comprehensive
第2音節にアクセントがあります。最初の 'com-' の /ɑː/ は、日本語の「アー」よりも口を大きく開けて発音します。'-pre-' の /ɪ/ は、日本語の「イ」よりもやや曖昧で、口を軽く開けて発音します。'-sive' の /sɪv/ は、日本語の「シヴ」よりも唇を少し丸めて発音するとよりネイティブに近い響きになります。
包括的な
全体を広くカバーし、詳細な点まで含んでいることを意味する。調査、報告書、保険などが対象となることが多い。抜け漏れがなく、全体像を把握できるようなイメージ。
The new textbook gives a comprehensive guide for students learning history.
その新しい教科書は、歴史を学ぶ学生に包括的なガイドを提供しています。
※ この例文は、新しい教科書を開いた時に「これ一冊で歴史の全てがわかる!」と安心するような状況を描いています。「comprehensive guide」は、ある分野の必要な情報がすべて網羅されている、つまり「網羅的な手引き」という意味で使われます。学習者が何かを深く学ぶ際に、非常に心強い存在となるでしょう。
Our company offers a comprehensive support program for new employees.
私たちの会社は、新入社員のために包括的なサポートプログラムを提供しています。
※ 新入社員が会社に入社した際、研修から福利厚生、キャリア相談まで、あらゆる面で手厚い支援が用意されている状況です。「comprehensive support program」は、抜け目なく、広範囲にわたる支援が計画されていることを示し、新入社員が安心して働き始められる様子が伝わります。
She wrote a comprehensive report about climate change for her project.
彼女はプロジェクトのために、気候変動に関する包括的な報告書を書きました。
※ これは、例えば学生が夏休みの自由研究で、気候変動についてあらゆる角度から深く調べ上げ、詳細なレポートを完成させたような状況です。「comprehensive report」は、特定のテーマについて、情報が多岐にわたり、深く掘り下げられて分析されていることを意味します。努力して作り上げた成果の様子が目に浮かびます。
理解力のある
物事を深く理解し、複雑な事柄も把握できる能力を表す。人の知性や理解力を評価する際に用いられる。表面的な知識だけでなく、本質を捉えるニュアンス。
Our new manager is very comprehensive; he quickly grasped the whole project.
私たちの新しいマネージャーはとても理解力があり、プロジェクト全体を素早く把握しました。
※ 新しいマネージャーが、複雑なプロジェクトの説明をすぐに理解した場面です。この例文では、その人の「理解力」という能力を直接的に表しています。'grasped' は「つかんだ、理解した」という意味で、頭の中でパッと全体を把握する様子が伝わります。
The student asked a comprehensive question, showing she truly understood the difficult lesson.
その生徒は理解力のある質問をし、難しい授業内容を本当に理解していることを示しました。
※ 授業中に生徒が、内容を深く理解しているからこそできるような質問をした場面です。単に聞くだけでなく、本質を捉えている「理解力」が伝わります。'showing she truly understood' のように、理解した結果として行動(質問)が伴うと、より鮮明なシーンになりますね。
I felt relieved because the counselor was so comprehensive about my personal struggles.
