persistence
第2音節に強勢があります。'per' の /ər/ は、日本語の『アー』よりも口を軽く開け、喉の奥から出すような音です。'sis' の /ɪ/ は日本語の『イ』よりも曖昧で、口を少しだけ開けて発音します。最後の 'təns' は、曖昧母音 /ə/ を意識して弱く発音しましょう。全体として、各音節の長さを均等にせず、強勢のある音節を意識して発音するとより自然になります。
専門的な内容に関するご注意
このページには、健康、金融、法律など、専門的な知識を必要とする内容が含まれている可能性があります。本サイトの情報は学習目的で提供されており、専門家による助言の代わりとなるものではありません。重要な判断を行う際には、必ず資格を持つ専門家にご相談ください。
粘り強さ
困難な状況でも諦めずに、目標に向かって努力し続けること。単に努力するだけでなく、障害を乗り越える強い意志や根気強さが含まれる。ビジネス、スポーツ、研究など、あらゆる分野で成功するために重要な資質とされる。
She showed great persistence in studying English every day.
彼女は毎日英語を勉強する上で、素晴らしい粘り強さを見せました。
※ この文は、まさに英語を学び直すあなたが共感できる情景です。毎日コツコツと英語を学ぶ姿が目に浮かびますね。「persistence」は、目標に向かって諦めずに努力し続ける姿勢を表すのにぴったりです。特に「show persistence in doing something」(〜することにおいて粘り強さを示す)という形でよく使われます。
Solving the difficult puzzle required a lot of persistence.
その難しいパズルを解くには、多くの粘り強さが必要でした。
※ この文は、一見解けないような難しい問題に直面したとき、それでも諦めずに考え続ける情景を描いています。何かに挑戦していて、壁にぶつかったときに「粘り強さ」が求められる、という典型的な場面です。「require persistence」(粘り強さを必要とする)という形で、その必要性を強調できます。
Their persistence helped them reach their dream of winning the championship.
彼らの粘り強さが、優勝するという夢を叶える助けとなりました。
※ スポーツチームや、何か大きな目標に向かって努力する人たちの姿を想像してみてください。何度も失敗しても、練習を重ね、ついに夢を掴んだ感動的なシーンです。「persistence」は、このように長期的な目標達成の鍵となる「粘り強さ」を表現するのに最適です。「help someone do something」(〜が〜するのを助ける)という基本的な文型で、その効果を伝えています。
持続性
ある状態や行動が、時間経過とともに衰えたり変化したりすることなく、維持されること。物事が安定して続く様子を表す。例えば、効果の持続性、品質の持続性といった使い方をする。
He showed great persistence in learning English, even when he made many mistakes.
彼は多くの間違いをしても、英語学習に素晴らしい粘り強さを見せました。
※ どんなに難しくても、諦めずに努力し続ける彼の様子が目に浮かびますね。『persistence』は、目標に向かって粘り強く続ける姿勢を表すときによく使われます。
Her persistence helped her finish the very difficult project on time.
彼女の粘り強さが、非常に難しいプロジェクトを時間通りに終わらせる助けとなりました。
※ 困難な仕事や課題に直面したときに、最後までやり遂げる『粘り強さ』や『根気』という意味合いで使われます。努力が報われるポジティブな場面でよく登場します。
The persistence of the strong perfume filled the entire room for hours.
その強い香水の持続性が、何時間も部屋全体に充満していました。
※ この例文では、『persistence』が物の性質として『長く続くこと』『持続性』を表しています。特に、音や匂い、記憶などが長く残る様子を説明する際にも使われることがあります。
しつこさ
相手が嫌がっているにも関わらず、同じ言動を繰り返すこと。ネガティブな意味合いが強く、迷惑行為やハラスメントとみなされる場合もある。営業活動など、状況によっては必要な場合もあるが、相手の反応をよく観察し、適切な距離感を保つことが重要。
He showed great persistence in learning English, even when it was difficult.
