legitimacy
強勢は 'dʒɪ' の部分にあります。最初の音 /lə/ は、曖昧母音で弱く短く発音します。「ル」と「ラ」の中間のような音を意識してください。/ˈdʒɪ/ は「ジ」と「ヂ」の中間のような音で、日本語の「ジ」よりも舌を少し後ろに引いて発音します。最後の /si/ は「スィ」に近い音で、日本語の「シ」よりも唇を少し横に引きます。全体的に、各音節を区切らず、滑らかにつなげるように発音するとより自然になります。
専門的な内容に関するご注意
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正当性
ルールや法律、伝統などに合致していること。人々がそれを正しいと認めている状態を指す。政府や制度、主張などが、人々に受け入れられる根拠となるもの。
Many people questioned the legitimacy of the new law.
多くの人々が、その新しい法律の正当性に疑問を抱きました。
※ 【情景】新しく発表された法律に対し、人々が「本当に正しいのか?」「受け入れるべきなのか?」と疑問を感じ、ざわついている場面です。 【解説】法律や規則が「正しい、受け入れられるものか」を問う際に使われる典型的な例です。'legitimacy' は、しばしば 'question (疑問を抱く)' や 'challenge (異議を唱える)' といった動詞と一緒に使われます。
The company's decision gained legitimacy because it was fair to everyone.
その会社の決定は、全員に公平だったので正当性を得ました。
※ 【情景】会社で重要な決定がなされ、最初は不満を持つ人もいたかもしれませんが、その決定が「公平」であることが分かると、皆が納得し、受け入れるようになった場面です。 【解説】ビジネスや組織の決定が「正しいものとして受け入れられる」状況を表しています。'gain legitimacy(正当性を得る)' は、あるものが受け入れられるようになる過程を示す際によく使われる表現です。
She worked hard to prove the legitimacy of her claim.
彼女は自分の主張の正当性を証明するために一生懸命働きました。
※ 【情景】彼女が何かを主張していて、周りから「本当にそうなの?」と疑問視されたため、その主張が正しいことを皆に納得してもらうために、資料を集めたり、説明したりと努力している場面です。 【解説】個人の「claim(主張)」や「opinion(意見)」などの「正当性」を証明する際によく使われます。'prove the legitimacy(正当性を証明する)' は、何かを正しいと示す際に頻繁に使うフレーズです。
妥当性
ある行為や決定が、道理にかなっていること。合理的な根拠があり、正当だと判断できる状態。倫理的、道徳的な観点からも支持されるニュアンスを含む。
The team leader explained the new plan, but some members questioned its legitimacy.
チームリーダーは新しい計画を説明しましたが、一部のメンバーはその妥当性を疑問視しました。
※ 【情景】会議室で、リーダーがプロジェクターを使って新しい計画を説明しています。しかし、何人かのメンバーは腕を組み、納得できないような表情で、その計画が本当に正しいのか、もっと良い方法はないのかと考えている場面です。 【なぜ典型的か】「legitimacy」は、何か新しい提案や決定が「正当であるか」「受け入れられるべきか」を問う文脈でよく使われます。ビジネスやグループでの話し合いで、決定の根拠や合理性を確認する際に頻繁に耳にするでしょう。 【文法・ヒント】「question X's legitimacy」は「Xの妥当性を疑問視する」という非常に典型的な表現です。
She wondered about the legitimacy of the online article she read.
彼女は読んだオンライン記事の妥当性について考えました。
※ 【情景】彼女がスマートフォンを片手に、眉をひそめて画面を見つめています。「この記事、本当に信用できるのかな?」と、書かれている内容が事実に基づいているのか、偏りがないか、頭の中で検証している様子が目に浮かびます。 【なぜ典型的か】インターネット上の情報があふれる現代では、その情報の「信頼性」や「根拠の確かさ」を問う場面が多々あります。「legitimacy」は、情報源や主張の「正当性」「信憑性」を指す際にも非常に自然に使われます。 【文法・ヒント】「wonder about X」は「Xについて考える/疑問に思う」という表現です。「of」を使って「何々の妥当性」とつなげます。
People debated the legitimacy of the election results for many days.
