decrepit
第2音節にアクセント(強く発音)があります。/ɪ/ は日本語の「イ」よりも弱く、口を少し開いて発音するイメージです。/ˈkrɛ/ の部分で、/r/ は舌を丸める音で、日本語の「ラ」行とは異なります。舌先をどこにもつけずに、舌の中央あたりを口の中央に近づけるように意識しましょう。最後の /t/ は破裂音で、息を強く出すように発音するとよりクリアに聞こえます。
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老朽化した
建物や物に対して、古くてボロボロになっている状態を表す。単に古いだけでなく、放置されて劣化が進んでいるニュアンスを含む。
The children were afraid to go near the decrepit old house.
子供たちは老朽化した古い家に近づくのを怖がった。
※ この例文は、子供たちが今にも崩れそうな古い家を見て、思わず身を引くような場面を描いています。「decrepit」は、建物がひどく古くなって、ボロボロになっている様子を鮮やかに伝えます。ここでは「be afraid to do...(~するのを怖がる)」という、よく使う表現も学べます。
My grandpa tried to fix his decrepit car, but it was too old.
おじいちゃんは老朽化した車を直そうとしたが、もう古すぎた。
※ 長年大切にしてきた車が、もう修理ではどうにもならないほど古くなってしまった、という少し切ない場面を想像できますね。「decrepit」は、乗り物などが古くなって機能が衰え、今にも壊れそうな状態を指すときによく使われます。「try to do...(~しようと試みる)」という表現も一緒に覚えましょう。
A decrepit old man sat on the park bench, looking tired.
体が弱った老人が公園のベンチに座り、疲れているように見えた。
※ 公園で休む、年老いて弱々しい男性の姿が目に浮かびます。「decrepit」は、人に対して使うと、非常に年をとって体が弱り、以前のように動けなくなった状態を表します。少し悲しい響きを持つこともあります。この文のように、座っている人の様子を「looking tired(疲れているように見えた)」と付け加えることで、情景がより豊かになります。
衰弱した
人や動物に対して、高齢や病気によって体力や活力が著しく低下している状態を表す。弱々しく、生気がない様子を指す。
The decrepit old house had broken windows and its roof was falling apart.
その老朽化した古い家は窓が割れていて、屋根が崩れかかっていた。
※ 窓が割れ、屋根が崩れかかっている古い家が目に浮かびますね。まさに「decrepit」がぴったりな、ひどく傷んだ建物の情景です。建物が古くなってボロボロの状態を表すときによく使われる典型的な例です。
My friend's decrepit car often broke down, making us late.
友人の老朽化した車はよく故障して、私たちは遅刻した。
※ 約束に遅れてしまう友達の車の様子が目に浮かびますね。いかにも古くて故障しやすい車という感じが伝わります。車や機械など、古くなって機能が低下しているものを表すときによく使われます。「break down」は「故障する」という意味の重要なフレーズです。
The old factory was full of decrepit machines that no longer worked.
その古い工場は、もう動かない老朽化した機械でいっぱいだった。
※ もう動かない機械でいっぱいの古い工場。かつては活気があった場所が、今は静かに朽ちている様子が想像できます。工場などで使われる機械が、古くなって使い物にならない状態を表すのに非常に典型的です。「full of 〜」は「〜でいっぱい」、「no longer」は「もはや〜ない」という意味です。
コロケーション
老朽化した建物、荒れ果てた建物
※ 「decrepit」が最も頻繁に使われるのは、建物や構造物を修飾する場合です。単に古いだけでなく、放置され、手入れが行き届かず、崩れかけている状態を指します。歴史的建造物や、かつては栄えたが今は廃墟となっている建物などに使われることが多いです。例えば、'a decrepit Victorian mansion'(老朽化したビクトリア朝の邸宅)のように使います。似たような意味の単語に 'dilapidated' がありますが、'decrepit' はより古さや衰退のニュアンスが強く、しばしば歴史的な重みを感じさせます。
老朽化したインフラ
※ 道路、橋、水道管などの公共インフラが老朽化し、機能不全に陥っている状態を指します。安全性や経済活動に影響を与える深刻な問題として扱われることが多いです。例えば、'the city's decrepit infrastructure is in dire need of repair'(その都市の老朽化したインフラは早急な修理を必要としている)のように使われます。この表現は、単に古いというだけでなく、放置された結果、機能が著しく低下しているというニュアンスを含みます。