彼は英語を学ぶ上で、たとえ難しくても素晴らしい粘り強さを見せました。
※ 英語学習は時に難しく、挫けそうになりますよね。この例文の彼は、壁にぶつかっても諦めずに努力を続ける「粘り強さ」を持っています。「persistence」は、目標に向かって諦めずに努力を続ける「粘り強さ」や「根気」を表すときに非常によく使われます。特に、困難な状況でこそその価値が際立ちます。
Her persistence helped her solve the complex problem after many failures.
彼女の粘り強さが、何度も失敗した後、その複雑な問題を解決するのに役立ちました。
※ 何か難しいことに挑戦している時、一度や二度の失敗で諦めてしまいがちです。しかし、この例文の彼女は、何度も失敗しても諦めず、粘り強く努力を続けた結果、ついに問題を解決しました。「persistence」は、困難な状況や課題に対して、諦めずに取り組み続ける「根気」や「粘り強さ」を表現するのに最適です。成功の鍵となる資質としてよく使われます。
The salesperson's persistence finally convinced the hesitant customer.
その営業担当者の粘り強さが、ついにためらっていた顧客を納得させました。
※ 営業の場面で、顧客がなかなか首を縦に振らないことがありますよね。この例文では、営業担当者が諦めずに何度もアプローチし、最終的に顧客の心を動かした「粘り強さ」を描いています。「persistence」は、目標達成のために「しつこく」あるいは「粘り強く」働きかけ続けることを表します。この「しつこさ」は、ポジティブな意味での「粘り強さ」として使われることがほとんどです。
コロケーション
粘り強い、しつこいほどの根気
※ 「dogged」は犬が獲物を追いかける様子から派生した言葉で、「執拗な」「頑固な」という意味合いを持ちます。この組み合わせは、困難な状況でも諦めずに、目標達成のために粘り強く努力する様子を強調する際に用いられます。ビジネスシーンや目標達成を語る上でよく用いられ、単に「persistence」と言うよりも、その度合いが強いことを示唆します。例えば、「dogged persistence in the face of adversity(逆境に立ち向かう粘り強さ)」のように使われます。
ひたすらな根気、ただひたすらに続けること
※ 「sheer」は「純粋な」「全くの」という意味で、「sheer persistence」は、才能や特別な能力ではなく、ひたすらな根気と努力によって何かを成し遂げる様子を表します。この表現は、特別なスキルや才能がなくても、継続することで成果を上げられることを強調したい場合に効果的です。例えば、「It was sheer persistence that got him through the difficult exam.(彼が難関試験を突破できたのは、ひたすらな根気のおかげだった)」のように使われます。他の表現と比べて、才能や運ではなく、努力そのものに焦点を当てている点が特徴です。
根気強く、粘り強く
※ 「with persistence」は、ある行動や取り組みを根気強く行う様子を表す一般的な表現です。文の先頭や末尾に置かれることが多く、行動の様態を修飾します。「He approached the problem with persistence.(彼は根気強く問題に取り組んだ)」のように使われます。類似表現の「persistently」よりもフォーマルな印象を与え、書き言葉でよく用いられます。また、具体的な行動と組み合わせて、その行動の継続性を強調する効果があります。
根気強さを報いる、継続は力なり
※ この表現は、根気強く努力することの価値を認め、それに見合うだけの報酬や成功が得られることを示唆します。ビジネスや教育の文脈でよく使われ、努力を奨励するメッセージとして用いられます。「The company rewards persistence and dedication.(その会社は、根気強さと献身を報いる)」のように使われます。この表現は、単に努力することの重要性だけでなく、努力が報われるという希望を与える効果があります。
根気強さを示す、粘り強さを発揮する
※ 「demonstrate」は「示す」「証明する」という意味で、「demonstrate persistence」は、具体的な行動や実績を通して根気強さを証明することを意味します。面接や自己PRなど、自身の能力をアピールする際に効果的な表現です。「She demonstrated persistence in overcoming challenges.(彼女は困難を乗り越える際に根気強さを示した)」のように使われます。この表現は、単に根気があると言うだけでなく、具体的な行動を通してその根気強さを証明することを強調します。
