waste
二重母音 /eɪ/ は、日本語の『エ』と『イ』を滑らかにつなげた音です。『エ』を意識しすぎると、音が平板になりがちなので、『イ』への移行を意識しましょう。語尾の /st/ は、無声音の連続で、特に /t/ は息を止めるように発音すると、よりネイティブに近い発音になります。日本語の『ト』のような母音は不要です。
専門的な内容に関するご注意
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浪費
資源、時間、お金などを無駄に使うこと。価値を十分に活かせていない状態を指す。例えば、'a waste of time'(時間の無駄)のように使われる。
Playing video games all day was a total waste of my time.
一日中テレビゲームをしていたのは、私の時間の完全な浪費でした。
※ 「あー、今日も一日中ゲームしちゃった!宿題もできなかったし、時間を無駄にしちゃったな…」そんな後悔の気持ちが伝わってきますね。「waste of time」は「時間の無駄」という表現で、何かをやって時間を無駄にしたと感じたときに非常によく使われます。「a total waste」のように"total"を使うと「完全に無駄だった」という強い気持ちを表せます。
Buying that expensive shirt was a complete waste of money for me.
あの高いシャツを買ったのは、私にとっては全くお金の無駄でした。
※ お店では魅力的に見えたけれど、家に帰って冷静になると「なんであんな高いシャツ買っちゃったんだろう…」と後悔している場面です。「waste of money」は「お金の無駄遣い」という意味で、衝動買いや不要な出費を後悔するときによく使われます。「a complete waste」は「完全に無駄」という意味合いで、"total"と同じように強調できます。「for me」を付けることで「私にとっては」という個人的な意見を強調できます。
Leaving the lights on all night is a big waste of electricity.
一晩中電気をつけっぱなしにするのは、大きな電気の浪費です。
※ 誰かが電気を消し忘れて寝てしまい、朝になって「もったいないな」と感じる、あるいは誰かに「電気を消してね」と注意する場面です。「waste of electricity」は「電気の無駄」という意味で、節電を促す時などによく聞かれます。「waste of water(水の無駄)」など、資源にも使えます。「a big waste」のように"big"を使うと、「大きな無駄」という強調になります。
無駄にする
資源、時間、機会などを有効活用せずに失うこと。意図的に捨てる場合も、不注意で無駄になる場合も含む。例:'Don't waste your money'(お金を無駄にするな)。
He felt sad because he wasted a lot of time playing games.
彼はゲームをしてたくさんの時間を無駄にしたので、悲しい気持ちになりました。
※ 【情景】テスト前なのに、つい夢中になってゲームをしてしまい、後で「あぁ、時間を無駄にしてしまった…」と後悔している学生の姿が目に浮かびます。 【なぜ典型的か】「時間を無駄にする」は、日常生活で最もよく使われる『waste』の典型的な使い方の一つです。目に見えない『時間』を、まるで具体的な何かのように『無駄にする』と表現する感覚をつかみましょう。 【ヒント】『waste time doing (何かをするのに時間を無駄にする)』という形でよく使われます。
She regretted buying the shirt because she felt like she wasted her money.
彼女はそのシャツを買ったことを後悔しました。なぜなら、お金を無駄にしたと感じたからです。
※ 【情景】流行りの服を衝動買いしたけれど、結局一度も着ないままクローゼットの奥にしまい込んでいる…。それを見て「あのお金、無駄だったな」とがっかりしている人の気持ちが伝わってきます。 【なぜ典型的か】『お金を無駄にする』もまた、非常に一般的な『waste』の使い方です。特に、衝動買いなどで後から後悔するような場面でよく使われます。 【ヒント】『waste money (お金を無駄にする)』は、買い物や投資などで失敗したときに使われる表現です。
Please don't waste food; eat everything on your plate.