ガタがきた車、ボロボロの車
※ 車が古く、メンテナンスも不十分で、今にも壊れそうな状態を指します。外観だけでなく、エンジンやその他の部品も劣化していることを含意します。例えば、'He drove a decrepit car that barely ran'(彼はほとんど動かないボロボロの車を運転していた)のように使われます。日常会話でも使われますが、少し誇張した表現として用いられることもあります。より口語的な表現としては 'clunker' などがあります。
老朽化した状態、衰弱した状態
※ 建物や機械だけでなく、人や組織の状態を表すこともあります。人が「decrepit state」にある場合、それは肉体的、精神的に衰弱し、弱っている状態を指します。例えば、'He was in a decrepit state after years of illness'(彼は長年の病気の後、衰弱した状態だった)のように使われます。組織や制度が「decrepit state」にある場合は、機能不全に陥り、効率が低下している状態を指します。この用法は、ややフォーマルな文脈で用いられることが多いです。
老いさらばえた年齢、よぼよぼの老齢
※ 高齢者が肉体的・精神的に非常に衰弱している状態を強調する表現です。「decrepit」という言葉が持つネガティブなニュアンスが、老齢による衰えをより強く表現します。例えば、'He lived to a decrepit old age'(彼は老いさらばえた年齢まで生きた)のように使われます。この表現は、敬意を払うべき対象に対しては避けるべきですが、客観的に状態を説明する場合や、文学的な表現として用いられることがあります。
老朽化する、衰える
※ 建物や人が徐々に老朽化し、衰えていく過程を表します。時間経過とともに劣化が進む様子を強調します。例えば、'The building had become decrepit over the years'(その建物は長年かけて老朽化した)のように使われます。この表現は、単に状態を説明するだけでなく、その変化の過程に焦点を当てています。類似の表現として 'fall into disrepair' がありますが、'become decrepit' はより広範囲な衰えを指すことがあります。
使用シーン
学術論文、特に歴史学や建築学の分野で、建物や制度の老朽化を記述する際に用いられます。例えば、「その城は長年の戦争と放置により、老朽化した(decrepit)状態にあった」のように使われます。また、社会学や心理学の研究で、個人の精神状態や社会システムの衰退を比喩的に表現する際にも使われることがあります。
ビジネス文書やプレゼンテーションでは、比喩的な意味合いで使われることがあります。例えば、「老朽化した(decrepit)インフラが、企業の成長の足かせとなっている」のように、問題点を強調する際に用いられます。ただし、直接的な表現を避ける傾向があるため、より穏やかな表現に置き換えられることも多いです。
日常会話では、高齢者の体調や、古くなった建物などを指して使われることがあります。ただし、直接的な表現は相手に不快感を与える可能性があるため、注意が必要です。例えば、「あの家はだいぶ老朽化(decrepit)しているね」のように使われますが、親しい間柄での使用が適切です。
関連語
類義語
建物や乗り物などが老朽化し、荒廃している状態を表す。物理的な荒廃に重点が置かれる。 【ニュアンスの違い】"decrepit"と同様に、老朽化による機能不全を意味するが、より客観的で感情的な要素が少ない。また、"decrepit"が人に対しても使えるのに対し、"dilapidated"は主に物理的なものに対して使われる。 【混同しやすい点】人に対して"dilapidated"を使うことは不適切。また、"decrepit"が持つような、弱々しさや老いによる衰えのニュアンスは薄い。
- ramshackle
建物や構造物が粗末に作られ、崩れかけている状態を表す。一時的なものや、急ごしらえで作られたものに対して使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"decrepit"よりもさらに状態が悪く、今にも崩れ落ちそうな印象を与える。また、"decrepit"が必ずしも構造的な問題を示唆しないのに対し、"ramshackle"は構造的な欠陥を伴う。 【混同しやすい点】"decrepit"が時間経過による老朽化を意味するのに対し、"ramshackle"は構造的な欠陥や手抜き工事による崩壊寸前の状態を指す。人に対して使うことはできない。
肉体的または精神的に弱々しい状態を表す。人や動物、あるいは議論や計画など、抽象的なものに対しても使える。 【ニュアンスの違い】"decrepit"が老齢による衰えを意味するのに対し、"feeble"は必ずしも年齢に起因しない弱さを表す。病気や怪我、精神的なストレスなど、様々な原因による弱さを指す。 【混同しやすい点】"decrepit"は物理的な衰えを強調するが、"feeble"は肉体的・精神的な弱さの両方を表せる。建物など物理的なものに対して"feeble"を使うことは一般的ではない。