人の根気を試す、粘り強さを試練にかける
※ この表現は、困難な状況や課題を通して、人の根気や粘り強さを試すことを意味します。人生の試練や困難なプロジェクトなど、乗り越えるべき壁に直面した際に用いられます。「The project will test your persistence and problem-solving skills.(そのプロジェクトは、あなたの根気と問題解決能力を試すだろう)」のように使われます。この表現は、単に困難に直面するだけでなく、その困難を通して自己成長を促すという意味合いを含んでいます。
使用シーン
学術論文、特に心理学や教育学分野でよく見られます。「学習における困難を乗り越える粘り強さ(persistence)」や、「過去のデータの持続性(persistence of past data)」といった文脈で使用されます。研究者が研究結果を説明する際に、専門用語として使われることが多いです。
ビジネスシーン、特にプロジェクトマネジメントや営業の分野で使われます。「目標達成への粘り強い取り組み(persistence in achieving goals)」や、「顧客との関係性の維持(persistence of customer relationships)」といった意味合いで、報告書やプレゼンテーションで用いられます。リーダーシップやチームワークに関する研修でも耳にすることがあります。
日常会話ではあまり使いませんが、自己啓発系の記事やニュースで目にすることがあります。「困難に立ち向かう粘り強さ(persistence in the face of adversity)」という文脈で、成功者のストーリーを紹介する際などに使われます。また、子供の教育に関して、「根気強く努力することの大切さ」を語る際に、親が使うこともあります。
関連語
類義語
困難な状況にも関わらず、目標に向かって努力し続けること。粘り強さ、忍耐力、不屈の精神といった意味合いを含む。ビジネス、学術、自己啓発など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『persistence』と非常に近い意味を持つが、『perseverance』はより困難な状況や長期的な努力を強調する傾向がある。よりフォーマルな響きを持つ。 【混同しやすい点】どちらも不可算名詞だが、『perseverance』はより抽象的な概念を表すことが多い。また、使用頻度としては『persistence』の方がやや高い。
固執、粘り強さ、執念深さといった意味合いを持つ。目的を達成するために、困難や反対があっても諦めない強い意志を表す。ビジネス、スポーツ、政治など、競争的な状況でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『persistence』よりも、より強い意志や決意、そして時には頑固さを含むニュアンスがある。良い意味でも悪い意味でも使われる。 【混同しやすい点】『tenacity』は、目標達成のためには手段を選ばない、あるいは周囲の意見を聞き入れないといったネガティブな意味合いを含む場合がある。文脈によって解釈が異なる点に注意。
決意、決断力、意志の強さといった意味合いを持つ。目標を達成するために、明確な意志を持って行動することを表す。ビジネス、学術、日常生活など、幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『persistence』は困難な状況下での粘り強さを強調するのに対し、『determination』は目標達成に向けた積極的な意志を強調する。よりポジティブで前向きな印象を与える。 【混同しやすい点】『determination』は、目標が明確である場合に用いられることが多い。一方、『persistence』は、目標が曖昧な状況でも、とにかくやり続けるという意味合いを含む場合がある。
- doggedness
頑固さ、執拗さ、根気強さといった意味合いを持つ。犬が獲物を追いかけるように、目標を諦めずに追い続ける様子を表す。ビジネス、ジャーナリズム、警察捜査など、特定の分野でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『persistence』よりも、より執拗で、時に周囲を無視した行動を連想させる。ややネガティブなニュアンスを含む。 【混同しやすい点】『doggedness』は、目標達成のためには手段を選ばない、あるいは周囲の迷惑を顧みないといったネガティブな意味合いを含む場合がある。使用頻度は比較的低い。
- steadfastness
