back up ~
'back' の /æ/ は日本語の『ア』と『エ』の中間のような音で、口を日本語の『ア』よりも少し大きく開けて発音します。 'up' の /ʌ/ は日本語の『ア』よりも喉の奥から出すイメージで、短く発音します。 'back' にアクセントがあるので、 'up' は弱く短く発音しましょう。 'back' の 'k' は、息を止めてから破裂させるように発音するとよりネイティブの発音に近づきます。
支援する
人や計画、主張などを支え、成功を助ける意味合い。物理的なサポートだけでなく、精神的な支えや資金援助なども含む。
He couldn't answer the tough question, so I stepped in to back him up.
彼が難しい質問に答えられなかったので、私が助け舟を出して彼を支援しました。
※ 会議室でのプレゼン中、同僚が困っているのを見て、あなたが助けに入る場面です。チームの一員として、行動でサポートする「back up」の典型的な使い方です。「step in」は「介入する、助けに入る」という意味で、具体的な行動を示しています。
My friend was moving, so I went to back her up with the heavy boxes.
友人が引っ越していたので、重い箱を運ぶのを手伝いに行きました。
※ 友達の引っ越しを手伝う、具体的な身体を使った支援の場面です。日常生活で物理的な手助けをする際に、「back up」が使われる良い例です。「with the heavy boxes」のように、「with + 名詞」で何を支援したのかを明確にできます。
When our player made a mistake, the coach told us to back him up.
私たちの選手がミスをした時、コーチは私たちに彼を励ますように言いました。
※ スポーツの試合中、ミスをして落ち込んでいるチームメイトを、精神的に支え、励ます場面です。「back up」は、単に物理的な手伝いだけでなく、精神的なサポートや応援の意味でも使われます。「tell us to back him up」のように、誰かに指示する形でもよく使われます。
バックアップする
データやファイルを安全な場所に複製し、万が一の事態に備えること。IT分野でよく使われる。
I always back up my precious photos to an external hard drive.
私は大切な写真をいつも外付けハードディスクにバックアップしています。
※ 【情景】大切な旅行写真や家族の思い出など、失いたくないデータをPCから別の場所にコピーして保存する様子です。「precious photos(大切な写真)」という言葉から、その写真への愛情や、データを守りたいという気持ちが伝わります。 【ポイント】「back up A to B」で「AをBにバックアップする」という形は非常によく使われます。個人の大切なデータを守る日常的な行動を表す典型的な例文です。
Don't forget to back up all your important files before you leave the office.
退社前に、大切なファイルをすべてバックアップするのを忘れないでくださいね。
※ 【情景】オフィスで、同僚や上司が「仕事のデータを失わないように」と注意を促している場面です。仕事の成果や顧客情報など、失うと困る「important files(重要なファイル)」を守るための、責任感ある行動が伝わります。 【ポイント】「Don't forget to do...(~するのを忘れないで)」は、相手に何かを促すときによく使われる表現です。ビジネスシーンや学業など、重要なデータを扱う状況で頻繁に使われます。
You should back up your phone data regularly in case you lose it.
スマホをなくした場合に備えて、定期的にデータをバックアップしておくべきですよ。
※ 【情景】友人がスマホのデータ管理についてアドバイスしている場面を想像してください。スマホを落としたり、壊れたりする「万が一の事態(in case you lose it)」に備える予防的な行動です。 【ポイント】「should(~すべきだ)」は、アドバイスや推奨を表すときに使います。「in case ~(~の場合に備えて)」も一緒に覚えると、具体的なリスクに備える文脈で役立ちます。
後退する
車などが後ろ向きに進む、または人が後ろに下がる動作。比喩的に、意見や立場を撤回する意味でも使われる。
The small car had to back up a little to let the big truck pass.
小さな車は、大きなトラックを通すために少し後退しなければならなかった。
※ 狭い道で、大きなトラックが向かってくる場面を想像してみてください。小さな車が道を譲るために、そっと後ろに下がる様子が目に浮かびますね。「back up」は、車が「バックする」という状況で非常によく使われます。
He carefully started to back up his car into the narrow parking spot.
彼は注意深く、狭い駐車スペースに車をバックさせ始めた。
※ 運転手が狭い駐車場で、車をぴったり停めようと集中している様子が伝わります。駐車する際に車を「バックさせる」のは日常的な動作です。「carefully(注意深く)」のような副詞を使うと、行動の様子がより鮮明になります。
When the dog barked loudly, the little boy quickly backed up a few steps.