食べ物を無駄にしないでください。お皿のものを全部食べなさい。
※ 【情景】食卓で子どもが嫌いな野菜を残そうとしているのを見て、親が「せっかく作ったんだから、残さず食べなさい」と、優しくもきっぱりと注意している場面が想像できます。 【なぜ典型的か】『食べ物を無駄にする』は、多くの文化圏で『もったいない』という感覚と結びつき、よく注意や指示の形で使われます。この例文のように、否定の命令形 (Don't waste...) で使われることも多いです。 【ヒント】『waste food (食べ物を無駄にする)』は、残したり、腐らせたりして捨ててしまう状況で使います。
廃棄物
不要になった物や使えなくなった物。ゴミ、産業廃棄物、排泄物などを含む。環境問題と関連して使われることが多い。例:'nuclear waste'(核廃棄物)。
My mom asked me to separate the plastic waste from the paper.
母は私に、プラスチックごみと紙ごみを分けるように頼みました。
※ この例文は、家庭でのごみ分別という、誰もが経験する身近なシーンを描いています。「waste」はここでは「ごみ」「廃棄物」という意味で使われ、特に「plastic waste(プラスチックごみ)」のように、何の廃棄物かを具体的に示す際によく使われます。ごみをきちんと分けることは、環境を守る大切な行動ですね。
There was a lot of waste on the ground in the park.
公園の地面にはたくさんのごみがありました。
※ 公園で散歩しているときに、地面にごみが散乱しているのを見てがっかりする情景が目に浮かびますね。「waste」は、このように公共の場所で不法に捨てられた「ごみ」や「散乱物」を指す際にも使われます。「a lot of waste」で「たくさんのごみ」という意味になり、数えられない名詞として扱われています。
The factory tried to reduce the amount of industrial waste.
その工場は産業廃棄物の量を減らそうと努力しました。
※ この例文は、工場が環境負荷を減らすために努力している様子を描いています。「waste」は、工場や企業活動から出る「産業廃棄物(industrial waste)」のように、より専門的な文脈でも頻繁に使われる単語です。「reduce the amount of 〜」は「〜の量を減らす」という意味で、環境問題や持続可能性に関するニュースなどでよく耳にする表現です。
コロケーション
時間を無駄にする
※ 最も基本的なコロケーションの一つですが、奥深さがあります。単に『時間を使わない』のではなく、『有益なことに時間を使わずに、価値のないことに費やす』という意味合いが強いです。例えば、"I wasted so much time on social media today."(今日はSNSで時間を無駄にしてしまった)のように使います。類似表現の"kill time"(時間をつぶす)とは異なり、"waste time"には後悔や自己嫌悪のニュアンスが含まれることが多いです。ビジネスシーンでは、"Don't waste my time."(時間を無駄にしないでくれ=無駄話はやめてくれ)のように、強い口調で相手に注意を促す表現としても使われます。
お金を無駄にする
※ こちらも基本的な表現ですが、"spend money"(お金を使う)とは異なり、買ったものが役に立たなかったり、価値に見合わない高価なものを買って後悔したりするニュアンスを含みます。例えば、"I wasted my money on that useless gadget."(あの役に立たないガジェットにお金を無駄にした)のように使います。しばしば、"waste money on X"(Xにお金を無駄にする)という形で使われ、Xには具体的な商品やサービスが入ります。賭け事などで無駄遣いした場合にも使われます。
資源を浪費する
※ 環境問題や経済の文脈でよく使われる表現です。水、エネルギー、原材料など、貴重な資源を無駄に消費することを指します。"We need to stop wasting resources and start recycling."(資源の浪費をやめてリサイクルを始める必要がある)のように使われます。企業や政府が資源の有効活用を呼びかける際によく用いられる、ややフォーマルな表現です。
食品を無駄にする、食品ロスを出す
※ 近年、SDGsの観点からも注目されている表現です。食べ残しや賞味期限切れなどで、本来食べられるはずの食品を捨ててしまうことを指します。"Wasting food is a serious ethical and environmental problem."(食品の無駄は深刻な倫理的・環境問題だ)のように使われます。家庭での食品ロス削減を呼びかけるキャンペーンなどでよく用いられます。
