sink
母音 /ɪ/ は日本語の『イ』よりも口を左右に少し開き、短く発音します。語尾の /k/ は、息を止めてから開放するイメージで、しっかり発音しましょう。日本語の『シンク』のように平板に発音せず、/sɪŋ/ の部分にアクセントを置くとより自然に聞こえます。
専門的な内容に関するご注意
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沈む
水面や地中にゆっくりと、あるいは勢いよく沈んでいく様子。希望や気分が落ち込む場合にも使う。
The small coin quickly sank to the bottom of the clear glass.
その小さなコインは、透明なグラスの底へすぐに沈んでいきました。
※ この例文は、小さなものが液体の中に「沈む」という、最も基本的で分かりやすい『sink』の使い方を示しています。透明なグラスの中でコインが沈んでいく様子を想像してみてください。過去形 'sank' は 'sink' の不規則変化なので、一緒に覚えておくと良いでしょう。
After a long day, I wanted to sink into a warm bath and relax.
長い一日を終えて、私は温かいお風呂に沈んでリラックスしたかった。
※ ここでは、人が温かいお風呂に体を「沈める」ことで、疲れを癒す様子が描かれています。『sink into a bath』で、お湯の中に体を預けてゆったりするイメージが伝わります。身体が液体の中に沈み込む、日常的で心地よいシーンですね。
My boots started to sink deeply into the soft mud after the rain.
雨の後、私のブーツは柔らかい泥の中に深く沈み始めました。
※ この例文は、雨上がりのぬかるんだ道で、ブーツが地面(泥)の中に『沈んでいく』様子を表しています。物理的に何かが柔らかい地面や泥の中に沈み込む時に『sink』はよく使われます。足元がズルズルと沈んでいく、少し困った状況が目に浮かびますね。
流し台
台所や洗面所にある、水をためて洗い物をするための設備。英語ではkitchen sink, bathroom sinkのように場所を特定することが多い。
Mom asked me to put the dirty plates in the kitchen sink after dinner.
お母さんが、夕食後、汚れたお皿を台所の流し台に入れるように私に頼みました。
※ この例文は、家族が協力して家事をする、ごく日常的な情景を描いています。食後に食器を流し台に運ぶのは、多くの家庭で見られる光景ですね。「the kitchen sink」とすることで、台所にある特定の流し台を指していることが明確になります。誰かに何かを頼むときの「ask someone to do something」という基本的な表現も学べます。
I quickly washed my hands at the bathroom sink when I came home from outside.
外から家に帰ったとき、私は急いで洗面所の流し台で手を洗いました。
※ 外から帰宅して、すぐに手を洗うのは誰もが経験する行動です。この例文は、清潔にしたいという気持ちや、急いでいる様子が伝わってきます。「the bathroom sink」とすることで、洗面所にある流し台を指し、台所の流し台とは異なる場所であることを示しています。「at the sink」で流し台の場所を示し、「wash hands」で手を洗うという動作を表す、非常に自然な組み合わせです。
There was a small puddle of water next to the sink this morning.
今朝、流し台の横に小さな水たまりができていました。
※ この例文は、流し台の周りで起こりがちな小さなハプニングを描写しています。水が飛び散ったり、蛇口が少し開いていたりして、流し台の「そば」に水たまりができてしまう、という情景が目に浮かびます。「There was ~」は「~がありました」という意味で、何かの存在を伝えるときに非常によく使われる表現です。「next to the sink」で、流し台のすぐ隣、という位置関係が明確に伝わります。
衰える
体力や気力、能力などが徐々に低下していく様子。病気や加齢に伴う衰えを指すことが多い。
After working all day, his energy began to sink, and he just wanted to rest.
一日中働いた後、彼のエネルギーは落ち始め、ただ休みたいだけだった。
※ この例文は、仕事で疲れて気力や体力が徐々に失われていく様子を描いています。「sink」は、まるで体の底から力が抜けていくように、ゆっくりと「衰える」「低下する」というニュアンスで使われます。ここでは「energy(エネルギー、気力)」が対象です。
When customers stopped coming, the small shop's sales started to sink rapidly.
客足が途絶えると、その小さな店の売上は急速に落ち始めた。
※ ここでは、客が来なくなり、お店の「sales(売上)」がどんどん減っていく状況を示しています。経済的な数値や業績が下降していく様子を表現する際に「sink」は非常に自然です。「rapidly(急速に)」という言葉が、その変化の速さを強調していますね。
After hearing the bad news, her hopes began to sink, and she felt really sad.