犬が大きな声で吠えると、少年はすぐに数歩後退した。
※ 目の前で犬が突然吠え、驚いた子供が思わず後ろに下がる場面です。このように、人が驚きや恐怖、または単に距離を取るために「後ずさりする」という意味でも「back up」が使われます。「a few steps(数歩)」と加えることで、具体的な動きがイメージしやすくなります。
コロケーション
主張を裏付ける、立証する
※ 「claim(主張)」は意見や事実の表明を意味し、「back up」はそれをサポートする証拠や論理を提供することを指します。例えば、論文やプレゼンテーションで自分の意見を正当化するために、データや事例を提示する際に用いられます。単に「support」と言うよりも、より具体的な証拠や根拠を示すニュアンスがあります。ビジネスや学術的な文脈で頻繁に使われます。
データをバックアップする、データを複製して保存する
※ IT分野で非常に一般的な表現で、コンピューターのデータを失った場合に備えて、別の場所にコピーすることを意味します。重要なファイルや情報を保護するために不可欠な行為です。動詞「back up」と名詞「data」の組み合わせで、技術的な文脈で頻繁に使用されます。口語でもビジネスシーンでも違和感なく使えます。
車をバックさせる、後退させる
※ 文字通り車を後方に移動させることを指します。運転操作の基本的な行為を表す日常的な表現です。「reverse a car」も同様の意味ですが、「back up」の方が口語的で一般的です。運転免許の教習や日常会話で頻繁に用いられます。
ファイルをバックアップする
※ 「back up data」とほぼ同義ですが、「file」という特定の種類のデータを指している点が異なります。Word文書、Excelシート、画像ファイルなど、個別のファイルを安全な場所にコピーすることを意味します。IT関連の会話やドキュメントでよく使われる表現です。
友達を支援する、友達を支持する
※ 比喩的な意味合いで、「back up」を誰かをサポートするという意味で使用します。困難な状況にある友達を助けたり、友達の意見を支持したりすることを指します。「support a friend」と似ていますが、「back up」はより積極的に、文字通り背中を押すようなイメージがあります。口語的な表現で、親しい間柄で使われます。
バックアッププラン、代替計画
※ 万が一、最初の計画がうまくいかなかった場合に備えて用意する代替案のことを指します。ビジネスプロジェクト、旅行、イベントなど、あらゆる状況で使われます。「Plan B」とほぼ同義ですが、「back up plan」の方がややフォーマルな印象を与えます。リスク管理の観点から重要な概念です。
発言を裏付ける
※ 自分の発言や意見が正しいことを証明するために、証拠や理由を提示することを意味します。「back up a claim」と似ていますが、「statement」はより一般的な発言や声明を指します。会議、議論、法廷などで、自分の立場を明確にするために用いられます。論理的な思考力とコミュニケーション能力が求められる場面で重要な表現です。
使用シーン
研究論文やプレゼンテーションで、主張やデータを「裏付ける」「支持する」という意味で使われます。例:先行研究がこの仮説をback upしている、実験結果が理論をback upするなど。文体はフォーマルです。
ビジネスシーンでは、データの「バックアップ」や、プロジェクトを「支援する」という意味で頻繁に使われます。例:重要なファイルをback upする、チームをback upする、計画をback upするなど。メールや会議など、様々な場面で使用されます。
日常会話では、文字通り「後退する」という意味の他、「支援する」という意味でもよく使われます。例:車をback upする、友達をback upする、意見をback upするなど。カジュアルな会話で頻繁に使われます。
関連語
類義語
『支持する』『支援する』という意味で、人、意見、計画などを支持する際に広く使われる。名詞としても動詞としても使用可能。ビジネス、政治、日常会話など、あらゆる場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『back up』よりもフォーマルで、より広い意味を持つ。『back up』は具体的な行動を伴う支援を意味することが多いのに対し、『support』は精神的な支持や抽象的な概念への賛同も含む。 【混同しやすい点】『support』は名詞としても使えるため、『I need your support.(あなたの支援が必要です)』のように表現できる。『back up』を名詞として使う場合は、『backup』と一語で書き、予備や代替という意味になる。
『援助する』『手伝う』という意味で、特定のタスクやプロジェクトを支援する際に使われる。通常、上位者が下位者を助ける、あるいは同等の立場の者が協力する状況で用いられる。ビジネスシーンや日常生活で使われる。 【ニュアンスの違い】『back up』よりもフォーマルで、より直接的な手助けを意味する。『back up』は緊急時や危機的状況での支援を意味することがあるが、『assist』は日常的な業務のサポートを指すことが多い。 【混同しやすい点】『assist』は通常、具体的な行動を伴う手助けを意味し、意見や計画を支持するという意味では使われない。また、『assist』は『assist someone with something』のように、前置詞『with』を伴うことが多い。
