legitimize
お墨付きを与える
公式に認め、正当性を保証するニュアンス。政府や権威ある機関が承認する場面で使われる。単に許可するだけでなく、権威によって裏付けられた正当性を示す点がポイント。
The CEO's approval helped to legitimize the new project idea.
CEOの承認が、その新しい企画案にお墨付きを与えました。
※ この例文は、会社のトップ(CEO)が新しい企画案を認め、その企画が正式に進められるようになった場面を描いています。誰もが「これで進めていい」と納得するような「正当性」が与えられた状況が伝わります。「お墨付きを与える」という日本語訳にぴったりの使い方です。
The new law will legitimize the use of the abandoned building.
新しい法律が、その廃墟の使用を合法化するでしょう。
※ この文は、これまで法的にグレーゾーンだったり、禁止されていたりした行為(廃墟の使用)が、新しい法律によって「正式に許可され、合法になる」という状況を示しています。「legitimize」は、このように「合法化する」「正当なものとして認める」という意味でも非常によく使われます。
The teacher tried to legitimize the student's unique way of thinking.
先生は、その生徒のユニークな考え方にお墨付きを与えようとしました。
※ この例文では、先生が生徒の少し変わった、でも面白い考え方に対して「それは間違っていない、むしろ良いことだ」と認め、その考え方に「正当性」を与えようと努力している様子が分かります。個人の行動やアイデアが、他者によって肯定される場面で使われる典型例です。
もっともらしく見せる
本来は正当でないもの、疑わしいものを、外見や体裁を整えることで正当であるかのように見せかける意味合い。必ずしも成功するとは限らず、欺瞞的なニュアンスを含むことがある。
The company tried to legitimize its new policy with a long explanation.
その会社は、長い説明をして新しい方針をもっともらしく見せようとした。
※ 会社が新しい方針を発表する際、社員に納得してもらうために、長々と説明会を開いているような場面です。企業や組織が、新しいルールや決定を「正当なもの」として受け入れてもらいたい時に、よく使われる状況です。`tried to 動詞` は「~しようと試みる」という意味で、`with` は手段や状況を示します。
He tried to legitimize his absence by saying he was sick.
彼は病気だと言って、自分の欠席をもっともらしく見せようとした。
※ 学校や職場で、遅刻や欠席の理由を「病気だった」と説明して、自分の行動を正当化しようとする場面です。自分の都合の悪い行動や、あまり良くない行動を、それらしい理由をつけて「もっともらしく見せる」時に使われます。`by 動名詞` は「~することによって」という手段を表し、`absence` は「欠席」という意味です。
The report used old data to legitimize its strange conclusion.
その報告書は、古いデータを使ってその奇妙な結論をもっともらしく見せようとした。
※ ある報告書が、少しおかしい、あるいは納得しがたい結論を出しているが、古いデータを使って一見するともっともらしく見せているような場面です。情報やデータを使って、ある主張や結論を「もっともらしいもの」として提示する際に使われます。特に、批判的なニュアンスで使われることもあります。`used ... to 動詞` は「~するために…を使った」という目的を示します。
コロケーション
政権を正当化する
※ 「regime」は、特に強権的な政権や支配体制を指すことが多い単語です。「legitimize a regime」は、その政権の権力や存在を、国内外に対して正当であると認めさせる、あるいはそう見せかけることを意味します。たとえば、選挙を実施したり、国際的な承認を得たりすることで、政権の正当性を高めようとする試みがこれに当たります。このコロケーションは、政治学や国際関係の議論で頻繁に用いられ、単に「正当化する」というよりも、権力構造や国際的な力関係が絡んだニュアンスを含んでいます。日本語の「お墨付きを与える」に近いニュアンスも含まれることがあります。
慣習を正当化する
※ ある慣習や行為が、社会的に受け入れがたい、あるいは倫理的に問題がある場合に、それを正当なものとして認めさせることを意味します。たとえば、過去には差別的であった慣習を、何らかの理由をつけて正当化するような場合に使われます。この表現は、社会学や倫理学の文脈でよく見られ、単に「慣習を認める」というよりも、その慣習が持つ問題点や、正当化の背後にある意図に焦点を当てたニュアンスがあります。使用頻度は比較的高く、フォーマルな場面でも使われます。