役立たず、場所の無駄
※ 人や物を指して、その存在意義がない、邪魔であるという意味を表す、やや侮蔑的な表現です。例えば、"That old computer is just a waste of space."(あの古いコンピューターはただの場所の無駄だ)のように使われます。人に対して使う場合は、非常に失礼な表現になるため、注意が必要です。口語で使われることが多いです。
無駄になる、腐る、放置される
※ 物事が有効活用されずに、価値を失ってしまう状態を表します。食品が腐ったり、機会が失われたり、才能が埋もれたりする状況に使われます。"If you don't use those vegetables, they'll go to waste."(もしそれらの野菜を使わないなら、無駄になるよ=腐ってしまうよ)のように使われます。受動的なニュアンスが強く、誰かの責任を問うよりも、現状を嘆くような場面で使われることが多いです。
無駄口をたたく、言うだけ無駄である
※ 相手に話しても無駄だとわかっている状況で、あえて何かを言おうとすることを指します。"It's a waste of breath trying to convince him."(彼を説得しようとしても無駄だ)のように使われます。諦めや失望のニュアンスが含まれており、しばしば皮肉を込めて使われます。口語表現です。
使用シーン
学術論文や研究発表で頻繁に使用されます。例えば、研究プロジェクトにおける資源の浪費(resource waste)や、実験データの無駄(data waste)について議論する際に使われます。また、環境科学の分野では、産業廃棄物(industrial waste)の処理問題などが重要なテーマとなります。
ビジネスシーンでは、時間、資源、人材の浪費を避けるという文脈で使われます。例えば、会議での時間の無駄(time waste)を減らすための改善策を議論したり、コスト削減のために無駄な支出(wasteful spending)をなくす施策を検討したりします。また、製造業では、不良品の発生を減らし、材料の無駄(material waste)をなくすことが重要です。
日常生活では、食べ物の無駄(food waste)を減らすことや、電気や水の無駄遣い(waste of electricity/water)をしないように心がけるといった文脈で使われます。また、時間やお金を無駄にした(wasted time/money)という後悔の気持ちを表現する際にも使われます。例えば、「あんなことに時間とお金を無駄にした」のように使います。
関連語
類義語
『浪費する』という意味で、お金、時間、機会などを無分別に使い果たす場面で使われます。特に価値のあるものを無駄にするというニュアンスがあります。フォーマルな場面でも使用されます。 【ニュアンスの違い】『waste』よりも、無計画で軽率な浪費というニュアンスが強く、非難や後悔の感情を伴うことが多いです。主語は通常、人または組織です。 【混同しやすい点】『waste』が単に無駄にすること全般を指すのに対し、『squander』は貴重なものを無駄にすることに限定されます。また、『squander』はしばしば過去の行為に対する後悔の念を伴います。
『散逸させる』『消散させる』という意味で、エネルギー、努力、資源などが徐々に消えてなくなる、または無駄になる状況を表します。学術的な文脈や、抽象的な概念に対して使われることが多いです。 【ニュアンスの違い】『waste』よりも、徐々に消えていく、または拡散していくイメージが強く、コントロールを失った状態を示唆します。具体的な物だけでなく、感情やエネルギーにも使えます。 【混同しやすい点】『waste』が能動的に無駄にする行為を含むのに対し、『dissipate』は自然に消滅する、または拡散していくプロセスを強調します。また、『dissipate』は他動詞としても自動詞としても使用可能です。
『浪費する』『無駄にする』という意味で、時間、お金などを少しずつ無駄に消費していく様子を表します。日常会話でよく使われる口語的な表現です。 【ニュアンスの違い】『waste』よりも、重要でないことに少しずつ浪費していくというニュアンスが強く、軽率さや無頓着さを伴います。しばしば後悔の念を含みます。 【混同しやすい点】『waste』がより一般的な浪費を指すのに対し、『fritter away』は些細なことに少しずつ浪費していく状況に限定されます。また、『fritter away』は通常、時間やお金などの具体的なものに使われます。
- deplete
