roughly
最初の母音 /ʌ/ は日本語の『ア』と『オ』の中間のような音で、口をリラックスさせて短く発音します。/f/ の音は、上の歯を下唇に軽く当てて息を摩擦させて出す音です。語尾の /li/ は、日本語の『リ』よりも舌を丸めず、軽く発音するとより自然になります。第一音節にアクセントがあります。
だいたい
正確な数字や量をぼかして伝えるニュアンス。「およそ」「約」とほぼ同義。フォーマルな場面でも使える。
I'll be there in roughly five minutes, so please wait for me.
だいたい5分で着くから、待っていてね。
※ 友だちがカフェで待っていて、あなたが駅に着いたばかり。「もうすぐ着くよ!」と急いでいる気持ちが伝わります。正確な時間ではなく「だいたい」を伝えることで、「じゃあ、もう少しゆっくり待っていよう」と相手も安心できますね。「in + 時間」で「〜後に」という意味になります。
The new bookshelf is roughly one meter wide.
新しい本棚は、だいたい幅1メートルです。
※ 引っ越しの準備中や、家具屋さんで店員さんにサイズを尋ねられた時など。「正確に測ったわけではないけど、想像できる範囲でだいたいこれくらい」というニュアンスです。「wide」は「幅が〜」という意味で、物の大きさを伝える時によく使われます。
The total cost for the trip will be roughly 300 dollars.
その旅行の総費用は、だいたい300ドルになるでしょう。
※ 旅行の計画を立てていて、おおよその予算を計算した場面です。まだ確定ではないけれど、目安として伝えたい時に使います。「total cost」は「総費用」。「will be」は未来の予測を表します。金額について「だいたい」と言う時にも「roughly」は非常によく使われます。
ざっくりと
詳細を省き、大まかな様子を表す。「大まかに言って」「乱暴に」といった意味合いを含む。計画や説明など、細部よりも全体像を伝えたい時に使う。
I need roughly 10 minutes to pack my bag before we leave.
出発する前に、かばんを詰めるのにだいたい10分かかります。
※ 友達や家族と出かける直前、慌てて準備している人が「もうちょっとだけ待って!」という気持ちで、かかる時間をざっくりと伝えている場面です。「roughly」は、時間や量、数値などを「おおよそ」「だいたい」と伝えるときにとても便利です。急いでいる時や、正確な数字が分からない時に使えます。
The new cafe is roughly across from the big park.
その新しいカフェは、大きな公園のだいたい向かい側にあります。
※ 誰かに新しいカフェの場所を説明している場面です。正確な住所は覚えていないけれど、大きな目印(公園)を使って、ざっくりとした位置関係を教えてあげています。この「ざっくり」感が「roughly」のポイントです。「roughly」は、場所や位置関係を「おおよそ」で示すときにも使われます。「exactly(正確に)」の反対のニュアンスで、完璧な情報ではないけれど、目安を伝えるのに役立ちます。
I spent roughly 20 dollars on lunch today, maybe a bit more.
今日のお昼ごはんに、ざっと20ドル使ったよ、たぶんもう少しかな。
※ 友人との会話で、今日使ったお金について話している場面です。レシートを確認したわけではなく、記憶をたどって「だいたいこれくらい」と概算を伝えています。少し曖昧だけど、大体の金額を伝える感じです。「roughly」は、お金の金額や人数、数などを「およそ」「概算で」と伝えるときによく使われます。この例文のように、「maybe a bit more/less」と付け加えることで、さらに「ざっくり感」を強調できます。
無骨に
洗練されていない、荒削りな様子。技術や態度に対して使われることが多い。必ずしもネガティブな意味ではなく、飾り気のなさを表すこともある。
The boy roughly threw his toy car onto the floor.
男の子は自分のおもちゃの車を床に乱暴に投げつけました。
※ この例文は、子供が怒ったり、無邪気に物を乱暴に扱ったりする日常の場面を描いています。おもちゃが床にぶつかる硬い音が聞こえてくるようです。「roughly」は、この場合「手荒に」「乱暴に」という意味で、動詞「threw(投げつけた)」の様子を具体的に表しています。
The angry man roughly pushed the door open.
怒った男はドアを乱暴に押し開けました。
※ この例文では、感情が高ぶった人が、ドアを勢いよく、手荒に開ける様子が目に浮かびます。ドアが壁にぶつかるような音まで想像できるでしょう。「roughly」は、人の行動が「荒々しい」「手荒な」ものであることを強調しています。'push the door open' は「ドアを押して開ける」という一連の動作を表す自然な表現です。
The tired farmer roughly wiped his face with his sleeve.
