しているかを批判的に考察する手法です。社会学、言語学、メディア研究などで用いられ、単なる言語分析にとどまらず、イデオロギーや偏見の隠れた構造を暴き出すことを目的とします。学術的な文脈で頻繁に使用されます。

narrative discourse

物語的談話

物語を語る形式や構造、語り手の視点などを指します。文学、映画、ゲームなどの物語作品を分析する際に用いられ、どのように物語が伝えられ、読者/視聴者に影響を与えるかを考察します。例えば、一人称視点と三人称視点では、物語の語り口や感情移入の度合いが大きく異なります。文学研究でよく使われる表現です。

political discourse

政治的談話

政治家やメディアなどが用いる言語、主張、レトリックなどを指します。政策、イデオロギー、権力闘争などがどのように言語を通じて表現され、世論に影響を与えるかを分析します。選挙演説やニュース報道、SNSでの政治的な議論などが該当します。ニュース記事や政治学の研究で頻繁に見られます。

dominant discourse

支配的談話

ある社会や文化において、最も影響力を持つ考え方や価値観を反映した言説のこと。社会の多数派が共有する常識や偏見、権力構造を維持する役割を果たすことがあります。例えば、特定のジェンダー役割を固定化するような言説がこれに該当します。社会学や文化研究でよく用いられます。

public discourse

公的談話

社会全体に関わる問題について、公の場で行われる議論や意見交換のこと。メディア、政府、市民団体などが参加し、政策決定や社会的な合意形成に影響を与えます。例えば、環境問題や教育改革、人権問題などが議論の対象となります。新聞記事や公共政策に関する議論で頻繁に使用されます。

engage in discourse

談話に参加する、議論を交わす

あるテーマについて、積極的に意見を交換し、議論に参加することを意味します。単に話すだけでなく、相手の意見を聞き、自分の考えを述べ、相互理解を深めることを含みます。会議、討論会、オンラインフォーラムなど、様々な場面で使用されます。フォーマルな場面でよく使われます。

shape the discourse

談話を形成する、議論の方向性を決める

あるテーマに関する議論の枠組みや方向性を決定づけることを意味します。メディア、政治家、専門家などが、特定の視点や価値観を強調することで、議論の展開を左右することがあります。例えば、気候変動問題について、科学的な根拠に基づいた議論を促進するなどが該当します。政治やメディアに関する文脈でよく使われます。

使用シーン

アカデミック

学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。例えば、社会学の研究で「近代社会における家族のディスコース」のように、特定のテーマに関する議論や言説全体を指す場合に用いられます。また、言語学の分野では、会話分析や談話分析において、発話の構造や意味を分析する際に不可欠な用語です。文語的な表現であり、口語で使われることはほとんどありません。

ビジネス

ビジネスシーンでは、戦略会議やプレゼンテーションなどで、企業の方向性や市場動向について議論する際に使用されることがあります。例えば、「新しいマーケティング戦略に関するディスコースを開始する」のように、特定のテーマに関する議論を始めることを意味します。また、社内文書や報告書など、フォーマルな文脈で使用されることが多いです。ただし、日常的なビジネス会話では、より平易な言葉で言い換えられることが一般的です。

日常会話

日常会話では、ほとんど使用されません。しかし、ニュース番組やドキュメンタリー番組などで、政治的な議論や社会問題に関する言説を指す場合に用いられることがあります。例えば、「気候変動に関する公共のディスコース」のように、特定のテーマに関する議論全体を指す場合に用いられます。また、哲学や社会学などの分野に興味のある人が、意図的に使用することがありますが、一般的には馴染みのない言葉です。

