tournament
第1音節に強勢があります。母音 /ʊ/ は日本語の『ウ』よりも唇を丸めて短く発音します。/r/ の音は、舌を口の中で丸めるようにして発音し、日本語のラ行とは異なります。語尾の -ment は、曖昧母音 /ə/ を含み、はっきり発音しないことが自然です。
競技会
参加者が腕を競い、勝利を目指す一連の試合や競技のこと。スポーツ、ゲーム、知識など、様々な分野で開催される。勝ち抜き戦の形式が多い。
My son is practicing hard for the tennis tournament next month.
私の息子は来月のテニスの大会に向けて一生懸命練習しています。
※ 息子さんが汗を流してテニスボールを打ち込んでいる姿が目に浮かびますね。目標に向かって努力する様子が伝わります。 「tournament」は、スポーツやゲームなどの「競技会」「選手権大会」を指す最も一般的な使い方です。ここでは「テニスの大会」のように、何の大会かを前に付けて使うのが自然です。「practice for ~」で「~のために練習する」という意味になります。
Many people gathered to watch the big chess tournament in the park.
多くの人が公園で大きなチェスの大会を見るために集まりました。
※ 青空の下、公園に集まった人々が、静かに、しかし熱心にチェスの盤面を見つめている光景が目に浮かびます。多くの人が関心を持つイベントだと分かりますね。 「tournament」は、スポーツだけでなく、チェスやビデオゲームなどの知的な競技会にも使われます。ここでは「watch the tournament」のように、「大会を見る」という動詞と一緒に使われています。
The famous golfer won the championship tournament after a tough game.
その有名なゴルファーは、厳しい試合の後、選手権大会で優勝しました。
※ 最終ホールで緊張のパットを決め、ガッツポーズをするゴルファーの姿が目に浮かびます。長い練習と努力が実を結んだ瞬間ですね。 「championship tournament」のように、「championship(選手権)」を付けて、より大きな規模や重要な大会であることを強調することもあります。「win the tournament」で「大会で優勝する」という意味になります。「tough game」は「厳しい試合」という意味で、その大会が簡単ではなかったことを示しています。
選手権
特定の分野における最高位を決定するための競技会。優勝者にはタイトルや賞品が与えられる。
My son was so excited to play in his first soccer tournament.
私の息子は、初めてのサッカー大会に出るのがとても楽しみでした。
※ 小さな子が初めてのサッカー大会にワクワクしている情景が目に浮かびますね。「tournament」は、スポーツの大会で最もよく使われる単語の一つです。特に、このように初めての経験を語る際に、期待感や喜びが伝わると記憶に残りやすくなります。
We watched the final match of the tennis tournament on TV last night.
私たちは昨晩、テレビでそのテニス大会の決勝戦を見ました。
※ 家族や友人と一緒に、テレビで白熱したテニス大会の決勝戦を観戦している夜のひとときを想像できますね。「tournament」は、このように「ある特定の大会」を指す際にも頻繁に使われます。「on TV」で「テレビで」という、日常的な情報も加わり、より自然な会話のシーンを描写しています。
She practiced hard every day for the big chess tournament next month.
彼女は来月の大きなチェス大会のために毎日一生懸命練習しました。
※ 真剣な表情で、盤面と向き合い、来るべきチェス大会に向けて黙々と練習に打ち込む女性の姿が目に浮かびますね。「tournament」は、サッカーやテニスのようなスポーツだけでなく、チェスや将棋のような頭脳ゲームの大会にも使われます。目標に向かって努力する様子が描かれており、感情移入しやすい例文です。
トーナメント表
競技の組み合わせや進行状況を示す表。参加者名と対戦関係、勝敗結果などが記載される。
He carefully looked at the tournament to find his next opponent.
彼は次の対戦相手を見つけるために、慎重にトーナメント(表)を見た。
※ この例文は、試合前に自分の次の対戦相手が誰になるのか、トーナメント表をじっと見つめている選手の様子を描写しています。大会の組み合わせが書かれた「トーナメント表」を確認する、という具体的な行動がイメージできますね。ここでは'tournament'が大会そのものだけでなく、その組み合わせを示す『表』を指しています。通常は'tournament bracket'や'tournament chart'と言うことが多いですが、文脈によっては'tournament'だけで『表』の意味合いを含むことがあります。
We were so excited when the tournament was finally announced.