『強化する』『補強する』という意味で、構造物、意見、信念などを強化する際に使われる。学術的な文脈やビジネスシーンでよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『back up』とは異なり、既存のものを強くするという意味合いが強い。『back up』は必ずしも強化を意味しない場合がある(単にデータをコピーするなど)。『reinforce』は物理的な強化だけでなく、精神的な強化にも使える。 【混同しやすい点】『reinforce』は、意見や信念などを強化するという意味で使われる場合、具体的な行動を伴う支援という意味合いは薄れる。『back up』が具体的な行動を伴う支援を意味するのに対し、『reinforce』は抽象的な概念の強化を意味することがある。
『裏付ける』『確証する』という意味で、証拠、証言、事実などを裏付ける際に使われる。法的な文脈やジャーナリズム、学術的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『back up』とは異なり、既存の情報や主張の真実性を確認するという意味合いが強い。『back up』は単に支援することを意味するが、『corroborate』は真実性を証明することを目的とする。 【混同しやすい点】『corroborate』は、人の意見や行動を支持するという意味では使われない。証拠や証言など、客観的な情報を裏付ける場合にのみ使用される。また、『corroborate』は非常にフォーマルな語であり、日常会話ではあまり使われない。
『立証する』『具体的に証明する』という意味で、主張、理論、疑惑などを具体的な証拠やデータを用いて証明する際に使われる。学術論文、法廷、報道記事などで使用される。 【ニュアンスの違い】『back up』が一般的な支援や支持を意味するのに対し、『substantiate』はより強い意味合いを持ち、証拠やデータに基づいて何かを証明することに重点を置く。感情的な支持や個人的な意見の支持には使われない。 【混同しやすい点】『substantiate』は、感情的な支持や個人的な意見の支持には使われない。客観的な証拠やデータに基づいて何かを証明する場合にのみ使用される。また、日常会話ではあまり使われないフォーマルな語である。
『強化する』『支持する』という意味で、自信、経済、構造などを強化・支持する際に使われる。ビジネスや政治、心理学などの分野で用いられる。 【ニュアンスの違い】『back up』よりもややフォーマルで、精神的な支えや自信を強化するというニュアンスが強い。『back up』が具体的な行動を伴う支援を意味することがあるのに対し、『bolster』は抽象的な概念の強化を意味することが多い。 【混同しやすい点】『bolster』は、物理的な支援よりも、精神的なサポートや自信の強化を意味することが多い。また、『bolster』は名詞としても使われ、長枕や支えという意味になる。
派生語
- backup (名詞)
名詞としての『backup』は、動詞『back up』から派生し、『支援、予備、控え』といった意味を持ちます。動詞が『後ろから支える』という具体的な行為を示すのに対し、名詞はそれを抽象化し、例えば『データのバックアップ』のように、緊急時に備えるための『代替手段』や『安全策』を指すことが多いです。日常会話からビジネスシーン、IT分野まで幅広く使われます。
- backer
『backer』は、動詞『back』に人を表す接尾辞『-er』が付いた形で、『支援者、後援者』を意味します。単に物理的に後ろにいるだけでなく、精神的・経済的に支える人を指します。例えば、『プロジェクトのbacker』のように、資金提供者や支持者を意味することが多いです。ビジネスや政治の世界でよく用いられます。
- backing
『backing』は、動詞『back』に名詞を作る接尾辞『-ing』が付いた形で、『支持、後援』といった意味を持ちます。『backer』が人を指すのに対し、『backing』は支持という行為や状態そのものを指します。例えば、『政府のbackingを得る』のように、公式な支持や承認を意味することがあります。ニュースや政治に関する記事でよく見られます。
反意語
『undermine』は、『下から掘り崩す』という意味で、『back up』の『支える』という行為と正反対の行為を表します。物理的な意味だけでなく、『信頼をundermineする』のように、抽象的な意味で『弱体化させる、信用を失わせる』という意味でも使われます。ビジネスや政治、人間関係など、さまざまな文脈で用いられます。
『sabotage』は、『妨害工作』という意味で、『back up』とは目的が正反対です。『back up』が成功を支援するのに対し、『sabotage』は意図的に失敗させようとします。ビジネスや政治、軍事など、競争や対立がある文脈でよく用いられます。
『impede』は、『妨げる、遅らせる』という意味で、『back up』が円滑な進行を助けるのとは対照的です。物理的な障害だけでなく、『経済成長をimpedeする』のように、抽象的な意味で『妨げになる』という意味でも使われます。学術論文やニュース記事など、幅広い文脈で用いられます。
語源