カウンセラーが私の個人的な悩みをとてもよく理解してくれたので、私は安心しました。
※ カウンセラーが、相談者の複雑な感情や状況を深く「理解」してくれたことで、相談者が安心する場面です。ここでは、相手の状況や感情を包括的に把握し、共感する「理解力」が表現されています。'struggles' は「苦悩、困難」といった意味で、具体的な悩みを指します。
コロケーション
包括的な見直し、徹底的な検討
※ ある事柄について、あらゆる側面から詳細に検討し、評価することを指します。単に「詳しいレビュー」というだけでなく、全体像を把握し、改善点や問題点を洗い出すニュアンスを含みます。ビジネスシーンでは、プロジェクトの進捗状況や戦略を評価する際、学術分野では、論文や研究に対する詳細な批評として用いられます。例えば、"The company conducted a comprehensive review of its marketing strategy."(会社はマーケティング戦略の包括的な見直しを行った。)のように使われます。
車両保険(包括的保険)
※ 自動車保険の一種で、事故による損害だけでなく、盗難、火災、自然災害など、幅広いリスクをカバーする保険です。対人・対物賠償保険や自賠責保険とは異なり、自分の車の損害を補償するのが特徴です。アメリカ英語では "full coverage" とも呼ばれます。保険の契約内容によってカバー範囲が異なるため、契約前に詳細を確認することが重要です。日常会話というよりは、保険に関する専門的な文脈で用いられます。
網羅的な研究、詳細な調査
※ 特定のテーマについて、関連するあらゆる情報やデータを収集し、分析する研究手法です。学術論文や市場調査などでよく用いられ、そのテーマに関する深い理解を得ることを目的とします。単なる調査ではなく、多角的な視点から詳細に分析し、結論を導き出すニュアンスを含みます。例えば、"A comprehensive study on the effects of climate change on coastal ecosystems was published."(気候変動が沿岸生態系に与える影響に関する網羅的な研究が発表された。)のように使われます。
包括的なアプローチ、総合的な取り組み
※ 問題解決や目標達成のために、複数の側面から総合的に取り組む方法です。特定の一つの方法に固執せず、様々な手段を組み合わせることで、より効果的な結果を目指します。ビジネス、教育、医療など、様々な分野で用いられます。例えば、"The government adopted a comprehensive approach to tackle the issue of poverty."(政府は貧困問題に取り組むために包括的なアプローチを採用した。)のように使われます。
総合的な教育、全人教育
※ 知識だけでなく、人格形成や社会性など、人間形成に関わる全ての側面を重視する教育理念です。特定の分野に偏らず、幅広い知識やスキルを習得させることを目的とします。特にイギリスの教育制度において、選抜を行わない中等学校(comprehensive school)を指す場合もあります。現代教育における重要な概念の一つであり、教育関係者の間でよく議論されます。
総合計画、全体計画
※ 長期的な目標を達成するために、詳細な手順やスケジュールを定めた計画です。都市開発、事業戦略、個人のキャリアプランなど、様々な規模の計画に用いられます。単に「計画」というだけでなく、目標達成に必要な要素を全て網羅し、実行可能性が高いことが重要です。例えば、"The city council approved a comprehensive plan for urban renewal."(市議会は都市再開発のための総合計画を承認した。)のように使われます。
広範な知識、深い知識
※ 特定の分野だけでなく、幅広い分野にわたる深い知識を指します。単に多くの情報を知っているだけでなく、それらを体系的に理解し、応用できる能力を含みます。専門家や研究者にとって重要な資質であり、高度な問題解決能力や創造性を生み出す源となります。例えば、"She has comprehensive knowledge of art history."(彼女は美術史について広範な知識を持っている。)のように使われます。
使用シーン
学術論文、教科書、講義などで頻繁に使用されます。特に、文献調査や研究レビューにおいて、あるテーマに関する既存の研究を「包括的に」まとめる際に用いられます。例:『本研究は、過去10年間の気候変動に関する研究を包括的に分析する。』
ビジネス文書、報告書、プレゼンテーションなどで使用されます。プロジェクトの全体像や戦略を「包括的に」説明する際に適しています。例:『新市場参入戦略を包括的に検討した結果、リスクが高いと判断しました。』フォーマルな文脈で使われることが多いです。
日常会話ではあまり使用されませんが、ニュース記事、ドキュメンタリー、ノンフィクション書籍などで見かけることがあります。何かを「包括的に」理解する必要がある状況を説明する際に用いられます。例:『このドキュメンタリーは、その事件を包括的に解説している。』やや硬い表現なので、日常会話では「詳しく」などの言葉で言い換えることが多いです。
関連語
類義語
『徹底的な』という意味で、調査・分析・準備など、何かが完全に行われることを強調する。ビジネス、学術、技術分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『comprehensive』が範囲の広さを強調するのに対し、『thorough』は実行の深さ、細部への注意を強調する。例えば、thorough investigation(徹底的な調査)は、細部にわたる詳細な調査を意味する。 【混同しやすい点】『thorough』は、しばしば『investigation』『analysis』『review』などの名詞と組み合わせて使われ、特定の活動が非常に注意深く、詳細に行われたことを示す。一方、『comprehensive』は、計画やカバレッジの広さを表すことが多い。