関連語

類義語

  • 日常的な会話。友人や家族とのカジュアルなやり取りから、ビジネスにおける簡単な意見交換まで幅広く使われる。フォーマルな場面よりもインフォーマルな場面で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】"discourse"よりも個人的で、双方向的なやり取りを強調する。より具体性のある話題や個人的な意見交換に重点が置かれる。また、気軽なニュアンスが含まれる。 【混同しやすい点】"conversation"は日常会話で頻繁に使われるが、学術的な議論や公式な会議など、よりフォーマルな文脈では"discourse"の方が適切である。"conversation"は可算名詞として使われることが多い。

  • ある特定のトピックについて意見を交換し合うこと。会議、セミナー、研究グループなど、比較的フォーマルな場面で用いられることが多い。問題解決や意思決定を目的とすることが多い。 【ニュアンスの違い】"discourse"よりも焦点が絞られており、特定の目的や議題に沿って進められることが多い。より建設的な意見交換や結論を導き出すことを重視する。 【混同しやすい点】"discussion"は特定の議題や問題に焦点を当てた意見交換を指すのに対し、"discourse"はより広範なテーマや社会的な文脈における言語の使用を指すことがある。"discussion"は可算名詞として使われることが多い。

  • 二者間または少数で行われる意見交換。演劇や文学作品における登場人物の会話としても使われる。双方向的なコミュニケーションを重視する。 【ニュアンスの違い】"discourse"よりも対話者の関係性や相互理解に重点が置かれる。より個人的なレベルでの意見交換や感情の共有が含まれることが多い。 【混同しやすい点】"dialogue"は双方向的な意見交換を強調するが、"discourse"は必ずしも双方向的であるとは限らない。例えば、一方的な講演や文章も"discourse"に含まれる。"dialogue"は通常、複数人による会話を指す。

  • 特定の議題について異なる意見を持つ者同士が、互いの主張を論理的に展開し合うこと。政治、学術、法廷などで用いられることが多い。勝利や説得を目的とすることが多い。 【ニュアンスの違い】"discourse"よりも対立的な要素が強く、意見の相違を明確にし、優劣を競うことを目的とする。感情的な要素が含まれることもある。 【混同しやすい点】"debate"は意見の対立を前提とするが、"discourse"は必ずしも対立を意味しない。"discourse"はより中立的で、様々な視点からの考察を含むことがある。"debate"は、勝敗がつくニュアンスを含む。

  • 公衆に向けて行われる演説。政治家、講演者、プレゼンターなどが聴衆に対し、特定のメッセージを伝えるために行う。フォーマルな場面で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】"discourse"よりも一方的なコミュニケーションであり、聴衆からのフィードバックを必ずしも必要としない。特定の目的や主張を明確に伝えることを重視する。 【混同しやすい点】"speech"は一方的な発話であり、双方向的な意見交換を含まないことが多い。一方、"discourse"は双方向的なコミュニケーションを含む場合もある。"speech"は、話し手の意図が強く反映される。

  • 情報や感情を伝達し合うこと。ビジネス、教育、人間関係など、あらゆる場面で用いられる。広義の概念。 【ニュアンスの違い】"discourse"よりも包括的な概念であり、言語だけでなく、非言語的な手段(ジェスチャー、表情など)も含む。より広い意味での情報伝達を指す。 【混同しやすい点】"communication"は広範な情報伝達を指すのに対し、"discourse"は言語の使用に焦点を当てている。"communication"は、必ずしも言語を必要としない。

派生語

  • discursive

    『話が拡散するような』『論理的というよりは直感的な』という意味の形容詞。元の『discourse』が持つ『あちこちに広がる』というイメージが、論理展開や話題の広がり方に反映された形。学術的な文脈や、やや批判的なニュアンスを含む日常会話で用いられることがある(例:discursive writing, a discursive explanation)。語尾の『-ive』は、性質や傾向を表す形容詞を作る。

  • coursing

    『(液体や動物が)駆け巡る』という意味の動名詞・現在分詞。語根『cours-』が『走る』『流れる』という意味を持ち、『discourse』も元々は『あちこちへ走る』という意味合いから発展した。比喩的に『思考が駆け巡る』といった意味で、文学作品や詩的な表現で用いられることがある。