『使い果たす』『枯渇させる』という意味で、資源、エネルギー、資金などが減少して底をつく状態を表します。ビジネスや環境問題などの文脈でよく使われます。 【ニュアンスの違い】『waste』よりも、資源の枯渇という深刻な状況を示唆し、回復が困難な状態を表します。また、しばしば受動態で用いられます。 【混同しやすい点】『waste』が単に無駄にすること全般を指すのに対し、『deplete』は資源の枯渇という具体的な結果を強調します。また、『deplete』は通常、物理的な資源やエネルギーに対して使われます。
- misspend
『誤って使う』『無駄に使う』という意味で、お金、時間、エネルギーなどを不適切または効果のない方法で使用することを指します。道徳的な判断や後悔の念を伴うことが多いです。 【ニュアンスの違い】『waste』よりも、不適切な使用というニュアンスが強く、本来あるべき目的とは異なる使い方をしたという後悔の念が含まれます。しばしば道徳的な非難のニュアンスを含みます。 【混同しやすい点】『waste』が単に無駄にすること全般を指すのに対し、『misspend』は誤った使い方をしたという点に焦点を当てます。また、『misspend』は通常、お金や時間などの資源に対して使われます。
『失う』という意味で、物、機会、時間などを手放す、または利用できなくなることを指します。日常会話で頻繁に使われる一般的な語です。 【ニュアンスの違い】『waste』よりも、意図的でない喪失というニュアンスが強く、自分の意志とは関係なく失ってしまう状況を表します。また、『lose』は物理的なものだけでなく、抽象的な概念にも使われます。 【混同しやすい点】『waste』は能動的に無駄にする行為を含むのに対し、『lose』は受動的な喪失を強調します。例えば、時間を無駄にした場合は『waste time』、時間を失った場合は『lose time』となります。
派生語
『浪費的な』という意味の形容詞。『waste』に『〜に満ちた』という意味の接尾辞『-ful』が付加。資源やお金を無駄に使う性質を表し、日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用されます。例えば、『wasteful spending(浪費的な支出)』のように用いられます。
- wastage
『浪費』『損失』を意味する名詞。『waste』に名詞化の接尾辞『-age』が付加。特に生産や製造の過程における損失や無駄を表す際に用いられ、ビジネスや産業分野で頻繁に見られます。『reduce wastage(無駄を減らす)』のように使われます。
- wasteland
『荒れ地』『不毛の地』を意味する名詞。『waste』と『land(土地)』が組み合わさった複合語。物理的な荒廃した土地だけでなく、比喩的に精神的な荒廃を表すこともあります。環境問題や社会問題に関する議論で用いられることがあります。
- wasted
『無駄にされた』『消耗した』という意味の形容詞または過去分詞。『waste』の過去分詞形ですが、単に過去の行為を示すだけでなく、資源や機会が有効活用されなかった状態や、人が疲弊し消耗した状態を表します。日常会話で『wasted effort(無駄な努力)』のように用いられるほか、スラングとして『酔っ払った』という意味もあります。
反意語
『節約する』『保全する』という意味の動詞。『waste』が資源を無駄にすることであるのに対し、『conserve』は資源を大切に使い、保護することを意味します。環境保護や資源管理の文脈で頻繁に用いられます。『conserve energy(エネルギーを節約する)』のように使われます。
『保存する』『維持する』という意味の動詞。『waste』が破壊や劣化を伴うのに対し、『preserve』は元の状態を維持し、価値を損なわないようにすることを意味します。食品の保存や文化遺産の保護など、幅広い文脈で使用されます。『preserve food(食品を保存する)』のように使われます。
『利用する』『活用する』という意味の動詞。『waste』が資源を使わずに無駄にすることであるのに対し、『utilize』は資源を有効に活用し、最大限の効果を引き出すことを意味します。ビジネスや技術分野で、資源や機会を有効活用する際に用いられます。『utilize resources efficiently(資源を効率的に活用する)』のように使われます。
語源
「waste」の語源は、古フランス語の「waster」(浪費する、荒らす)に遡ります。これはさらに、ラテン語の「vastare」(空にする、荒廃させる)に由来します。「vastus」は「空虚な、広大な」という意味で、ここから「無駄にする」「浪費する」といった意味合いが生まれました。日本語で例えるなら、「がらんどう」という言葉が「vastus」のイメージに近いかもしれません。何もない空間、使い道のない状態を表す「がらんどう」が、転じて「waste」の「無駄」という概念につながったと考えると、理解しやすいでしょう。つまり、「waste」は、もともと「空っぽにする」というイメージから派生し、資源やエネルギーを使い果たし、価値を失わせる行為を指すようになったのです。