『広範囲にわたる』という意味で、調査・研究・コレクションなど、量や範囲が大きいことを強調する。学術、ビジネス、ジャーナリズムでよく使われる。 【ニュアンスの違い】『comprehensive』が全体像をカバーすることを示すのに対し、『extensive』は物理的または抽象的な範囲の広さを強調する。例えば、extensive research(広範囲な研究)は、多くのデータや情報源をカバーする研究を意味する。 【混同しやすい点】『extensive』は、しばしば『research』『network』『experience』などの名詞と組み合わせて使われ、その規模や範囲の広さを強調する。一方、『comprehensive』は、全体的な理解やカバーを意味するため、計画や報告書などに使われることが多い。
『包括的な』という意味で、人、グループ、アイデアなどがすべて含まれていることを強調する。社会、教育、政治の文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『comprehensive』が全体を網羅することを示すのに対し、『inclusive』は特に多様性を受け入れ、排除しないことを強調する。例えば、inclusive education(インクルーシブ教育)は、障害の有無にかかわらず、すべての子どもたちが共に学ぶ教育を意味する。 【混同しやすい点】『inclusive』は、しばしば人やグループを対象とし、誰一人として排除しないことを意味する。一方、『comprehensive』は、情報や計画など、対象が人以外の場合にも使われる。
- exhaustive
『徹底的な』『網羅的な』という意味で、調査・研究・分析などが、考えられるすべての側面を調べ尽くしていることを強調する。学術、技術、法的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『comprehensive』が全体をカバーすることを示すのに対し、『exhaustive』は徹底的に調べ尽くすことを強調する。exhaustive search(徹底的な捜索)は、考えられるすべての場所を調べ尽くす捜索を意味する。 【混同しやすい点】『exhaustive』は、しばしば『search』『study』『analysis』などの名詞と組み合わせて使われ、その活動が非常に徹底的に行われたことを示す。ただし、時間や労力を要するため、日常的な場面ではあまり使われない。
『全体的な』という意味で、特定の状況や問題の全体的な性質や影響を指す。ビジネス、日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『comprehensive』が詳細な情報を網羅することを示すのに対し、『overall』は大まかな全体像を示す。例えば、overall performance(全体的なパフォーマンス)は、細部にこだわらず、全体的な結果を評価する。 【混同しやすい点】『overall』は、しばしば『performance』『effect』『impression』などの名詞と組み合わせて使われ、特定の状況や問題の全体的な性質や影響を指す。一方、『comprehensive』は、詳細な情報や計画を網羅することを意味する。
『全面的』『包括的な』という意味で、特定のグループや地域全体に適用されることを強調する。ニュース、政治、ビジネスの文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『comprehensive』が詳細な情報を網羅することを示すのに対し、『blanket』は例外なくすべてを覆うことを強調する。例えば、blanket ban(全面禁止)は、例外なくすべての活動を禁止することを意味する。 【混同しやすい点】『blanket』は、しばしば『ban』『coverage』『approval』などの名詞と組み合わせて使われ、特定の政策や措置が全面的に適用されることを示す。しかし、詳細な情報や計画を網羅するという意味合いはない。
派生語
『理解する』という意味の動詞。『com-(共に)』+『prehendere(つかむ)』が語源で、全体を把握するイメージ。日常会話からビジネス、学術まで幅広く使われる。
『理解(力)』という意味の名詞。動詞comprehendから派生し、抽象的な概念を表すため、教育、心理学、言語学などの分野で頻繁に使われる。学術的な文脈で特に重要。
- comprehensively
『包括的に』という意味の副詞。形容詞comprehensiveに副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。報告書や論文などで、網羅性を示す際に用いられる。例えば、「問題をcomprehensively分析する」のように使う。
反意語
『限定的な』という意味の形容詞。comprehensiveが全体を網羅するのに対し、limitedはある範囲に限定されている状態を示す。例えば、comprehensive insurance(包括的な保険)に対して、limited insurance(限定的な保険)のように使われる。
『選択的な』という意味の形容詞。comprehensiveが全てを含むのに対し、selectiveは特定のものを選ぶという対比。例えば、comprehensive research(網羅的な調査)に対して、selective research(選択的な調査)のように使われる。
『不完全な』という意味の形容詞。接頭辞『in-(否定)』がついており、comprehensive(完全な、包括的な)の直接的な反対の意味になる。例えば、comprehensive report(完全な報告書)に対して、incomplete report(不完全な報告書)のように用いる。
語源
