tenet
第一音節にアクセントがあります。母音 /e/ は日本語の「エ」よりも少し口を横に開いて発音します。/ɪ/ は日本語の「イ」よりも曖昧で、口をあまり開けずに発音する短母音です。最後の /t/ は破裂音なので、息を強く出すように意識しましょう。
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主義
特定の集団や思想が共有する根本的な信念や原則。組織や運動の根幹をなす考え方を指すことが多い。例えば、「自由市場の主義」のように使われる。
My grandmother always said that kindness is a basic tenet of life.
祖母はいつも、優しさが人生の基本的な主義(信条)だと言っていました。
※ この例文は、大切な人から教わった、人生における基本的な考え方や信条を表しています。おばあちゃんが孫に優しく語りかけるような温かい情景が目に浮かびますね。「tenet」は、このように個人の哲学や行動の土台となる「主義・信条」を指す際によく使われます。「basic tenet」で「基本的な信条」という意味になります。
Teamwork is a core tenet of our small company's success.
チームワークは、私たちの小さな会社の成功における中核的な主義(原則)です。
※ この例文は、会社や組織が大切にしている「原則」や「方針」を表しています。社員たちが協力し合い、会社が成長していく様子が想像できますね。「tenet」は、このようにグループや組織の活動を支える「根本的な原則」を指す場合にも非常に自然です。「core tenet」は「中核となる主義・原則」という意味で、ビジネスの文脈でもよく使われます。
Patient safety is a fundamental tenet in all hospitals.
患者の安全は、すべての病院における根本的な主義(原則)です。
※ この例文は、医療現場のような専門的な分野や公共機関が最も重視する「原則」を示しています。病院で働く人々が、患者さんの安全を第一に考えて行動する、真剣な雰囲気が伝わってきますね。「tenet」は、このように特定の分野や機関における揺るぎない「根本原則」を表すのに適しています。「fundamental tenet」は「根本的な主義・原則」という意味で、非常に重要な信条を示す際に使われます。
教義
宗教、哲学、政治など、特定の分野における一連の教えや信条。信奉者が守るべき規範や価値観を示す。しばしば、公式に認められた体系的な理論を指す。
"Always be kind to others" is a central tenet of her faith.
「常に他人に親切にしなさい」は、彼女の信仰の中心的な教義です。
※ この例文は、ある人の信仰(faith)における「最も大切な教え」としてのtenetを示しています。おばあさんが孫に優しく教えるような、温かい宗教の教えの場面を想像してみてください。Tenetは、宗教や哲学の「根本的な考え方」や「最も大切な教え」を意味する典型的な使い方です。「central tenet」で「中心的な教義」という意味になります。
The company's main tenet is to always put customers first.
その会社の主な教義は、常にお客様を第一に考えることです。
※ この例文では、tenetが会社や組織の「最も重要な原則」や「行動指針」として使われています。会議室で社長が社員に会社の理念を熱心に語る場面を想像すると、この文脈がより鮮明になるでしょう。ビジネスの世界でも使われる、非常に自然な表現です。「main tenet」で「主要な教義・原則」という意味になります。「put customers first」は「お客様を第一に考える」という、よく使う表現です。
For him, honesty is a personal tenet he always tries to follow.