"back up ~"は、文字通り「後ろに(back)向かって上へ(up)」というイメージから派生した表現です。まず"back"は古英語の"bæc"(背中、後)に由来し、物理的な後方を意味します。一方、"up"は古英語の"upp"(上へ)に由来し、方向や位置関係を示します。この二つが組み合わさることで、「後方から支える」「後ろ盾になる」という比喩的な意味合いが生まれました。例えば、データやシステムを「バックアップする」という場合、万が一の事態に備えて後方から支えるという意味合いが込められています。また、「支援する」という意味では、誰かを後ろから押し上げる、つまりサポートするイメージです。このように、"back up"は物理的な位置関係から抽象的な概念へと意味が拡張された興味深い例と言えるでしょう。
暗記法
「back up」は元々、軍隊の後方支援に由来し、緊急時の備えを意味しました。それが転じて、現代ではビジネスのバックアッププランやデータ保全といったリスク管理の概念と結びついています。さらに、人間関係においては「I've got your back.(私がついてる)」というように、信頼と連帯の象徴として、英語圏の文化に深く根付いているのです。
混同しやすい単語
『back up』の『back』自体も、文脈によっては意味を取り違えやすい単語です。名詞(背中、裏)、動詞(後退する、支援する)、副詞(後ろに)など多くの品詞と意味を持ちます。『back up』の『back』は副詞で『後ろに』という意味合いですが、単独で使われる場合との意味の違いを意識する必要があります。また、『back up』全体で一つの句動詞として『支援する』『バックアップする』などの意味になることを理解しましょう。
『back』と『pack』は、子音字が一つ違うだけで、発音も似ているため混同しやすいです。『pack』は『荷物を詰める』『群れ』などの意味を持ちます。特に、動詞の活用形(packed, packing)なども含めて、スペルミスに注意が必要です。語源的には、ゲルマン祖語の「束ねる」に由来し、現代英語の『package』とも関連があります。
『back』と『bake』は、母音字が異なるものの、発音記号が近い(/æ/ と /eɪ/)ため、特にリスニングで聞き間違えやすいです。『bake』は『焼く』という意味で、料理の文脈でよく使われます。綴りの『-ake』というパターンを意識して区別すると良いでしょう。また、カタカナ語の『ベイクド』という言葉があるため、意味も混同しないようにしましょう。
『back』と『buck』は、母音字が異なるものの、口の開き方が似ているため、発音が曖昧になると混同しやすいです。『buck』は『雄鹿』『ドル』などの意味を持ちます。スラングとしても使われることがあり、意味の幅が広い単語です。特に、アメリカ英語では『dollar』の俗語として使われるため、文脈によって意味を判断する必要があります。
『back up』とスペースの有無で意味が変わる場合があります。『backup』と一語で書くと、名詞として『予備』『控え』『バックアップ』などの意味になります。一方、『back up』は動詞句で『支援する』『バックアップする』という意味になります。文章中でどちらの形で使われているかを注意深く確認する必要があります。
『back』と『black』は、先頭の子音が異なるだけで、母音と末尾の子音は同じであるため、スペルミスや発音の混同が起こりやすいです。『black』は『黒』という意味で、形容詞や名詞として使われます。色の名前であるため、文脈から判断しやすい場合もありますが、注意が必要です。また、『blackmail』などの複合語も存在するため、語彙力を高めることで区別できるようになります。
誤用例
日本語の『バックアップ』は、文字通り『支援する』という意味で広く使われますが、英語の "back up" は、意見や主張を支持する場合、特にそれが正当性に疑問がある場合や、批判を浴びる可能性がある場合に使うと、やや不自然に聞こえます。より一般的な『支持』には "support" を使う方が適切です。"Back up" は、データやシステムを保護する意味合いが強く、比喩的に使う場合も、何かを守る、補強するニュアンスが残ります。日本人が『バックアップ』という言葉から連想するイメージと、英語の "back up" のニュアンスが必ずしも一致しないため、注意が必要です。
この誤用は、日本語の『(自分の代わりを)ちょっとバックアップして』という表現を直訳した際に起こりがちです。英語の "back up" は、人に対して使う場合、物理的に『後退させる』、または『(証拠などで)裏付ける』という意味合いが強くなります。人の代わりを務める、という意味で使う場合は "cover for" が適切です。日本人が無意識に『バックアップ』を『支援』全般の意味で捉えていることが原因です。また、英語では、誰かの代わりを務める状況を "cover" という動詞で表現することが一般的であり、この語彙を知っていると、より自然な英語表現ができます。
"Back up" は、データやファイルをバックアップする際には一般的に使われますが、「物理的にバックアップする」という表現は、現代のデジタル環境においては不自然です。バックアップは通常、デジタル形式で行われるため、"digitally"(デジタルで)という副詞を付け加えるか、あるいは単に "backed up the files" と言うだけで十分です。この誤用は、日本語の『バックアップ』という言葉が、具体的な方法を特定せずに使われることが多いことに起因します。英語では、特に技術的な文脈においては、具体的な方法や手段を明確にすることが重要です。もし物理的な媒体にバックアップするのであれば、"The manager backed up the files to an external hard drive before the server maintenance." のように具体的に記述する必要があります。