暴力を正当化する
※ 本来許されるべきではない暴力行為を、特定の目的や大義名分のもとに正当化することを意味します。例えば、「自衛のため」「正義のため」といった理由で暴力を肯定するような場合です。この表現は、紛争、戦争、テロリズムなどを議論する際に頻繁に用いられ、非常に強い批判的な意味合いを伴います。暴力の正当化は、倫理的、道徳的に大きな問題を含むため、このコロケーションは常に注意深く用いられます。アカデミックな文脈や報道などでよく見られます。
正当化しようと試みる
※ 「seek to」は「~しようと努める」という意味で、「seek to legitimize」は、ある行為、政策、あるいは立場を正当化しようと積極的に試みることを表します。これは、単に正当化するだけでなく、その背後にある意図や努力を強調する表現です。例えば、「The government is seeking to legitimize its actions through a public relations campaign.(政府は広報活動を通じて、その行動を正当化しようとしている)」のように使われます。ビジネスや政治の文脈でよく用いられ、ややフォーマルな響きがあります。
完全に正当化する
※ 「fully」は「完全に」という意味で、「fully legitimize」は、ある行為や決定などを、疑いの余地なく、完全に正当なものとして認めさせることを意味します。これは、部分的な正当化ではなく、全面的かつ最終的な正当化を意味し、非常に強い確信や承認を表します。例えば、「The investigation fully legitimized the officer's actions.(調査によって、その警官の行動は完全に正当化された)」のように使われます。報道や法的な文脈でよく見られます。
法律によって正当化する
※ 特定の行為や制度を、法律を制定することで正式に認める、あるいは合法化することを意味します。これは、単に社会的な承認を得るだけでなく、法的な根拠を与えることで、その正当性を確固たるものにする行為を指します。例えば、「The government sought to legitimize the new policy through legislation.(政府は法律によって新しい政策を正当化しようとした)」のように使われます。政治、法律、政策の分野で頻繁に用いられる表現です。
正当化しようとして
※ 「in an attempt to」は「~しようと試みて」という意味で、「in an attempt to legitimize」は、ある行為や主張を正当化しようとする意図や試みを強調する表現です。このフレーズは、その試みが必ずしも成功するとは限らず、むしろ正当化の困難さや、それに対する疑念を示唆することがあります。例えば、「In an attempt to legitimize the invasion, the government released propaganda.(侵略を正当化しようとして、政府はプロパガンダを流した)」のように使われます。報道や分析記事でよく用いられます。
使用シーン
学術論文、特に社会科学や政治学の分野で、ある政策や理論を正当化する際に用いられます。例えば、「政府は新たな政策を導入することで、その権力をlegitimizeしようとした」のように、権威や正当性を議論する文脈で使われます。文語的な表現です。
ビジネスシーンでは、組織改革や新規プロジェクトの導入を説明する際に、その必要性や正当性を強調するために使われることがあります。例として、「新しい人事評価制度を導入することで、従業員の貢献をより公平にlegitimizeする」といったように、ややフォーマルな文書やプレゼンテーションで用いられます。
日常会話ではほとんど使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、政治的な動きや社会的な変化を説明する際に使われることがあります。例えば、「その指導者は、不正な手段で得た権力をlegitimizeしようと試みた」のように、倫理的な問題を含む状況で言及されることがあります。
関連語
類義語
権限を与えて正式に許可すること。ビジネスや法律、政府などのフォーマルな文脈で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】legitimize が「正当化する」というニュアンスを含むのに対し、authorize は単に「権限を与える」という意味合いが強い。legitimize は権限がない状態から正当な状態にするニュアンスがある。 【混同しやすい点】authorize は権限を持つ者が行う行為であり、正当性(legitimacy)の有無とは必ずしも関係がない。例えば、悪意のある者が権限を濫用して何かを authorize することも可能。
