devious
第一音節にアクセントがあります。/iː/は日本語の「イー」よりも長く伸ばし、口角を左右に引くことを意識しましょう。/v/は有声の唇歯摩擦音で、上の前歯を下唇の内側に軽く当てて発音します。日本語の「バ行」音とは異なります。最後の/əs/は曖昧母音で、弱く短く発音します。
専門的な内容に関するご注意
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ずる賢い
目的を達成するために、巧妙で間接的な手段を用いる様子。必ずしも違法ではないものの、正直さや誠実さに欠けるニュアンスを含む。策略的で、人を欺くような印象を与える。
My little brother made a devious plan to avoid doing his chores.
私の幼い弟は、家事を避けるためのずる賢い計画を立てました。
※ この例文は、誰かが自分の都合の良いように、正直でない方法を考える様子を描写しています。弟が「どうすれば掃除しなくて済むかな?」と頭をひねっている、少し悪賢いけれど憎めない状況が目に浮かびますね。「devious plan」は「ずる賢い計画」という非常によく使われる組み合わせです。
The politician used devious tactics to win the election unfairly.
その政治家は、不正に選挙に勝つためずる賢い戦術を使いました。
※ この文は、権力や成功のために、倫理に反するような「ずる賢い手段」を使う場面を表しています。「devious tactics」は「ずる賢い戦術」という意味で、ビジネスや政治の文脈でよく耳にする表現です。公正でないやり方で目的を達成しようとする様子が伝わります。
In the story, the fox was a devious character who always tricked others.
物語の中で、そのキツネはいつも他人をだますずる賢い登場人物でした。
※ この例文は、物語の中のキャラクターが持つ「ずる賢さ」を描写しています。特に動物の寓話などで、キツネやオオカミなどが「ずる賢い」と表現されることは多いですね。この文からは、そのキツネがどんな状況でも人をだまそうとする、生まれつきの性格のようなずる賢さが感じられます。
回りくどい
率直でなく、遠回しな言い方や行動を指す。直接的な表現を避け、意図を隠したり、相手を煙に巻いたりする意図が見られる場合に使われる。
The politician gave a devious answer to avoid the direct question.
その政治家は、直接的な質問を避けるために回りくどい回答をしました。
※ この例文は、政治家が質問に直接答えず、はぐらかしている場面を描写しています。「devious」は、真実を隠すために「回りくどい」言い方をするときによく使われます。特に、意図的に答えを避けるニュアンスが含まれます。
He came up with a devious plan to win the game unfairly.
彼は、ずるをしてゲームに勝つために回りくどい(ずる賢い)計画を思いつきました。
※ この例文は、ゲームでずるをして勝つための「ずる賢い」「手の込んだ」計画を立てている場面を表しています。「devious」は、人を欺くような、ずるいやり方や計画にも使われます。「come up with a plan」は「計画を思いつく」という意味の便利なフレーズです。
We had to take a devious path to avoid the main road construction.
幹線道路の工事を避けるため、私たちは回りくどい道を通らなければなりませんでした。
※ この例文は、幹線道路が工事中で、目的地に行くために「くねくねした」「遠回りな」道を選ばざるを得なかった場面を描写しています。「devious」は、物理的に道が複雑で遠回りであることにも使われる、最も基本的な使い方の一つです。「had to take」は「~しなければならなかった」という意味です。
コロケーション
巧妙な策略、裏のある計画
※ 「devious」が計画という名詞を修飾することで、その計画が単に賢いだけでなく、欺瞞的で不正な手段を用いるニュアンスを強調します。ビジネスや政治、犯罪など、目的達成のためには手段を選ばないような状況で使われます。例えば、競争相手を陥れるための策略や、法律の抜け穴を利用した税金逃れなど、倫理的に問題のある計画を指すことが多いです。類似表現に "scheming plan" がありますが、"devious" はより陰湿で、道徳的な非難のニュアンスが強いです。
含みのある笑み、裏がありそうな笑顔
※ 笑顔という一見ポジティブな行為を「devious」が修飾することで、その笑顔が本心からではなく、何かを隠している、または企んでいることを示唆します。映画や小説など、登場人物の性格描写に用いられることが多く、相手を油断させようとする意図や、優位に立とうとする感情が込められていることがあります。類似表現に "smirk" がありますが、"devious smile" はより計算高く、相手を操ろうとする意図が強く感じられます。