- infirm
病気や老齢によって体が弱っている状態を表す。特に高齢者に対して使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"decrepit"と同様に、老齢による衰えを意味するが、よりフォーマルな響きを持つ。また、"decrepit"がやや否定的なニュアンスを含むのに対し、"infirm"はより客観的な記述として使われることが多い。 【混同しやすい点】"decrepit"が様々な程度の衰えを意味するのに対し、"infirm"は比較的重度の衰弱状態を指すことが多い。また、"decrepit"は建物などにも使えるが、"infirm"は主に人に対して使われる。
使い古されて、もはや役に立たない状態を表す。物だけでなく、人に対しても、疲労困憊している状態を表すことができる。 【ニュアンスの違い】"decrepit"が老朽化による衰えを意味するのに対し、"worn-out"は過度の使用による消耗を意味する。必ずしも年齢に起因するものではない。 【混同しやすい点】"decrepit"が長期的な衰えを示すのに対し、"worn-out"は短期的な過労や酷使による消耗を示すことが多い。建物などに対して"worn-out"を使う場合は、手入れが行き届いていないというニュアンスを含む。
不安定で、ぐらぐらしている状態を表す。物理的なものだけでなく、状況や計画など、抽象的なものに対しても使える。 【ニュアンスの違い】"decrepit"が老朽化による衰えを意味するのに対し、"shaky"は構造的な不安定さや不確実さを意味する。必ずしも年齢に起因するものではない。 【混同しやすい点】"decrepit"が長期的な衰えを示すのに対し、"shaky"は一時的な不安定さや不確実さを示すことが多い。人に対して"shaky"を使う場合は、精神的な不安定さや動揺を表す。
派生語
- crepitation
医学用語で『捻髪音(ねんぱつおん)』。肺の炎症などで呼吸時に聞こえる、軋むような音を指す。語源的には『軋むこと』を意味し、decrepit が示す老朽化のイメージと通底する。学術的な文脈で使用。
『食い違い』『矛盾』を意味する名詞。接頭辞 dis-(分離)と語幹 crep-(軋む)からなり、元々は『バラバラに軋むこと』を意味した。ビジネスや学術論文で、データや証言の不一致を指摘する際に使用される。
語源
"decrepit」は、ラテン語の"decrepitus"に由来します。これは"dē-"(完全に、下へ)と"crepitāre"(パチパチ音を立てる、きしむ)という二つの要素から構成されています。つまり、文字通りには「完全にきしむ」という意味合いを持ちます。建物や物が老朽化してきしむ音、あるいは人が衰弱して体が思うように動かない様子を連想させます。日本語で例えるなら、古民家の床が「ミシミシ」と音を立てる様子や、高齢者が杖をつきながら「ヨロヨロ」と歩く姿を思い浮かべると、"decrepit"の持つニュアンスが理解しやすいでしょう。時が経ち、本来の物理的な意味合いから転じて、人や物が老いぼれて弱っている状態全般を指すようになりました。
暗記法
「decrepit」は、かつて権威を誇ったものが、時の流れに抗えず崩れゆく様を表します。古城の廃墟、没落した貴族、凋落した老王…かつての栄光の残滓に、無力感と寂寥感が漂います。物理的な老朽化だけでなく、精神や道徳の崩壊も意味し、社会批判や風刺にも用いられます。時代遅れとなったものへの哀愁と、未来への警鐘。この単語は、過ぎ去りし栄光と、抗えぬ衰退を物語るのです。
混同しやすい単語
『decrepit』とスペルが似ており、特に後半部分が混乱しやすい。意味は『分離した』『個別の』であり、発音も異なります。日本人学習者は、単語全体をしっかり見て、意味の違いを意識することが重要です。語源的には、『discrete』は『区別する』という意味のラテン語から来ており、その違いを意識すると覚えやすいでしょう。
『decrepit』と語頭が同じで、発音も似ているため混同しやすい。意味は『法令』『布告』であり、名詞または動詞として使われます。文脈が全く異なるため、文全体を読むことで区別できます。語源的には、どちらもラテン語の『決定する』という意味の語に由来しますが、意味の発展が異なっています。
『decrepit』とスペルの一部が似ており、特に『-cip-』の部分が視覚的に紛らわしい。意味は『断崖絶壁』であり、全く異なる意味を持つ名詞です。発音も大きく異なるため、注意深く発音記号を確認することが重要です。
スペルの一部(特に『-cipi-』)が似ているため、視覚的に混同しやすい。意味は『受取人』であり、名詞として使われます。発音も異なります。接頭辞『re-』が付いていることに注目すると、『受け取る人』という意味がわかりやすくなります。
