stricken
第1音節にアクセントがあります。/ɪ/ は日本語の「イ」よりも口を少し開いて発音する短い母音です。「kən」は弱く、曖昧母音/ə/に近い音になります。語尾の「ン」は、口を閉じて鼻から息を出すように意識すると、より自然な発音になります。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
ひどく苦しんだ
病気、悲しみ、災害などによって心身が深く傷ついた状態を表す。同情や深刻さを伴うことが多い。
The little boy was visibly stricken with a high fever.
小さな男の子は、高熱で明らかに苦しんでいました。
※ この文では、幼い男の子が高熱で顔を赤くし、ぐったりしている様子が目に浮かびますね。「visibly(目に見えて)」という言葉が、その苦しみが外から見てわかるほどであることを伝えています。このように、`stricken with ~` は病気や体の不調で「ひどく苦しむ」「〜に襲われる」という状況でよく使われます。
She stood completely still, stricken with grief after hearing the news.
彼女は、その知らせを聞いて悲しみに打ちひしがれ、完全に立ち尽くしていました。
※ ここでは、悪い知らせを聞いた女性が、その場で凍りつき、深い悲しみに沈んでいる姿が描かれています。「completely still(完全に静止して)」という表現が、彼女がショックで動けない状態であることを示します。`stricken with grief` は「悲しみに打ちひしがれる」という、精神的な苦痛を表す非常に典型的な使い方です。
When the alarm rang, he was suddenly stricken with panic.
警報が鳴ったとき、彼は突然パニックに襲われました。
※ けたたましい警報音に驚き、心臓がバクバクして身動きが取れなくなるような状況が想像できますね。「suddenly(突然)」という言葉が、予期せぬ出来事に対する瞬時の反応を強調しています。`stricken with panic` のように、恐怖やパニックといった強い感情に突然襲われる状態を表す際にも「stricken」は自然に使われます。
打撃を受けた
問題や困難によって、大きな影響や損害を被った状態。経済的な打撃や災害による被害など、ネガティブな状況で使われる。
He was suddenly stricken with a high fever during the meeting.
彼は会議中に突然、高熱に見舞われました。
※ この例文は、人が急な病気や体調不良に「襲われた」「見舞われた」という状況を表す典型的な使い方です。「stricken with a fever」で「熱に襲われる」という表現はよく使われます。まるで急に何かに打ちのめされたかのように、体が動かなくなるようなイメージです。
She looked completely stricken with grief after hearing the sad news.
その悲しい知らせを聞いて、彼女は完全に悲しみに打ちひしがれているようでした。
※ ここでは、人が悲しみやショックといった「感情的な打撃」を深く受けた様子を表しています。「stricken with grief」は「悲しみに打ちひしがれる」「悲しみに沈む」という、心の底から深く傷つき、動けなくなってしまうような心理状態を描写する際によく使われる表現です。
The small town was deeply stricken by the recent earthquake.
その小さな町は、最近の地震によって甚大な被害を受けました。
※ この例文は、自然災害(地震、洪水など)や大きな困難によって、場所や人々が「大きな打撃を受けた」「ひどい被害に見舞われた」という状況で使われる典型例です。「by」を使って、何によってその打撃を受けたのかを示します。物理的な被害だけでなく、コミュニティ全体が困難に直面している様子が伝わります。
見舞われた
不運や災難が降りかかった状態。受動的なニュアンスがあり、避けられない出来事として経験したことを表す。
She looked pale, suddenly stricken by a high fever.
彼女は真っ青な顔で、急な高熱に見舞われたようだった。
※ 【情景】顔色が悪く、熱でぐったりしている人が目の前にいるような場面です。「stricken by illness/fever」は、病気や体調不良に突然襲われる様子を表す非常によくある表現です。 【ヒント】『stricken by + 病気や災難』の形で、「~に見舞われる」「~に襲われる」という意味で使われます。
He stood still, stricken with grief after hearing the sad news.