"Comprehensive"は、ラテン語の"comprehendere"(理解する、把握する)に由来します。これは、"com-"(共に、完全に)と"prehendere"(つかむ、捕らえる)が組み合わさった言葉です。つまり、文字通りには「完全に掴む」という意味合いがあります。この「完全に掴む」というイメージが、転じて「全体を把握する」「包括する」という意味につながりました。例えば、試験範囲が "comprehensive" であれば、それは試験範囲が全体を網羅している、つまり「包括的」であることを意味します。日本語で言うと、「網羅的」や「全体的」という言葉が近いでしょう。何かを "comprehend"(理解する)際には、様々な情報を「掴み」、それらを「共に」結びつけて全体像を把握する、というイメージを持つと、この単語の意味をより深く理解できるでしょう。
暗記法
「包括的」は単に広いだけでなく、最終的な判断としての重みを持つ言葉。知識体系化が進んだ18世紀以降、批判的思考を経て統合された知識の集大成を指すように。法学や医学では責任ある判断の必須条件とされ、専門家による問題解決に不可欠。信頼できる情報源として羅針盤となる一方、編纂者の視点や限界も意識する必要がある。権威性と限界を理解し、多角的な視点を持つことこそが重要。
混同しやすい単語
『comprehensive』と『comprehensible』は、スペルが非常に似ており、意味も関連があるため混同しやすいです。『comprehensible』は『理解できる』という意味で、形容詞です。一方、『comprehensive』は『包括的な』という意味です。日本人学習者は、語尾の '-ible' と '-ive' の違いに注意し、文脈から意味を判断する必要があります。語源的には、どちらも『把握する』という意味のラテン語に由来しますが、対象範囲が異なります。
『comprehensive』と『apprehensive』は、語頭の音と、接尾辞 '-hensive' が共通しているため、スペルと発音の両面で混同されることがあります。『apprehensive』は『心配している』『不安に思っている』という意味で、人の感情を表す形容詞です。意味が大きく異なるため、文脈で判断することが重要です。語源的には、『apprehensive』は『捉える』という意味から派生し、悪い意味で何かを『予感する』という意味合いを含みます。
『comprehensive』と『extensive』は、どちらも広い範囲を指す形容詞ですが、ニュアンスが異なります。『extensive』は『広範囲にわたる』という意味で、物理的な広がりや量的な多さを強調します。一方、『comprehensive』は『包括的な』という意味で、質的な網羅性や詳細さを強調します。文脈によって使い分ける必要があり、例えば『extensive research』は『広範囲な調査』、『comprehensive report』は『包括的な報告書』となります。
『comprehensive』と『compressive』は、語頭が同じで、スペルも似ているため、視覚的に混同しやすいです。『compressive』は『圧縮する』という意味の形容詞で、物理的な圧力を加えることを指します。意味が全く異なるため、文脈で判断することが重要です。建築や機械工学などの分野でよく使われます。
『prehension』は、聞き慣れない単語かもしれませんが、『comprehensive』の語源と関連するため、混乱を招く可能性があります。『prehension』は『把握』『理解』という意味の名詞で、特に手でつかむ行為や、精神的な理解を指します。日常会話ではあまり使いませんが、心理学や哲学などの分野で使われることがあります。『comprehensive』は、この『prehension』に接頭辞 'com-'(共に、完全に)がついたもので、『完全に把握する』という意味合いを持ちます。
『condescending』は、発音のリズムと語尾の '-ending'が似ているため、特に音声的に『comprehensive』と混同されることがあります。『condescending』は『見下すような』『恩着せがましい』という意味の形容詞で、人の態度を表します。意味が大きく異なるため、文脈で判断することが重要です。例えば、『a condescending tone』は『見下した口調』となります。
誤用例
日本語の『網羅的』という言葉に引っ張られ、安易に "comprehensive" を使ってしまう例です。"comprehensive" は確かに『包括的』『網羅的』という意味ですが、同時に『難解』『複雑』というニュアンスも含むことがあります。教材の難易度を伝える文脈では、意図せず "comprehensive" がネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。より丁寧に伝えるには、"aims to be comprehensive" のように意図を明確にするか、"thorough" のような別の単語を使う方が適切です。日本人が『頑張って全部詰め込んだ』ニュアンスで使いたい場合、英語では相手への配慮を込めて婉曲的な表現を選ぶと、よりスムーズなコミュニケーションにつながります。
謝罪の文脈で "comprehensive" を使うと、日本語の『手厚い謝罪』を直訳したような印象になります。確かに謝罪の内容が詳細であるという意味では間違いではありませんが、英語では不自然に聞こえます。謝罪の気持ちを伝えるには、"sincere"(心からの)、"heartfelt"(心のこもった)、"unreserved"(率直な)といった形容詞を使うのが一般的です。 "comprehensive" は、計画や調査など、情報や範囲が網羅されていることを強調する際に適しています。日本人が『誠意を尽くした』という気持ちを表現したい場合でも、英語では感情に訴えかける言葉を選ぶ方が、より相手に伝わりやすくなります。
