yearn
母音 /ɜː/ は、日本語の「アー」と「ウー」の中間のような音で、口を少し開き、舌を少し奥に引いて発音します。「r」の音は、舌をどこにもつけずに、喉の奥から出すように意識すると、よりネイティブに近い発音になります。日本語の「ヤーン」よりも、少しこもったような、深みのある音を意識しましょう。
切望する
強く、そして叶わないかもしれないことを願う気持ち。過去の幸せな時間や、遠い場所、手に入らない愛情など、手が届かないものへの憧れが含まれることが多い。
Sitting alone in her apartment, she yearns for her family and warm home.
アパートに一人座りながら、彼女は家族と温かい家を恋しく切望しています。
※ この例文は、遠く離れた場所にいる人が、故郷の家族や慣れ親しんだ温かい場所を強く恋しく思う情景を描いています。「yearn」は、このように「郷愁」や「切ない思い」を伴う切望を表す時によく使われます。ここでは「yearn for + 名詞(family and warm home)」の形で使われています。
After a long, busy week, he yearns for a quiet weekend away.
長く忙しい一週間を終え、彼は静かな週末の休暇を切望しています。
※ 仕事でへとへとになった人が、心から静かで穏やかな休みを求めている様子が伝わってきます。「yearn」は、このように忙しい日常からの「解放」や「安らぎ」を強く望む時にぴったりです。これも「yearn for + 名詞(a quiet weekend away)」の形です。
The young student, from a small village, yearns to learn and build a better future.
小さな村出身の若い学生は、学び、より良い未来を築くことを切望しています。
※ この例文は、恵まれない環境の若い学生が、教育を通じて自分の人生を切り開き、より良い未来を築きたいと強く願う情景を描いています。このように、目標達成や、より良い状況への「強い希望」や「切なる願い」を表す時にも「yearn」は使われます。ここでは「yearn to + 動詞の原形(learn and build)」の形が使われています。
憧れ
手に入らないもの、過ぎ去った時間などに対する、切ないほどの強い願望。動詞のyearnが持つ感情を名詞として表現。
After a long day at university, she often yearns for her family's warm hug back home.
大学での長い一日を終えると、彼女はしばしば故郷での家族の温かい抱擁を切望します。
※ この例文は、遠く離れた場所にいる人が、大切な人や故郷を強く懐かしく思う気持ちを表しています。特に「for」の後には、具体的に何を切望しているのかが来ます。疲れた体で家族の温かさを恋しく思う、という具体的な情景が目に浮かびますね。
Stuck in his dull office job, he yearned to travel the world and see new places.
退屈な事務仕事に閉じ込められ、彼は世界を旅して新しい場所を見ることを切望していました。
※ ここでは、現在の状況に満足できず、全く異なる新しい経験を強く望む気持ちを描いています。「yearn to do」の形で、「~することを切望する」という使い方です。単調な日常から抜け出して、もっと広い世界を見たいという強い憧れが伝わります。
The young musician practiced every day, yearning for the chance to perform on a big stage.
その若い音楽家は毎日練習し、大きな舞台で演奏する機会を切望していました。
※ この例文は、特定の目標や成功を強く願う気持ちを表しています。才能ある人が、自分の夢を実現するために努力し、そのチャンスを心から待ち望んでいる様子が分かります。「yearning for the chance」のように、具体的な機会や可能性を切望する際によく使われます。
コロケーション
何かを切望する、強く憧れる
※ もっとも一般的な形の一つで、名詞や名詞句を伴い、具体的な物や抽象的な概念に対する強い願望を表します。例えば、'yearn for home'(故郷を懐かしむ)、'yearn for peace'(平和を切望する)のように使われます。単に'want'よりも感情的な深みがあり、失われたものや遠い未来への憧憬を含むことが多いです。日常会話でも使われますが、やや詩的な響きがあります。
何かをすることを切望する
※ 動詞の原形を伴い、特定の行動を強く望むことを表します。例えば、'yearn to travel'(旅行したいと切望する)、'yearn to see her again'(彼女にまた会いたいと切望する)のように使われます。'want to'よりも強い感情を伴い、実現が難しいかもしれない願望が含まれることが多いです。フォーマルな場面や文学的な文脈でよく見られます。