  • 『小旅行』『遠足』という意味の名詞。接頭辞『ex-(外へ)』と『curs-(走る)』が組み合わさり、『外へ走り出る』というイメージから、気晴らしや調査のための短い旅行を指すようになった。日常会話や旅行関連の記事で使われる。比喩的に、本題から少し『脱線』することを指す場合もある(例:an excursion into another topic)。

反意語

  • 『沈黙』という意味の名詞。『discourse』が言葉によるコミュニケーションを意味するのに対し、『silence』はその欠如を意味する。日常会話から学術的な議論まで、幅広い文脈で対比される。例えば、政治的な抑圧下での『silence』は、自由な『discourse』の否定を意味する。

  • conciseness

    『簡潔さ』という意味の名詞。『discourse』が詳細な議論や説明を指すのに対し、『conciseness』は無駄を省いた表現を意味する。ビジネス文書や技術文書では、『discourse』よりも『conciseness』が重視されることが多い。学術論文においても、冗長な『discourse』は避けられ、『conciseness』が求められる。

  • equivocation

    『曖昧な言い方』『ごまかし』という意味の名詞。『discourse』が明確な意思伝達を目指すのに対し、『equivocation』は意図的に曖昧な表現を用いることで、真意を隠したり、責任を回避したりする。政治的な文脈や、批判的な議論で用いられることが多い(例:He used equivocation to avoid answering the question directly.)。

語源

「discourse」は、ラテン語の「discursus」に由来します。「discursus」は「走り回ること、会話」といった意味を持ち、「discurrere」(走り回る)の過去分詞形です。「discurrere」は、「dis-」(分離、分散)と「currere」(走る)という二つの要素から構成されています。つまり、元々は「あちこちに走り回る」という意味合いから、比喩的に「話題があちこちに広がる会話」や「論理的に筋道を立てて話を展開する」という意味へと発展しました。日本語で例えるなら、議論が白熱して様々な意見が飛び交う様子や、講演者が聴衆に向かって論理的に話を進めていく様子を思い浮かべると理解しやすいでしょう。このように、「discourse」は、言葉が論理や思考の道を「走り回る」イメージから生まれた単語なのです。

暗記法

「discourse」は単なる会話ではない。中世のスコラ哲学では、神学論争という権威ある知識の確立と異端排除の場であり、啓蒙時代には理性的な議論を通じた社会進歩の原動力だった。フーコーはこれを権力と知識が結びついたシステムとして捉え、社会の深層にある権力構造を読み解く鍵とした。社会を形作る、生きた文化的構造物なのだ。

混同しやすい単語

『discourse』と『discuss』は、どちらも議論や会話に関連する単語ですが、『discuss』は特定のトピックについて話し合う、議論するという意味の動詞です。一方、『discourse』は、より形式ばった、体系的な会話や談話、または論文などを指す名詞です。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります(dis'cuss' / 'dis'course')。日本人学習者は、文脈と品詞に注意して使い分ける必要があります。

『discourse』と『recourse』は、語尾の '-course' が共通しているため、スペルが混同されやすいです。『recourse』は、困難な状況において頼ることができる手段や助けを意味する名詞です。たとえば、「法的手段に訴える」は 'have recourse to law' と表現します。意味が全く異なるため、文脈で判断することが重要です。語源的には、'recourse' は「再び走る」という意味のラテン語に由来し、困難から逃れるために頼る手段というイメージです。

『discourse』とはスペルも意味も大きく異なりますが、音の響きが似ているため、リスニング時に混同する可能性があります。『curse』は「呪い」という意味の名詞または「呪う」という意味の動詞です。特に早口で話された場合や、音声品質が悪い場合には注意が必要です。発音記号を確認し、意識的に区別するようにしましょう。