揺るぎなさ、不動の精神、忠実さといった意味合いを持つ。信念や目標をしっかりと持ち、困難な状況でもそれを守り続けることを表す。文学、宗教、政治など、特定の分野でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】『persistence』が行動の継続を強調するのに対し、『steadfastness』は信念や態度の不変性を強調する。より高尚で精神的な意味合いを持つ。 【混同しやすい点】『steadfastness』は、具体的な行動よりも、心の持ち方や態度を表すことが多い。また、使用頻度は比較的低い。
決意、決心、解決策といった意味合いを持つ。目標を達成するために、固い決意を持って行動することを表す。ビジネス、学術、日常生活など、幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『persistence』が困難を乗り越える粘り強さを意味するのに対し、『resolution』は問題解決への強い意志を示す。新年によく使われる『New Year's resolution』という表現があるように、何かを始める決意を表す。 【混同しやすい点】『resolution』は、問題解決や目標達成のための具体的な計画や方法を含む場合がある。一方、『persistence』は、具体的な計画がなくても、とにかくやり続けるという意味合いを含む場合がある。
派生語
『持続する』『固執する』という意味の動詞。『per-(通して)』+『sist-(立つ)』という語源から、『最後まで立ち続ける』というイメージ。日常会話からビジネス、学術まで幅広く使われる。名詞形の『persistence』よりも動詞として使われる頻度が高い。
『持続的な』『粘り強い』という意味の形容詞。『persist』に形容詞化の接尾辞『-ent』が付いた形。人の性質や問題など、何かが長く続く様子を表す。ビジネスシーンや学術論文で、客観的な事実や評価を述べる際によく用いられる。
- persistently
『持続的に』『根気強く』という意味の副詞。『persistent』に副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。動詞を修飾し、ある行動が継続的に行われる様子を示す。学術論文や報告書などで、客観的なデータや結果を説明する際に適している。
反意語
『中止』『停止』という意味の名詞。『cease(止まる)』から派生。持続や継続を表す『persistence』とは対照的に、何かが終わる状態を示す。学術的な文脈や、公式な文書でよく用いられる。
- desistance
『(悪い習慣などを)やめること』という意味の名詞。『de-(分離)』+『sist(立つ)』で、『そこから立ち去る』というイメージ。特に犯罪学や心理学で、犯罪行為や依存症からの脱却を表す際に使われる。『persistence』が何かを続けることを意味するのに対し、こちらは何かをやめることを強調する。
- wavering
『ためらい』『動揺』という意味の名詞または形容詞。『waver(揺れ動く)』から派生。決意が固く、揺るがない『persistence』とは対照的に、心が定まらず、迷っている状態を表す。日常会話や文学作品で、感情や判断の不安定さを表現する際に用いられる。
語源
"Persistence(粘り強さ、持続性)"は、ラテン語の"persistere"に由来します。これは"per-"(完全に、徹底的に)と"sistere"(立つ、とどまる)から構成されています。つまり、文字通りには「完全に立ち続ける」という意味合いです。"sistere"は、さらにインド・ヨーロッパ祖語の語根である"sta-"(立つ)に遡ることができます。日本語の「持続」という言葉も、何かを支え続けるイメージを持ちますが、"persistence"も同様に、困難な状況でも立ち続け、目標に向かって進み続ける様子を表しています。壁にぶつかっても、その場に留まって努力を続ける、そんなイメージを持つと覚えやすいでしょう。この「立ち続ける」という根本的な意味合いが、時間や困難に打ち勝つ「粘り強さ」や「持続性」といった意味に発展しました。
暗記法
「persistence」は、アメリカンドリームの体現に不可欠な精神。フロンティア開拓者の不屈の精神、エジソンの電球開発、ジョブズのアップル再建…逆境を乗り越え成功を掴む物語に息づく。ヘミングウェイ『老人と海』のサンティアゴもまた、諦めない心の象徴だ。変化の時代を生き抜く力、個人の成長、社会の発展…その価値は今も色褪せない。
混同しやすい単語