切望の念にかられる
※ 'longing'は『切望』という意味の名詞で、'yearn'と組み合わせて感情の強さを強調します。'She yearned with longing for her lost love'(彼女は失われた愛を切望の念にかられて待ちわびた)のように使われます。文学作品やロマンチックな文脈で、深い感情を表現するのに適しています。
むなしく切望する、かなわぬ願いを抱く
※ 'in vain'は『無駄に、むなしく』という意味の副詞句で、努力や願望が報われないことを示します。'He yearned in vain for her forgiveness'(彼は彼女の許しをむなしく切望した)のように使われます。悲劇的な状況や、希望が絶たれた状況を表すのに適しています。文学的な表現で、日常会話ではあまり使いません。
深い切望、心の奥底からの憧れ
※ 'yearning'を名詞として使い、形容詞'deep'で強調することで、感情の深さを表現します。'She felt a deep yearning for her homeland'(彼女は故郷への深い切望を感じた)のように使われます。心の奥底にある、容易には満たされない感情を表すのに適しています。内面的な感情を表現する際に、特に効果的です。
心の中でひそかに切望する
※ 'inwardly'は『内面的に、心の中で』という意味の副詞で、感情を表に出さない様子を示します。'He yearned inwardly for recognition'(彼は心の中でひそかに認められることを切望した)のように使われます。表面的には平静を装いながら、内面では強い願望を抱いている状況を表すのに適しています。自己認識や内省的な文脈でよく用いられます。
懐かしそうに切望する
※ 'nostalgically'は『懐かしそうに』という意味の副詞で、過去の出来事や場所への憧憬を伴う切望を表します。'They yearned nostalgically for their childhood summers'(彼らは子供時代の夏を懐かしそうに切望した)のように使われます。過去の幸福な記憶と結びついた感情を表現するのに適しています。回顧的な文脈や、失われた時代への憧憬を表現する際に用いられます。
使用シーン
学術論文や書籍において、過去の研究や理論に対する批判的な視点を示す際に用いられることがあります。例えば、歴史学の研究で「当時の人々は、より安定した社会をyearnしていた(切望していた)」のように使われ、社会情勢や人々の心理状態を分析する際に登場します。また、文学研究では、登場人物の心情を深く掘り下げる際に「主人公は失われた愛をyearnしていた(憧れていた)」のように用いられます。
ビジネスシーンでは、フォーマルな文書やプレゼンテーションで、将来の展望や目標を述べる際に使用されることがあります。例えば、企業の経営戦略の説明で「我々は顧客満足の向上をyearnする(切望する)」のように、やや硬い表現として用いられます。日常的なビジネス会話では、より直接的な表現(want, desire)が好まれる傾向があります。
日常会話ではあまり一般的ではありませんが、詩的な表現や感情を強調したい場合に用いられることがあります。例えば、「故郷の味をyearnする(切望する)」のように、懐かしい気持ちや強い願望を表現する際に使われます。SNSやブログなど、個人的な感情を表現する場では、比較的見かける機会があるかもしれません。
関連語
類義語
何かを切望する、強く望むという意味で、特に失われたものや遠い将来のものを望む際に使われる。感情的なニュアンスが強い。 【ニュアンスの違い】"yearn"と非常に近い意味を持つが、"long"の方がやや日常的で、感情の表出が直接的。また、"long"は形容詞としても使われる。 【混同しやすい点】"yearn"は名詞としても動詞としても使われるが、"long"は動詞の他に形容詞としても使われる点。また、"long for"という形で使われることが多い。
強い欲望や渇望を表す。特に、肉体的欲求(食べ物、薬物など)や、強い必要性を伴うものを欲する場合に使われる。日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"yearn"が精神的な憧憬を含むのに対し、"crave"はより本能的、肉体的な欲求を表す。感情の強さも"crave"の方が強い傾向がある。 【混同しやすい点】"crave"は通常、具体的な対象を伴う(例:crave chocolate)。"yearn"は抽象的な概念や感情に対しても使える。
何かを望む、欲するという意味。比較的フォーマルな語で、幅広い対象に対して使用可能。名詞としても動詞としても使われる。 【ニュアンスの違い】"yearn"よりも一般的な「望む」という意味合いが強く、感情的な強さは弱い。また、性的な欲望を表す場合もある。 【混同しやすい点】"desire"はフォーマルな文脈でも使えるが、"yearn"はより感情的な、詩的な文脈で使われることが多い。また、"desire"はしばしば理性的な判断に基づいた願望を意味する。