回りくどい道、裏道
※ 物理的な道だけでなく、比喩的に「目標達成までの遠回りな手段」を指すこともあります。例えば、昇進のために上司に取り入る、競争相手を出し抜くために陰謀を企てるなど、直接的な方法ではなく、間接的でずる賢いやり方を意味します。この場合の「route」は、文字通りの道順だけでなく、「方法」「手段」といった意味合いで使われます。"a devious route to success" (成功への回り道) のように用いられます。
ずる賢く魅力的
※ 人が持つ魅力が、策略や計算によって作られていることを示唆します。単に外見が美しいだけでなく、言葉巧みな話術や、相手の心を掴むためのテクニックなど、意図的な魅力によって人を引きつける様子を表します。映画や小説で、悪役でありながらも魅力的なキャラクターを描写する際に用いられることがあります。"dangerously attractive" (危険なほど魅力的) と似たニュアンスを持ちますが、"deviously attractive" はより計画的で、人を操ろうとする意図が強調されます。
ずる賢く立ち回る、策略的に行動する
※ "deviously" が動詞 "act" を修飾することで、行動の仕方が巧妙で、欺瞞的であることを強調します。例えば、自分の利益のために他人を陥れたり、嘘をついたりするような行動を指します。ビジネスシーンで、競争相手を出し抜くために裏工作をする、政治の世界で、対立候補を貶めるためにネガティブキャンペーンを張るなど、倫理的に問題のある行動を指すことが多いです。類似表現に "behave cunningly" がありますが、"act deviously" はより悪意があり、非難のニュアンスが強いです。
よこしまな意図を持って
※ "devious intent" は、行動の背後にある意図が、欺瞞的で不正な目的を持っていることを明確にします。例えば、詐欺師が被害者を騙す、スパイが情報を盗むなど、悪意のある目的のために行動する状況を表します。"with malicious intent" (悪意を持って) と似た意味を持ちますが、"devious intent" は、より巧妙で、計画的な悪意を示唆します。法的な文脈で、犯罪の動機を説明する際にも用いられます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、特に心理学、社会学、政治学などの分野において、人の行動や戦略を分析する際に用いられることがあります。例えば、「その政策の背後には、より巧妙でずる賢い意図が隠されている可能性がある」という文脈で、政策分析や批判的な議論において使われます。文語的な表現です。
ビジネスシーンでは、契約交渉や企業戦略の分析など、競争的な状況を説明する際に使われることがあります。しかし、直接的な非難を避けるため、婉曲的な表現として用いられる傾向があります。例えば、「競合他社の戦略は、一見すると非効率に見えるが、実は非常に巧妙でずる賢いものだ」というように、間接的に競争相手の戦略を評価する際に用いられます。フォーマルな文書やプレゼンテーションで使われることが多いです。
日常会話では、相手を直接的に非難するニュアンスを含むため、あまり使われません。しかし、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、政治家の行動や企業の策略を批判的に報道する際に使われることがあります。例えば、「その政治家の行動は、国民を欺くための巧妙でずる賢い策略だった」というように、報道機関が特定の人物や組織の行動を批判的に評価する際に用いられます。やや硬い表現であるため、日常会話ではより穏やかな表現が好まれます。
関連語
類義語
- scheming
陰謀を企む、策略的な、という意味。ある目的を達成するために、複雑でしばしば秘密の計画を立てることを指します。ビジネスや政治などの文脈で、野心的な人物を表現する際によく用いられます。 【ニュアンスの違い】"devious"が欺瞞的な行動全般を指すのに対し、"scheming"はより具体的な計画や策略に焦点を当てています。また、"scheming"はしばしば否定的な意味合いが強く、非難や軽蔑のニュアンスを含みます。 【混同しやすい点】"devious"が性格や行動の傾向を表すのに対し、"scheming"は具体的な計画や行動そのものを指すことが多いです。例えば、「彼は腹黒い(devious)」とは言えますが、「彼は策略だ(scheming)」とは通常言いません。計画や策略を立てている状態を指す場合は「He is scheming.」のように使います。
- underhanded
裏でこそこそと、不正な手段を使う、という意味。道徳的に疑わしい、または不公正な方法で何かを達成しようとする行動を指します。ビジネスやスポーツなどの競争的な状況でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"devious"が直接的な嘘や欺瞞を含まない場合もあるのに対し、"underhanded"は常に不正な手段や倫理に反する行動を伴います。より強い非難のニュアンスを含みます。 【混同しやすい点】"devious"は単に回りくどい、策略的であるという意味合いも含むため、必ずしも不正な手段を意味しませんが、"underhanded"は常に不正な手段を伴います。例えば、交渉で相手を出し抜くために巧妙な戦略を使うのは"devious"と言えますが、相手の弱みを握って脅すのは"underhanded"です。