『persistence』と『insistence』は、どちらも『-sistence』という語尾を持ち、意味も一部重なるため混同しやすいです。『persistence』は困難にもめげず粘り強く続けることを指し、『insistence』は自分の意見や要求を強く主張することを意味します。品詞はどちらも名詞です。注意点として、文脈によってどちらが適切か判断する必要があります。語源的には、どちらもラテン語の『sistere(立つ、とどまる)』に由来しますが、接頭辞(per-とin-)が意味の違いを生み出しています。
『persistence』と『resistance』は、どちらも『-sistence』という語尾を持ち、スペルが似ています。『persistence』が粘り強さであるのに対し、『resistance』は抵抗や反抗を意味します。品詞はどちらも名詞です。混同しやすい原因は、単語の構造が似ていることと、どちらも何かに対する働きかけを表すという抽象的な共通点があるためです。語源的には、どちらもラテン語の『sistere(立つ、とどまる)』に由来しますが、接頭辞(per-とre-)が意味の違いを生み出しています。例えば、電気抵抗は『electrical resistance』と表現します。
『persistence』と『consistent』は、どちらも『-sist』という語幹を持ち、スペルの一部が共通しています。『persistence』が名詞であるのに対し、『consistent』は形容詞で、一貫性がある、矛盾がないという意味です。発音も似ているため、特にリスニング時に混同しやすいです。例えば、『consistent effort(一貫した努力)』という表現は、粘り強さ(persistence)と関連しますが、直接的な意味は異なります。語源的には、どちらもラテン語の『sistere(立つ、とどまる)』に由来します。
『persistence』と『prescience』は、発音がやや似ており、どちらも抽象的な概念を表す名詞であるため、混同される可能性があります。『persistence』が粘り強さであるのに対し、『prescience』は予知、先見の明を意味します。スペルも異なります。重要な違いは意味であり、文脈から判断する必要があります。語源的には、『prescience』はラテン語の『prae-(前に)』と『scire(知る)』に由来し、未来を知る能力を示唆します。
『persistence』と『presence』は、語尾の '-ence' が共通しており、スペルが似ています。また、どちらも抽象的な名詞です。『persistence』が粘り強さであるのに対し、『presence』は存在、出席を意味します。発音も一部似ているため、注意が必要です。例えば、『presence of mind(機転)』という表現があります。語源的には、『presence』はラテン語の『praeesse(前にいる)』に由来し、文字通り『そこにいること』を意味します。
『persistence』と『pursuance』は、どちらも何かを追求する意味合いを持ち、抽象名詞であるため、意味的に混同される可能性があります。『persistence』は困難にもめげず粘り強く続けることですが、『pursuance』は目的を達成するために努力することを指します。スペルも似ていますが、発音は異なります。文脈からどちらが適切か判断する必要があります。例えば、『pursuance of happiness(幸福の追求)』という表現があります。
誤用例
「persistence」は日本語の「粘り強さ」と訳されることが多いですが、良い意味での「根気」や「継続性」を表すニュアンスが強いです。そのため、文脈によっては不適切となり、この例のように周囲をイライラさせている状況では、ネガティブな意味合いを持つ「obstinacy(頑固さ、強情)」や「stubbornness」を使う方が適切です。日本人は「persistence」を単に「しつこさ」と捉えがちですが、英語では文脈によって言葉を選ぶ必要があります。
「persistence」は、目標達成のために困難を乗り越えて努力する、というニュアンスがやや弱く、単に同じ行動を繰り返すことを指す場合があります。目標達成というニュアンスを強調したい場合は、「perseverance」を使う方が適切です。日本語の「粘り強さ」を安易に「persistence」と訳してしまうと、意図した意味とズレが生じることがあります。この例では、彼女が目標(応募成功)のために粘り強く努力していることを伝えたいので、「perseverance」がより適しています。英語では、目標達成への意志の強さを示す単語を選ぶことが重要です。
「persistence」は、人や組織の行動特性を表す場合に適しており、エラーメッセージのように無生物が繰り返し発生する状況には、一般的に適していません。この場合は、「recurrence(再発)」や「repetition(繰り返し)」を使う方が自然です。日本人は、エラーメッセージなどの現象が「しつこく」表示される様子を「persistence」で表現しようとしがちですが、英語では無生物の反復には別の単語を選びます。英語では、単語の対象(人・組織 vs. 無生物・現象)によって適切な表現を使い分ける必要があります。