トーナメント(表)がやっと発表されたとき、私たちはとても興奮した。
※ この例文は、待ちに待った大会の組み合わせや日程が発表され、選手やファンが歓喜している様子を表しています。大会の開催情報や具体的な対戦カードが書かれた『トーナメント表』が、公式に発表される場面を想像できます。'be announced'(発表される)という表現は、大会に関する重要な情報(=表)が公開される際によく使われます。
She drew a line on the tournament to predict the winner.
彼女は勝者を予想するために、トーナメント(表)に線を引いた。
※ この例文は、スポーツファンがトーナメント表を使って、勝ち上がりを予想し、実際に線を引きながら楽しんでいる場面を描写しています。テレビ観戦中や友達との会話の中で、このような光景はよく見られますね。'draw a line on'(~に線を引く)という動詞を使うことで、具体的な『表』に手を加えるイメージが湧きやすくなります。'predict'は『予測する』という意味です。
コロケーション
トーナメントを開催する、主催する
※ 「host」は、イベントや会などを主催する意味で、格式ばった場や公式なイベントでよく使われます。スポーツのトーナメントだけでなく、eスポーツの大会、チェスの大会など、さまざまな種類のトーナメントに使用可能です。類似表現の「organize a tournament」よりも、主催者としての責任や役割を強調するニュアンスがあります。例えば、「The city will host the international tennis tournament next year.(来年、その都市は国際テニス大会を開催する予定です。)」のように使われます。
トーナメントに参加する、出場する
※ 「enter」は、競技や競争に参加するという意味で、フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使用できます。登録手続きを経て正式に参加するイメージです。類似表現の「join a tournament」よりも、より公式な登録や参加の手続きを伴うニュアンスがあります。「He decided to enter the chess tournament.(彼はチェスのトーナメントに参加することを決めた。)」のように使われます。
トーナメントで優勝する、勝利する
※ トーナメントの最終的な勝利を意味する、非常に一般的な表現です。スポーツ、ゲーム、競技など、様々な種類のトーナメントで使用されます。「claim victory in a tournament」や「triumph in a tournament」といった表現もありますが、「win a tournament」が最も一般的で広く使われています。「She trained hard and finally won the tournament.(彼女は一生懸命練習し、ついにトーナメントで優勝した。)」のように使われます。
トーナメントの対戦表、組み合わせ表
※ 「bracket」は、トーナメントの対戦組み合わせを図式化したものを指します。特に、シングルエリミネーション方式(敗者復活なし)のトーナメントでよく用いられます。アメリカ英語で非常によく使われる表現で、特にスポーツ観戦やeスポーツの文脈で頻出します。「Fill out your tournament bracket」という形で、対戦予想をすることを促す表現としても使われます。「He carefully studied the tournament bracket to plan his strategy.(彼は戦略を立てるためにトーナメントの対戦表を注意深く調べた。)」のように使われます。
トーナメントでシードを設定する
※ 「seed」は、実力のある選手やチームをトーナメントの早い段階で対戦しないように配置することを意味します。シード選手は通常、トーナメントのランキング上位者に与えられます。スポーツの文脈でよく使われ、特にテニスやバスケットボールなどで一般的です。「The top four players were seeded in the tournament.(上位4名の選手がトーナメントでシードされた。)」のように使われます。
毎年恒例のトーナメント
※ 毎年定期的に開催されるトーナメントを指します。スポーツ、ゲーム、地域イベントなど、様々な分野で使用されます。伝統や継続性を強調する表現です。「The annual golf tournament is a major event for the town.(毎年恒例のゴルフ大会は、町にとって重要なイベントです。)」のように使われます。
トーナメントの出場資格を得る