恋い焦がれる、思い悩むという意味。特に、失恋や故郷を思う気持ちなど、悲しみや憂いを伴う強い願望を表す。文学的な表現。 【ニュアンスの違い】"yearn"よりもさらに詩的で、古風な印象を与える。深い悲しみや苦しみを伴うことが多い。日常会話ではあまり使われない。 【混同しやすい点】"pine"は通常、過去の出来事や失われたものに対する強い憧憬を表す。また、"pine away"という形で、衰弱していく様子を表すこともある。
何かを願う、希望するという意味。日常会話で頻繁に使われ、幅広い状況で使用可能。 【ニュアンスの違い】"yearn"よりも弱く、実現可能性が低い願望や、単なる希望を表すことが多い。感情的な深さも"yearn"の方が強い。 【混同しやすい点】"wish"は仮定法過去で、実現不可能な願望を表すことができる(例:I wish I were taller)。"yearn"にそのような用法はない。
野心や大望を抱く、高い目標を目指すという意味。通常、キャリアや個人的な成長など、将来の成功に関連する願望を表す。フォーマルな表現。 【ニュアンスの違い】"yearn"が過去や失われたものへの憧憬を含むのに対し、"aspire"は未来への積極的な願望を表す。努力や向上心といったニュアンスを含む。 【混同しやすい点】"aspire"は常に良い方向への願望を表し、ネガティブな感情を伴うことは少ない。また、"aspire to"という形で使われることが多い。
派生語
『真剣な、熱心な』という意味の形容詞。元々は『切望する気持ち』を表す名詞で、それが転じて『真剣さ』を表すようになった。日常会話やビジネスシーンで、人の性格や態度を評価する際に使われる。古英語の『eornoste(真剣さ)』に由来し、『yearn』の語源であるゲルマン祖語の『*gernaz』と関連がある。
- earnestly
『真剣に、熱心に』という意味の副詞。『earnest』に副詞語尾『-ly』が付いた形。ビジネスシーンやフォーマルな会話で、真剣な態度や行動を強調する際に用いられる。例えば、『earnestly apologize(心から謝罪する)』のように使われる。
語源
「yearn」は、古英語の「geornan」(熱望する、努力する)に由来します。これはさらにゲルマン祖語の*gernaz(熱心な、貪欲な)に遡ります。この語根は、何かを強く望む、あるいは追求する心の状態を表していました。日本語で例えるなら、「焦がれる」や「切望する」といった感情に近いでしょう。現代英語の「yearn」も、過去からの意味合いを受け継ぎ、単に何かを望むだけでなく、満たされない思いや憧憬を伴う強い願望を意味します。心の奥底から湧き上がるような、抑えきれない感情を表現する言葉として使われます。
暗記法
「yearn」は、楽園追放の物語から生まれた、満たされぬ渇望の言葉。過去への憧憬、救済への希求、届かぬ愛…魂の叫びにも似た感情を宿します。ロマン派詩人は自然への憧れを「yearn」で表現し、奴隷は自由を渇望しました。社会的不平等への抵抗、変革への願いもまた「yearn」。現代では、消費社会の虚しさ、希薄な人間関係への不満として現れ、より深い精神性を求める心を表します。時代を超え、人の根源的な渇望を映す言葉なのです。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特に語尾の /n/ が聞こえにくいと混同しやすい。スペルも 'y' と 'e' の違いだけなので、見間違えやすい。意味は『稼ぐ』であり、願望を表す『yearn』とは大きく異なる。earn は具体的な行動を表す動詞であるのに対し、yearn は心の状態を表す動詞である点に注意。
発音記号は異なりますが、日本語話者には母音部分が似て聞こえることがあります。スペルも似ており、特に手書きの場合など注意が必要です。『学ぶ』という意味で、yearn の『切望する』とは意味が大きく異なります。learn は知識やスキルを習得する行為を指し、yearn は感情的な欲求を指すという違いを意識しましょう。
スペルが似ており、特に 'urn' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。発音も母音の音が似ているため、注意が必要です。『燃やす』という意味で、yearn の『切望する』とは全く異なる。burn は物理的な現象を表す動詞であり、yearn は心理的な状態を表す動詞であるという違いを理解しましょう。
発音が似ており、特にアメリカ英語では母音の区別が曖昧になることがあるため、混同しやすい。スペルも 'yearn' と 'yarn' で非常に似ています。『糸』という意味で、yearn の『切望する』とは全く異なる。yarn は名詞であり、yearn は動詞であるという品詞の違いにも注意しましょう。また、yarn は物語やほら話を意味することもあります。
