descend
第2音節にアクセントがあります。/ɪ/ は日本語の「イ」よりも曖昧で、口を少しだけ開けて発音します。最後の /d/ は、日本語の「ド」のように強く発音せず、舌先を上の歯茎に軽く当てて止めるようにすると、より自然な英語の発音に近づきます。
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降りる
高い場所から低い場所へ移動する動作。階段や坂道、飛行機など、具体的な場所や乗り物から下りるイメージ。
She carefully descended the old, creaky stairs to the basement.
彼女はきしむ古い階段を慎重に地下室へ降りた。
※ この例文からは、古い家や少し暗い場所で、足元に気をつけながら階段を降りる情景が目に浮かびますね。「carefully(慎重に)」という言葉が、彼女の気持ちや行動を具体的に伝えています。「descend」は、ただ降りるだけでなく、少しずつ、あるいは段階的に降りていくニュアンスがあります。
The elevator slowly descended to the ground floor.
エレベーターはゆっくりと1階に降りていった。
※ これは、ビルの中でエレベーターに乗っている、日常的で非常に典型的な場面です。「slowly(ゆっくりと)」という言葉で、エレベーターがスムーズに下がっていく様子が伝わりますね。「descend」は、エレベーターや飛行機など、乗り物が高所から降りる時に非常によく使われる表現です。
A thick fog descended upon the city, making it hard to see.
濃い霧が街に降りてきて、見えにくくなった。
※ 朝起きたら窓の外が真っ白、というような濃い霧が街全体を覆っていく様子が想像できます。「making it hard to see(見えにくくなった)」という結果まで示されているので、より鮮明なミニ・シーンになっています。自然現象が静かに降りてきて、あたりを包み込むような状況を表す時にも「descend」が使われます。
受け継がれる
財産、地位、性質などが、先祖や前の世代から引き継がれること。遺伝や家系といったニュアンスを含む。
He is proudly descended from an ancient samurai family.
彼は、古い侍の家系を誇り高く受け継いでいます(=古い侍の家系の子孫です)。
※ この例文は、ある人が「〜の子孫である」と誇らしげに語る情景を描いています。'descend' が「受け継がれる」という意味で使われる際、'be descended from A' の形で「Aの子孫である」という表現は最も典型的で、家系や血筋が代々受け継がれていることを示すのに非常によく使われます。
This beautiful old necklace has descended through generations in our family.
この美しい古いネックレスは、私たちの家族で何世代にもわたって受け継がれてきました。
※ 大切なネックレスが、祖母から孫娘へと手渡される温かい瞬間を想像してみてください。ここでは、'descend' が物理的な物(ネックレス)が世代を超えて受け継がれていく様子を表しています。'through generations'(何世代にもわたって)というフレーズと合わせて使うことで、物の歴史や家族の絆が感じられます。
The secret technique for this craft will descend to only one apprentice.
この工芸品の秘伝の技術は、ただ一人の弟子にのみ受け継がれるだろう。
※ 熟練の職人が、厳しい目でただ一人の弟子を見つめ、大切な技術を教えようとしている真剣な場面です。'descend' は、文化や専門的な技術、知識などが特定の人物やグループに「受け継がれる」際にも使われます。未来形 'will descend' を使うことで、その継承がどれほど重要で選ばれたことなのかが強調されています。
落ちぶれる
名声、地位、財産などを失い、以前より低い状態になること。比喩的に使われ、ネガティブな意味合いが強い。
His business failed, and he started to descend into poverty.
彼の事業は失敗し、彼は貧困に落ちぶれ始めた。
※ この例文は、かつて成功していた人が事業の失敗によって徐々に経済的に苦しくなっていく様子を描いています。「descend into poverty」は「貧困に陥る」「貧困に落ちぶれる」という、この単語が使われる非常に典型的な表現です。徐々に悪い状態へと向かうイメージが伝わりますね。
After the scandal, the famous actor's career began to descend rapidly.
スキャンダルの後、その人気俳優のキャリアは急速に落ちぶれ始めた。
※ この例文は、有名人が不祥事によって名声や仕事の機会を失い、キャリアが下降していく状況を表しています。「descend」は、物理的に「下る」だけでなく、社会的地位や評判が「下がる」「落ちぶれる」際にも使われます。ここでは「急速に(rapidly)」という言葉が、状況の深刻さを際立たせています。
The once proud family began to descend into debt.