人々は選挙結果の妥当性について何日も議論しました。
※ 【情景】テレビのニュース番組で、専門家たちが真剣な顔で話し合っています。カフェでは友人たちがコーヒーを飲みながら、選挙の公平性について熱心に意見を交わしています。結果が本当に公正だったのか、納得できない人々の間で議論が巻き起こっている場面です。 【なぜ典型的か】「legitimacy」は、特に政治や権力、社会の制度など、広範囲に影響を及ぼす決定や結果が「正当なものか」「法的に問題がないか」を議論する際に、非常に重要なキーワードとなります。ニュースなどでもよく耳にするでしょう。 【文法・ヒント】「debate X」は「Xを議論する」という意味です。「for many days」は「何日間も」と期間を表します。
正当な
ある行為、主張、組織などが、法や倫理、社会的な規範に合致している状態を指す。人々に受け入れられ、信頼されるに足ることを意味する。
He showed his legitimate ID to the security guard at the entrance.
彼は入り口で警備員に正当な身分証明書を見せました。
※ 空港やイベント会場など、身分確認が必要な場面を想像してください。自分の身分が「本物である、偽りではない」ことを示す際に使われます。「ID」は「身分証明書」のことです。
His reason for being late was legitimate; his car broke down on the way.
彼が遅れた理由は正当でした。途中で車が故障したのです。
※ 職場や学校で、遅刻や欠席の理由を説明している場面です。「legitimate reason」は「正当な理由、納得できる理由」という意味で、非常によく使われる組み合わせです。
The company's new policy seemed legitimate, so no one complained about it.
その会社の新しい方針は正当に見えたので、誰もそれについて文句を言いませんでした。
※ 会社の会議や説明会で、新しい規則や方針が発表された場面です。「seem legitimate」で「正当に見える、道理にかなっているように思える」という意味になります。皆が納得している様子が伝わります。
コロケーション
正当性や合法性を確立する
※ 組織、政権、行動などが社会的に受け入れられるために、その根拠や手続きが正しいことを証明する行為を指します。単に『正当化する』だけでなく、長期的な信頼を得るニュアンスを含みます。ビジネスシーンや政治的な文脈で頻繁に使われ、例えば『新政府が国際的な正当性を確立する』のように用いられます。類似表現に『gain legitimacy』がありますが、こちらは『正当性を得る』という結果に焦点を当てています。
正当性の危機
※ ある制度、組織、指導者などに対する信頼や支持が失われ、その存在意義や権威が揺らぐ状態を指します。これは一時的な不満ではなく、根本的な信頼の崩壊を意味します。政治学や社会学でよく用いられ、『民主主義の正当性の危機』のように、社会全体に関わる問題として議論されることが多いです。類義語に『legitimacy deficit(正当性の欠如)』がありますが、こちらは危機に至る前の、正当性が不足している状態を指します。
正当性を疑う、疑問視する
※ ある行為、決定、制度などが本当に正しいのか、合法的なのかを問い質す行為を指します。単に『疑う』だけでなく、根拠を示して反論するニュアンスを含みます。報道記事や学術論文でよく見られ、『選挙結果の正当性を疑問視する』のように、具体的な証拠に基づいて議論を展開する際に用いられます。フォーマルな表現であり、口語では『cast doubt on the legitimacy』のように表現することもあります。
法的な正当性
※ 法律や法的手続きに則って認められた正当性を指します。単に『合法』であるだけでなく、法的な根拠に基づいていることを強調します。契約、所有権、裁判など、法律が関わるあらゆる場面で使用されます。『この契約は法的な正当性を持つ』のように、法的効力を保証する際に用いられます。対義語は『illegitimacy(非合法性)』であり、法律に違反している状態を指します。
社会的な正当性