ずる賢い、抜け目ない、という意味。秘密めいた様子や、他人を出し抜くような賢さを指します。子供のいたずらや、動物の賢さを表現する際にも使われます。 【ニュアンスの違い】"devious"がより複雑で悪意のある策略を暗示するのに対し、"sly"はより単純で、しばしばユーモラスなニュアンスを含みます。また、"sly"は必ずしも悪意があるとは限りません。 【混同しやすい点】"devious"は主に人間の行動に対して使われますが、"sly"は人間だけでなく、動物や状況に対しても使えます。例えば、「ずる賢いキツネ」は"sly fox"と言えますが、"devious fox"とは通常言いません。
- wily
ずる賢い、策略に長けた、という意味。知恵を使って困難を乗り越えたり、他人を出し抜いたりする能力を指します。しばしば尊敬や感心のニュアンスを含みます。 【ニュアンスの違い】"devious"が悪意や欺瞞を含むことが多いのに対し、"wily"は必ずしもそうではありません。困難な状況を乗り越えるための知恵や工夫を強調します。また、"wily"はやや古風な言葉です。 【混同しやすい点】"devious"は否定的な意味合いが強いのに対し、"wily"は状況によっては肯定的な意味合いを持ちます。例えば、困難な状況を打開するために知恵を絞る人物は"wily"と言えますが、"devious"とは通常言いません。
- crafty
ずる賢い、巧妙な、という意味。目的を達成するために、知恵や策略を巧みに使うことを指します。しばしば手先が器用であることや、芸術的な才能と関連付けられます。 【ニュアンスの違い】"devious"が欺瞞的な行動全般を指すのに対し、"crafty"はより具体的な技術や才能に焦点を当てています。また、"crafty"は必ずしも否定的な意味合いを持つとは限りません。 【混同しやすい点】"devious"が主に人間の性格や行動を指すのに対し、"crafty"は物や行動の性質を表すこともできます。例えば、「巧妙な仕掛け」は"crafty device"と言えますが、"devious device"とは通常言いません。
- insidious
陰険な、油断のならない、という意味。徐々に、あるいは気づかないうちに悪影響を及ぼす性質を指します。病気や陰謀など、目に見えない脅威を表現する際によく用いられます。 【ニュアンスの違い】"devious"が人の行動を指すことが多いのに対し、"insidious"は物事の性質や影響を指します。また、"insidious"はより深刻で、破壊的な結果をもたらす可能性を示唆します。 【混同しやすい点】"devious"は策略や欺瞞的な行動を指しますが、"insidious"は必ずしもそうではありません。例えば、気づかないうちに忍び寄る病気は"insidious disease"と言えますが、"devious disease"とは通常言いません。
派生語
『逸脱する』という意味の動詞。元々は『道から外れる』という文字通りの意味合いから、比喩的に『標準や期待から外れる』という意味に発展。日常会話から学術論文まで幅広く使われる。
『逸脱』を意味する名詞。統計学や科学分野で、平均や標準からのずれを示す際に頻繁に使用される。抽象的な概念を扱うため、ビジネス文書や学術論文でよく見られる。
- deviously
『ずる賢く』『遠回しに』という意味の副詞。『devious』に副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。行動の様子を修飾し、やや否定的なニュアンスを含む。
反意語
『正直な』という意味の形容詞。『devious』が策略や欺瞞を含むのに対し、『honest』は率直で誠実な態度を表す。日常会話やビジネスシーンで頻繁に使われ、信頼関係の基礎となる重要な概念。
『率直な』『単純明快な』という意味の形容詞。『devious』の持つ複雑さや間接性とは対照的に、直接的で分かりやすいアプローチを示す。問題解決やコミュニケーションにおいて、効率性と透明性を重視する文脈で用いられる。
『率直な』『隠し立てのない』という意味の形容詞。『devious』が意図的に何かを隠すニュアンスを含むのに対し、『candid』はありのままを語る姿勢を表す。インタビューや意見交換など、正直さが求められる状況で特に適している。
語源
"devious"は、ラテン語の"devius"(道から外れた、脇道)に由来します。これは"de-"(離れて、外れて)+ "via"(道)から構成されています。つまり、文字通りには「道から外れた」という意味合いを持ちます。この「道」は物理的な道だけでなく、比喩的に「正道」や「規範」を指すこともあります。そのため、"devious"は、本来進むべき道から逸脱し、目的を達成するために回りくどい手段を用いる、ずる賢いといった意味合いを持つようになりました。日本語で例えるなら、「裏道を通る」という表現が近いかもしれません。表向きの道ではなく、隠れた道を選ぶようなイメージです。