※ 予選などを通過して、トーナメント本戦への出場権を獲得することを意味します。スポーツやゲームの文脈でよく使われ、努力や競争を経て目標を達成するニュアンスがあります。「After months of training, she finally qualified for the national tournament.(数ヶ月のトレーニングの後、彼女はついに全国大会の出場資格を得た。)」のように使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、特定の競技形式や競争構造を指す際に使用されます。例:『本研究では、参加者に対して記憶力に関するトーナメント形式の実験を実施した』。研究分野によっては、アルゴリズムの性能比較をトーナメント戦に見立てて説明することもあります。
ビジネスシーンでは、プロジェクトの選抜やアイデアコンテストなどの競争的な状況を指す際に使われることがあります。例:『新規事業アイデアのトーナメントを実施し、上位3案を経営会議に諮る』。フォーマルな文書やプレゼンテーションで用いられることが多いです。
日常会話では、スポーツイベントやゲーム大会の結果について話す際に使われます。例:『週末に開催されたテニストーナメント、見に行った?』。また、テレビ番組やニュースでスポーツイベントの結果が報道される際にも頻繁に耳にします。
関連語
類義語
競争、競技会。一般的な競争を表し、ビジネス、スポーツ、学術など幅広い分野で使用されます。必ずしも勝ち抜き戦であるとは限りません。 【ニュアンスの違い】『tournament』よりも広義で、規模や形式を問わず使えます。単に『競争』という行為自体を指す場合もあります。フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使用可能です。 【混同しやすい点】『tournament』は複数日にわたる大規模な勝ち抜き戦を指すことが多いのに対し、『competition』は単発の競技や、必ずしも勝ち抜き戦ではない競争も含む点が異なります。
選手権大会、優勝決定戦。特定の分野における最高位を決定するための競技会を指します。通常、予選を経て決勝が行われます。 【ニュアンスの違い】『tournament』よりも、最終的な優勝者を決定するという意味合いが強く、権威や名誉が伴うことが多いです。スポーツの文脈でよく使用されます。 【混同しやすい点】『tournament』は大会全体の構造を指す一方、『championship』は大会の目的や最終的な勝者を決定するプロセスに焦点を当てます。すべての『championship』が『tournament』であるとは限りません(例えば、リーグ戦の優勝決定戦など)。
コンテスト、競技会。技能や芸術などの分野における優劣を競う催しを指します。必ずしもスポーツに限らず、歌やダンス、料理などのコンテストも含まれます。 【ニュアンスの違い】『tournament』よりも規模が小さく、参加者がある特定の技能や才能を披露する場というニュアンスが強いです。娯楽的な要素を含むこともあります。 【混同しやすい点】『tournament』は参加者同士が直接対戦する形式が多いのに対し、『contest』は審査員による評価が重視される傾向があります。また、『tournament』は勝ち抜き戦である場合が多いですが、『contest』は必ずしもそうではありません。
(スポーツの)競技会、大会。特に陸上競技や水泳などの記録を競う競技会を指します。比較的規模が小さいことが多いです。 【ニュアンスの違い】『tournament』よりもインフォーマルな印象を与え、地域レベルの小規模な大会に使われることが多いです。参加者同士の交流を目的とした側面もあります。 【混同しやすい点】『tournament』は複数の競技種目を含む大規模な大会を指すことが多いのに対し、『meet』は特定の競技種目に特化した小規模な大会を指すことが多いです。また、『meet』は名詞だけでなく動詞としても使われます(例:The team will meet next week.)。
- games
(複数形のgamesで)競技会、大会。オリンピックやアジア大会など、複数の競技種目を含む大規模な総合競技大会を指します。 【ニュアンスの違い】『tournament』よりもさらに大規模で、国際的な規模の大会を指すことが多いです。スポーツだけでなく、文化的なイベントも含まれることがあります。 【混同しやすい点】『tournament』は特定の競技種目における勝ち抜き戦を指すことが多いのに対し、『games』は複数の競技種目を包括する総合的な大会を指します。また、『games』は娯楽的な要素を含む場合もあります。
- playoff
プレーオフ。リーグ戦やトーナメント戦の後に、上位チームや選手が参加して優勝を争う試合のこと。 【ニュアンスの違い】『tournament』の一部として行われることもありますが、リーグ戦の最終段階として行われることもあります。重要な試合であり、緊張感が高いというニュアンスがあります。 【混同しやすい点】『tournament』は大会全体を指すのに対し、『playoff』はその大会の最終段階、つまり優勝決定戦に焦点を当てています。すべての『tournament』に『playoff』があるとは限りません(例えば、単発のトーナメント戦など)。