※ 社会の規範、価値観、倫理観に合致していると認められる正当性を指します。法律だけでなく、社会通念や道徳的な観点から見て正しいかどうかを判断する際に用いられます。社会運動、企業の社会的責任(CSR)、教育など、社会全体に関わる問題で重要視されます。『この政策は社会的な正当性を欠いている』のように、社会からの支持を得られない場合に用いられます。類似表現に『moral legitimacy(道徳的正当性)』がありますが、こちらは道徳的な観点に特化した正当性を指します。
正当性を損なう、弱体化させる
※ ある制度、組織、指導者などの正当性を徐々に蝕み、信頼を失わせる行為を指します。直接的な攻撃ではなく、間接的な手段や情報操作によって影響力を低下させるニュアンスを含みます。政治的な陰謀や企業間の競争など、裏工作が絡む場面でよく用いられます。『スキャンダルが政権の正当性を損なう』のように、ネガティブな出来事が信頼を失墜させる際に用いられます。類義語に『erode the legitimacy』がありますが、こちらは徐々に正当性が失われていく過程を強調します。
正当性を主張する
※ 自分や自分の行動が正当であると強く主張すること。しばしば、その主張が疑わしい状況や、客観的な根拠が不足している場合に用いられます。政治的な文脈で、権力を奪取した者が自らの統治を正当化する際などに見られます。例えば、「反政府勢力が自分たちの行動の正当性を主張している」のように使われます。この表現は、必ずしも正当性が認められているわけではない点に注意が必要です。
使用シーン
学術論文、特に政治学、法学、社会学などで頻繁に使用されます。例えば、「政府の政策の正当性 (legitimacy of government policies) 」や「選挙の正当性 (legitimacy of elections) 」といった文脈で、研究対象の妥当性や根拠を議論する際に用いられます。また、哲学の議論において、ある主張や理論の正当性を検討する際にも使われます。
企業の経営戦略、組織論、法務関連の文書で登場します。例えば、「企業の社会的責任 (corporate social responsibility) の正当性」や「合併の正当性 (legitimacy of a merger) 」といった文脈で、ステークホルダーに対する説明責任を果たすために使用されます。また、内部監査やコンプライアンス関連の報告書で、業務プロセスの妥当性を評価する際にも用いられます。
日常会話で直接使用されることは少ないですが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、政治的な出来事や社会問題に関連して耳にすることがあります。例えば、「デモ活動の正当性 (legitimacy of a protest) 」や「政府の決定の正当性 (legitimacy of a government decision) 」といった文脈で、議論や意見交換が行われる際に用いられます。SNSなどでの議論で見かけることもあります。
関連語
類義語
妥当性、正当性。主に議論、契約、証拠、法律など、形式的あるいは論理的な根拠に基づいた正当性を指す。学術的な文脈や法的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】legitimacyが権威や承認によって正当化されるのに対し、validityは論理や証拠によって正当化される。legitimacyが社会的な受容を伴うことが多いのに対し、validityは客観的な基準を満たすかどうかを問う。 【混同しやすい点】日本語ではどちらも『妥当性』と訳される場合があるが、validityは形式的な正当性、legitimacyは社会的な正当性という違いを意識する必要がある。例えば、契約書のvalidityは法的要件を満たしているか、legitimacyはその契約が社会的に公正であるかという視点になる。
権威、権力。ある個人や組織が、他者に対して命令したり影響力を行使したりする権利や能力を指す。政治、組織、学術など幅広い分野で用いられる。 【ニュアンスの違い】legitimacyは権威の正当性の根拠となる。authorityは権力そのものを指し、legitimacyはその権力が正当であるかどうかを問う。legitimacyがなければ、authorityは単なる強制力となる。 【混同しやすい点】authorityは権力を持つ主体、legitimacyはその権力の正当性という関係性を理解する必要がある。例えば、政府のauthorityは法律によって与えられるが、そのlegitimacyは国民の支持によって支えられる。