『discourse』とは直接的な類似性はありませんが、英語の会話で頻繁に使われる 'of course' というフレーズを思い出すことで、'-course' の部分でスペルミスを誘発する可能性があります。'of course' は「もちろん」という意味で、独立したフレーズとして覚える必要があります。 'discourse' と関連付けて考えないようにしましょう。

『discourse』と『source』は、どちらも名詞であり、語尾に '-source' という類似した綴りがあるため、視覚的に混同しやすいです。『source』は「源、情報源」という意味で、起源や出所を指します。意味も文脈も異なるため、注意が必要です。例えば、ニュース記事の 'source' は情報源を意味しますが、'discourse' は記事の内容そのものを指すことがあります。

『discourse』と『cause』は、発音の一部(/kɔːrs/と/kɔːz/)が似ているため、リスニング時に混同される可能性があります。『cause』は「原因」という意味の名詞、または「引き起こす」という意味の動詞です。文脈が大きく異なるため、注意深く聞く必要があります。例えば、「discourse analysis (談話分析)」と「cause and effect (原因と結果)」は、全く異なる概念です。

誤用例

✖ 誤用: The politician's discourse was very long and tiring.
✅ 正用: The politician's speech was very long and tiring.

日本人学習者は「discourse」を単に「話」や「演説」の堅い表現と捉えがちですが、本来はもっと広い意味を持ち、特定のテーマに関する一連のコミュニケーション(会話、文章、議論など)全体を指します。政治家の演説単体を指す場合は「speech」がより適切です。日本語の「談話」という言葉のニュアンスに引きずられ、「話」全般の意味で使ってしまう誤りが多いです。英語の「discourse」は、社会学や言語学などの分野で、あるテーマに関する知識や信念体系がどのように形成され、伝達されるかを分析する際に用いられることが多い、より学術的な言葉です。

✖ 誤用: Our company needs to improve its discourse with customers.
✅ 正用: Our company needs to improve its communication with customers.

ここでの「discourse」は、企業と顧客間の「対話」や「コミュニケーション」を意味しようとしていますが、少し不自然です。「discourse」は、組織的な会話や議論の形式を指すことが多く、企業と顧客間の日常的なやり取り全体を指すには硬すぎます。より自然なのは「communication」です。この誤用は、日本語の「意思疎通」を直訳しようとする際に起こりがちです。「discourse」は、例えば「企業倫理に関する社内ディスコース」のように、特定のテーマに関する組織的な議論に使われます。

✖ 誤用: He engaged in a passionate discourse about the meaning of life at the bar.
✅ 正用: He engaged in a passionate discussion about the meaning of life at the bar.

「discourse」は、フォーマルな文脈や学術的な議論に適した言葉であり、バーでのカジュアルな会話には不向きです。このような場面では、「discussion」がより自然です。また、「discourse」は一方的な意見表明ではなく、相互的な意見交換を含むニュアンスがあります。バーでの議論が必ずしも建設的な意見交換とは限らないため、「discussion」の方が適切です。日本人が「熱い議論」を表現する際に、つい形式ばった「discourse」を選んでしまうのは、英語のレジスター(言葉のフォーマルさの度合い)に対する理解が不足しているためです。

文化的背景

「discourse」は単なる会話や議論を超え、特定の社会や集団において共有される価値観、知識、権力構造を反映する言語活動全体を指します。それは、社会を形作り、維持し、変化させる力を持つ、生きた文化的構造物と言えるでしょう。

中世ヨーロッパのスコラ哲学においては、神学的な議論や論証が「discourse」の典型でした。聖書解釈や教義に関する厳密な論理展開は、単なる意見交換ではなく、当時の知識体系と信仰を支える重要な知的営みでした。この文脈では、「discourse」は権威ある知識を確立し、異端を排除するための道具としても機能しました。大学の設立と発展もまた、「discourse」の場を拡大し、新たな知識の生産と伝播を促しました。このように、「discourse」は、中世社会における知的な権威と知識の構造を理解する上で不可欠な概念です。