接頭辞を除くと『-credit』が共通しており、スペルの一部が似ているため混同しやすい。『discredit』は『信用を失わせる』という意味の動詞であり、意味も品詞も異なります。接頭辞『dis-』は否定の意味を持つことを覚えておくと、意味を推測しやすくなります。
スペルの一部(特に『-cerpt』)が似ており、視覚的に紛らわしい。意味は『抜粋』であり、名詞または動詞として使われます。発音も大きく異なります。語源的には、『excerpt』は『摘み取る』という意味のラテン語に由来し、抜粋の意味につながっています。
誤用例
『decrepit』は主に物理的な老朽化、特に建物や物体に対して使われます。ジョークが『decrepit』だと、ジョーク自体が壊れている、もしくは非常に古くて使い物にならないという意味合いになり、笑いを誘うという文脈とは矛盾します。日本語の『ボロボロのジョーク』を直訳すると陥りやすい誤りです。ジョークが古くても面白い場合は、『old』や『well-worn』を使うのが適切です。英語では、抽象的な概念に対して具体的な状態を表す単語を使う場合、その状態がもたらす影響(ここでは笑い)と矛盾しないか注意する必要があります。
『decrepit』は、老齢による衰弱や機能不全を強く示唆する言葉であり、人に対して使うと非常に失礼にあたります。特にビジネスの場では、相手の尊厳を傷つける可能性があるので避けるべきです。日本語の『年老いた』を安易に『decrepit』と訳すと、意図せず相手を侮辱することになりかねません。より丁寧な表現としては、『advanced in years』や『senior』などが適切です。英語では、相手の年齢や容姿に言及する際は、常に敬意を払うことが重要です。
『decrepit』は、物理的な老朽化だけでなく、組織やシステムが機能不全に陥っている状態を指すこともありますが、ネガティブなニュアンスが非常に強い単語です。『政府システム』のような重要なものに使うと、単に古いだけでなく、崩壊寸前であるという印象を与え、強い批判的な意味合いを持ちます。より中立的に、時代遅れであることを指摘したい場合は、『outdated』や『antiquated』を使う方が適切です。英語では、政治や社会問題について議論する際、言葉の選択が持つ影響を慎重に考慮する必要があります。
文化的背景
「decrepit」は、単に老朽化や衰弱を表すだけでなく、かつて権威や威厳を持っていたものが、時の流れの中で無残に崩れゆく様を強く示唆する言葉です。それは、かつての栄光の残滓をまといながら、失われた力を嘆く存在のメタファーとして、文学や映画で繰り返し用いられてきました。
この単語が持つ独特のニュアンスを理解するには、ヨーロッパの歴史、特に貴族社会の盛衰を背景に考えると分かりやすいでしょう。かつて壮麗を誇った城が、手入れもされず廃墟と化していく姿、あるいは、かつては領民を統治した貴族が、没落し貧困にあえぐ姿は、「decrepit」が持つイメージと重なります。シェイクスピアの悲劇に登場する、かつての威厳を失った老王リア王の姿も、この言葉の持つ悲哀を体現していると言えるでしょう。栄華を極めたものが、その終焉を迎える際の無力感、そして、周囲に与える寂寥感こそ、「decrepit」が表現する核心なのです。
また、この単語は、単なる物理的な老朽化だけでなく、精神的な衰退や道徳的な崩壊を指すこともあります。例えば、腐敗した政治体制や、時代遅れになったイデオロギーを「decrepit」と表現することで、その組織や思想がもはや機能不全に陥っており、崩壊寸前であることを強調できます。このような用法は、社会批判や風刺の文脈でしばしば見られます。ある種の権威に対する反抗の意思が込められているとも言えるでしょう。
現代社会においては、急速な技術革新や社会の変化によって、かつては重要であったものが、すぐに時代遅れになってしまうことがあります。そのような状況を「decrepit」と表現することで、過去の遺物と化したものの哀愁や、変化の激しさを際立たせることができます。ノスタルジーを感じさせる一方で、未来への警鐘を鳴らす言葉として、「decrepit」は、複雑な感情を呼び起こす力を持っていると言えるでしょう。
試験傾向
準1級、1級の語彙問題で出題される可能性あり。長文読解で文脈から意味を推測させる問題も考えられる。直接的な語彙知識だけでなく、文脈における意味の理解が重要。リスニングでの出題は稀。
TOEICでは、ビジネスシーンでの使用頻度が低いため、Part 5(短文穴埋め)やPart 6(長文穴埋め)での出題頻度は低い。しかし、Part 7(長文読解)で、例えば建物の老朽化に関する記事などで使われる可能性はゼロではない。
TOEFL iBTのリーディングセクションで、環境問題、都市計画、歴史的建造物の保全など、アカデミックな文脈で出題される可能性がある。文脈から類義語を選択させる問題が多い。ライティングセクションで、高度な語彙力を見せるために使用することも可能だが、不自然にならないように注意。
難関大学の長文読解問題で出題される可能性あり。文脈から意味を推測する問題や、同意語・反意語を選択する問題として出題されることが多い。語源(de- + creak)を知っておくと、意味を推測しやすい。