何かを検証し、有効であることを証明すること。科学、技術、ソフトウェア開発など、客観的な証拠やデータに基づいて確認する場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】legitimize が社会的な承認や正当性を与えるのに対し、validate は客観的な基準に基づいて有効性や正確性を確認する。Validate は「妥当性を確認する」という意味合いが強い。 【混同しやすい点】validate は、例えば「データが正しい形式であるかを validate する」のように、形式的な正しさの検証に使われることが多い。legitimize のように、倫理的・社会的な正当性を与える意味合いはない。
ある行為や決定が正しい、または許容できる理由を示すこと。道徳、倫理、哲学、論理などの文脈で使われ、弁明や正当化の意味合いが強い。 【ニュアンスの違い】legitimize が社会的な承認や制度的な正当性を与えるのに対し、justify は個人的な判断や行動の正当性を主張する。感情的な要素が強く、自己弁護のニュアンスを含む場合もある。 【混同しやすい点】justify は「自分の行動を justify する」のように、主観的な正当性を主張する際に使われる。legitimize は、より客観的で社会的な承認を意味する。
正式に承認または同意すること。特に条約、協定、契約などを正式に承認する際に使われる。政治、法律、外交などの文脈で用いられる。 【ニュアンスの違い】legitimize が一般的に正当性を与えるのに対し、ratify は特定の文書や合意に対して正式な承認を与える。Ratify は、すでに存在するものに対して効力を持たせる意味合いが強い。 【混同しやすい点】ratify は、例えば「条約を批准する」のように、国家間の合意など、特定のフォーマルな手続きを経て承認する際に使われる。legitimize のように、社会的な慣習や行動を正当化する意味合いはない。
承認または許可を与えること。また、制裁を科すという意味もある。法律、政治、経済などの文脈で使われ、特に国際的な制裁措置を指すことが多い。 【ニュアンスの違い】legitimize が正当性を与えるのに対し、sanction は許可を与えるか、または制裁を科すかの両方の意味を持つ。Sanction は、権力を持つ者が公式に認める、または罰するというニュアンスがある。 【混同しやすい点】sanction は、例えば「経済制裁を科す」のように、ネガティブな意味合いで使われる場合もある。legitimize は、常にポジティブな意味合いで使われる。
法律で許可すること。これまで違法だった行為や物を合法化する際に使われる。法律、政治、社会問題などの文脈で用いられる。 【ニュアンスの違い】legitimize が社会的な正当性を与えるのに対し、legalize は法律上の合法性を与える。Legalize は、特定の行為や物が法律で認められる状態にすることを意味する。 【混同しやすい点】legalize は、例えば「マリファナを legalize する」のように、特定の法律に基づいて合法化する際に使われる。legitimize は、法律だけでなく、社会的な規範や価値観に基づいて正当化する意味合いも含む。
派生語
『合法的な』『正当な』という意味の形容詞。動詞『legitimize』から派生し、状態や性質を表す。日常会話からビジネス、法律関連文書まで幅広く使われる。語源的には『法律にかなった』という意味合いが強く、社会的な承認や正当性を強調する際に用いられる。使用頻度は高い。
『合法的に』『正当に』という意味の副詞。『legitimate』に副詞語尾『-ly』が付加された形。行動やプロセスが合法または正当な方法で行われることを示す。ビジネス文書や報道記事などで、客観的な正当性を強調する際に用いられる。日常会話でも使われるが、ややフォーマルな印象を与える。
『正当性』『合法性』という意味の名詞。抽象概念を表し、特に政治学、社会学、法律などの学術分野で頻繁に用いられる。政府や制度、権威などが人々に受け入れられる根拠や理由を指す。日常会話では、正当な権利や資格を主張する文脈で使われることがある。
反意語
- invalidate
『無効にする』という意味の動詞。接頭辞『in-(否定)』と『validate(有効にする)』が組み合わさった形。『legitimize』が何かを正当化するのに対し、『invalidate』はそれを覆し、効力や正当性を奪う。契約、法律、主張などが無効になる状況で用いられる。学術論文や法律文書でも使用される。
- delegitimize