かつて誇り高かったその家族は、借金で落ちぶれ始めた。
※ ここでは、裕福だったり、良い状態にあった家族が、経済的な問題によって徐々に苦境に陥っていく様子を描写しています。「descend into debt」は「借金まみれになる」「借金で落ちぶれる」という状況でよく使われる表現です。かつての栄光から、みじめな状態へと「転落する」イメージが鮮明に浮かびますね。
コロケーション
(祖先)から派生する、子孫である
※ 「descend from」は、文字通り「~から下る」という意味から派生し、「~を祖とする」「~の子孫である」という意味合いで使われます。生物学的な系統関係だけでなく、比喩的に「(思想や文化などが)~から派生する」という意味でも使われます。例えば、「He descends from a long line of doctors.(彼は代々医者の家系である)」のように使います。この表現は、単に家系を述べるだけでなく、その家系が持つ歴史や伝統、社会的地位などを含意することがあります。類似表現に「be descended from」がありますが、意味はほぼ同じです。フォーマルな場面や歴史的な文脈でよく見られます。
混沌に陥る
※ 「descend into」は、「~の中に降りていく」という文字通りの意味から、「(好ましくない状態)に陥る、堕ちる」という意味合いで使われます。「chaos(混沌)」と組み合わせることで、「秩序が失われ、混乱した状態になる」ことを強調します。例えば、「The meeting descended into chaos when the CEO announced the layoffs.(CEOが解雇を発表したとき、会議は混沌に陥った)」のように使われます。この表現は、事態が悪化していく様子をドラマチックに表現する際に効果的です。口語よりも、ニュース記事や報告書など、ややフォーマルな文脈で使われることが多いです。
階段/山を降りる
※ これは文字通りの意味でのコロケーションですが、日常会話で非常によく使われます。「descend」は「下る」という行為を比較的ゆっくりと、あるいは慎重に行うニュアンスを含みます。例えば、急いで階段を駆け下りる場合は「run down the stairs」の方が自然です。「descend the stairs」は、例えば、年配の方がゆっくりと階段を下りる様子などを描写するのに適しています。また、「descend a mountain」は、登山後に山を下る行為を指し、達成感や疲労感といった感情を伴うことが多いです。
(場所)に押し寄せる、急襲する
※ 「descend upon」は、「~の上に降り立つ」という文字通りの意味から、「(大勢の人や物が)~に押し寄せる、急襲する」という意味合いで使われます。例えば、「The tourists descended upon the small town.(観光客がその小さな町に押し寄せた)」のように使われます。この表現は、突然、あるいは予想外に大勢の人が押し寄せる様子を強調します。また、軍隊などが急襲する場面でも使われます。例えば、「The army descended upon the enemy camp.(軍隊が敵の陣営を急襲した)」のように使われます。この表現は、ややフォーマルな文脈で使われることが多いです。
(~をする) まで堕落する
※ "descend to (doing something)"は、人が道徳的に低い行為に手を染めることを表します。これは、その人が以前はより高い道徳的地位にあったことを示唆します。たとえば、「He would never descend to lying. (彼は決して嘘をつくようなことはしないだろう)」のように使われます。この表現は、失望や非難の感情を伴うことが多く、フォーマルな文脈や文学作品で見られます。類似の表現に"stoop to (doing something)"がありますが、これも同様に、人が以前はより良い行動をとっていたことを暗示します。
使用シーン
学術論文、特に歴史学や生物学の分野でよく見られます。例えば、歴史学では「〜から派生する」「〜の子孫である」という意味で、家系図や文化の起源を説明する際に使われます。生物学では、生物種が共通の祖先から「派生する」進化の過程を記述する際に用いられます。文語的な表現です。