悪い知らせを聞いた後、彼女の希望は沈み始め、本当に悲しくなった。
※ この例文は、悪い知らせを聞いて、前向きな「hopes(希望)」がしぼんでいく、気持ちが落ち込んでいく情景を表しています。「sink」は、感情や精神的な状態が徐々に低下していく時にも使われます。ここでは「sad(悲しい)」という感情が、希望が衰える様子をより鮮明にしています。
コロケーション
自力で何とかする、成否は本人次第
※ 文字通りには「沈むか、泳ぐか」。誰の助けも借りずに、自分の力だけで困難を乗り越えなければならない状況を表します。ビジネスシーンや新しい環境に放り込まれた時など、個人の力量が試される場面でよく使われます。「やるしかない!」というニュアンスが込められています。類似表現に"make-or-break"がありますが、こちらは『成功すれば大きく飛躍できるが、失敗すれば全てを失う』というニュアンスが強いです。
絶望の淵に沈む
※ 「despair(絶望)」という名詞と組み合わさり、徐々に、そして深く絶望的な状態に陥っていく様子を表します。文学作品や、人の感情を強く表現したい場面で用いられます。類似表現に"fall into despair"がありますが、"sink into"はより緩慢で、逃れられないようなニュアンスを含みます。
跡形もなく消える、完全に忘れ去られる
※ 船などが沈没して、痕跡すら残らない様子から生まれた表現です。人や物、計画などが完全に消滅し、二度と現れない状況を指します。比喩的に、歴史から忘れ去られた人物や、失敗に終わったプロジェクトなどを表す際に使われます。
(情報などが)じわじわと理解される、浸透する
※ 最初は理解できなかったことや、受け入れられなかったことが、時間とともに徐々に理解できるようになる、あるいは感情がゆっくりと心に浸透していく様子を表します。例えば、ショッキングなニュースを聞いた直後は信じられなくても、時間が経つにつれて現実味を帯びてくる、といった状況です。 "It takes time for the news to sink in."(そのニュースが理解できるまでには時間がかかる)のように使われます。類似表現に"dawn on"がありますが、こちらは「急にひらめく」ニュアンスが強いです。
(仕事や趣味などに)熱心に取り組む、没頭する
※ 文字通りには「歯を食い込ませる」。食べ物に食らいつくように、何か新しいことや難しい課題に積極的に、そして熱心に取り組む様子を表します。例えば、新しいプロジェクトに情熱を注ぐ、難解な本を読み解く、といった状況です。
新たな最低レベルに落ちる、(道徳的に)堕落する
※ 状態や行動が、これまでで最も悪いレベルに達することを意味します。特に、道徳的な堕落や、質の低下を表す際に使われます。例えば、「政界スキャンダルが新たな泥沼に陥った」といった状況です。 "reach a new low"も同様の意味で使えます。
使用シーン
学術論文や研究発表において、比喩表現として「(問題、プロジェクトなどが)行き詰まる、暗礁に乗り上げる」という意味で使われることがあります。例:"The project sank under the weight of bureaucratic obstacles." (そのプロジェクトは官僚的な障害の重みに沈んだ)。また、心理学や社会学の研究で、「(感情、気分などが)落ち込む、沈む」という意味で使われることもあります。例:"Her spirits sank when she heard the news."(彼女はニュースを聞いて気が滅入った)。
ビジネスシーンでは、「(投資、計画などが)失敗する、無駄になる」という意味で、ややフォーマルな文脈で使用されます。会議での報告やメールなどで見られます。例:"The investment sank due to poor market conditions." (その投資は市場の状況が悪く、無駄になった)。名詞の「sink」(流し台)は、オフィスや工場の休憩室などで使われます。例:"Please wash your coffee cup in the sink." (コーヒーカップを流し台で洗ってください)。
日常会話では、文字通り「沈む」という意味で使われることが多いです。例:"The boat sank." (ボートが沈んだ)。また、名詞の「sink」(流し台)は、家庭やレストランなど様々な場所で頻繁に使われます。例:"I'll wash the dishes in the sink."(流し台で皿を洗うわ)。比喩的に「(気分が)落ち込む」という意味で使われることもあります。例:"I sank into depression after losing my job."(失業後、私は憂鬱になった)。
関連語
類義語
液体の中に完全に沈める、または水没させるという意味。主に物理的な現象を指し、学術的な文脈や技術的な説明でよく用いられる。例:submerge the object in water。 【ニュアンスの違い】sinkはより一般的な語で、自然に沈むニュアンスを含むのに対し、submergeは意図的に沈める、または完全に水面下に隠すというニュアンスが強い。また、submergeは比喩的に感情や状況に圧倒されるという意味でも使われる。 【混同しやすい点】sinkは自動詞としても他動詞としても使えるが、submergeは基本的に他動詞として使われる。また、submergeはsinkよりもフォーマルな語彙であり、日常会話ではあまり使われない。