『正当性を奪う』という意味の動詞。接頭辞『de-(否定・除去)』と『legitimize』が組み合わさった形。『legitimize』の直接的な反対語であり、ある行為や制度、人物の正当性を否定し、信用を失わせることを意味する。政治的な議論や社会的な批判において、相手の権威や主張を弱めるために使われる。比較的フォーマルな語。
『弱体化させる』『徐々に蝕む』という意味の動詞。『legitimize』が権威や信頼を高めるのに対し、『undermine』はそれらを徐々に低下させる。直接的な反意語ではないが、正当性や信頼を損なうという点で対立する。政治的な策略、ビジネス上の競争、人間関係など、幅広い文脈で使用される。比喩的な意味合いが強く、抽象的な対象にも用いられる。
語源
"Legitimize」は、「正当化する」「合法化する」という意味ですが、その語源はラテン語に遡ります。まず、核となる"legit-"は、ラテン語の"lex"(法律)に由来し、「法律にかなった」という意味合いを持ちます。この"legit-"に、英語の動詞を作る接尾辞"-imize"(〜にする)が付加されることで、「法律にかなった状態にする」という文字通りの意味が生まれます。つまり、「法律や規則に照らして正当であると認める」というニュアンスが核にあります。日常会話では、単に「もっともらしく見せる」という意味合いでも使われますが、その背景には「法律」という権威に基づいた正当性の概念が存在することを理解しておくと、単語の理解が深まります。例えば、日本の時代劇で「お墨付きを与える」という行為は、まさに権力者がその行為を「legitimize」する、と言えるでしょう。
暗記法
「legitimize」は単に合法化するだけでなく、社会的な承認や正当性を与える意味を含みます。中世の王権神授説から、フランス革命後の人民主権、現代の技術やビジネスモデルの受容まで、権威の源泉を正当化する際に重要な役割を果たしてきました。社会の変化と共に、その意味合いも進化し、社会的な合意形成や価値観の変遷を反映する言葉なのです。歴史的背景を知ると、より深く理解できますね。
混同しやすい単語
『legitimize』とスペルが非常に似ており、発音も近い(/ləˈdʒɪtɪmət/ vs /ləˈdʒɪtɪˌmaɪz/)。『legitimate』は形容詞で「正当な」「合法的な」という意味であり、『legitimize』は動詞で「正当化する」「合法化する」という意味。品詞が異なるため、文法的な役割に注意する必要がある。また、legitimizeはlegitimateの動詞形である点を意識すると、区別しやすくなる。
『legitimize』と語尾の『-ize』が共通しているため、スペルを見たときに混同しやすい。意味は「多数にする」「軍団化する」といった意味合いで、あまり一般的な単語ではない。語源的には『legion』(軍団)から派生していることを知っておくと、意味の推測に役立つかもしれない。
『legitimize』と『legalize』は、どちらも『-ize』で終わる動詞であり、意味も「合法化する」と共通しているため、非常に混同しやすい。しかし、『legalize』は「法律的に合法にする」という意味合いが強く、一方『legitimize』は、法律以外にも慣習や道徳などによって正当化するという意味合いを含む。文脈によって使い分ける必要がある。legalの語源はlaw(法律)であることを意識すると区別しやすい。
語尾の『-ize』が共通しているため、スペルを見たときに混同しやすい。意味は「犠牲にする」「いけにえにする」という意味で、全く異なる。語源的には『victim』(犠牲者)から派生していることを知っておくと、意味の推測に役立つかもしれない。legitimizeが「正当化」というポジティブなニュアンスを含むのに対し、victimizeはネガティブな意味合いを持つ点も区別のポイント。
『-ize』で終わる動詞であり、スペルの一部が似ているため、視覚的に混同しやすい。『optimize』は「最適化する」という意味で、legitimizeとは意味が大きく異なる。発音も異なる(/ˈɑːptɪmaɪz/)。optimizeは、optimum(最適)という単語から派生していることを知っておくと、語彙のネットワークが広がる。
『legitimate』の否定形であるため、スペルが非常に似ており、意味も関連があるため混同しやすい。『illegitimate』は「不当な」「非合法的な」という意味で、『legitimate』の反対の意味を持つ。接頭辞『il-』が否定を表すことを知っておくと、他の単語にも応用できる。『legitimize』と『illegitimate』は、意味が正反対であるため、文脈をよく理解して使い分ける必要がある。
誤用例
