desolation
強勢は 'leɪ' の部分にあります。最初の 'de' は弱く、曖昧母音 /ə/ に近くなります。'l' の音は舌先を上の歯茎につけて発音し、その後の 'eɪ' は二重母音で、日本語の『エイ』よりも口を大きく開けるイメージです。最後の '-tion' は『シェン』と発音しますが、日本語の『シェ』よりも唇を丸めて発音するとよりネイティブに近い響きになります。
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荒廃
建物や場所が放置され、ひどく傷んだ状態。物理的な荒れ果てた様子だけでなく、精神的な孤独や悲しみも含むことがある。
After the big earthquake, the town was left in complete desolation.
大地震の後、その町は完全に荒廃した状態になった。
※ 【情景】大地震が起こり、街全体がひどく破壊され、人がいなくなってしまった様子。何も残っていないような、悲しく寂しい荒廃の情景が目に浮かびます。 【ポイント】「desolation」は、災害や戦争などによって引き起こされる、広範囲にわたる物理的な「荒廃」を表現するのに非常によく使われます。「in complete desolation」のように、「in + 形容詞 + desolation」で「完全に荒廃した状態で」と表現できます。
The old castle stood in desolation, forgotten by everyone.
その古い城は、誰からも忘れ去られ、荒廃した状態で立っていた。
※ 【情景】長い間、誰も訪れず、手入れもされていない古いお城が、ひっそりと寂しく立っている様子。かつての栄光は失われ、周りには何もない、荒れ果てた風景が目に浮かびます。 【ポイント】「desolation」は、人がいなくなり、放置された場所の「荒涼とした状態」や「寂しさ」を表す際によく使われます。ここでは「stood in desolation」で「荒廃した状態で立っていた」と、その場所の状態を描写しています。
When she lost her pet, her heart felt a deep desolation.
彼女はペットを亡くした時、心に深い荒廃を感じた。
※ 【情景】大切なペットを亡くしてしまい、心がぽっかりと穴が空いたような、深い悲しみと空虚感に襲われている女性の気持ち。周りに誰もいないような、孤独で荒涼とした心の状態です。 【ポイント】「desolation」は、物理的な荒廃だけでなく、深い悲しみや喪失感、孤独感からくる「心の荒廃」や「絶望感」を表す際にも使われます。「feel a deep desolation」のように、「feel + desolation」で「荒廃を感じる」と、感情や感覚を表す動詞と一緒に使われることがあります。
孤独
人がいなくなり、寂しい状態。人のいない場所や、感情的な孤立感を指す。
After everyone left, a sense of desolation filled the empty room.
みんなが帰った後、がらんとした部屋に寂寥感が満ちた。
※ この例文は、人がいなくなって広々とした空間に残る、静かで深い「寂しさ」を描写しています。'desolation'は、単なる寂しさだけでなく、そこに荒涼とした、心細い感じが伴う場合によく使われます。'a sense of desolation' は「寂寥感」「荒涼とした孤独感」という意味でよく使われるフレーズです。
Even in the crowded city, she sometimes felt a deep desolation in her heart.
賑やかな都会の中にいても、彼女は時に心に深い孤独を感じた。
※ この文は、周りに大勢の人がいるにもかかわらず、心の中に感じる「深い孤独感」を表しています。'desolation'は、物理的な荒廃だけでなく、希望を失った状態や精神的な深い寂しさ、絶望感を表現する際にも使われます。'in her heart' は「心の中で」という、感情の場所を示す定番の表現です。
The old man felt a great desolation after losing his beloved dog.
老人は、愛犬を亡くした後、大きな孤独感に襲われた。
※ ここでは、大切なものを失った後に感じる、どうしようもない「寂しさ」や「心細さ」、そしてそこからくる「絶望感」に近い孤独を表しています。'desolation'は、喪失や困難な状況がもたらす、重く、深い感情に寄り添います。'after losing...' は「〜を失った後で」と、何かが原因で生じた感情を説明するのに役立つ表現です。
絶望
希望を失い、どうすることもできない状態。深い悲しみや喪失感からくる精神状態を表す。
The news brought a wave of desolation over her.
その知らせは彼女に絶望の波をもたらした。
※ 突然の悪い知らせが、まるで波のように心に押し寄せてくる情景を描いています。予期せぬ出来事が人々に深い「絶望」をもたらす状況で、この単語が自然に使われる典型的な例です。「a wave of ~」は「~の波」と訳し、感情などが押し寄せる様子を表します。
After the big storm, the small town was left in utter desolation.