暗記法
「waste」は単なるゴミではない。中世では神への冒涜であり、シェイクスピア劇では道徳的堕落の象徴だった。産業革命後、大量消費社会が生み出した負の遺産として、環境問題と結びつき、現代では持続可能性を阻む脅威と認識されている。時間や才能の浪費もまた「waste」であり、倫理的、社会的な損失を意味する。この言葉の裏には、常に人類の罪悪感と後悔が潜んでいる。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、カタカナで表現するとどちらも『ウェスト』に近くなるため、聞き分けが難しい。スペルも 'a' と 'i' の違いのみ。意味は『ウエスト、腰』であり、服飾や体の部位を表す際に使う。文脈から判断することが重要だが、発音練習で意識的に区別する必要がある。
『waste』に接尾辞 '-ful' がついた形容詞。意味は『無駄な、浪費的な』。『waste』自体は名詞・動詞として使われるため、品詞が異なる。形容詞形を覚えておくことで、文法的な誤りを防ぐことができる。
『waste』の過去形または過去分詞形。動詞として使用される場合、意味は『浪費した』または『荒廃した』となる。形容詞として使用される場合は『やつれた、疲れ切った』という意味合いも持つ。時制や文脈によって意味が大きく変わるため注意が必要。
スペルが似ており、特に 'a' の位置が同じであるため視覚的に混同しやすい。発音は異なる(vast: /væst/)。意味は『広大な、莫大な』であり、規模や程度を表す際に使う。文脈が大きく異なるため、注意深く読む必要がある。
スペルの一部が共通しており、特に 'aste' の部分が似ているため、視覚的に混同しやすい。発音も完全には異なるものの、母音部分が似ている。意味は『味、趣味』であり、感覚や嗜好を表す際に使う。文脈から判断することが重要。
発音が似ている。wasteは[weist]、waifは[weɪf]と、特に二重母音の部分が近いため、聞き取りにくい場合がある。意味は『浮浪児、身寄りのない子供』であり、社会的な意味合いが強い単語。文脈が大きく異なるため、注意深く読む必要がある。
誤用例
日本語の『〜し損ねた』を直訳的に『waste to do』としてしまう誤用です。英語の『waste』は基本的に『時間・お金・資源などを無駄にする』という意味で、動詞の目的語になるのは名詞(waste time, waste money)か、動名詞(waste time doing something)です。後悔を表すには『regret』を使い、『regret not doing something』で『〜しなかったことを後悔する』となります。日本人が『〜し損ねた』を『waste』で表現しようとする背景には、行為の結果が『無駄になった』というニュアンスを捉えようとする意図がありますが、英語では行為自体に焦点を当てて『regret』を使う方が自然です。
『waste product』は工場などから出る『産業廃棄物』や、代謝の『老廃物』といったニュアンスが強く、一般家庭で出るゴミに対して使うと不自然です。より一般的な『使い捨て製品』を指す場合は『disposable product』が適切です。日本人は『waste』に『不要なもの』という意味合いを見出しがちですが、英語では『無駄になった資源』というニュアンスが強いため、単に『不要』という場合には別の語彙を選ぶ必要があります。また、この文脈では、罪悪感なく捨てられることを強調しているので、気軽に使えるニュアンスがより伝わる『disposable』が適しています。
『Don't waste my words.』は直訳すると『私の言葉を無駄にするな』となり、文法的には正しいですが、ネイティブスピーカーはあまり使いません。より自然な表現は『Don't ignore what I'm saying.(私の言うことを無視しないで)』です。日本語の『私の言葉を無駄にするな』は、相手に強く訴えかけるような、ややドラマチックなニュアンスを含みますが、英語で同じように表現すると、大げさに聞こえることがあります。英語では、より直接的に『無視しないで』と伝える方が、ストレートで効果的です。また、この表現は、相手にアドバイスや忠告をしている状況で使うのが自然です。
文化的背景
「waste」は、単なる不要物ではなく、浪費、衰退、機会損失といった、倫理的、経済的な罪悪感や後悔の念を伴う概念を内包します。資源の有限性への認識が薄かった時代から、環境問題が深刻化する現代に至るまで、「waste」は常に社会の価値観と密接に結びつき、その意味合いは変化してきました。