暗記法
「devious」は単なるずる賢さにあらず。道徳的曖昧さ、裏切り、弱者の抵抗…様々な意味を内包します。中世の宮廷では権力闘争の必須スキルでしたが、支配者層は脅威となる者の「deviousness」を非難。抑圧された人々の抵抗の象徴ともなりました。文学作品では、社会問題を浮き彫りにする複雑な役割を担い、現代社会では政治や企業の不正を暴く言葉として使われます。背景にある権力構造と社会的不平等。倫理的な問題を提起する言葉なのです。
混同しやすい単語
『devious』と『deviant』は、スペルが非常に似ており、発音も最初の部分が同じであるため、混同しやすいです。『deviant』は『常軌を逸した』『逸脱した』という意味の形容詞、または『逸脱者』という意味の名詞です。品詞が異なる場合があることに注意が必要です。また、道徳的な意味合いを含むことが多いです。日本語の『変態』という言葉が、文脈によっては近い意味合いを持つこともあります。
『devious』と『obvious』は、語尾の '-vious' の部分が共通しており、視覚的に似ています。しかし、『obvious』は『明白な』『明らかな』という意味で、正反対のニュアンスを持ちます。発音もアクセントの位置が異なるため、注意が必要です。英語の学習が進むにつれて、接尾辞のパターンに気づき、混同しやすくなることがあります。
『devious』と『previous』は、どちらも語尾に '-vious' がつくため、スペルが似ています。『previous』は『前の』『以前の』という意味で、時間的な順序を表します。発音も一部似ていますが、アクセントの位置が異なります。英単語をある程度知っていると、接尾辞から類推して意味を誤ることがあるため、注意が必要です。
『devious』と『dubious』は、語尾の '-ious' の部分が共通しており、スペルが似ています。また、どちらもネガティブなニュアンスを含むため、意味の面でも混同しやすいかもしれません。『dubious』は『疑わしい』『不確かな』という意味です。発音も似ているため、文脈から判断する必要があります。
『devious』とは語源的な関連はありませんが、語尾の '-ous' のスペルが共通しているため、視覚的に混同しやすいかもしれません。『zealous』は『熱心な』『熱狂的な』という意味で、良い意味でも悪い意味でも使われます。発音は全く異なりますが、スペルの類似性から誤って覚えてしまう可能性があります。
『devious』とは語源的な関連はありませんが、語尾の母音で終わる綴りが似ているため、スペルを覚え間違える可能性があります。『genius』は『天才』という意味で、発音もアクセントの位置も大きく異なります。英語学習初期に、スペルと発音の対応関係が曖昧な場合に起こりやすい誤りです。
誤用例
『devious』は、単に『巧妙な』という意味ではなく、『不正な手段を使って人を欺く』という強い非難のニュアンスを含みます。税金の値上げを隠蔽する計画自体は『cunning(ずる賢い)』と表現できますが、『devious』を使うと、その政治家がさらに不誠実で悪意に満ちた人物であるという印象を与えてしまいます。日本人が『巧妙な』という言葉を安易に『devious』に置き換えてしまうのは、英語の語感が持つ道徳的な重みを理解していないためです。日本語の『巧妙』は中立的な意味合いでも使えるため、注意が必要です。
『devious』は、物理的な経路が曲がりくねっていることを表す言葉ではありません。この文脈では、『遠回り』や『迂回』を意味する『roundabout』が適切です。日本人が『devious』を『曲がりくねった』と誤解するのは、おそらく『deviate(逸脱する)』という単語との混同、または『道が入り組んでいる=何か裏がある』という連想からくるものと考えられます。英語では、単に道が物理的に複雑な場合は『winding』や『circuitous』といった言葉が使われます。
『devious』は笑顔に対して使うと、『邪悪な笑み』や『含みのある笑み(ただしネガティブな意味)』といった意味合いになります。単に『意味深な笑顔』を表したい場合は、『knowing smile』が適切です。日本人が『devious smile』を使ってしまう背景には、日本語の『意味深』という言葉が持つニュアンスの幅広さがあります。『意味深』は必ずしもネガティブな意味合いを含まないため、安易に『devious』に置き換えてしまうと、意図しない誤解を生む可能性があります。例えば、親しい間柄での内緒話を知っている時の笑顔は『knowing smile』が適切です。
文化的背景
「devious(ずる賢い)」という言葉は、単なる知略の高さだけでなく、道徳的な曖昧さ、裏切り、そして時には社会的な弱者が権力者に対抗するための狡猾な手段をも含意します。この言葉は、しばしば社会規範からの逸脱を暗示し、その背後には、不平等な状況下で生き残るための知恵や、道徳的な葛藤が潜んでいることがあります。