疲れた農夫は袖で顔を無骨に拭いました。
※ この例文は、畑仕事で疲れた農夫が、飾り気なく、素朴なやり方で汗を拭う様子を描いています。洗練されていない、少し不器用で荒々しいけれど、人間らしい動作が伝わってきます。「roughly」は、この文脈で「無骨に」「飾り気なく」というニュアンスで使われ、その人の素朴な人柄まで感じさせます。
コロケーション
概算する、大まかに見積もる
※ 正確な数値ではなく、おおよその値を算出することを指します。ビジネスシーンで、初期段階の見積もりや、正確なデータが手に入らない状況でよく用いられます。例えば、プロジェクトの初期段階で『roughly estimate the cost』(コストを概算する)のように使います。よりフォーマルな場面では 'estimate approximately' が使われることもあります。
ほぼ同等の、だいたい同じくらいの
※ 二つのものが完全に同じではないものの、実質的に近い価値や効果を持つことを意味します。科学的な文脈や、比較検討を行う際に使われることが多いです。例えば、『these two methods are roughly equivalent in terms of efficiency』(これらの2つの方法は効率の点でほぼ同等である)のように使います。 'approximately equivalent' とほぼ同義ですが、'roughly'の方がより口語的なニュアンスがあります。
乱暴に扱う、手荒く扱う
※ 物や人を丁寧に扱わず、ぞんざいに扱うことを意味します。壊れやすいものや、繊細なものを扱う際に注意喚起として使われることが多いです。例えば、『Please don't roughly handle the package』(荷物を乱暴に扱わないでください)のように使われます。 'handle carelessly' とほぼ同義ですが、'roughly' はより強いニュアンスを持ちます。
大まかに言って、ざっくり言うと
※ 正確な詳細を省き、全体的な概要を説明する際に用いられる表現です。会話やプレゼンテーションで、複雑な事柄を簡潔に伝えるために使われます。例えば、『Roughly speaking, the project will take about three months』(大まかに言って、プロジェクトは約3ヶ月かかるでしょう)のように使います。 'generally speaking' と似ていますが、'roughly' はより非公式な印象を与えます。
ほぼ同じ、大体同じ
※ 完全に同一ではないものの、非常に近い状態や性質を持つことを意味します。比較する際に、厳密な差がないことを強調するために使われます。例えば、『The two products are roughly the same price』(2つの製品はほぼ同じ価格です)のように使われます。 'approximately the same' とほぼ同義ですが、'roughly' はより口語的でカジュアルなニュアンスがあります。
だいたい正方形の、ほぼ正方形に近い
※ 厳密な正方形ではないものの、形状が正方形に近いことを指します。幾何学的な説明や、物の形状を説明する際に使われます。例えば、『The room is roughly square in shape』(部屋の形はだいたい正方形です)のように使われます。 'approximately square' とほぼ同義ですが、'roughly' はより直感的で、誤差を許容するニュアンスがあります。
大まかに切る、ざっくりと切る
※ 正確な形や大きさにこだわらず、おおよその形で切断することを意味します。料理や工作などの場面で、正確さを求めない場合に用いられます。例えば、『Cut the vegetables roughly into chunks』(野菜をざっくりと一口大に切ってください)のように使われます。 'chop coarsely' と似ていますが、'roughly' はより不正確さを強調するニュアンスがあります。
使用シーン
学術論文や研究発表で、概算や大まかな見積もりを示す際に用いられます。例えば、経済学の研究で「GDPはおおよそ〜%成長した」と述べる場合や、統計学で「サンプルサイズはおよそ〜である」と説明する際に使われます。フォーマルな文体で使用されます。
ビジネス文書や会議で、正確な数値が不要な場合や、初期段階の見積もりを示す際に使われます。例えば、プロジェクトの提案書で「おおよそのコストは〜になる」と説明したり、会議で「売上高はおよそ〜%増加した」と報告する際に使用されます。丁寧な言葉遣いが求められる場面では、よりフォーマルな表現が好まれることもあります。
日常会話で、正確な情報が必要ない場合や、おおよその量や時間を伝える際に使われます。例えば、「だいたい何時頃に着く?」「ざっくり1000円くらいかな」のように、友人や家族との会話で使われます。よりカジュアルな場面では、「about」や「around」の方が好まれることもあります。
関連語
類義語