文化的背景
「back up」は、物理的な支援から転じて、精神的なサポートや意見の支持まで、幅広い意味を持つようになりました。この語句は、文字通り「後ろに控えて支える」というイメージから、信頼関係や連帯感を象徴する言葉として、英語圏の社会に深く根付いています。
「back up」の文化的背景を考える上で興味深いのは、その語源が持つ軍事的な響きです。元々は軍隊が後方から支援するという意味合いで使用されていたと考えられ、そこから「緊急時に備えて控える」「援護する」といった意味合いが派生しました。現代でも、ビジネスシーンにおいて「バックアッププラン」という言葉が使われるように、リスク管理や危機管理の概念と密接に結びついています。また、コンピューター用語として「データのバックアップ」という言葉が普及したことで、「万が一の事態に備える」というニュアンスがさらに強調されるようになりました。
さらに、「back up」は人間関係における信頼の重要性を示唆する言葉でもあります。誰かを「back up」するという行為は、その人の意見や行動を支持し、困難な状況から守ることを意味します。これは、単なる同調ではなく、相手への深い理解と共感に基づいた行動です。例えば、映画やドラマでは、主人公が窮地に陥った際に、仲間が「I've got your back.(私がついてる)」と励ますシーンがよく見られます。この言葉は、言葉以上の意味を持ち、強い絆や友情を象徴するものとして、多くの人々の心に響きます。
このように、「back up」は、軍事的な起源から現代のビジネスシーン、そして人間関係における信頼まで、多様な文脈で使用される言葉です。その背景には、リスク管理、連帯感、そして何よりも信頼という、英語圏の文化において重要な価値観が反映されています。この言葉を理解することは、単に語彙を増やすだけでなく、英語圏の社会や文化に対する理解を深めることにも繋がります。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解、リスニング(会話形式)
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。特に1級・準1級の語彙問題、長文読解でよく見られる。リスニングでは2級以上で可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで出題されるが、環境問題、科学技術、社会問題など、やや硬めのテーマで使われることが多い。会話文では日常的なサポートの意味で使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 動詞句としての意味(支持する、裏付ける、バックアップする)だけでなく、名詞としての意味(バックアップ、控え)も重要。文脈によって意味が大きく変わるため、前後の文脈から正確に判断する必要がある。また、自動詞として使われる場合もあるので注意。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 5, Part 7で頻出。特にビジネス関連の長文でよく見られる。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(IT関連、プロジェクト管理、データ管理など)での使用が多い。「データをバックアップする」「計画をバックアップする」など、具体的な行動を伴う文脈が多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーン特有の言い回しに慣れておくことが重要。「support」や「reinforce」など、類似の意味を持つ単語との使い分けを意識する。また、IT用語としての「バックアップ」の意味も押さえておく。
- 出題形式: 主にリーディング
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。特に科学、歴史、社会科学などの分野でよく見られる。
- 文脈・例題の特徴: 学術的な議論や研究における根拠や証拠を「裏付ける」という意味で使われることが多い。「The data backs up the hypothesis.(そのデータは仮説を裏付ける)」のような文脈。
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での「裏付ける」という意味を理解することが重要。名詞形である「backup」も、「支持」「支援」といった意味で使われるため、合わせて覚えておく。同義語である「support」「substantiate」なども覚えておくと役立つ。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文読解で頻出。特に論説文や評論文でよく見られる。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術など、幅広いテーマで出題される。抽象的な概念や主張を「裏付ける」という意味で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から正確な意味を推測する能力が求められる。比喩的な意味合いで使われることもあるため、注意が必要。また、「support」や「justify」など、類似の意味を持つ単語とのニュアンスの違いを理解しておくことが重要。