彼にとって、正直であることは彼が常に守ろうと努める個人的な信条です。
※ この例文は、tenetが個人の「揺るぎない信条」や「生き方の原則」を指す場合を示しています。困難な状況でも自分の信念を曲げずに、正直であろうと努力する人の姿を想像してみてください。宗教や組織だけでなく、個人の強い信念を表す際にもtenetは使われます。「personal tenet」で「個人的な信条」という意味になります。「try to do ~」は「~しようと努める」という、よく使う表現です。
コロケーション
基本原則、根本的な信条
※ 「tenet」が最も頻繁に使われる形の一つです。「fundamental」は「基礎となる」「不可欠な」という意味で、「tenet」の重要性を強調します。学問、宗教、政治など、様々な分野における理論や思想の根幹をなす原則を指す場合に使われます。例えば、「The fundamental tenet of democracy is the rule of law.(民主主義の基本原則は法の支配である)」のように用います。
中核となる信条、最も重要な原則
※ 「core」は「中心」「核」という意味で、「tenet」が組織や思想体系において最も重要な要素であることを示します。「fundamental tenet」と似ていますが、「core tenet」はより中心的な、絶対に変えられないような原則を指すニュアンスがあります。ビジネスにおける企業理念や、個人の価値観の中核となる部分を表現する際にも使われます。例:「Honesty is a core tenet of our company.(誠実さは当社の最も重要な理念です)」
重要な信条、主要な原則
※ 「key」は「鍵」「重要な」という意味で、「tenet」が理解や成功のために不可欠な要素であることを示します。「fundamental tenet」や「core tenet」に比べると、重要度合いがやや下がるニュアンスですが、それでも無視できない重要な原則を指します。プロジェクトの成功要因や、議論における重要なポイントなどを説明する際に適しています。例:「A key tenet of this approach is collaboration.(このアプローチの重要な原則は協力です)」
中心的な信条、主要な原則
※ 「central」は「中心の」「主要な」という意味で、「tenet」が議論や理論の中心に位置することを強調します。「core tenet」と意味が近いですが、「central tenet」は、特に議論や理論の展開において中心的な役割を果たす原則を指すことが多いです。学術論文や専門的な議論でよく用いられます。例:「The central tenet of this theory is that humans are inherently social.(この理論の中心的な信条は、人間は本質的に社会的な存在であるということだ)」
宗教上の教義、宗教的信条
※ 「religious」は「宗教的な」という意味で、「tenet」が特定の宗教における教えや信仰の原則であることを示します。それぞれの宗教が持つ独自の教えや、信者が守るべき規範などを指す場合に用いられます。宗教史や宗教学を学ぶ上で頻繁に登場する表現です。例:「One of the central religious tenets of Islam is the belief in one God.(イスラム教の主要な宗教的教義の一つは、唯一神への信仰である)」
基本的な信条、基礎的な原則
※ 「basic」は「基本的な」という意味で、「tenet」が物事の基礎となる、最も単純で理解しやすい原則であることを示します。「fundamental tenet」と似ていますが、「basic tenet」はより平易な言葉で説明できる、入門的な原則を指すことが多いです。初心者向けの説明や、教育現場でよく用いられます。例:「A basic tenet of economics is the law of supply and demand.(経済学の基本的な原則は、需要と供給の法則である)」
信条を擁護する、原則を支持する
※ 「uphold」は「支持する」「擁護する」という意味の動詞で、「tenet」を積極的に支持し、守り抜く姿勢を表します。信念に基づいて行動することを強調する際に使われます。政治的な演説や、倫理的な議論でよく用いられます。例:「We must uphold the tenet of freedom of speech.(我々は言論の自由という原則を擁護しなければならない)」
使用シーン