『およそ』『だいたい』という意味で、数値や量を表す際に使われる。ビジネス、学術、日常会話など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『roughly』と非常に近い意味を持つが、『approximately』の方がよりフォーマルで客観的な印象を与える。フォーマルな文書やプレゼンテーションに適している。 【混同しやすい点】どちらも数値の前につけることができるが、『approximately』はより正確な概算を伝えたい場合に適している。また、文章の先頭に置く場合、『approximately』の方が自然な場合が多い。
『およそ』『だいたい』という意味で、数値や時間、場所などを表す際に使われる。日常会話で頻繁に使用される。 【ニュアンスの違い】『roughly』よりもカジュアルな表現。正確さよりも大まかな目安を伝えたい場合に適している。金額や時間など、具体的な数値の前に置かれることが多い。 【混同しやすい点】『about』は前置詞としても使われるため、文脈によって意味が異なる点に注意が必要。また、『roughly』よりも不正確な印象を与えるため、ビジネスシーンなどでは避けるべき場合もある。
『およそ』『だいたい』という意味で、時間や場所、数量などを表す際に使われる。日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『roughly』よりもさらにカジュアルで、より大まかな範囲を示す。時間や場所の表現によく用いられる。 【混同しやすい点】『around』は場所を表す前置詞としても使われるため、文脈によって意味が異なる点に注意。また、数量を表す場合は、正確さを求められない場面で使用される。
- in the ballpark
『大体そのくらいの範囲で』という意味で、数値や金額などを表す際に使われる。主にビジネスや交渉の場面で使われる口語表現。 【ニュアンスの違い】『roughly』よりも口語的で、非公式な印象を与える。正確な数値ではなく、おおよその範囲を示す際に使われる。 【混同しやすい点】直訳すると『野球場の範囲内』となり、比喩的な表現であることが分かりにくい。ビジネスシーンで使われるスラングのようなものだと認識しておくと良い。フォーマルな場面での使用は避けるべき。
『だいたい』『ほぼ』という意味で、数量、状態、状況などを表す際に使われる。日常会話からビジネスまで幅広く使用される。 【ニュアンスの違い】『roughly』と似た意味を持つが、『more or less』は完全ではないが、ほぼ近い状態を示すニュアンスがある。また、文全体を修飾することが多い。 【混同しやすい点】『more or less』は文脈によって意味合いが異なり、肯定的な意味にも否定的な意味にもなり得る点に注意。例えば、『I'm more or less finished.』は『ほぼ終わった』という意味だが、『The project was more or less a failure.』は『そのプロジェクトはほとんど失敗だった』という意味になる。
『概算する』『見積もる』という意味の動詞。名詞としても使われ、『概算』『見積もり』という意味になる。ビジネスや学術分野でよく使用される。 【ニュアンスの違い】『roughly』が副詞であるのに対し、『estimate』は動詞または名詞である点が大きく異なる。数量やコストなどを推測する行為自体を表す。 【混同しやすい点】『roughly estimate』のように、副詞の『roughly』で動詞の『estimate』を修飾することは可能だが、『roughly』単体で『estimate』の代わりに使うことはできない。『roughly』はあくまで程度を表す副詞であり、『estimate』は推測する行為を表す動詞である。
派生語
- roughness
名詞で「粗さ」「ざらつき」の意味。動詞「rough(粗くする)」に名詞化の接尾辞「-ness」が付いた形。触覚的な粗さだけでなく、比喩的に「未熟さ」「洗練されていないこと」を表す場合もある。日常会話から技術的な文書まで幅広く使われる。
(副詞)「おおよそ」「だいたい」という意味で、元々の「粗い」から派生し、「正確ではないが、近い」というニュアンスを持つ。日常会話、ビジネス、科学論文など、幅広い場面で使用される。
- roughen
動詞で「粗くする」「ざらつかせる」の意味。表面を物理的に粗くするだけでなく、比喩的に「困難にする」「厳しくする」という意味合いも持つ。例えば、「roughen relations(関係を悪化させる)」のように使われる。日常会話やニュース記事などに見られる。
反意語
副詞で「正確に」「厳密に」という意味。「roughly」の「おおよそ」という曖昧さとは対照的な意味を持つ。数学的な計算や、詳細な指示など、正確さが求められる場面で用いられる。日常会話でも頻繁に使われる。
副詞で「正確に」「精密に」という意味。「exactly」と同様に、「roughly」の持つ不正確さとは対立する。学術的な議論や、技術的な説明など、より厳密な正確さが求められる文脈で使われることが多い。会話でも使用されるが、ややフォーマルな印象を与える。
副詞で「滑らかに」「円滑に」という意味。「roughly」が物理的な粗さや不正確さを表すのに対し、「smoothly」は物理的な滑らかさや、物事が問題なく進む様子を表す。例えば、「smoothly polished(滑らかに研磨された)」や「run smoothly(円滑に運営される)」のように使われる。日常会話やビジネスシーンでよく用いられる。