- rightfulness
正当性、正しさ。道徳的、倫理的な観点から見た正当性を指す。日常会話から法律、倫理学まで幅広く用いられる。 【ニュアンスの違い】legitimacyは社会的な規範や法律に基づいた正当性であるのに対し、rightfulnessはより個人的な道徳観や倫理観に基づいた正当性である。legitimacyが客観的な基準を満たすかどうかを問うのに対し、rightfulnessは主観的な判断に左右される。 【混同しやすい点】rightfulnessは主観的な判断が入りやすい。例えば、ある行為が法律的にはlegitimacyであっても、道徳的にはrightfulnessではない場合がある。
正当化、弁明。ある行為や信念が正しい理由を説明すること。議論、倫理、法律など、幅広い分野で用いられる。 【ニュアンスの違い】legitimacyは正当性の状態を指すのに対し、justificationはその正当性を説明する行為を指す。legitimacyは客観的な根拠に基づくことが多いが、justificationは主観的な解釈を含むことがある。 【混同しやすい点】justificationは、必ずしもlegitimacyを伴うとは限らない。例えば、ある行為をjustificationしようとしても、それがlegitimacyであるとは限らない。
- acceptability
受容性、許容範囲。ある行為や考え方が、社会的に受け入れられるかどうかを指す。日常会話からビジネス、政治まで幅広く用いられる。 【ニュアンスの違い】legitimacyは法的な正当性や社会的な承認を伴うのに対し、acceptabilityは単に社会的に受け入れられるかどうかを問う。legitimacyは客観的な基準を満たす必要があるが、acceptabilityは社会の多数派の意見に左右される。 【混同しやすい点】acceptabilityは、必ずしもlegitimacyを伴うとは限らない。例えば、ある行為が社会的にacceptabilityであっても、法律的にはlegitimacyではない場合がある。
許可、認可。公式な許可や承認を与えること。ビジネス、法律、技術など、特定の分野で用いられる。 【ニュアンスの違い】legitimacyは正当性の根拠を指すのに対し、authorizationはその正当な権限に基づいて行われる許可や認可を指す。authorizationはlegitimacyのある権威によって与えられる。 【混同しやすい点】authorizationは具体的な行為に対する許可であり、legitimacyはその許可を与える権限の正当性である。例えば、あるプロジェクトを実行するためのauthorizationは、そのプロジェクトが組織のlegitimacyのある目標に合致している場合に与えられる。
派生語
『合法的な』『正当な』という意味の形容詞。『legitimacy』の直接的な形容詞形であり、正当性・合法性を持つ状態を表す。日常会話からビジネス、法律関連の文書まで幅広く使用される。例:legitimate business (合法的なビジネス)。
『合法的に』『正当に』という意味の副詞。『legitimate』に副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。行動やプロセスが正当な方法で行われたことを示す。ビジネスシーンや公式な文書でよく用いられる。例:legitimately elected (正当に選出された)。
- legitimize
『合法化する』『正当化する』という意味の動詞。『legitimate』に動詞化の接尾辞『-ize』が付いた形。何かを合法的なものとして認めたり、正当なものとして認めたりする行為を表す。政治、社会学、ビジネスなどの文脈で使用される。例:legitimize a claim (主張を正当化する)。
反意語
- illegitimacy
接頭辞『il- (否定)』が付いた名詞で、『非合法性』『不正』を意味する。『legitimacy』の直接的な反意語であり、正当性や合法性が欠如している状態を指す。法律、政治、社会学などの文脈で使われる。例:illegitimacy of the regime (政権の不正)。
- illegitimate