ビジネスシーンでは、業績や地位が「低下する」「悪化する」といったネガティブな状況を説明する際に、比較的フォーマルな文脈で使用されます。例えば、経営会議の報告書で「売上が前年比で下降した」と報告したり、プロジェクトの進捗が「予定より遅れている」状況を伝えるメールなどで使われることがあります。口語よりは文語的な表現です。
日常会話では、文字通り「階段を降りる」「坂道を下る」といった物理的な動作を表す場合に用いられますが、頻度は高くありません。比喩的に、人の評判や運勢が「落ちぶれる」といった意味で使われることもありますが、やや古風な印象を与えます。ニュース記事やドキュメンタリー番組で、歴史的な建造物や地形を説明する際に、「〜に続く道が降りていく」といった描写で使われることがあります。
関連語
類義語
一般的な表現で、文字通り「下へ行く」という意味。物理的な移動だけでなく、数値や状態などが下がる場合にも使える。日常会話で頻繁に使用される。 【ニュアンスの違い】"descend"よりも直接的で、フォーマルな響きは少ない。具体的な移動手段や状況を伴って使われることが多い。 【混同しやすい点】"descend"がより緩やかで制御された動きを示すのに対し、"go down"は必ずしもそうではない。また、"go down"は、計画的でない、あるいは偶発的な下降も含む。
「落ちる」という意味。物理的な落下だけでなく、地位や価値が下がる場合にも使用される。感情的なニュアンスを含むことが多い。 【ニュアンスの違い】"descend"が比較的客観的な下降を表すのに対し、"fall"はより急激で、制御不能なイメージがある。また、"fall"は失敗や崩壊といったネガティブな意味合いを帯びることがある。 【混同しやすい点】"descend"は自発的な下降を示すことがあるが、"fall"は通常、外部からの影響や内部的な問題による下降を示す。"fall"は比喩的な意味合いで広く使われる。
「(急に)落ちる」「下げる」という意味。物理的な落下、数値の減少、声のトーンを下げるなど、幅広い状況で使用される。カジュアルな表現。 【ニュアンスの違い】"descend"よりも急激で、しばしば意図的な行為を伴う。また、予期せぬ事態や突然の変化を表すことが多い。 【混同しやすい点】"descend"が緩やかで安定した下降を示すのに対し、"drop"は突発的で急激な下降を示す。"drop"は他動詞としても使用可能で、目的語を伴う(例:drop the price)。
「沈む」という意味。水中に沈むイメージが強いが、比喩的に気分が沈む、経済が沈むなど、状態が悪化する場合にも使用される。 【ニュアンスの違い】"descend"が一般的な下降を表すのに対し、"sink"はより重く、絶望的なニュアンスを含むことがある。また、不可逆的な変化を示唆することが多い。 【混同しやすい点】"descend"が必ずしもネガティブな意味を持たないのに対し、"sink"は通常、悪い方向への変化を示す。また、"sink"は物理的な現象だけでなく、精神的な状態を表すことが多い。
「衰退する」「減少する」という意味。数値、健康、人気など、良い状態から悪い状態へと変化する場合に使われる。フォーマルな表現。 【ニュアンスの違い】"descend"が単なる下降を表すのに対し、"decline"は徐々に悪化していく過程を示す。また、一時的な下降ではなく、継続的な低下を意味することが多い。 【混同しやすい点】"descend"が物理的な移動にも使えるのに対し、"decline"は通常、抽象的な概念や状態の変化を表す。ビジネスや学術的な文脈でよく使用される。
「(急に)落ち込む」「暴落する」という意味。経済、株価、成績などが急激に悪化する場合に使われる。ネガティブな意味合いが強い。 【ニュアンスの違い】"descend"よりも急激で、深刻な状況を示す。一時的な落ち込みではなく、長期的な不況や低迷を意味することが多い。 【混同しやすい点】"descend"が比較的客観的な下降を表すのに対し、"slump"は強い危機感や失望感を伴う。経済や市場に関するニュースでよく使用される。
派生語
名詞で「降下」「家系」の意味。動詞 descend から派生し、具体的な下降行為だけでなく、血統や起源といった抽象的な意味合いも持つ。日常会話から歴史学術まで幅広く使われる。
「子孫」「末裔」を意味する名詞。descend に接尾辞 -ant が付き、「〜する人」を表す。生物学や歴史学で家系図を語る際など、学術的な文脈でも用いられる。
- condescend