学術論文や研究発表で、ある学説や理論の根本的な「主義」や「教義」を説明する際に用いられます。例えば、経済学の論文で「このモデルは、合理的な行動という原則(tenet)に基づいている」と記述したり、社会学の研究で「構造主義の主要な教義(tenet)は〜である」と議論したりする場面が考えられます。研究者が自身の研究の基盤となる考え方を明確にするために使用します。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、企業の理念や行動規範、プロジェクトの基本原則などを指す際に使われます。たとえば、「当社の成功の主義(tenet)は顧客第一主義である」と述べる場合や、プロジェクトの提案書で「この戦略は、市場の変化への迅速な対応という教義(tenet)に基づいています」と説明する際に用いられます。フォーマルな場面で、組織の重要な価値観や方針を強調するために使われます。
日常会話ではほとんど使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、宗教、哲学、政治などの話題を扱う際に耳にすることがあります。例えば、「その宗教の根本的な主義(tenet)は愛と平和である」といった文脈で使われます。普段の生活で積極的に使う単語ではありませんが、社会問題や思想について深く理解しようとする際に、知っておくと役立つことがあります。
関連語
類義語
原則、原理。道徳的、倫理的な基盤となる考え方や行動規範を指すことが多い。学術的な文脈や、組織の理念などを表す際にも用いられる。 【ニュアンスの違い】"tenet"よりも広範で、より根本的な概念を指す。"tenet"が特定の教義や信条であるのに対し、"principle"はより普遍的な真理や価値観に近い。フォーマルな場面で使われることが多い。 【混同しやすい点】"principle"は名詞であり、"principal"(校長、主要な)という形容詞と混同しやすい。また、"tenet"よりも抽象的な概念を指すため、具体的な行動指針を意味する場合には不適切。
教義、学説。宗教、政治、哲学など、特定の体系化された信念や理論の集合体を指す。しばしば、組織やグループによって公式に採用される。 【ニュアンスの違い】"tenet"よりも体系的で、より広範囲な概念を包含する。"tenet"が個々の信条であるのに対し、"doctrine"はそれらをまとめた全体的な理論体系を指す。宗教的、政治的な文脈でよく用いられる。 【混同しやすい点】"doctrine"はしばしば権威主義的な響きを持つため、単なる個人的な信念や意見を表す場合には不適切。また、特定の分野における専門的な知識や理論を指すため、日常会話ではあまり使われない。
信念、確信。何かを真実だと信じること。個人的な意見や感情に基づく場合もあれば、証拠や論理に基づいている場合もある。日常会話で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】"tenet"よりも個人的で、より主観的な意味合いが強い。"tenet"が共有された信条であるのに対し、"belief"は個人の内面的な確信を指すことが多い。よりカジュアルな表現。 【混同しやすい点】"belief"は具体的な根拠を必要としない場合があるため、客観的な事実や証拠に基づいて議論する場合には不適切。また、"tenet"のように組織やグループによって共有される公式な信条を指す場合には、ニュアンスが異なる。
信条、主義。宗教的な信仰告白や、特定のグループが共有する基本的な信条体系を指す。しばしば、行動規範や価値観を含む。 【ニュアンスの違い】"tenet"よりも形式的で、より宗教的な意味合いが強い。"creed"はしばしば、儀式や宣言の一部として用いられる。歴史的な背景や宗教的な文脈を持つ。 【混同しやすい点】"creed"は宗教的な文脈でよく用いられるため、ビジネスや学術的な文脈では不適切。また、個人的な信念というよりも、集団的な信仰体系を指すため、個人の意見を表す場合にはニュアンスが異なる。
教義、定説。疑う余地のない真理として受け入れられている信念体系。しばしば、権威によって強制される。 【ニュアンスの違い】"tenet"よりも強制的で、批判を許さないニュアンスが強い。"dogma"はしばしば、非寛容さや偏見と結びつけられる。批判的な視点を含む。 【混同しやすい点】"dogma"は否定的な意味合いを持つことがあるため、単に信じられていることを表す場合には不適切。また、個人的な意見や信念というよりも、組織や権力によって強制される信条を指すため、ニュアンスが異なる。
- precept
教訓、戒律。行動の指針となる規則や命令。道徳的、倫理的な意味合いが強い。しばしば、宗教的な文脈で用いられる。 【ニュアンスの違い】"tenet"よりも具体的な行動規範を指す。"tenet"が信条であるのに対し、"precept"はそれに基づいて行うべき行動を指示する。倫理的な意味合いが強い。 【混同しやすい点】"precept"は具体的な行動指針を意味するため、抽象的な信念や信条を表す場合には不適切。また、しばしば宗教的な文脈で用いられるため、日常会話ではあまり使われない。
派生語
『固守する』『粘り強い』という意味の形容詞。『tenet』の語源である『tenere(保持する)』から派生し、主義や信念をしっかりと保持する様子を表す。日常会話からビジネスシーン、学術論文まで幅広く使われ、目標達成への強い意志を示す際に用いられる。語尾の『-acious』は『〜に満ちた』という意味合いを加え、その性質を強調する。