『Legitimize』は、本来違法または疑わしいものを『合法化する』『正当化する』という意味合いが強い単語です。日本語の『正当化する』という言葉に引きずられて、単に『理由を述べる』という意味で使ってしまう誤用が見られます。この文脈では、curfew(外出禁止令)がすでに存在し、その理由を説明しているので、『justify(正当性を説明する)』がより適切です。日本の報道などでは『正当化』という言葉が多用されるため、英語でも安易にlegitimizeを選んでしまう傾向があります。
このケースでは、アーティストが盗作(plagiarism)という不正行為を、あたかも創造的な行為であるかのように見せかけようとしています。『Legitimize』は、法的な正当性や社会的な承認を得ようとするニュアンスが強いですが、盗作はそもそも不正行為であり、合法化することはできません。より適切なのは、『rationalize(もっともらしい理屈をつけて正当化する)』です。これは、自分の行動を都合よく解釈し、自己欺瞞に陥るような状況を表します。日本人が『正当化』という言葉を、自己弁護や言い訳の意味合いで使う場合、『rationalize』の方がより適切であることを覚えておくと良いでしょう。
『Legitimize』は、不正なものを合法化するニュアンスが強いため、低賃金(low wages)という経済的な問題を正当化しようとする文脈では、少し不自然に聞こえます。より自然なのは、『defend(擁護する、弁護する)』です。これは、批判や非難に対して、自社の立場を主張するという意味合いを持ちます。日本人が『正当化』という言葉を、擁護や弁護の意味合いで使う場合、『defend』の方がより適切です。また、英語では、経済的な問題に対して『justify』や『rationalize』を使うこともできますが、状況によってニュアンスが異なるため、注意が必要です。
文化的背景
「legitimize」は、単に「合法化する」以上の意味を持ち、社会的な承認、正当性の付与、そして権威の確立というニュアンスを含みます。それは、単なる法的手続きだけでなく、人々の心の中で「認められる」プロセスを伴うのです。中世ヨーロッパにおいて、王権神授説は王の権力をlegitimizeする強力なイデオロギーでした。王は神によって選ばれた存在であり、その支配は絶対的な正当性を持つとされました。しかし、ルネサンス以降、啓蒙思想が台頭すると、この神聖な権威は理性によって疑問視されるようになります。
フランス革命は、王権神授説を否定し、人民主権という新たな概念を打ち立てました。革命政府は、自らの権力をlegitimizeするために、国民議会を設立し、人権宣言を採択しました。これは、従来の権威からの脱却と、新たな社会契約に基づく正当性の確立を意味しました。しかし、革命後の混乱期には、ナポレオンのような軍事指導者が現れ、力によって権力を掌握し、その後、国民投票などによって自身の支配をlegitimizeしようと試みました。このように、legitimizeという言葉は、権力の源泉が神から人民へと移行する過程において、常に重要な役割を果たしてきたのです。
現代社会においても、legitimizeは様々な場面で用いられます。例えば、新しい技術やビジネスモデルが社会に受け入れられるためには、その安全性や倫理性がlegitimizeされる必要があります。また、政治的なリーダーシップは、選挙や支持率調査を通じてlegitimizeされます。しかし、legitimizeは、単に現状を追認するだけでなく、社会的な変革を促す力も持ちます。例えば、人種差別や性差別といった不正義をlegitimizeしてきた制度や慣習を批判し、新たな正義の基準を確立しようとする試みも、legitimizeの範疇に含まれます。
このように、「legitimize」は、歴史的な権力闘争から現代社会の倫理的な問題まで、幅広い文脈で使用される言葉です。それは、社会的な合意形成のプロセスであり、常に変化し続ける社会の価値観を反映しています。学習者は、この言葉を使う際に、単に「合法化する」という意味だけでなく、その背後にある社会的な力関係や価値観を意識することで、より深く、より豊かな語彙力を身につけることができるでしょう。
試験傾向
この単語自体は英検では出題頻度は低めですが、準1級以上の長文読解で、文章の理解を深めるために知っておくと役立つ場合があります。直接的な語彙問題での出題は稀です。
TOEICでも頻繁に出題される単語ではありませんが、ビジネス関連の文章で「正当化する」という意味で使われる可能性があります。Part 7(長文読解)で、文章全体の文脈を理解する上で重要になる場合があります。
TOEFLのリーディングセクションで、アカデミックな文章において出題される可能性があります。社会科学や政治学系のテーマで、政策や行動を正当化する文脈で使われることが多いです。同意語・反意語をセットで覚えておくと役立ちます。
難関大学の長文読解問題で出題される可能性があります。特に、社会問題や倫理に関するテーマの文章で、「正当化する」という意味で使われることがあります。文脈から意味を推測する能力が求められます。