接頭辞 con-(共に、強調)が付き、「相手にへりくだる」「見下すような態度をとる」という意味の動詞。相手に合わせる意味と、優位性を示す意味の二面性を持つ点が特徴的。ビジネスシーンや人間関係を語る際に使われる。
反意語
「上昇する」「昇る」を意味する動詞。接頭辞 a- が「〜へ」という方向を示し、descend と正反対の動きを表す。山を登るなどの物理的な上昇から、地位や名声が上がる比喩的な意味まで幅広く使われる。
「上がる」「立ち上がる」を意味する動詞。descend が下方への動きを表すのに対し、rise は上方への動きを示す。太陽が昇る、価格が上がるなど、日常的な場面で頻繁に使われる。
「登る」「乗る」を意味する動詞。descend が下る動きであるのに対し、mount は上へ向かう動きを表す。馬に騎乗する、山に登るなど、具体的な動作だけでなく、感情が高ぶるなどの比喩的な意味も持つ。
語源
"Descend(降りる、受け継がれる、落ちぶれる)"は、ラテン語の"dēscendere"に由来します。これは"dē-"(下に、離れて)と"scandere"(登る)が組み合わさった言葉です。つまり、元々は「登ることから離れる、下へ向かって登るのをやめる」という意味合いでした。"dē-"は、英語の"decline(衰退する)"や"depart(出発する)"などにも見られる接頭辞で、「下方への動き」や「分離」を示します。"scandere"は"scale(規模、段階)"や"ascend(登る)"と関連しており、段階的な上昇・下降のイメージを含んでいます。この語源から、"descend"が物理的な「降りる」だけでなく、「家系を受け継ぐ(上位から下位へ)」や「地位・状態が落ちぶれる(下へ向かう)」といった意味合いを持つようになった経緯を理解できます。階段を一段一段降りるように、徐々に状態が変化していく様子を想像すると、記憶に残りやすいでしょう。
暗記法
「descend」は単なる下降にあらず。権威の失墜、運命の凋落、道徳的堕落を映す言葉。高き場所からの降下は、喪失と価値の低下を暗示する。王位継承は権威の移行を、貴族の家系図は血統の正統性を示すが、同時に没落も意味する。文学では、ダンテの地獄への下降は自己の内面への探求であり、ルシファーの降下は傲慢と反逆の象徴。現代では、混沌への陥落、個人攻撃への堕落など、負の側面を表現。文化に深く根ざした言葉なのだ。
混同しやすい単語
『descend』と反対の意味を持つ単語で、スペルも似ているため混同しやすい。意味は『上昇する』。接頭辞『de-』(下へ) と『as-』(上へ) の違いを意識すると覚えやすいでしょう。発音もアクセントの位置が同じなので、意味の違いを強調して発音練習すると効果的です。
発音が似ており、特に『-sc-』の部分と『-c-』の部分が紛らわしい。意味は『きちんとした』『まともな』。スペルと意味が全く異なるため、文脈で判断する必要があります。カタカナ英語の『ディセント』(反対・異議) と混同しないようにしましょう。
『descend』と『decent』と同様に、発音が似ているため混同しやすい。意味は『反対する』『異議を唱える』。名詞としても動詞としても使われます。語源的には『dis-』(分離) +『sentire』(感じる) で、『同じように感じない』という意味合いがあります。
『descend』に接頭辞『con-』(共に) がついた単語で、スペルも似ているため混同しやすい。意味は『見下す』『恩着せがましくする』。元の『descend』の意味合いが薄れて、比喩的な意味合いで使用される点に注意が必要です。
先頭の『dis-』と『de-』のスペルが似ているため、視覚的に混同しやすい。意味は『病気』。発音も全く異なるため、スペルを意識して区別する必要があります。語源的には『dis-』(否定) +『ease』(楽) で、『楽でない状態』を表します。
語頭の『de-』が共通しているため、『descend』と関連があるように錯覚しやすい。意味は『被告』。法律用語であり、日常会話ではあまり使われません。スペルと意味が全く異なるため、文脈で判断する必要があります。
誤用例
『descend』は『(地位・重要度などが)下がる』という意味合いでも使えますが、価格のような数値的なものが下落する場合には、より直接的な『decrease』や『fall』を用いるのが自然です。日本人が『下がる』という言葉から安易に『descend』を選んでしまうのは、語感のずれを生む典型的な例です。英語では、物理的な下降や家系・血統の『遡り』に『descend』が適しています。例えば、『He descends from a noble family.(彼は由緒ある家系の出だ)』のように使います。