大嵐の後、その小さな町は完全な絶望状態に陥った。
※ 大きな嵐が去り、何もかもが破壊され尽くした町の様子と、それに伴う人々の「絶望」感を表しています。物理的な荒廃と精神的な絶望が結びついた状況で使われることが多いです。「utter desolation」は「完全な絶望」や「徹底的な荒廃」を意味し、状況の深刻さを強調します。
He looked at the empty field with a feeling of desolation, knowing his crops had failed.
彼は作物がだめになったと知り、絶望感を抱きながら空っぽの畑を見た。
※ 農夫が、丹精込めて育てた作物がだめになった空っぽの畑を見て、深く落胆し「絶望」を感じている情景です。努力が報われず、未来への希望が見えない個人的な状況での「絶望」を表すのに適しています。「with a feeling of desolation」で「絶望感を抱いて」と、特定の感情を伴う行動を自然に表現できます。
コロケーション
完全な荒廃、徹底的な孤独
※ 「utter」は「完全な」「徹底的な」という意味の形容詞で、「utter desolation」は、物理的な荒廃だけでなく、精神的な孤独や絶望が極限まで達した状態を表します。例えば、戦争で完全に破壊された都市や、愛する人を失った後の心の状態などを描写する際に用いられます。ビジネスシーンよりも、文学作品や詩的な表現でよく見られます。類義語としては "complete desolation" がありますが、"utter" はより感情的なニュアンスを含みます。
荒涼とした光景、荒廃した場面
※ 物理的な荒廃や破壊が目に見える形で広がっている状況を指します。例えば、自然災害後の風景や、放置された廃墟などを描写する際に使われます。「scene」は「場面」「光景」という意味で、視覚的なイメージを伴います。ニュース記事やドキュメンタリーなどで、客観的な視点から状況を伝える際に用いられることが多いです。類似表現に "a picture of desolation" があります。
孤独感、絶望感
※ "feelings of desolation"は、内面的な感情、特に孤独感や絶望感が強く押し寄せてくる状態を表します。この表現は、喪失、失恋、孤立など、精神的な苦痛を伴う状況でよく使われます。心理学的な文脈や、個人の感情を深く掘り下げた文学作品などで見られます。類似表現としては "sense of desolation" がありますが、"feelings of" はより個人的で感情的なニュアンスが強くなります。
霊的な荒廃、魂の渇き
※ 「spiritual desolation」は、信仰心の喪失や、人生における意味や目的を見失った状態を指します。宗教的な文脈や、哲学的な議論で用いられることが多いです。自己探求や内省を通じて、人生の方向性を見出そうとする過程で経験することがあります。「spiritual」は「霊的な」「精神的な」という意味で、物質的な豊かさとは対照的な、内面的な空虚さを強調します。
戦争による荒廃
※ 戦争がもたらす物理的な破壊、人々の生活の崩壊、精神的な傷跡など、戦争の悲惨さを包括的に表す表現です。歴史的な記述や、戦争の悲劇を訴える際に用いられます。「the desolation of」という形は、特定の出来事や状況がもたらす荒廃を強調する際に便利です。類似表現として "the ravages of war" がありますが、"desolation" はより広範囲な破壊と喪失を意味します。
荒廃の中で、絶望的な状況下で
※ "amidst" は「~の中で」「~の真ん中に」という意味の前置詞で、「amidst the desolation」は、困難や苦難に満ちた状況の中でも希望を見出そうとする文脈で使われます。例えば、災害からの復興を目指す人々や、逆境に立ち向かう個人の姿を描写する際に用いられます。文学作品や感動的なスピーチなどで、感情的な高まりを表現する際に効果的です。
荒涼とした風景
※ 物理的に荒れ果て、人の気配が感じられない風景を指します。砂漠、荒野、氷原など、厳しい自然環境を描写する際に用いられます。「landscape」は「風景」「景色」という意味で、視覚的な印象を強調します。旅行記や自然に関するドキュメンタリーなどで、その土地の過酷さや美しさを伝える際に用いられます。
使用シーン
文学、歴史学、環境学などの分野で、特定の場所や時代の荒廃、精神的な孤独、あるいは絶望的な状況を分析・記述する際に用いられます。例えば、文学研究で「〇〇の作品における主人公のdesolationは、当時の社会状況を反映している」と分析したり、歴史学で「〇〇地方のdesolationは、〇〇戦争の影響によるものである」と記述したりします。