派生語
『巡回』『旅行』を意味する名詞・動詞。「tournament」は元々、騎士が馬に乗って巡回し、武術を披露する様子から派生。現代では、より広範な意味で『巡業』『見学』などを指す。日常会話から旅行関連の文書まで幅広く使用される。
『回転する』『順番』を意味する基本的な動詞・名詞。「tournament」の語源は、騎士たちが馬上で『turn(回転)』しながら戦ったことに由来する。試合や競争における『順番』という意味合いもここから来ている。日常会話で非常に頻繁に使われる。
『代理人』『弁護士』を意味する名詞。古フランス語の『aturner(任命する)』に由来し、王や領主の代理として『turn(任務)』を遂行する者を表した。「tournament」の語源である『turn』と間接的ながらも関連があり、任務を遂行するという意味でつながりが見られる。主に法律関連の文脈で使用される。
反意語
『退却』『撤退』を意味する動詞・名詞。「tournament」が競技者が積極的に参加し、勝利を目指す場であるのに対し、「retreat」は戦いや競争から身を引くことを意味する。軍事的な文脈だけでなく、ビジネスや個人的な関係においても、困難な状況から『退く』という意味で使用される。
- truce
『休戦』『停戦』を意味する名詞。「tournament」が競技を通じて優劣を決める場であるのに対し、「truce」は争いを一時的に停止し、平和的な解決を模索する状態を指す。国際関係や紛争解決の文脈で頻繁に用いられる。
『中止』『停止』を意味する名詞。「tournament」が継続的な競技のプロセスであるのに対し、「cessation」は活動やプロセスの完全な停止を意味する。ビジネスや政治、医学など幅広い分野で使用され、フォーマルな文脈でよく見られる。
語源
"Tournament"は、古フランス語の"torneiement"(馬に乗って戦う集団競技、馬上槍試合)に由来します。さらに遡ると、"torner"(回転する、回る)という動詞から派生しています。これはラテン語の"tornare"(旋盤で回す、回転させる)に起源を持ちます。つまり、元々は「回転すること」や「回転運動」を意味していました。馬上槍試合では、騎士たちが馬上で互いに向き合い、槍を構えて突進し、互いを落馬させようとします。この動きが「回転」のイメージと結びつき、集団競技全体を指す言葉として"torneiement"が使われるようになったと考えられます。現代英語では、この競技に限らず、複数の参加者が競い合う形式の競技会全般を指す言葉として用いられています。
暗記法
「トーナメント」は中世騎士道の象徴。武術を競う場であると同時に、富と権力を誇示し、社交を深める舞台でした。騎士道物語では英雄たちの勇気を示す場として描かれ、観客も豪華な衣装で観戦。勝敗は騎士の社会的評価を左右し、名誉と結婚の機会に繋がりました。現代のスポーツイベントにも、その名誉と祭りの要素が息づいています。
混同しやすい単語
「tournament」の最初の部分と発音が同じで、スペルも似ているため混同しやすいです。「tour」は「旅行、見学」という意味の名詞または動詞です。発音記号は/tʊər/であり、tournamentの/ˈtʊrnəmənt/とはアクセントの位置も異なります。文脈で判断することが重要です。
「tournament」の中間部分と発音が似ています。「turn」は「回転する、順番」などの意味を持つ動詞または名詞です。発音記号は/tɜːrn/で、tournamentの/ˈtʊrnəmənt/とは母音の質が異なります。turnは日常会話で頻繁に使われる単語なので、tournamentと区別できるように意識しましょう。
スペルが「tournament」と似ており、特に語尾の「-ment」が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。「tenement」は「共同住宅、安アパート」という意味で、特に都市部の低所得者層向けの集合住宅を指します。意味が全く異なるため、文脈から判断することが重要です。
「tournament」とスペルが似ており、発音も一部共通しているため混同しやすいです。「torment」は「苦痛、苦悩」という意味の名詞または「苦しめる」という意味の動詞です。発音記号は/tɔːrˈment/で、tournamentの/ˈtʊrnəmənt/とはアクセントの位置が異なります。心理的な苦痛を表すことが多い単語です。
「tournament」とスペルが似ており、語源的にも関連がある可能性があります(どちらも「限界、終わり」といった意味合いを含むラテン語に由来する可能性があります)。「terminate」は「終わらせる、終了させる」という意味の動詞です。発音記号は/ˈtɜːrmɪneɪt/で、tournamentの/ˈtʊrnəmənt/とはアクセントの位置と母音が異なります。契約やプロジェクトの終了など、フォーマルな場面で使われることが多い単語です。