『descend』は場所を目的地とする場合、前置詞『to』や『towards』を伴うのが一般的です。『on』を使うと、『〜の上に降り立った』というニュアンスが強くなり、空港という広い場所全体を指すには不自然です。日本語の『〜に降りる』という表現を直訳すると『on』を選びがちですが、英語では目的地への方向性を示す『to』や『towards』がより適切です。また、『descend』は比喩的に『(良くないことが)降りかかる』という意味でも使われます。例:『Silence descended on the room.(部屋に静寂が訪れた)』。
『descend』は文字通り『下る』という意味の他に、『(良くない状態へ)堕ちる、落ちぶれる』というネガティブなニュアンスを含む場合があります。会議後にレストランに行くという状況では、単に『go』を使うのが最も自然で無難です。もし『descend』を使うと、そのレストランが格式の低い場所であるかのような印象を与えてしまいます。日本人は『(場所に)降りていく』というイメージから『descend』を選んでしまうことがありますが、場所の移動を表現する際には、文脈を考慮して適切な動詞を選ぶ必要があります。
文化的背景
「descend(降りる)」という言葉は、単なる物理的な下降を表すだけでなく、権力、地位、運命の凋落、そして時には道徳的な堕落といった、より深い文化的意味合いを帯びてきました。古くから、高い場所は神聖な場所、権威の象徴とされ、そこから「降りる」行為は、必然的に何かを失う、あるいは価値が下がるというイメージと結びついてきたのです。
たとえば、王位継承という文脈では、「descend」は文字通り、王位が後継者に「降りてくる」ことを意味しますが、同時に、先代の権威が薄れ、新たな時代の到来を告げる象徴でもあります。中世ヨーロッパにおいては、貴族の家系図を「descend」という言葉で表現することで、血統の正統性と、先祖から受け継いだ地位の重要性を強調しました。しかし、時として、その血統が絶えること、あるいは没落することもまた、「descend」という言葉で婉曲的に表現され、栄華を誇った一族の悲哀を物語るのです。
文学作品においても、「descend」は重要なモチーフとして登場します。ダンテの『神曲』において、主人公は地獄へと「降りていく(descend)」ことで、人間の罪深さと向き合い、救済への道を探ります。この「下降」は、単なる場所の移動ではなく、自己の内面へと深く潜り込み、暗闇と対峙するメタファーとして機能しています。また、ミルトンの『失楽園』では、堕天使ルシファーが天国から「降りる(descend)」場面が描かれ、その傲慢さと反逆心が、壮大なスケールで表現されています。このように、「descend」は、人間の運命、道徳、そして精神的な旅路を象徴する言葉として、文学作品に深みを与えてきました。
現代においても、「descend」は、比喩的な意味合いで広く用いられています。例えば、「descend into chaos(混沌に陥る)」という表現は、社会や組織が秩序を失い、混乱状態に陥ることを意味します。また、「descend to personal attacks(個人攻撃に及ぶ)」という表現は、議論が建設的な対話から逸脱し、感情的な非難合戦へと堕落していく様子を表します。このように、「descend」は、単なる物理的な下降だけでなく、価値観の崩壊、道徳的な堕落、そして人間関係の悪化など、さまざまな負の側面を表現する言葉として、私たちの社会に深く根付いているのです。
試験傾向
準1級、1級で長文読解、語彙問題で出題される可能性あり。1級では英作文での使用も考えられる。動詞としての「降りる」「由来する」の意味の理解が重要。特に比喩的な意味での使用に注意。
Part 5, 6, 7で登場する可能性はあるが、頻度は高くない。ビジネスシーンでは「(価格などが)下落する」という意味で使われることがある。類似語との区別が重要。
リーディングセクションでアカデミックな文章中に出てくる可能性がある。グラフやチャートの説明文脈で「減少する」という意味で使用されることも。名詞形 'descent' と合わせて覚えておくことが望ましい。
難関大学の長文読解で出題される可能性あり。抽象的な概念や比喩表現の一部として使われることが多い。文脈から意味を推測する能力が求められる。