文化的背景
「persistence(持続性、粘り強さ)」は、単に目標達成のための努力を意味するだけでなく、困難な状況下でも希望を失わず、信念を貫き通す人間の精神力を象徴します。この言葉は、個人の成功物語から社会変革の歴史まで、西洋文化における進歩と達成の根幹をなす価値観として深く根付いています。
特にアメリカ文化において、persistenceは「アメリカンドリーム」を実現するための不可欠な要素と見なされます。逆境を乗り越え、自己の力で成功を掴むという物語は、建国以来、アメリカ人のアイデンティティを形成してきました。フロンティア開拓時代には、厳しい自然環境に立ち向かい、土地を開墾し続けた開拓者たちの不屈の精神がpersistenceの典型例として称えられました。また、ビジネスの世界では、革新的なアイデアを追求し、市場の壁を打ち破ってきた起業家たちの物語が、persistenceの重要性を強調しています。エジソンの電球開発や、スティーブ・ジョブズのアップル再建など、失敗を恐れず、粘り強く挑戦し続けた人々の姿は、アメリカンドリームの象徴として語り継がれています。
文学作品においても、persistenceは重要なテーマとして扱われてきました。例えば、アーネスト・ヘミングウェイの『老人と海』では、老いた漁師サンティアゴが巨大なカジキマグロとの死闘を繰り広げる姿が描かれています。彼は、幾度となく挫折を味わいながらも、決して諦めることなく、自身の限界に挑戦し続けます。サンティアゴのpersistenceは、人間の尊厳と不屈の精神を象徴するものとして、読者の心を打ちます。また、自己啓発の分野では、ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』など、目標達成のためにはpersistenceが不可欠であると説く書籍が広く読まれています。これらの書籍は、個人の潜在能力を開発し、成功を掴むための具体的な方法論を提示することで、persistenceの重要性を強調しています。
現代社会においては、persistenceは、変化の激しい時代を生き抜くための重要な資質として、ますます重要視されています。グローバル化やテクノロジーの進化により、社会構造や働き方が大きく変化する中で、困難な状況に直面しても、柔軟に対応し、粘り強く目標を追求する能力が求められています。起業家精神やイノベーションを推進するためにも、失敗を恐れず、挑戦し続けるpersistenceが不可欠です。また、個人的な成長においても、語学学習やスキルアップなど、長期的な目標達成のためには、persistenceが重要な役割を果たします。このように、persistenceは、個人の成功から社会の発展まで、幅広い分野において、重要な意味を持つ言葉として、これからもその価値を保ち続けるでしょう。
試験傾向
準1級・1級の語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。特に、名詞形「persistence」だけでなく、動詞形「persist」や形容詞形「persistent」の使い分けが問われる傾向があります。会話文よりも、やや硬めの文章で使われることが多いです。注意点としては、類義語とのニュアンスの違い(例:determination, perseverance)を理解しておくことが重要です。
Part 5の語彙問題、Part 7の長文読解で登場する可能性があります。ビジネスシーンにおけるプロジェクトの推進や、問題解決の文脈で使われることが多いです。類義語との識別(例:tenacity, endurance)が問われることがあります。TOEICでは、文脈から意味を推測する能力が重要になるため、ビジネス関連の文章に慣れておくことが有効です。
リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章、特に科学や社会科学系の論文でよく見られます。抽象的な概念を説明する際に用いられることが多く、文脈理解が不可欠です。ライティングセクションでも、自分の意見を主張する際に使用できる可能性があります。注意点としては、フォーマルな文体で使う必要があること、また、具体的な事例と組み合わせて説明することが求められることです。
難関大学の長文読解で頻出。評論文や論説文といった硬めの文章で登場することが多いです。文脈から意味を推測させる問題や、内容一致問題で問われることが多いです。大学受験では、単語の意味だけでなく、文章全体の構造や筆者の主張を理解する力が求められるため、日頃から様々なジャンルの文章を読むように心がけることが大切です。