18世紀の啓蒙時代になると、「discourse」は理性と公共性の概念と深く結びつきました。啓蒙思想家たちは、理性的な議論を通じて社会の進歩を促そうとしました。サロンやカフェといった公共空間が「discourse」の場となり、政治、経済、社会に関する自由な意見交換が盛んに行われました。この時代の「discourse」は、専制政治に対する批判や、人権、自由、平等の理念を広めるための重要な手段となりました。新聞や雑誌といったメディアの発展も、「discourse」の範囲を拡大し、より多くの人々が社会問題について議論に参加できるようになりました。啓蒙時代の「discourse」は、近代社会の民主主義的な価値観の形成に大きな影響を与えました。

現代社会においては、ミシェル・フーコーによって「discourse」の概念はさらに拡張されました。フーコーは、「discourse」を単なる言語活動ではなく、権力と知識が結びついたシステムとして捉えました。彼は、医療、教育、刑罰といった様々な領域において、「discourse」が人々の思考や行動をどのように規制し、形作っているかを分析しました。例えば、精神医学の「discourse」は、何が正常で何が異常かを定義し、精神疾患を持つ人々を社会的に排除する役割を果たしてきたと指摘しました。フーコーの「discourse」の概念は、現代社会における権力構造と知識のあり方を批判的に考察するための重要なツールとなっています。このように、「discourse」は、社会の深層にある権力構造を読み解くための鍵となる概念なのです。

試験傾向

英検

準1級・1級の長文読解、語彙問題で出題される可能性があります。1級ではエッセイのライティングで使えると高評価につながります。

1. **出題形式**: 長文読解、語彙問題、ライティング(エッセイ)。

2. **頻度と級・パート**: 準1級・1級で比較的頻出。特に1級のライティングで有用。

3. **文脈・例題の特徴**: 社会問題、教育、環境など、アカデミックなテーマで登場。

4. **学習者への注意点・アドバイス**: 名詞(議論、談話)としての意味だけでなく、動詞(話す、論じる)としての意味も重要。フォーマルな文脈で使用されることを意識。

TOEIC

Part 7(長文読解)で登場する可能性がありますが、英検ほど頻度は高くありません。ビジネスシーンにおけるコミュニケーションに関する文脈で使われることがあります。

1. **出題形式**: 長文読解。

2. **頻度と級・パート**: Part 7でまれに出題。

3. **文脈・例題の特徴**: ビジネス関連のレポート、記事などで、コミュニケーション戦略や組織内での議論について言及する際に使われる。

4. **学習者への注意点・アドバイス**: フォーマルなビジネスシーンで使われる単語であることを意識し、「discussion」「conversation」など、より一般的な単語とのニュアンスの違いを理解する。

TOEFL

リーディングセクションで頻出。アカデミックなテーマの文章で、議論や学術的な談話について言及する際に使われます。ライティングセクションでも使用できます。

1. **出題形式**: リーディング、ライティング。

2. **頻度と級・パート**: リーディングセクションで頻出。

3. **文脈・例題の特徴**: 科学、社会科学、人文科学など、幅広い分野のアカデミックな文章で登場。

4. **学習者への注意点・アドバイス**: アカデミックな文脈での使用が中心。名詞(議論、談話)と動詞(論じる)の両方の用法を理解し、学術的な文章における適切な使用法を学ぶ。

大学受験

難関大学の長文読解で出題される可能性があります。評論文や論説文で、議論や言説といった意味合いで使われることが多いです。

1. **出題形式**: 長文読解。

2. **頻度と級・パート**: 難関大学の入試で出題される可能性あり。

3. **文脈・例題の特徴**: 社会問題、哲学、文化など、抽象的なテーマを扱う評論文や論説文で登場。

4. **学習者への注意点・アドバイス**: 文脈から意味を推測する練習が重要。「discussion」「argument」など、類似の単語とのニュアンスの違いを理解し、文脈に応じて適切な意味を判断できるようにする。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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