彼は悲しい知らせを聞いて、悲しみに打ちひしがれて立ち尽くした。
※ 【情景】衝撃的な悲しい知らせを聞き、ショックでその場に立ち尽くし、心に深い傷を負った人の姿が目に浮かびます。「stricken with grief/fear/terror」のように、強い感情に襲われて心に大きなダメージを受ける様子を描写する際によく使われます。 【ヒント】感情の場合、『stricken with + 感情』という形が一般的です。
The small village was completely stricken by the sudden flood.
その小さな村は、突然の洪水に完全に襲われた。
※ 【情景】平和だった小さな村が、突然の洪水に見舞われ、大きな被害を受けている様子が伝わります。災害(洪水、地震など)や経済的な困難(貧困など)に地域や人が襲われる状況を伝えるニュースなどで頻繁に見られる表現です。 【ヒント】一つ目の例文と同じく、『stricken by + 災害や困難』の形で使われます。
コロケーション
深い悲しみに打ちひしがれている
※ 「stricken」は、ここでは「(病気、悲しみ、恐怖などで)襲われた、苦しめられた」という意味の過去分詞です。「grief」は深い悲しみを指します。このコロケーションは、大切な人を失ったり、非常に辛い出来事を経験したりした人が、悲しみに圧倒され、身動きが取れないような状態を表します。フォーマルな場面や文学作品でよく用いられ、口語ではあまり使いません。類似の表現に"overcome with grief"がありますが、"stricken with grief"の方が、より突然で強烈な悲しみに襲われたニュアンスがあります。
貧困に苦しめられている
※ ここでは「stricken」は、貧困という困難な状況によって苦しめられている状態を表します。「by」という前置詞が、貧困が原因であることを明確に示しています。この表現は、単に貧しいというだけでなく、貧困が人々の生活に深刻な影響を与えている状況を描写する際に適しています。例えば、飢餓、病気、教育機会の欠如などが伴う場合に使われます。報道記事や社会問題に関する議論でよく見られます。
恐怖に襲われている
※ 「stricken」は、ここでは「(感情などで)襲われた」という意味合いを持ちます。「fear」は恐怖です。この組み合わせは、人が突然、強い恐怖を感じ、身がすくむような状態を表します。例えば、事故現場に遭遇したり、恐ろしい知らせを受けたりした際に使われます。類似の表現に"paralyzed with fear"がありますが、"stricken with fear"は、より瞬間的で感情的な反応を表すことが多いです。文学作品や映画の描写でよく用いられます。
病に冒されている
※ この表現は、人が突然病気にかかり、苦しんでいる状態を表します。「illness」は病気を意味します。「with」は、病気が原因であることを示します。このコロケーションは、単に病気であるというだけでなく、その病気が人に深刻な影響を与えていることを強調します。例えば、寝込んでしまったり、日常生活を送ることが困難になったりする場合に使われます。医療関係の記事や個人的な手紙などで見られます。
打ちひしがれた表情
※ ここでは「stricken」は形容詞として使われ、「(顔つきなどが)打ちのめされたような、悲しみに満ちた」という意味合いを持ちます。「look」は表情です。このコロケーションは、人がショックや悲しみ、苦痛などで顔色が悪く、憔悴している様子を表します。例えば、悪い知らせを聞いた後や、辛い経験をした後に見られる表情です。文学作品や映画の登場人物の描写でよく用いられ、心理状態を視覚的に伝える効果があります。
被災地、被害を受けた地域
※ この表現は、自然災害や事故などによって大きな被害を受けた地域を指します。「area」は地域を意味します。「stricken」は、ここでは「被害を受けた、苦しめられた」という意味合いを持ちます。例えば、地震、洪水、台風などの後に使われます。報道記事や政府の発表などでよく用いられ、被害の深刻さを伝える役割があります。類似の表現に"disaster area"がありますが、"stricken area"は、より広範囲にわたる被害を表すことが多いです。