語源
"Roughly」は、「rough(粗い、未加工の)」に副詞を作る接尾辞「-ly」が付いたものです。「Rough」の語源は古英語の「ruh」で、「ざらざらした、毛深い、未耕作の」といった意味を持っていました。さらに遡ると、ゲルマン祖語の「*rukhwaz」にたどり着き、これは「毛深い、粗い」という意味合いでした。この「粗さ」の概念が、物理的な表面の粗さから、精度や詳細を欠いた「だいたい」という意味へと発展しました。日本語で例えるなら、「大まかに」とか「ざっくりと」といった言葉が、物理的な粗さと抽象的な不正確さの両方を表すのと似ています。つまり、「roughly」は、元々は物理的な粗さを指していた言葉が、時間とともに抽象的な意味合いを獲得していった好例と言えるでしょう。
暗記法
「roughly」は、アメリカ開拓時代のフロンティア精神を宿す言葉。未開の地を「おおまかに」区画したように、完璧よりも迅速さを重んじる文化を象徴します。シリコンバレーのスタートアップが「とりあえず動くもの」を作る精神や、時間や形式に縛られないラフな人間関係にも通じる、寛容さと実用主義が込められています。不完全さを受け入れ、まず行動する。そんなアメリカらしい価値観を映す言葉なのです。
混同しやすい単語
スペルが非常に似ており、'ly' があるかないかの違いしかありません。発音も /rʌf/ と /rʌfli/ で似通っています。意味は『大まかな』、『粗い』などで、形容詞として使われることが多いです。副詞の『roughly』と意味が近い場合もありますが、品詞が異なるため注意が必要です。例えば、『rough estimate(概算)』のように使われます。日本人学習者は、文脈から品詞を判断することが重要です。
スペルの一部が共通しており、'ough' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。また、発音記号を見ると母音の部分が似ています。しかし、『toughly』は実際にはあまり使われない単語で、代わりに『tough』を副詞的に使うことが多いです。『tough』は『困難に』という意味で使われます。もし『toughly』という単語を見たら、タイプミスである可能性も考慮しましょう。
『roughly speaking』というフレーズは、『大まかに言って』という意味で非常によく使われます。そのため、『roughly』単体ではなく、このフレーズ全体で覚えてしまい、他の文脈で『roughly』が出てきたときに意味を混同してしまう可能性があります。例えば、『roughly』が数量や金額を修飾している場合など、『大体』『約』という意味になります。フレーズと単体の意味を区別することが重要です。
スペルの一部が共通しており、特に 'ruff' の部分が似ているため、視覚的に混同しやすいです。発音も /rʌfl/ と /rʌfli/ で似ています。意味は『(服などを)ひだ飾りにする』、『(感情などを)乱す』などで、動詞として使われることが多いです。全く異なる意味を持つため、文脈から判断する必要があります。例えば、『ruffled shirt(ひだ襟のシャツ)』のように使われます。
発音が似ており、特に語尾の母音と子音の組み合わせが似ているため、聞き間違いやすいです。意味は『準備ができた』、『用意ができている』などで、形容詞として使われます。『roughly』が副詞であるのに対し、『ready』は形容詞であるため、文法的な役割が異なります。例えば、『I'm ready.(準備できたよ)』のように使われます。文脈から品詞を判断し、意味の違いを意識することが重要です。
発音が /rʌt/ と /rʌf/ で似ており、特に母音の /ʌ/ が共通しているため、聞き取りにくい場合があります。スペルも最初の文字が同じ 'r' であるため、視覚的に混同しやすいです。意味は『わだち』、『常套手段』などで、名詞として使われます。全く異なる意味を持つため、文脈から判断する必要があります。例えば、『stuck in a rut(マンネリに陥る)』のように使われます。
誤用例
日本語の『大まかに言って』を直訳すると"roughly speaking"となりがちですが、この表現はやや直接的で、相手に不正確な印象を与えかねません。特にビジネスやフォーマルな場面では、"generally speaking"や"in general"を使う方が、より丁寧で洗練された印象になります。日本人は、曖昧さを好む文化から、つい"roughly"を選んでしまいがちですが、英語では正確さと責任の所在を明確にする傾向があるため、より確度の高い表現を選ぶことが重要です。
『だいたい知っている』を"roughly know"と表現すると、知識の曖昧さが強調されすぎて、相手に不誠実な印象を与えることがあります。英語では、知識の程度を伝える場合、"have a general idea"や"know something about"を使う方が適切です。日本人は、謙遜の美徳から、知識を控えめに表現しがちですが、英語では具体的な情報を提供することが期待されるため、曖昧さを避け、できる限り正確な情報を伝えるように心がけましょう。 "roughly"は、数量や寸法など、物理的な概算を示す場合に適しています。