下る、降りるという意味。物理的な下降だけでなく、地位や価値が下がる場合にも使われる。フォーマルな文脈や文学的な表現でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】sinkは水や液体の中に沈むイメージが強いのに対し、descendはより一般的な下降を意味する。descendは、階段を下りる、飛行機が降下するなど、幅広い状況で使える。 【混同しやすい点】sinkは沈む対象が液体であることが前提となるが、descendは必ずしもそうではない。また、descendはsinkよりもフォーマルな語であり、日常会話ではsinkの方がより一般的。
(船などが)沈没する、失敗に終わるという意味。特に事業や計画が失敗する場合に使われることが多い。ややフォーマルな語彙。 【ニュアンスの違い】sinkは単に沈むという現象を表すのに対し、founderは沈没という壊滅的な結果や、事業の失敗という比喩的な意味合いが強い。また、founderは、船や組織などが完全に崩壊するイメージを含む。 【混同しやすい点】sinkは自動詞としても他動詞としても使えるが、founderは主に自動詞として使われる。また、founderはsinkよりも限定的な状況で使われ、日常会話ではあまり使われない。
溺れる、溺死するという意味。主に人や動物が水中で呼吸困難になる状況を指す。感情的な表現やニュース記事などでよく用いられる。 【ニュアンスの違い】sinkは単に沈むという状態を表すのに対し、drownは水中で生命の危機に瀕する状況を表す。drownは、しばしば悲劇的な出来事や感情的な苦痛と結び付けられる。 【混同しやすい点】sinkは自動詞としても他動詞としても使えるが、drownは自動詞として使われることが多い(他動詞として使う場合は、drown someone)。また、drownはsinkよりも強い感情を伴う語であり、より深刻な状況を表す。
急落する、垂直に落ちるという意味。株価や気温などが急激に下がる場合や、人が高い場所から落ちる場合に使われる。ニュース記事や経済関連の文書でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】sinkは徐々に沈むイメージがあるのに対し、plummetは非常に速い速度で落ちるイメージが強い。plummetは、しばしば危機的な状況や急激な変化と結び付けられる。 【混同しやすい点】sinkは水や液体の中に沈むことを指すことが多いが、plummetは必ずしもそうではない。plummetは、物理的な落下だけでなく、比喩的な意味でも使われる(例:株価が急落する)。
減少する、衰退するという意味。数値や品質、健康状態などが悪化する場合に使われる。ビジネスや学術的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】sinkは物理的に沈むイメージが強いのに対し、declineは抽象的な減少や衰退を表す。declineは、売り上げの減少、健康状態の悪化、文化の衰退など、幅広い状況で使える。 【混同しやすい点】sinkは物理的な現象を指すことが多いが、declineは抽象的な概念を表すことが多い。また、declineはsinkよりもフォーマルな語であり、ビジネス文書や学術論文でよく用いられる。
派生語
『水中に沈める、没入させる』という意味の動詞。接頭辞『sub-(下に)』と『merge(浸す、沈む)』が組み合わさり、『水面下に沈める』というsinkの物理的な意味合いを強めた語。日常会話よりも、自然科学や報道記事で使われることが多い。
- subsidence
『地盤沈下、沈静化』という意味の名詞。動詞『subside(沈下する、静まる)』の名詞形。比喩的に、騒ぎや感情が静まる様子を表すこともある。学術論文や報道で使われる頻度が高い。
- sinker
『(釣り糸につける)おもり、沈殿物』という意味の名詞。『sink』に名詞化の接尾辞『-er』がついた形。文字通り『沈むもの』を指す。釣り具としての意味合いが強いが、比喩的に『人を沈ませるもの』という意味で使われることもある。
反意語
『浮く』という意味の動詞。『sink』が水底へ沈むのに対し、水面や空中に留まる、または漂う状態を示す。日常会話で頻繁に使われる基本的な語彙。比喩的に『(計画などが)立ち消えになる』という意味でも使われる。
『上昇する、昇る』という意味の動詞。『sink』が下降運動を表すのに対し、重力に逆らって上へ向かう動きを示す。日常会話よりも、ややフォーマルな文脈や文学的な表現で用いられる。比喩的に地位や名声が上がることも表す。
『浮上する、表面化する』という意味の動詞。『sink』が水面下に消えるのに対し、水面や地表に現れることを意味する。問題や情報が隠されていた状態から明らかになるという意味でも使われる。日常会話、報道、ビジネスなど幅広い文脈で使用される。