使用シーン
学術論文や専門書で、特に統計や社会調査の結果を説明する際に用いられます。例えば、「貧困に苦しむ(stricken)子供たちの割合」といった社会問題に関する記述や、「病に冒された(stricken)細胞の観察」といった医学研究で使われることがあります。フォーマルな文体で、客観的な事実を述べる際に適しています。
ビジネスシーンでは、報告書やプレゼンテーション資料など、比較的フォーマルな文書で使用されることがあります。例えば、「経済危機に見舞われた(stricken)業界」のように、困難な状況を説明する際に使われます。日常会話よりも、公式な場や書面での使用が想定されます。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで見かけることがあります。例えば、「悲しみに暮れた(stricken)遺族」のように、深刻な状況を伝える際に用いられます。口語よりも、やや硬い印象を与えるため、フォーマルな場面に適しています。
関連語
類義語
- afflicted
(病気、悲しみ、苦しみなどによって)苦しめられている、悩まされている。フォーマルな場面や、深刻な状況を表す際に用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】"stricken"と非常に近い意味だが、"afflicted"はより長期的な苦しみや、根深い問題を抱えている状況を示唆することが多い。また、"afflicted"は、特定の病気や障害に苦しんでいることを示す際にも使われる。 【混同しやすい点】"stricken"は、より突発的、一時的な苦しみに使われることが多いのに対し、"afflicted"は継続的な苦しみに使われる傾向がある。例えば、「貧困に苦しむ」は"afflicted by poverty"だが、地震で家を失い「悲しみに暮れる」は"stricken with grief"となる。
- devastated
(精神的に)打ちのめされた、ぼう然自失とした。非常に強い悲しみ、失望、衝撃を受けた状態を表す。日常会話でも、フォーマルな場面でも使用される。 【ニュアンスの違い】"stricken"が苦痛や悲しみを広く指すのに対し、"devastated"は、より感情的な崩壊、絶望に近い状態を示す。また、"devastated"は、人だけでなく、場所や物事が破壊された状態を表すこともある。 【混同しやすい点】"stricken"が必ずしも感情的なダメージを伴うとは限らないのに対し、"devastated"は常に強い感情的な影響を表す。例えば、病に倒れた場合は"stricken with illness"だが、愛する人を失った場合は"devastated by grief"となる。
- plagued
(問題、悩みなどが)絶えず悩ませる、苦しめる。特に、繰り返し起こる問題や、なかなか解決しない状況を表す際に用いられる。ビジネスやジャーナリズムでよく使われる。 【ニュアンスの違い】"stricken"が一時的な苦痛を表すのに対し、"plagued"は、継続的、慢性的な苦しみを示す。また、"plagued"は、人だけでなく、組織や地域などが問題に悩まされている状況を表す際にも使われる。 【混同しやすい点】"stricken"が受動的な状態を表すのに対し、"plagued"は、問題が積極的に苦痛を与えているニュアンスがある。例えば、インフルエンザにかかった場合は"stricken with the flu"だが、資金不足に悩まされている場合は"plagued by financial difficulties"となる。
(感情などに)圧倒された、打ちのめされた。強い感情、特にネガティブな感情によって行動不能になる状態を表す。文学的な表現や、感情的な場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】"stricken"が苦痛や悲しみを広く指すのに対し、"overcome"は、感情が非常に強く、身動きが取れない状態を示す。また、"overcome"は、感情だけでなく、物理的な力によって圧倒される状況を表すこともある。 【混同しやすい点】"stricken"が必ずしも行動不能を意味するとは限らないのに対し、"overcome"は、感情や力によって行動が制限されるニュアンスがある。例えば、恐怖に襲われた場合は"stricken with fear"だが、悲しみに打ちひしがれた場合は"overcome with grief"となる。