形容詞で『非合法の』『不正な』を意味する。『legitimate』の反意語であり、法律や規則に違反している状態、あるいは正当な根拠がない状態を指す。日常会話から公式な文書まで幅広く使われる。例:illegitimate child(非嫡出子)。
- invalidity
『無効』『妥当性がないこと』を意味する名詞。『legitimacy』が有効性や正当性を示すのに対し、『invalidity』はそれが欠如している状態を表す。法律、論理学、科学などの分野で使用される。例:invalidity of the contract(契約の無効)。
語源
"legitimacy(正当性、妥当性)"は、ラテン語の"legitimus(合法的な、法律にかなった)"に由来します。これはさらに"lex(法律)"から派生しており、"lex"は「法」そのものを意味します。 "-imacy"は名詞を作る接尾辞で、「状態」や「性質」を表します。つまり、"legitimacy"は文字通りには「法律にかなった状態」や「法に基づく性質」を意味し、そこから「正当性」や「妥当性」という意味に発展しました。法律という根拠に基づいているからこそ、正当である、妥当である、と主張できるわけです。例えば、選挙のlegitimacy(正当性)が疑われる場合、それは選挙が法律に則って適切に行われたかどうかが問題になっていることを意味します。
暗記法
「legitimacy」は単なる合法性ではない。中世の王権神授説からフランス革命、そして現代の企業活動まで、社会が権力や制度を「正当」と認めるかどうかが問われる。人々の支持を失えば、そのlegitimacyは揺らぎ、社会の変革を招く力となる。公正さ、透明性、説明責任…社会の変化とともに、その意味を問い続ける必要があるのだ。
混同しやすい単語
『legitimacy』と語源が同じで、スペルも非常に似ているため混同しやすい。ただし、『legitimate』は形容詞で「正当な」「合法的な」という意味であり、動詞として「正当と認める」という意味も持ちます。『legitimacy』は名詞で「正当性」「合法性」という意味なので、品詞が異なります。文章中で名詞が必要な箇所で誤って形容詞を使ってしまわないように注意が必要です。
『legitimate』の否定形で、スペルも似ているため混同しやすい。「非嫡出の」「不法の」という意味を持ちます。『legitimacy』との関係性(正当性があるかないか)を理解しておくと、区別しやすくなります。接頭辞 'il-' が付くことで意味が反転することに注意しましょう。
語尾が '-cy' で終わる名詞であり、音の響きが似ているため混同しやすい。「遺産」「受け継いだもの」という意味で、意味的な関連性は薄いです。ただし、政治的な文脈では「前政権の遺産」のように、正当性の議論と関連する文脈で登場することもあります。スペルと発音を意識して区別しましょう。
発音がやや似ており、特に語尾の '-giance' の部分で混同しやすい。「忠誠」「忠義」という意味で、政治的な文脈で使われることが多いですが、『legitimacy』が「正当性」を意味するのに対し、『allegiance』は「忠誠を誓うこと」を意味するため、意味が異なります。スペルをしっかりと区別することが重要です。
語頭の 'el-' と語尾の音の響きが似ているため、特に発音を聞き間違えやすい。「資格のある」「適格な」という意味で、主に人に対して使われます。例えば、「eligible voter(投票資格のある人)」のように使われます。スペルも発音も異なるため、意識して区別する必要があります。
語頭の 'leg-' の部分が共通しているため、スペルを見たときに混同しやすい。「論理」「論法」という意味で、学術的な文脈でよく使われます。『legitimacy』が「正当性」を意味するのに対し、『logic』は「論理」を意味するため、意味が大きく異なります。語源的には関連性がありますが(どちらも「法」や「理」に関連するラテン語に由来)、現代英語としては別の単語として認識しましょう。
誤用例
日本語の『正当性』という言葉に引きずられ、『legitimacy』を単なる主張の強さや押し出しの強さと結びつけてしまう誤用です。英語の『legitimacy』は、法的な根拠、論理的な整合性、あるいは広く認められた倫理的な基準に基づいた正当性を意味します。大声で主張すること自体は、正当性の根拠にはなりません。ここでは、むしろ『validity』(妥当性)という言葉が適切で、かつ、強い主張にもかかわらず疑わしい、という意味合いを出すために『dubious』と『vehement protestations』を使うことで、より正確なニュアンスを伝えています。日本人が陥りやすい『声の大きさ=正しさ』という短絡的な思考回路を避ける必要があります。