『賃借人』『居住者』という意味の名詞。『tenet』と同じく『tenere(保持する)』を語源とし、土地や建物を一定期間保持する人を指す。不動産関連の契約書や法律文書で頻繁に使用される。中世フランス語を経由して英語に入り、現代英語では不動産用語として定着している。
『代理』『副官』を意味する名詞。動詞lieu(場所)とtenant(保持する)の組み合わせが語源。場所を保持する人が転じて、上官の代わりを務める、つまり代理や副官を意味するようになった。軍事用語としてよく使われるが、ビジネスシーンでも役職名として用いられることがある。フランス語由来の単語。
反意語
『疑念』『疑い』を意味する名詞。tenetが確固たる信念や原則を意味するのに対し、doubtは真実性や妥当性に対する疑いを表す。日常会話から学術的な議論まで幅広く用いられ、仮説や主張の検証において重要な概念となる。tenetが積極的に信じる姿勢を示すのに対し、doubtは批判的思考の根幹をなす。
『懐疑主義』『疑念』を意味する名詞。tenetが受け入れられている信念体系であるのに対し、skepticismはあらゆる主張に対して懐疑的な態度をとり、証拠や論理的根拠を求める。哲学や科学の分野で重要な概念であり、安易な信念の受容を避けるために用いられる。より体系的で哲学的な疑念を意味する。
- disbelief
『不信』『信じないこと』を意味する名詞。接頭辞『dis-』は否定を表し、『belief(信念)』を否定する。tenetが積極的に受け入れる信念を指すのに対し、disbeliefはそれを拒否する態度を示す。日常会話から報道記事まで広く用いられ、証拠不足や矛盾がある場合に用いられる。
語源
"tenet」はラテン語の「tenēre(持つ、保つ)」に由来します。これは物理的に何かを保持するだけでなく、信念や主義を心に「抱く」という意味合いも含んでいます。さらに遡ると、印欧祖語の根 *ten- (伸ばす、広げる)に関連し、何かを保持するために手を「伸ばす」イメージが想起されます。この語根は、英語の「tend(傾向がある)」や「tension(緊張)」、「extend(拡張する)」など、広がりや保持に関連する多くの単語の源泉となっています。「tenet」は、人がしっかりと「保持」し、信じる基本的な原則や教義を指す言葉として、その語源的な意味を色濃く反映していると言えるでしょう。例えば、会社の「経営理念」や宗教の「教義」など、組織や個人の行動を方向づける根本的な「拠り所」となる考え方を表す際に用いられます。
暗記法
「tenet」は社会を支える見えない基礎石。中世ではキリスト教の教義として、人々の生き方を規定しました。近代に入り、政治や科学の分野でも、主義や原則として用いられるように。現代では企業理念にも現れ、組織の価値観を象徴します。私たちが何を信じ、目指すのかを示す、心の羅針盤。集団を結束させ、目標へ導く力を持つ、根源的な原則なのです。
混同しやすい単語
『tenet』と発音が非常に似ており、スペルも'a'と'e'の違いだけなので、混同しやすい。意味は『賃借人、入居者』であり、不動産関係の文脈でよく使われる。tenet(主義)が抽象的な概念であるのに対し、tenantは具体的な人物を指す点が大きく異なる。発音記号を確認し、意識的に発音を区別することが重要。
発音の最初の部分が似ており、特に早口で発音されると聞き分けにくい場合がある。スペルも最初の数文字が共通しているため、視覚的にも混同しやすい。意味は『テニス』であり、スポーツの文脈で使われる。tenet(主義)とは全く異なる文脈で使用されるため、文脈から判断することが重要。
最初の2音節の発音が似ており、スペルも'ten'が共通しているため混同しやすい。意味は『優しい、柔らかい』や『入札』など、多岐にわたる。tenet(主義)のような抽象的な概念とは異なり、感情や物理的な性質、ビジネスの文脈で使用される。文脈によって意味が大きく変わるため、注意が必要。
発音が似ており、特にネイティブスピーカーが早口で話す場合、聞き分けが難しいことがある。スペルも似ているため、視覚的にも混同しやすい。意味は『ブリキのような、安っぽい』であり、音質や品質を表す際に使われる。tenet(主義)とは意味が全く異なるため、文脈から判断することが重要。
発音が似ており、特に最初の部分が共通しているため、聞き間違えやすい。スペルも一部が共通しているため、視覚的にも混同しやすい。意味は『緊張緩和』であり、外交や政治の文脈で使われる。フランス語由来の単語であり、発音も少し異なる(/deɪˈtɑːnt/)。tenet(主義)とは意味も文脈も大きく異なるため、注意が必要。
語尾以外の発音が似ており、スペルも 'ent' の部分が共通しているため、混同しやすい。意味は『意図、目的』であり、何らかの行動や計画の背後にある意図を示す。tenet(主義)が信条や原則を指すのに対し、intent は具体的な行動の動機を指す。語源的には、ラテン語の 'intendere'(~に注意を向ける)に由来し、注意を向ける先が「意図」に繋がっている。