企業の業績不振、市場の低迷、プロジェクトの失敗など、組織や事業の状況を悲観的に表現する際に、報告書やプレゼンテーションで使用されることがあります。例えば、「市場のdesolationにより、売上が大幅に減少した」と報告したり、「プロジェクトのdesolationは、チームの士気低下を招いた」と説明したりします。ただし、より直接的な表現が好まれる傾向があります。
日常会話で直接的に使用されることは稀ですが、ニュース記事、ドキュメンタリー、文学作品などを通して間接的に触れることがあります。例えば、自然災害後の荒廃した風景を描写する際に「〇〇地域のdesolationは、復興への道のりの厳しさを物語っている」と報道されたり、個人の喪失体験や孤独感を表現する際に「彼女の心はdesolationに満ちていた」と表現されたりします。
関連語
類義語
壊滅、荒廃。自然災害や戦争などによって、建物や土地が完全に破壊され、人々が大きな苦しみを受けている状態を指す。名詞。 【ニュアンスの違い】「desolation」は精神的な荒廃や孤独感を伴うことが多いのに対し、「devastation」は物理的な破壊に重点を置く。また、「devastation」はより大規模で、広範囲に及ぶ破壊を意味することが多い。 【混同しやすい点】「desolation」が感情や状態を表すのに対し、「devastation」は具体的な破壊行為やその結果を表す点。例えば、地震の後に「devastation」が起こり、その結果として人々に「desolation」が感じられる、というように使い分けられる。
- bleakness
荒涼、寒々しさ、希望のなさ。風景や状況が厳しく、魅力的でない様子を表す。名詞。 【ニュアンスの違い】「desolation」が孤独感や寂しさを強調するのに対し、「bleakness」は冷たく、厳しい環境を強調する。天候や将来の見通しなど、抽象的なものにも使える。 【混同しやすい点】「desolation」が内面の感情に強く結びついているのに対し、「bleakness」はより客観的な状況描写に使われることが多い。例えば、冬の荒涼とした風景は「bleakness」で表現されるが、その風景を見て感じる感情は「desolation」で表現されるかもしれない。
孤独、寂しさ。一人ぼっちで寂しい気持ちを表す。名詞。 【ニュアンスの違い】「desolation」は、物理的な荒廃だけでなく、精神的な孤独や絶望感を含むより広範な概念であるのに対し、「loneliness」は単に一人でいることによる寂しさを指す。また、「desolation」はより深刻な状況を表すことが多い。 【混同しやすい点】「loneliness」は主観的な感情であり、必ずしも物理的な孤立を意味しないが、「desolation」はしばしば物理的な荒廃と精神的な孤立が組み合わさった状態を指す。例えば、大勢の人に囲まれていても「loneliness」を感じることはあるが、「desolation」はより深刻な状況で使われる。
- emptiness
空虚、むなしさ。中身がない状態や、充実感がない感情を表す。名詞。 【ニュアンスの違い】「desolation」が物理的な荒廃や精神的な孤独を含むのに対し、「emptiness」はより抽象的な感情、例えば目標を失った後の空虚感や、人間関係の希薄さからくるむなしさを表す。 【混同しやすい点】「emptiness」は具体的な対象がなくても使えるが、「desolation」はしばしば具体的な状況や場所を伴う。例えば、「人生のemptiness」のように使うことができるが、「人生のdesolation」は不自然である。
孤立、隔離。他の人や場所から隔絶されている状態を表す。名詞。 【ニュアンスの違い】「desolation」が孤独感や荒廃感を含むのに対し、「isolation」は単に物理的または社会的に隔絶されている状態を指す。必ずしもネガティブな意味合いを持つとは限らない。 【混同しやすい点】「isolation」は客観的な状態を表すのに対し、「desolation」は主観的な感情を伴うことが多い。例えば、研究のために無人島で生活することは「isolation」だが、その結果として感じる感情は「desolation」かもしれない。
廃墟、崩壊。建物や都市などが破壊され、使用できなくなった状態。名詞としても動詞としても使える。 【ニュアンスの違い】「desolation」は精神的な荒廃や孤独感を伴うことが多いが、「ruin」は物理的な破壊に重点を置く。また、「ruin」は過去の栄光が失われたというニュアンスを含むことがある。 【混同しやすい点】「desolation」は状態を表す言葉であり、「ruin」は破壊された結果、または破壊する行為自体を指す。「The city was in ruin」は正しいが、「The city was in desolation」は不自然。代わりに「The desolation of the city was palpable」のように使う。
派生語
『荒廃した』『孤独な』という意味の形容詞。動詞『desolate(荒廃させる)』から派生し、場所や人の状態を表す。日常会話では『孤独な』、報道では『荒廃した地域』のように使われる。