語源
「sink」の語源は、ゲルマン祖語の*senkwananに遡ります。これは「沈む」または「下がる」という意味を持ち、さらにインド・ヨーロッパ祖語の*sengw-(傾く、沈む)に由来すると考えられています。この語根は、ラテン語の「sanguis」(血)や、英語の「sag」(たるむ)、「sink」(沈む)といった単語と関連があります。つまり、「sink」は、もともと「傾いて下へ行く」という動きを表していたのです。日本語の「沈む」という言葉が、水底へ向かうイメージだけでなく、気持ちが沈むといった抽象的な意味も持つように、「sink」も物理的な沈下から、勢いが衰える、価値が下がるなど、比喩的な意味へと広がっていきました。流し台を意味する「sink」も、水が下へ流れていく場所というイメージから派生したものです。
暗記法
「sink」は単なる水没に留まらず、希望、名声、活力の喪失を象徴します。難破船は国家の衰退を暗示し、文学では破滅のモチーフに。比喩的には、「絶望に沈む」ように精神的な落ち込みを表し、ビジネスでは回収不能な投資を意味することも。「sink or swim」は厳しい社会での生存競争を映し出し、自己責任の重さを物語ります。この言葉は、感情、社会、歴史と深く結びつき、文化に根ざしています。
混同しやすい単語
『sink』と『think』は、どちらも日本語にはない歯摩擦音(/θ/と/s/)を含むため、特に発音の区別が難しいと感じる学習者が多いです。母音は同じですが、子音の発音が異なり、『sink』は「沈む」、『think』は「考える」と意味も全く異なります。発音記号を意識して練習し、舌の位置を正しく覚えることが重要です。また、スペルも似ているため、文脈で判断するだけでなく、しっかりと確認する習慣をつけましょう。
『sink』と『sang』は、スペルは大きく異なりますが、発音が似ていると感じる学習者がいます。『sang』は動詞『sing』の過去形で、「歌った」という意味です。特に、母音の音が日本語の「ア」に聞こえやすいため、意識して区別する必要があります。また、文法的な役割も異なるため(『sink』は動詞、名詞)、文脈から判断することも大切です。
『sink』と『zinc』は、どちらも短く発音される単語であり、末尾の子音も似ているため、聞き取りにくい場合があります。『zinc』は「亜鉛」という意味の名詞です。スペルも似ているため、注意が必要です。科学や工業関連の文脈で登場することが多いので、そのような場面で『sink』と混同しないようにしましょう。
『sink』と『sick』は、母音の音と末尾の子音が似ているため、特に発音が不明瞭な場合に混同しやすいです。『sick』は「病気の」という意味の形容詞です。意味も文法的な役割も大きく異なるため、文脈から判断することが重要です。例えば、『I feel sick.』は「気分が悪い」という意味になります。
『sink』と『sunk』は、動詞の活用形という点で関連がありますが、『sunk』は『sink』の過去分詞形であり、「沈んだ」という意味合いで使われます。完了形や受動態でよく用いられます。発音も似ているため、文法的な構造を理解し、それぞれの形がどのように使われるかを学ぶことが重要です。例えば、『The ship has sunk.』は「船は沈没した」という意味になります。
『sink』と『sting』は、スペルは異なりますが、語感が似ていると感じる学習者がいるかもしれません。『sting』は「刺す」という意味の動詞です。特に、鼻音(/ŋ/)の発音が苦手な日本人学習者は、語尾の音を曖昧にしてしまいがちなので注意が必要です。文脈も大きく異なるため、それぞれの単語が使われる場面を意識することが大切です。
誤用例
『sink』は、文字通り水に沈むイメージが強いため、抽象的な『評判が落ちる』という状況に使うと、やや不自然に聞こえることがあります。日本語の『評判が地に落ちる』という表現を直訳するとsinkを選んでしまいがちですが、英語では『plummet(急落する)』や『decline』の方が、より一般的かつ自然です。sinkを使う場合は、例えば『The ship sank his career.(その船の沈没が彼のキャリアを台無しにした)』のように、比喩的な表現として、キャリアという船が文字通り沈んでいくようなイメージを喚起させる場合に適しています。
『sink into』は、物理的に椅子などに『沈み込む』場合や、眠り込む場合に使われることが多いです。精神的な状態、特にネガティブな状態に陥る場合は、『lapse into』がより適切です。日本人が『〜に沈む』という表現をそのまま英語にしようとすると、sinkを選びがちですが、英語では状態によって適切な動詞を選ぶ必要があります。lapse intoは、何かから徐々に逸脱していく、というニュアンスがあり、精神的な状態の変化を表すのに適しています。