"Comprehensive" は「広範囲にわたる」「包括的な」という意味合いが強く、説明の内容が理解しやすいかどうかとは必ずしも結びつきません。この文脈では、説明の細かさや詳細さを表す "detailed" を使う方が適切です。医者が病状について説明する場合、重要なのは情報が網羅されていることよりも、患者が理解しやすいように説明することです。日本人が『詳しく説明してくれた』というニュアンスで "comprehensive" を使ってしまうのは、英語の語感が持つニュアンスの違いを理解していないためです。英語では、相手の理解度を考慮した上で、適切な言葉を選ぶことが重要になります。
文化的背景
「包括的な(comprehensive)」という言葉は、単に「広い範囲をカバーする」という意味以上の、権威や信頼性、最終的な判断としての重みを含んでいます。それは、情報を網羅的に収集・分析し、疑いの余地なく全体像を把握しているという自信の表れであり、しばしば専門知識や綿密な調査に基づいた結論を導き出す際に用いられます。
この言葉が持つ文化的意義は、近代的な知識体系の発展と深く結びついています。18世紀以降、百科事典や学術論文といった形で知識の体系化が進むにつれ、「comprehensive」は、単なる情報の集積ではなく、批判的思考と分析を経て統合された知識の集大成を指すようになりました。特に法学や医学といった分野では、「comprehensive」な理解は、責任ある判断を下すための必要条件とみなされ、専門家がその知識と技能を駆使して、複雑な問題に対する最適な解決策を提示する際に不可欠な要素となりました。
「comprehensive」は、しばしば「definitive(決定的な)」という言葉と組み合わせて用いられます。例えば、「a comprehensive study」は、その分野における最も信頼できる、最終的な研究成果として認識され、他の研究の基礎となることが期待されます。このニュアンスは、現代社会における専門知識の重要性を反映しており、複雑化する社会において、専門家が提供する「comprehensive」な分析や解決策に対する需要が高まっていることを示しています。同時に、この言葉は、情報過多の時代において、信頼できる情報源を求める人々のニーズに応える役割も担っており、「comprehensive」な情報源は、混乱を避け、確かな判断を下すための羅針盤として機能します。
ただし、「comprehensive」という言葉は、完全性や客観性を保証するものではありません。むしろ、その背後には、特定の視点や価値観が存在することを意識する必要があります。例えば、「a comprehensive history」は、編纂者の視点や解釈が反映されたものであり、他の視点からの歴史解釈が存在する可能性を考慮する必要があります。したがって、「comprehensive」な情報を受け取る際には、その情報源の信頼性を確認し、批判的な視点を持つことが重要です。この言葉が持つ権威性と同時に、その限界を理解することで、私たちはより深く、そして多角的に世界を理解することができるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題(短文空所補充)と長文読解。
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。特に1級で重要。
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで使われるが、アカデミックな内容や社会問題に関連する文章でよく見られる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「包括的な」「総合的な」という意味を理解するだけでなく、どのような範囲や対象が「包括的」なのかを把握することが重要。類義語の「extensive」との使い分けに注意。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め)とPart 7(長文読解)。
- 頻度と級・パート: Part 5で時々見られる。Part 7でも重要なキーワードとして登場する。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンにおける企画書、報告書、契約書などでよく使われる。特に「包括的な見直し」「総合的な戦略」といった表現で登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネス英語の語彙として覚えておくことが重要。形容詞として使われることが多いが、「comprehensiveness」(包括性)という名詞も覚えておくと役立つ。
- 出題形式: リーディングセクションで頻出。
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで高頻度で出現。
- 文脈・例題の特徴: 学術的な文章で、研究、分析、理論などを説明する際に使われる。複雑な概念や多岐にわたる要素をまとめる際に用いられる。
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での意味を理解することが重要。「thorough」「inclusive」などの類義語とのニュアンスの違いを理解しておくと、より正確に文章を理解できる。
- 出題形式: 主に長文読解。
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試問題で頻出。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学、歴史、文学など、幅広い分野の文章で使われる。特に、複雑な問題に対する「包括的な解決策」や「総合的な理解」といった文脈で登場する。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。単語の意味だけでなく、文章全体のテーマや論理構造を理解することで、正答率を高めることができる。