- desolately
『荒涼と』『寂しく』という意味の副詞。『desolate』に副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。風景や感情の描写に使われ、文学作品に頻出。
- desolator
『荒廃させる者』『破壊者』という意味の名詞。接尾辞『-or』は行為者を示す。歴史書や文学作品で、比喩的に災厄や破壊をもたらす存在を指す。
反意語
『居住』『住居』という意味の名詞。『desolation』が人が住まない状態を表すのに対し、こちらは人が住んでいる状態を指す。学術的な文脈や不動産関連で使われる。
『繁栄』『栄えること』という意味の名詞または形容詞。『desolation』が衰退や荒廃を表すのに対し、こちらは成長や発展を表す。ビジネスや経済に関する文脈で頻繁に使われる。
『耕作』『育成』という意味の名詞。『desolation』が土地の荒廃を示すのに対し、こちらは土地を耕し、作物を育てる行為を表す。農業や園芸の分野で使われる。
語源
「desolation」は、ラテン語の「desolare」(見捨てる、孤独にする)に由来します。この「desolare」は、「de-」(分離、除去)と「solare」(孤独にする、一人にする)という要素から構成されています。「solare」自体は、「solus」(唯一の、ただ一つの)という単語から派生しており、これは「sole」(唯一の)という英単語の語源でもあります。つまり、「desolation」は、文字通りには「唯一の状態から分離されること」を意味し、そこから「荒廃」「孤独」「絶望」といった、人が見捨てられ、孤独を感じ、希望を失った状態を表すようになりました。日本語で例えるなら、「取り残された」という感覚に近いかもしれません。かつて賑やかだった場所が、時を経て静まり返り、ただ一人取り残されたような、そんな情景が「desolation」という言葉に込められています。
暗記法
「desolation」は、失われた繁栄の後に残る、深い喪失感。文学では、エリオットの『荒地』のように、人間の内面や社会の荒廃を映す風景として描かれます。戦争や圧政によるコミュニティの破壊、人々の精神的疲弊もまた、desolation。現代では、環境破壊や過疎化もこの言葉で表現され、私たちが生きる世界の現実を映し出す、重層的な意味を持つ言葉なのです。
混同しやすい単語
『desolation』とスペルが非常に似ており、接頭辞 'dis-' と 'de-' の違いに気づきにくい。意味は『溶解』『解消』であり、組織や関係の終焉を表すことが多い。『desolation』が『荒廃』という状態を表すのに対し、『dissolution』は『解消』という行為や過程を表す点が大きく異なる。日本人学習者は、接頭辞の意味を意識して区別すると良いでしょう。
語尾の '-lation' が共通しており、スペルと発音が似ているため混同しやすい。『isolation』は『孤立』『隔離』を意味し、物理的または感情的な距離を表す。一方、『desolation』は荒廃や悲しみを伴う孤独感を指すことが多い。単語の最初の部分('iso-' と 'deso-')に注意して区別することが重要です。語源的に、'iso-' は『同一』を意味するギリシャ語に由来します。
これも語尾が '-lation' で共通しており、スペルと発音が似ているため混同しやすい。『consolation』は『慰め』を意味し、悲しみや苦しみを和らげる行為や言葉を指す。意味が全く逆であるため、文脈から判断することが重要です。語源的に、'consolation' は『共に慰める』という意味のラテン語に由来します。
語尾の '-lution' が共通しており、発音とスペルが似ているため、特に発音に注意が必要。『solution』は『解決策』を意味し、問題や困難に対する答えを指す。意味も文脈も大きく異なるため、混同しないように注意が必要です。ただし、問題が解決された結果、荒廃が癒されるという意味で間接的なつながりがある場合もあります。
語尾の '-lation' が共通しており、発音とスペルが似ているため混同しやすい。『violation』は『違反』『侵害』を意味し、法律や規則、権利などを破る行為を指す。意味が全く異なるため、文脈から判断することが重要です。『desolation』が状態を表すのに対し、『violation』は行為を表す点が大きな違いです。
接頭辞 'de-' が共通しており、スペルが似ているため混同しやすい。『deposition』は『堆積』『証言』など複数の意味を持つ。地質学的な文脈では堆積、法律的な文脈では証言を意味することが多い。意味と文脈が大きく異なるため、混同しないように注意が必要です。語源的に、'de-' は『下へ』という意味を持ち、それが堆積や証言(記録として残す)の意味につながっています。