『sink』は、ここでは『(人に)話す』という意味で使おうとしていますが、これは誤りです。sinkはどちらかというと『(物を)沈める』『(計画などを)頓挫させる』という意味合いが強く、提案を上司に話すという文脈には全く合いません。日本語の『そのアイデアを上司に話してみる』という表現を直訳しようとすると、sinkを使ってしまいがちですが、英語では『broach(話題を持ち出す)』や『raise(話題を提起する)』を使うのが適切です。broachは、特にデリケートな話題や新しい話題を切り出す際に適した、ややフォーマルな表現です。
文化的背景
「sink(沈む)」という言葉は、物理的な沈没だけでなく、希望、名声、地位、あるいは精神的な活力が失われる状態を象徴することがあります。この言葉は、水没という直接的なイメージを通じて、喪失、失敗、そして絶望といった感情を呼び起こし、人間の脆弱性を深く示唆します。
歴史的に見ると、「sink」は船の沈没と結びつき、海難事故の悲劇を想起させます。大航海時代以降、船は国家の命運を左右する存在であり、その沈没は国力の衰退や経済的な損失を意味しました。そのため、「sink」は単なる事故ではなく、戦略の失敗、自然の猛威、あるいは神の怒りといった、より大きな災厄の象徴として捉えられてきました。文学作品においても、船の沈没はしばしば主人公の破滅や社会の崩壊を暗示するモチーフとして用いられ、その象徴性は現代に至るまで受け継がれています。
比喩的な表現においては、「sink」は精神的な落ち込みや能力の低下を表すことがあります。「sink into despair(絶望に沈む)」や「sink into oblivion(忘却の淵に沈む)」といった表現は、希望を失い、存在意義を見失った状態を鮮やかに描写します。また、ビジネスシーンでは、「sink a lot of money into a project(プロジェクトに多額の資金を投じる)」のように、投資が回収できないリスクを伴う状況を表すこともあります。この場合、「sink」は資金が底なし沼に消えていくようなイメージを喚起し、投資の不確実性を強調します。
さらに、「sink」は社会的な文脈においても様々な意味合いを持ちます。たとえば、「sink or swim(生きるか死ぬか)」という表現は、厳しい競争社会において自己の能力を試される状況を表します。この表現は、個人が自力で困難を乗り越えなければ、社会の底に沈んでしまうというシビアな現実を示唆しています。このように、「sink」は単なる物理的な現象を超え、人間の感情、社会的な状況、そして歴史的な背景と深く結びついた、多層的な意味を持つ言葉として、英語圏の文化に根付いているのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題(短文空所補充)、長文読解、稀にリスニング
- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でもまれに出題。リーディングパートが多い。
- 文脈・例題の特徴: 環境問題、社会問題、科学技術など幅広いテーマ。比喩表現や抽象的な用法も問われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「沈む」の基本的な意味に加え、「衰退する」「価値が下がる」などの比喩的な意味も重要。名詞としての「流し」の意味も覚えておくこと。sink, sank, sunk の活用形を確実に。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)。
- 頻度と級・パート: 比較的低い頻度だが、ビジネス関連の長文で登場する可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(市場の低迷、業績の悪化など)での比喩的な表現が多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「沈む」という意味よりも、「(計画などが)失敗する」「(気持ちが)落ち込む」といった意味で使われることが多い点に注意。関連語句(sink in:浸透する)も覚えておくと有利。
- 出題形式: 主にリーディングセクション。まれにリスニングセクション。
- 頻度と級・パート: 中程度の頻度。アカデミックな内容の長文で登場。
- 文脈・例題の特徴: 環境問題、経済問題、社会問題など、論理的な文章の中で比喩表現として用いられることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な意味合い(衰退、低下)で使われることが多い。文脈から意味を推測する練習が重要。類義語(decline, decrease)とのニュアンスの違いも意識すること。
- 出題形式: 主に長文読解。文法問題や語彙問題で問われる場合もある。
- 頻度と級・パート: 標準的な語彙レベル。難関大学では比喩表現として出題される可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 評論、物語など幅広いジャンルで登場。比喩的な意味合いで使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 基本的な意味に加え、比喩的な意味を理解しておくことが重要。文脈から適切な意味を判断できるように練習すること。派生語(sinking)にも注意。