スペルは全く似ていませんが、発音の際、特に語尾の「ン」がyearnと似た響きを持つため、聞き間違いやすい可能性があります。『鉄』または『アイロンをかける』という意味で、yearnの『切望する』とは全く異なります。ironは通常名詞または動詞として使われ、yearnは願望を表す動詞です。
'yearn'の後半部分と完全に一致するため、スペルの一部として認識してしまうことで混同が生じやすいです。発音も同様に後半部分が一致します。『骨壷』という意味であり、yearn とは全く異なる意味を持ちます。urnは名詞で、yearnは動詞であるという違いも重要です。
誤用例
『yearn』は、コンビニに行くような日常的な欲求には大げさすぎます。『yearn』は、長期にわたる願望や、手の届かないものへの切望を表すのに適しています。日本語の『〜したくてたまらない』を安易に当てはめると、不自然になります。より自然な口語表現としては、『I'm really craving...』などが適切です。文化的な背景として、英語では日常的な欲求を大げさに表現することを避ける傾向があります。
『yearn』は、しばしば性的欲求やロマンチックな感情を伴う願望に使われることがあります。亡くなったペットに対して使うと、不適切なニュアンスが生じる可能性があります。より適切なのは、単に『miss』を使うことです。日本語の『恋しい』を直訳すると、このような誤用が起こりやすいです。英語では、感情の種類によって適切な動詞を選ぶ必要があります。
『yearn』は自動詞であり、直接目的語を取りません。『yearn for + 名詞』または『yearn to do』の形で使用します。他動詞として使うことはできません。同様の意味で『long for』は使用できます。日本人が『〜を願う』という日本語を直訳しようとして、このような文法的な誤りを犯しやすいです。英語では、動詞の自動詞・他動詞の区別が重要であり、それに従って適切な構文を選ぶ必要があります。
文化的背景
「Yearn」は、失われた楽園への憧憬、あるいは決して手が届かない理想への切望といった、人間の根源的な渇望を体現する言葉です。この感情は、過去の黄金時代へのノスタルジア、宗教的な救済への希求、あるいは単に満たされない愛への憧れなど、さまざまな形で表現されます。
文学作品における「yearn」は、しばしば主人公の心の奥底にある満たされない感情を象徴します。例えば、ジョン・ミルトンの『失楽園』では、アダムとイブが楽園を追放された後、その幸福な状態への切望(yearning)が描かれています。また、ロマン派の詩人たちは、自然への憧憬や、社会の制約からの解放を「yearn」という言葉で表現しました。彼らは、産業革命によって失われた自然の美しさや、人間の精神的な自由を求めてやまなかったのです。このような文学的な文脈において、「yearn」は単なる願望ではなく、魂の叫びとして響きます。
社会的な視点から見ると、「yearn」は、社会的な不平等や抑圧に対する抵抗の感情と結びつくこともあります。例えば、奴隷制度下にあった人々が自由を「yearn」する感情は、単なる個人的な願望を超え、人間としての尊厳を求める強い意志の表れでした。また、政治的な変革を求める人々が、より公正な社会を「yearn」する感情は、社会全体を動かす原動力となります。このように、「yearn」は、個人の感情だけでなく、社会的な変革を促す力としても機能するのです。
現代社会においても、「yearn」は、消費社会における満たされない欲望や、人間関係の希薄さに対する不満など、さまざまな形で現れます。SNSでの「いいね」の数や、物質的な豊かさを求めることが、真の幸福をもたらさないことに気づいた人々は、より深い精神的なつながりや、意義のある人生を「yearn」するようになります。このように、「yearn」は、時代を超えて、人間の根源的な渇望を表現する言葉として、私たちの心に響き続けるのです。
試験傾向
準1級・1級の長文読解や語彙問題で出題される可能性あり。特に、比喩的な意味合いで用いられる場合に注意が必要です。会話文での出題は比較的少ないでしょう。品詞(動詞)と意味(切望する)を正確に理解しておくことが重要です。
Part 5(短文穴埋め)やPart 7(長文読解)で稀に出題されることがあります。ビジネスシーンでの使用頻度は低く、一般的な内容の英文記事などで見かける程度です。類似語との識別が問われる可能性は低いですが、文脈から意味を推測できる必要があります。
リーディングセクションで、アカデミックな文章において出題されることがあります。ただし、頻度はそれほど高くありません。文学作品や歴史的な背景を扱った文章で、登場人物の心情を表す際に使われることがあります。動詞としての用法を理解しておきましょう。
難関大学の長文読解で出題される可能性があります。文脈から意味を推測する問題や、同意語・反意語を選択する形式で問われることがあります。比喩的な表現として用いられる場合もあるため、注意が必要です。