(悪い知らせ、災害などが)襲う、見舞う。予期せぬ出来事が突然起こる状況を表す。日常会話でも使われるが、ややカジュアルな表現。 【ニュアンスの違い】"stricken"よりも口語的で、深刻さの度合いが低い場合にも使われる。また、"hit"は、物理的な衝撃だけでなく、抽象的な衝撃(例:経済的な打撃)を表す際にも使われる。 【混同しやすい点】"stricken"がより深刻な状況を表すのに対し、"hit"は、比較的軽い衝撃を表す場合がある。例えば、病に倒れた場合は"stricken with illness"だが、軽い風邪をひいた場合は"hit with a cold"となる。
- gripped
(恐怖、不安などが)心を捉えて離さない、支配する。強い感情によって身動きが取れなくなる状態を表す。文学的な表現や、サスペンスフルな状況で用いられる。 【ニュアンスの違い】"stricken"が苦痛や悲しみを広く指すのに対し、"gripped"は、感情が非常に強く、逃れられない状態を示す。また、"gripped"は、物理的に何かを掴んで離さない状況を表すこともある。 【混同しやすい点】"stricken"が必ずしも感情による支配を意味するとは限らないのに対し、"gripped"は、感情が完全に心を支配し、自由を奪うニュアンスがある。例えば、恐怖に襲われた場合は"stricken with fear"だが、恐怖に心を奪われた場合は"gripped by fear"となる。
派生語
『打つ、攻撃する』という意味の動詞で、『stricken』の原形。突然の攻撃や災害、病気などが『襲う』というニュアンスで使われる。日常会話からニュース記事まで幅広く用いられる。
名詞としては『一撃、脳卒中』の意味。動詞『strike』から派生し、打撃や突然の出来事を指す。医学用語としては『脳卒中』を意味し、専門的な文脈でも用いられる。
形容詞で『印象的な、著しい』という意味。『strike』の『心を打つ』というニュアンスから派生し、視覚的な印象や顕著な特徴を表す。広告や記事などでよく使われ、人目を引く効果がある。
語源
"stricken"は、古英語の"strīcan"(打つ、こする、進む)の過去分詞です。この"strīcan"は、さらにゲルマン祖語の"*strīkanan"(撫でる、打つ)に遡ります。この語根は、何かを強く打ち付ける、あるいは表面をこするように触れるという根本的な意味合いを持っています。現代英語では、病気や災難などに「見舞われた」という意味合いが強く、これは比喩的に、何かに打ちのめされた状態を表しています。たとえば、日本語で「痛い目に遭う」という表現がありますが、これは文字通り痛い目に打たれるわけではなく、苦しい経験をすることを意味するのと同じです。"stricken"も同様に、物理的な打撃だけでなく、精神的な苦痛や困難によって深く影響を受けた状態を指すようになりました。
暗記法
「stricken」は、運命に翻弄され、打ちのめされた状態。中世では神の試練や罪の意識と結びつき、文学では苦難を通じた贖罪や再生の象徴でした。『緋文字』のヒロインのように、社会的に「stricken」な存在が精神的成長を遂げる物語は多いのです。集団的な悲劇を表すこともあり、喪失感と共に連帯や復興への希望を象徴します。現代では、困難を乗り越える精神的な強さや共感といった意味合いも持ち、人生の価値を再認識する機会となることを示唆します。
混同しやすい単語
発音が似ており、特に語尾の子音クラスター 'str' の部分が共通しているため、注意が必要です。意味は『厳格な』で、形容詞です。 'stricken' は過去分詞または形容詞で『苦しんでいる』『打たれた』という意味なので、文法的な役割も異なります。 日本人学習者は、母音の違い('i' と 'i' の短母音)を意識して発音練習すると良いでしょう。