「devious」という言葉が持つ負のイメージは、歴史的に権力者によって作り上げられてきた側面があります。中世の宮廷文化では、陰謀や策略が日常茶飯事であり、権力闘争の中で生き残るためには、ある程度の「deviousness(ずる賢さ)」が必要とされました。しかし、権力者は、自分たちに対する脅威となる可能性のある者の「deviousness」を非難し、社会的な規範から逸脱するものとして排除しようとしました。そのため、「devious」という言葉は、権力者によって負のレッテルを貼られた、抑圧された人々の抵抗の象徴とも言えるのです。
文学作品においても、「devious」な人物はしばしば複雑な役割を担います。例えば、シェイクスピアの『オセロ』に登場するイアーゴは、その「deviousness」によって悲劇を引き起こしますが、同時に、彼の行動は、当時の社会における人種差別や階級格差といった問題点を浮き彫りにします。また、現代の映画やドラマでは、「devious」なキャラクターは、アンチヒーローとして描かれることがあり、その行動は、社会の矛盾や不条理を批判する手段として用いられます。彼らは必ずしも道徳的に正しいとは言えませんが、その行動を通して、私たちに社会の暗部を認識させ、倫理的なジレンマを突きつけるのです。
現代社会においても、「devious」という言葉は、政治的な駆け引きや企業の不正行為など、様々な場面で使用されます。しかし、その背後には、常に権力構造や社会的な不平等が存在し、その言葉が持つ意味合いは、単なる「ずる賢さ」を超えて、より深い倫理的な問題を提起します。私たちが「devious」という言葉を使うとき、その背後にある複雑な文化的背景を理解することで、より多角的な視点から社会現象を捉えることができるようになるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題(短文の空所補充)で出題される可能性が高い。長文読解でも文脈理解を問う形で登場することがある。
- 頻度と級・パート: 準1級以上で出題される可能性が高い。1級でもまれに出題される。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、倫理、人間関係など、ややネガティブな文脈で使われることが多い。例文としては、「devious schemes(陰険な計画)」など。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「ずる賢い」「腹黒い」という意味合いで、人の性格や行動を形容する際に使われることが多い。類義語である「sly」や「crafty」とのニュアンスの違いを理解しておくと良い。日本語の「狡猾」に近い。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め問題)やPart 7(長文読解)で出題される可能性がある。
- 頻度と級・パート: TOEIC L&R TESTでは、頻度はそれほど高くないが、ビジネス関連の長文でまれに出題されることがある。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス倫理、契約、交渉など、ややネガティブな状況で使われることがある。例文としては、「devious tactics(姑息な手段)」など。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでは、相手を直接的に非難する言葉は避けられるため、「devious」のように婉曲的な表現が用いられることがある。類義語との使い分けを意識するとともに、文脈から意味を推測する練習をすると良い。
- 出題形式: 主にリーディングセクションで出題される。アカデミックな文章の中で、筆者の主張を理解する上で重要な語彙として登場する。
- 頻度と級・パート: TOEFL iBTのリーディングセクションで、比較的頻繁に出題される。
- 文脈・例題の特徴: 政治、経済、社会学、心理学など、幅広い分野のアカデミックな文章で使われる。複雑な状況や人間の行動を説明する際に用いられることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を説明する際に使われることが多いので、文脈全体を理解することが重要。「devious」が使われている文だけでなく、その前後の文脈から意味を推測する練習をすると良い。また、同意語・反意語を覚えておくことも有効。
- 出題形式: 主に長文読解問題で出題される。文脈理解を問う問題や、同意語・反意語を選ぶ問題で登場する可能性がある。
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試問題で出題される可能性が高い。標準的な大学でも、テーマによっては出題されることがある。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、歴史、文学など、幅広いテーマの文章で使われる。人間の心理や行動、社会の構造などを説明する際に用いられることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。また、類義語・反意語を覚えておくことで、より深く理解することができる。長文読解の練習を通じて、自然な形で単語の意味を理解することが望ましい。