誤用例
「desolation」は「荒廃」「孤独」といった、物理的または精神的な荒涼とした状態を表す言葉です。一方、「心のdesolation」という表現は、日本語の「心が荒む」という表現から類推されがちですが、英語では少し大げさで不自然です。より自然なのは、単に「sorrow(悲しみ)」や「grief(深い悲しみ)」といった言葉を使うことです。日本語のニュアンスをそのまま英語に直訳しようとすると、不自然な表現になる典型例です。
「desolation」は、単なる「寂しさ」よりもはるかに深刻な、打ちひしがれたような感情を表します。パーティーが終わった後の軽い寂しさや物足りなさを表現するには、強すぎる言葉です。代わりに、「let down(がっかりした)」や「melancholy(憂鬱)」といった言葉を使う方が適切です。日本人が「寂しい」という言葉を幅広く使うのに対し、英語では感情の強度に応じて使い分ける必要があります。文化的背景の違いが語感のずれを生む良い例です。
「desolation」は、言葉そのものが荒廃している、あるいは希望を奪うような状況で使われます。しかし、相手の言葉に「desolation」を感じる、という表現は、言葉の「bitterness(辛辣さ、苦々しさ)」を伝えたい場合に不適切です。この場合、「bitterness」や「harshness(厳しさ)」といった言葉がより適切です。「言葉の荒廃」というイメージから「desolation」を選んでしまうのは、日本語の表現に引きずられた誤りと言えます。
文化的背景
「desolation(荒廃、孤独)」は、単なる物理的な荒れ果てた状態だけでなく、精神的な孤独や希望の喪失といった、より深い感情的な荒廃を象徴する言葉です。特に、かつて繁栄していた場所やコミュニティが失われた後に残る、取り返しのつかない喪失感を伴う荒廃状態を指すことが多い点が重要です。
文学においては、desolationはしばしば人間の内面の苦悩を映し出す風景として描かれます。例えば、T.S.エリオットの『荒地』では、第一次世界大戦後の精神的な荒廃が、不毛な土地や乾いた川床といったイメージを通して表現されています。また、シェイクスピアの悲劇においても、主人公の心の荒廃が、嵐や荒涼とした荒野といった自然のイメージと重ねて描写されることがあります。このような文学作品におけるdesolationは、単なる背景描写にとどまらず、登場人物の心理状態や物語全体のテーマを象徴する重要な役割を果たしています。
さらに、desolationは社会的な崩壊や政治的な圧政の結果として生じる荒廃状態をも意味します。例えば、戦争や自然災害によってコミュニティが破壊され、人々が家や希望を失った状態は、まさにdesolationと呼ぶにふさわしいでしょう。また、抑圧的な政治体制の下で、人々の自由や尊厳が奪われ、精神的に疲弊した状態も、一種のdesolationと言えます。このように、desolationは社会的な構造や政治的な状況と深く結びついており、単なる個人的な感情にとどまらない、より広範な意味を持つ言葉として理解することができます。
現代社会においては、環境破壊や都市の過疎化といった問題も、desolationという言葉で表現されることがあります。森林伐採や汚染によって自然が破壊され、動物たちが生息地を失った状態は、まさに環境的なdesolationと言えるでしょう。また、地方の過疎化が進み、人々が都市部に流出して、かつて賑わっていた町が廃墟と化していく様子も、社会的なdesolationとして捉えることができます。このように、desolationは、現代社会が抱える様々な問題と深く関わっており、その意味はますます多様化しています。この言葉を理解することは、私たちが生きる世界の現実をより深く認識するための手がかりとなるでしょう。
試験傾向
準1級、1級の長文読解や語彙問題で出題される可能性があります。1級では、エッセイの記述問題で、比喩表現として使用できると高評価につながる可能性があります。注意点としては、名詞としての意味だけでなく、比喩的な意味合いも理解しておく必要があります。
TOEICでは、Part 5(短文穴埋め問題)やPart 7(長文読解)で出題される可能性は低いですが、皆無ではありません。ビジネスの文脈ではあまり使用されないため、出題頻度は低めです。もし出題された場合は、文脈から意味を推測する必要があります。
TOEFLのリーディングセクションで、アカデミックな文章中に出題される可能性があります。環境問題、社会問題、歴史的な出来事など、深刻な状況を描写する文脈で使用されることが多いです。同義語や類義語を理解しておくことが重要です。
難関大学の長文読解問題で出題される可能性があります。文脈から意味を推測する問題や、内容一致問題で間接的に問われることがあります。比喩的な意味合いも理解しておくことが重要です。単語集だけでなく、長文読解を通して語彙力を高めることが大切です。