スペルの一部が共通しており、語尾の '-ing' と '-en' が似ているため、視覚的に混同しやすいです。意味は『ひも』『弦』で名詞です。 'stricken' とは意味が全く異なるため、文脈で判断する必要があります。 また、 'string' は動詞としても使われますが、 'stricken' は 'strike' の過去分詞形である点も異なります。
発音の類似性があり、特に語尾の '-ing' の音が似ています。 'sticking' は『くっついている』という意味で、動詞 'stick' の現在分詞形です。 'stricken' とは意味が全く異なります。 日本人学習者は、子音クラスター 'str-' の後の母音の発音に注意し、明確に区別するようにしましょう。
'stricken' と同様に、動詞 'smite' の過去分詞形であり、意味も『打たれた』『魅了された』と近いニュアンスを持つため、意味の面で混同しやすいです。 'stricken' がより広範囲な苦しみや困難を指すのに対し、 'smitten' は特に『恋に落ちる』など、感情的な衝撃を表すことが多いです。 文脈によって使い分けが必要です。
スペルの一部が共通しており、どちらも 'str-' で始まるため、視覚的に混同しやすいです。 'striven' は 'strive' の過去分詞形で、『努力した』という意味です。 発音も似ていますが、母音の発音が異なるため、注意が必要です。 日本人学習者は、発音記号を確認し、それぞれの単語の発音を正確に覚えるようにしましょう。
語尾の '-en' が共通しており、過去分詞形である点も共通しているため、混同しやすいかもしれません。'taken'は'take'の過去分詞形で『取られた』という意味です。 'stricken' は 'strike' の過去分詞であり、意味も異なるため、文脈で判断する必要があります。どちらも受動態や完了形でよく用いられる点も共通しています。
誤用例
「stricken」は、病気、悲しみ、恐怖など、精神的または肉体的に深刻な打撃を受けた状態を表すのに使われます。単に「風邪をひいた」という状況には適していません。この誤用は、日本語の「〜に見舞われる」という表現を直訳しようとする際に起こりがちです。英語では、自然災害や経済危機など、より深刻な事態に対して「stricken」が用いられます。ここでは、より深刻な寒波に見舞われた状況を表すために'gripped'を使用し、'severe cold wave'とすることで状況の深刻さを強調しています。
「stricken」は、喜びや笑いなどのポジティブな感情で圧倒される状況には通常使いません。この単語は、苦しみや悲しみなど、ネガティブな感情に襲われた状態を表す際に適しています。日本語の「〜に打たれる」という表現が、感動や笑いに対しても使われるため、誤用が生じやすいと考えられます。英語では、喜びや笑いで圧倒される場合は「overcome」などの表現がより適切です。'Stricken'は、より深刻な、そしてしばしばネガティブな感情や状況に関連付けられることを覚えておきましょう。
「stricken」は、ここでは「ストライキ」の意味で誤用されています。「stricken」は、打撃を受けた状態を表す形容詞または過去分詞であり、「ストライキをする」という動詞の意味はありません。日本語の「ストライキ」という言葉の語源が英語の'strike'であるため、動詞として使おうとする際に混乱が生じやすいです。英語で「ストライキをする」は「go on strike」というフレーズを使うのが一般的です。また、 'stricken'を動詞的に使う場合、例えば'stricken from the record'という表現がありますが、これは「記録から抹消された」という意味であり、ストライキとは全く異なる文脈で使用されます。
文化的背景
「stricken」は、打ちのめされた状態、特に感情や病によって深刻な影響を受けた状態を表し、運命や神の意志によって突然不幸に見舞われた人々を描写する際に、文学や宗教的な文脈で頻繁に用いられてきました。この単語は、単なる苦痛を超えた、人生を根底から揺るがすような、ある種の「啓示」や「試練」としての意味合いを帯びることがあります。