「tournament」とはスペルも発音も大きく異なりますが、法律用語として使われる場合があり、語感が似ているため、知識がないと混乱する可能性があります。「attorn」は「(権利などを)譲渡する、帰属させる」という意味の法律用語です。日常会話ではほとんど使われませんが、契約書などで見かけることがあります。
誤用例
『tournament』は、日本語の『トーナメント』という言葉から、会社内での競争などにも使えると考えてしまいがちですが、本来はスポーツやゲームなどの競技会で、複数の参加者が勝ち抜き戦を行う形式を指します。ビジネスの文脈で従業員の能力を競う場合は、『competition』や『contest』を使う方が適切です。日本人が『トーナメント』という言葉を広義に捉えすぎていることが原因です。
『honor』は『名誉』という意味ですが、何かを得るためではなく、倫理的な義務感や高潔さを示す場合に用いられます。チェスのような競技で『名誉のため』と表現すると、少し大げさで不自然に聞こえます。ここでは、勝つこと自体が目的ではなく、自分の腕前を試す、あるいは単に楽しむというニュアンスで『pride(自尊心、誇り)』を使う方が適切です。日本語の『名誉』という言葉が持つ意味合いと、英語の『honor』のニュアンスが異なるため、誤用が生じやすいです。
『tournament』は、競技形式で行われるイベントを指すため、政治討論のように必ずしも勝敗が決まらない、自由な意見交換の場には不適切です。ここでは、意見がぶつかり合う様子を強調するために『clash』や『battle』を使う方が自然です。日本人が『トーナメント』を『競争』や『対決』といった意味で捉え、比喩的に使おうとする際に起こりやすい誤りです。
文化的背景
「tournament(トーナメント)」は、単なる競技形式を超え、中世ヨーロッパにおける騎士道の華やかさ、名誉、そして社会的な地位を象徴する言葉です。元々は、騎士たちが武術を競い合い、その腕前を披露する場でしたが、同時に、富と権力を誇示し、社交的なつながりを深める機会でもありました。トーナメントは、騎士道物語やロマンス文学において、英雄たちの勇気と高潔さを際立たせる舞台として頻繁に登場し、そのイメージは現代のスポーツイベントや競技会にも受け継がれています。
中世のトーナメントは、単なるスポーツイベントではありませんでした。それは、騎士たちの生活における重要な一部であり、彼らのアイデンティティを形成するものでした。騎士たちは、トーナメントに向けて長期間にわたる訓練を行い、最高の装備を整え、自らの名誉と家名をかけて戦いました。トーナメントは、観客にとっても一大イベントであり、貴族たちは豪華な衣装を身につけ、音楽や食事を楽しみながら、騎士たちの戦いを観戦しました。トーナメントの結果は、騎士たちの社会的評価に直接影響し、勝利した騎士は、その名声を高め、結婚の機会を得ることもありました。
トーナメントは、アーサー王物語などの騎士道文学において、重要な役割を果たしています。例えば、円卓の騎士たちは、トーナメントを通じてその武勇を示し、王への忠誠心を誓います。また、トーナメントは、騎士たちの恋愛模様を描く舞台としても利用され、騎士たちは、愛する女性のために戦い、その愛を勝ち取ろうとします。このように、トーナメントは、騎士道文学における重要なモチーフであり、英雄たちの勇気、名誉、愛を描き出すための舞台として機能しています。
現代において、「トーナメント」という言葉は、スポーツイベントや競技会を指す一般的な言葉として使われています。しかし、その背後には、中世の騎士道精神や名誉を重んじる文化が息づいています。例えば、テニスのウィンブルドントーナメントや、サッカーのワールドカップなどの大規模なスポーツイベントは、単なる競技会を超え、参加者や観客にとって、一種の祭りであり、社会的なイベントとしての側面を持っています。トーナメントという言葉は、現代においても、競争、名誉、そして祭りの要素を内包した、豊かな文化的意味を持つ言葉として存在し続けているのです。
試験傾向
準1級、1級で長文読解、語彙問題で出題される可能性あり。スポーツ、ゲーム、競技会などの文脈で登場しやすい。同意語・類義語(competition, contest)との区別を意識。リスニングでもイベント告知などで使われる場合がある。
Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)で稀に出題。ビジネス関連のイベント、社内コンテスト、業界内の競技会などで使われる。直接的なビジネスシーンよりも、比喩表現として「市場競争」などを表す場合がある。
リーディングセクションで出題される可能性あり。歴史、社会学、スポーツ史などのアカデミックな文脈で登場する。研究大会、学術会議などを指す場合もある。類義語とのニュアンスの違い(championship, series)に注意。
難関大学の長文読解で稀に出題。スポーツ、文化、歴史に関する文章で使われることが多い。文脈から意味を推測させる問題や、内容一致問題でひっかけとして使われる場合がある。比喩的な意味(政治的な争いなど)で使われる場合もあるので注意。