誤用例
『tenet』は『主義』『信条』と訳されることが多いですが、日常的な企業理念を指すには硬すぎます。『tenet』は、宗教的、哲学的な文脈、あるいは非常に重要な原則を指す場合に適しています。企業理念を述べる場合は、『guiding principle』や『core value』のような表現がより適切です。また、日本語の『〜を旨とする』という表現に引きずられて、安易に『tenet is to〜』としてしまうのも誤りの原因です。英語では、より直接的に『Our company prioritizes〜』のように表現する方が自然です。
『tenet』は個人的な意見や趣味を指すには大げさです。『Free love(自由恋愛)』は倫理的・社会的な意味合いが強く、単なる個人の好みを越える主張です。そのため、よりフォーマルな表現である『espouse(支持する、擁護する)』と『core belief(核となる信念)』を組み合わせることで、その思想の重要性を強調し、文脈に合った表現にしています。日本語の『〜は彼の主義の一つだ』という文を直訳的に英語にすると、語感のずれが生じやすい典型例です。
『tenets』は複数形で使われることもありますが、この場合、抽象的な概念やシステムを構成する個々の要素を指すニュアンスが強くなります。民主主義全体を指す文脈では、『fundamental principles』の方がより適切です。また、日本語の『民主主義の主義』という表現をそのまま英語にすると、不自然な印象を与えます。英語では、民主主義の根幹をなす原則に焦点を当てることで、より明確な文意を伝えることができます。
文化的背景
「tenet(主義、信条)」は、単なる個人的な信念を超え、社会や集団を結束させる根本的な原則を意味します。それはまるで、建物を支える基礎石のように、組織や思想体系全体を支える見えない骨格となるのです。
中世ヨーロッパにおいては、宗教的な教義、特にキリスト教の根本的な信仰箇条が「tenet」として扱われることが多くありました。例えば、三位一体説や原罪といった教義は、信者たちの行動規範や世界観を大きく左右する「tenet」であり、これに反する者は異端として排除されることもありました。教会はこれらの「tenet」を絶対的な真理として守り、人々の精神生活を統制する上で重要な役割を果たしました。そのため、「tenet」は、単なる知識ではなく、生き方そのものを規定する力を持つものとして認識されていたのです。
近代に入ると、「tenet」は宗教的な文脈から離れ、政治や哲学、科学といった分野でも用いられるようになります。例えば、自由主義や社会主義といった政治思想は、それぞれ異なる「tenet」に基づいて社会のあり方を構想します。科学においては、客観性や再現性といった原則が研究活動の「tenet」となり、科学的知識の信頼性を担保します。このように、「tenet」は、様々な分野における思考や行動の基盤となる原則を指す言葉として、その意味合いを広げてきました。しかし、その根底には、集団を結束させ、共通の目標に向かわせる力を持つという本質的な意味合いは変わらず存在しています。
現代社会においては、「tenet」は企業理念や行動規範といった形で、組織の価値観を表現する言葉としても用いられます。これは、企業が単に利益を追求するだけでなく、社会的な責任を果たし、倫理的な行動をとることを重視するようになったことの表れと言えるでしょう。例えば、「顧客第一主義」や「環境保護」といった「tenet」は、企業のブランドイメージを向上させ、顧客や従業員の信頼を得る上で重要な役割を果たします。このように、「tenet」は、現代社会においても、組織や個人の行動を導く羅針盤として、その重要性を増しているのです。それは、私たちが何を信じ、何を目指すのかを明確にする、心の拠り所とも言えるでしょう。
試験傾向
準1級・1級の語彙問題で出題される可能性あり。長文読解で、文章全体のテーマに関わる重要な概念として登場することも。文脈から意味を推測する問題が多い。ライティングで意見論述の際に使用すると高評価につながる可能性があるが、不自然にならないように注意。
Part 5 (短文穴埋め) や Part 7 (長文読解) で稀に出題される。ビジネスシーンというよりは、ややアカデミックな内容や、企業の理念などを説明する文脈で使われることが多い。類義語や言い換え表現を覚えておくと役立つ。
リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章、特に社会科学系の論文でよく見られる。同意語を選ぶ問題や、文脈から意味を推測する問題が出やすい。ライティングセクションでも、根拠を示す際に使用できる。
難関大学の長文読解で出題される可能性あり。評論文や論説文で、筆者の主張の根拠となる考え方を示す際に用いられることが多い。文脈から意味を推測する問題や、内容一致問題で問われることが多い。単語単体で問われることは少ない。