「stricken」という言葉は、中世の宗教的観念と深く結びついています。人々は、病気や災難を神の懲罰や試練と捉え、stricken state(打ちのめされた状態)は、罪の意識や悔悛の念を抱かせるものでした。文学作品では、罪を犯した主人公がstrickenとなることで、物語は贖罪と再生のテーマへと展開していきます。例えば、ナサニエル・ホーソーンの『緋文字』のヒロイン、ヘスター・プリンは、社会的にstrickenな存在として描かれますが、その苦難を通じて精神的な成長を遂げます。また、聖書においても、ヨブ記のように、神によってstrickenとされた人物が信仰を試される物語は、苦難の意味を問いかける普遍的なテーマとして読み継がれています。
さらに、「stricken」は、単なる個人的な苦難だけでなく、集団的な悲劇や災厄を表す際にも用いられます。戦争や自然災害によってstrickenとなったコミュニティは、その喪失感や絶望感とともに、連帯や復興への希望を抱きます。この言葉は、苦難を共有することで生まれる人間関係の深さや、逆境に立ち向かう人々の強さを象徴します。たとえば、「stricken by grief(悲嘆に暮れる)」という表現は、個人的な悲しみを表すだけでなく、社会全体が共有する喪失感を表現する際にも用いられます。
現代においても、「stricken」は、深刻な病気や経済的な困窮など、人生を大きく揺るがす出来事に直面した人々を描写する際に用いられます。しかし、その意味合いは、単なる不幸や苦痛にとどまらず、困難を乗り越えるための精神的な強さや、他者への共感といった、よりポジティブな側面を含むようになっています。 stricken stateは、自己を見つめ直し、人生の価値を再認識する機会となりうるのです。この単語は、苦難を通じて人間性がより豊かになる可能性を示唆し、逆境に立ち向かう人々に希望を与える力を持っています。
試験傾向
1. **出題形式**: 主に長文読解、まれに語彙問題。2. **頻度と級・パート**: 準1級以上でまれに出題。1級でやや頻度が増す。3. **文脈・例題の特徴**: 社会問題、自然災害、歴史など、やや硬めのテーマの長文で使われることが多い。「stricken with grief (悲しみに打ちひしがれた)」のような表現で登場。4. **学習者への注意点・アドバイス**: 'strike'の過去分詞形であることを意識し、受動的な意味合いを理解する。感情や病気など、ネガティブな状態を表すことが多い。
1. **出題形式**: 長文読解(Part 7)。まれに語彙問題(Part 5)。2. **頻度と級・パート**: 出題頻度は低め。3. **文脈・例題の特徴**: 災害や経済危機など、ビジネス関連のニュース記事や報告書で使われることがある。「stricken by the economic downturn(景気後退に見舞われた)」のような文脈。4. **学習者への注意点・アドバイス**: TOEICでは、ビジネスシーンで起こりうる災難や困難な状況を表す語として覚えておくと役立つ。他の語彙問題に比べて優先度は低い。
1. **出題形式**: 主に長文読解。2. **頻度と級・パート**: アカデミックな文章で比較的頻繁に出題される。3. **文脈・例題の特徴**: 歴史、社会科学、自然科学など、幅広い分野の文章で登場する。抽象的な概念や困難な状況を説明する際に使われることが多い。4. **学習者への注意点・アドバイス**: 'strike'との関連性を理解し、文脈から意味を推測できるようにする。類義語(affected, afflicted)とのニュアンスの違いも把握しておくと良い。語彙問題として直接問われるよりも、文章全体の理解を問う問題で重要となる。
1. **出題形式**: 主に長文読解。2. **頻度と級・パート**: 難関大学の入試で出題される可能性あり。3. **文脈・例題の特徴**: 社会問題、環境問題、歴史的事件など、硬めのテーマの文章で使われることが多い。4. **学習者への注意点・アドバイス**: 'strike'の過去分詞形であることを理解し、文脈から意味を推測できるようにする。比喩的な意味合いで使われることもあるため、柔軟な解釈が必要。類義語(affected, afflicted)との違いも意識しておくと、より正確な読解につながる。