『いい加減に謝罪した』を"roughly apologized"と表現すると、謝罪の誠意が全く伝わらず、相手を不快にさせる可能性があります。英語では、謝罪の質を表現する場合、"offered a perfunctory apology"(形式的な謝罪をした)や"gave a half-hearted apology"(心からの謝罪ではなかった)を使う方が適切です。 "roughly"は、行動の仕方そのものを表すには不自然であり、この文脈では、謝罪の『質』が問題となっています。日本人は、言葉よりも態度を重視する文化から、謝罪の言葉を軽視しがちですが、英語では言葉による謝罪が非常に重要視されるため、心からの謝罪の言葉を選ぶように心がけましょう。また、文化的な背景として、欧米では謝罪は責任の明確化を意味するため、より慎重な言葉選びが求められます。
文化的背景
「roughly」は、おおまかさ、不正確さ、未完成さといった概念を内包し、必ずしも完璧を求めない、ある種の寛容さや実用主義を反映する言葉です。特に、アメリカ文化においては、完璧主義よりも「まあ、だいたい合ってる」という精神が重視される場面で頻繁に用いられ、合理性と効率性を重んじる姿勢と深く結びついています。
19世紀のアメリカ開拓時代、広大な未開の地を測量する際、精密な測量機器や十分な時間がない状況下で、人々は「roughly」な方法で土地を区画し、農地や居住地を確保しました。この時代、完璧な精度よりも迅速な行動が重要であり、「roughly」という言葉は、文字通り、そして比喩的に、フロンティア精神を象徴する言葉となりました。現代でも、シリコンバレーのスタートアップ企業などが、完璧な製品を時間をかけて開発するよりも、まずは「minimum viable product(実用最小限の製品)」を「roughly」に作り上げ、市場の反応を見ながら改善していくというアプローチを取ることがあります。この手法は、初期段階での失敗を許容し、迅速な試行錯誤を繰り返すことで、より良い製品を生み出すことを目指すものであり、「roughly」という言葉が持つ「不完全さを受け入れる」というニュアンスが、革新的な精神を支えていると言えるでしょう。
また、「roughly」は、人間関係における寛容さや、形式にこだわらないラフな付き合い方を表す言葉としても用いられます。例えば、友人と会う約束をする際に、「Let's meet up roughly around 7.」と言うことで、時間に対する厳密さを緩和し、多少の遅刻や予定変更を許容するニュアンスを伝えることができます。これは、互いを尊重しつつも、過度なプレッシャーをかけない、リラックスした関係性を築きたいという気持ちの表れと言えるでしょう。
このように、「roughly」は、単に「おおよそ」という意味だけでなく、アメリカ文化における実用主義、革新性、寛容さといった価値観を反映する、文化的背景の豊かな言葉であると言えます。完璧を追求するよりも、まずは行動し、不完全な状態から改善していくという精神は、現代社会においても重要な考え方であり、「roughly」という言葉を通じて、その精神を理解することができます。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級・1級で頻出。2級でも稀に出題
- 文脈・例題の特徴: 幅広いトピックで出題。ニュース記事、エッセイなど
- 学習者への注意点・アドバイス: 「おおよそ」「だいたい」の意味で、数値や数量に関する文脈でよく使われる。副詞であることに注意。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。Part 5でも時々見られる
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の文書(レポート、メール、記事など)で使われる
- 学習者への注意点・アドバイス: 「概算で」「およそ」といった意味で、見積もりや予測に関する文脈でよく使われる。approximately, aboutなどとの類義語を覚えておく。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出
- 文脈・例題の特徴: アカデミックな文章(科学、歴史、社会科学など)で使われる
- 学習者への注意点・アドバイス: 「おおよそ」「だいたい」の意味で、統計データや研究結果を説明する際に使われることが多い。文脈から正確な意味を判断することが重要。
- 出題形式: 長文読解、語彙問題(同意語選択など)
- 頻度と級・パート: 難関大学の入試で頻出
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語文など幅広いジャンルで出題される
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈によって意味が微妙に異なるため、前後の文脈から判断する必要がある。同義語や類似表現も覚えておくと役立つ。