中世ヨーロッパでは、資源は神から与えられたものであり、それを無駄にすることは神への冒涜と見なされました。貴族階級による過剰な消費は、民衆の反感を買い、社会不安の種となりました。シェイクスピアの作品には、富を浪費する貴族や、機会を無駄にする登場人物が頻繁に登場し、「waste」は道徳的な堕落の象徴として描かれています。例えば、『リア王』におけるゴネリルとリーガンの贅沢な暮らしぶりは、リア王の王国と精神を蝕んでいく「waste」そのものです。
産業革命以降、大量生産・大量消費の時代が到来すると、「waste」は経済成長の副産物として容認されるようになりました。しかし、20世紀後半になると、環境汚染や資源枯渇が深刻化し、「waste」に対する認識が再び変化します。レイチェル・カーソンの『沈黙の春』は、農薬の無分別な使用が自然環境を破壊する様子を描き、「waste」がもたらす負の遺産を告発しました。現代社会では、「waste」はリサイクルやリデュースといった概念と対比され、持続可能な社会の実現を阻む最大の障壁として認識されています。
「waste」は、単なる物質的な無駄遣いにとどまらず、才能や時間、機会といった非物質的な資源の浪費をも意味します。例えば、「waste one's time」という表現は、時間を無駄に過ごすことへの後悔や罪悪感を伴います。また、「a waste of talent」という表現は、才能を活かさないことへの社会的な損失を意味します。このように、「waste」は、個人の倫理観や社会の価値観を反映する、多層的な意味を持つ言葉なのです。現代社会においては、環境問題、貧困問題、格差問題など、様々な社会問題と結びつき、「waste」を削減することは、持続可能な社会の実現に向けた重要な課題となっています。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解、英作文(意見論述)。
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。英作文での使用も考慮。
3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、資源、エネルギーなどに関連するアカデミックな文脈が多い。手紙やメール形式の問題で、間接的に使われる場合もある。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 名詞(廃棄物、浪費)と動詞(浪費する)の区別を明確に。類義語(discard, squander)とのニュアンスの違いを理解。派生語(wasteful, wastage)も重要。
1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)。
2. 頻度と級・パート: 比較的頻出。Part 7での登場が多い。
3. 文脈・例題の特徴: オフィス、工場、資源管理などビジネス関連の文脈で登場。コスト削減、効率化などの話題と関連付けられることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「無駄にする」「浪費する」の意味だけでなく、「廃棄物」の意味も重要。形容詞wastefulの形も頻出。文脈から適切な意味を判断する練習が必要。
1. 出題形式: リーディングセクション(長文読解)。
2. 頻度と級・パート: 頻出単語。アカデミックな文章でよく使われる。
3. 文脈・例題の特徴: 環境科学、経済学、社会学など、学術的な文脈で登場。抽象的な概念や議論の中で使われることが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 名詞、動詞としての用法を理解することはもちろん、比喩的な意味合いも理解する必要がある。例えば、「waste of time」のような表現。類義語(deplete, exhaust)との違いも意識。
1. 出題形式: 長文読解、和訳、英作文。
2. 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。標準的な単語帳には掲載されている。
3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、社会問題、科学技術など、幅広いテーマで登場。論説文や評論文でよく見られる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が重要。動詞としての「浪費する」だけでなく、名詞としての意味も確実に覚える。多義語であるため、文脈に応じた適切な訳語を選択できるよう練習する。