『legitimacy』を『恩恵を与えてくれるから良い』という単純な理由で判断してしまう誤用です。これは、政治的な正当性の本質を理解していないために起こります。『legitimacy』は、単なる人気や一時的な恩恵ではなく、国民の自由な意思に基づく民主的な手続き、法の支配、人権の尊重といった、より根源的な価値観に支えられています。政府が恩恵を与えることは重要ですが、それが正当性の唯一の根拠ではありません。むしろ、長期的な視点から、民主主義の原則に則っているかどうかが重要です。日本人が『お上』意識から抜け出し、権力の正当性を批判的に吟味する視点を持つことが重要です。
感情に対して『legitimacy』を使うのは不自然です。『legitimacy』は、通常、権力、規則、制度などが正当であるかどうかを評価する際に使用されます。感情の真偽を問う場合は、『authenticity』(真正さ、本物であること)を使うのが適切です。日本人が『正当性』という言葉を広義に捉えすぎる傾向があり、感情のような個人的な領域にまで適用してしまうことが原因と考えられます。英語では、感情は『本物であるか、偽りであるか』という軸で評価されることが一般的です。感情の『正当性』を問うという発想は、感情を客観的な基準で評価しようとする、やや不自然な試みと言えるでしょう。
文化的背景
「legitimacy(正当性)」という言葉は、単に「合法」であること以上の、道徳的、倫理的な承認や受け入れを意味します。権力や制度が社会から正当と認められることは、安定と秩序の基盤であり、その欠如は社会の混乱や変革の引き金となる可能性があります。
中世ヨーロッパにおいては、王権神授説がlegitimacyの根拠とされました。王は神から直接権力を授けられた存在であり、その統治は絶対的に正当であるとされました。しかし、ルネサンス以降、啓蒙思想が広まると、人々の間には「本当に王は神に選ばれたのか?」という疑問が生まれました。フランス革命は、まさにこのlegitimacyの危機から生じたものであり、王権神授説に代わる新たな正当性の根拠、すなわち人民主権が求められました。
現代社会においても、legitimacyは重要な概念です。選挙で選ばれた政府であっても、その政策が国民の支持を失えば、legitimacyは揺らぎます。また、企業や団体も、その活動が社会の倫理規範に反する場合、legitimacyを失い、社会的な批判にさらされることになります。例えば、環境破壊を引き起こす企業や、人権侵害に関与する企業は、その活動のlegitimacyを問われ、消費者や投資家からの圧力を受けるでしょう。
legitimacyは、単なる法律上の正当性ではなく、社会的な承認と道徳的な支持を含む、より広い概念です。権力や制度がlegitimacyを持つためには、公正さ、透明性、説明責任が不可欠であり、社会の変化に合わせて、その正当性の根拠を問い直し、再構築していく必要があります。この言葉は、政治、経済、社会のあらゆる場面で、権力や制度のあり方を考える上で、重要な視点を提供してくれます。
試験傾向
準1級以上で、長文読解や語彙問題で出題される可能性があります。特に、社会問題や政治に関するテーマで、名詞形「legitimacy」が問われることが多いです。同意語・類義語(validity, authenticityなど)との区別も重要です。
TOEICでは、Part 5(短文穴埋め)やPart 7(長文読解)で出現する可能性があります。ビジネス関連の文脈(企業の社会的責任、コンプライアンスなど)で使われることが多いです。形容詞形「legitimate」の用法も確認しておきましょう。
TOEFL iBTのリーディングセクションで、アカデミックな文章の中で出題される可能性が高いです。政治学、社会学、歴史学などの分野で頻出します。文脈から「正当性」「合法性」といった意味を正確に把握する必要があります。
難関大学の長文読解で出題される可能性があります。政治、社会、倫理といったテーマに関連して登場することが多いです。文脈から意味を推測する能力が求められます。