latent
第一音節にアクセントがあります。/eɪ/ は二重母音で、日本語の『エイ』よりも口を大きく開けて発音します。/t/ は有気音なので、息を強く出すように意識しましょう。最後の /ənt/ は曖昧母音で、はっきり発音せず弱めるのがポイントです。
専門的な内容に関するご注意
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隠れた
表面には現れていないが、内部に潜在的に存在する状態。能力、感情、病気など、様々なものが隠れていることを表す。例えば、latent talent(潜在的な才能)、latent infection(潜伏感染)のように使う。
The quiet boy had a latent talent for drawing, which surprised everyone later.
その静かな少年には、隠れた絵の才能があり、それが後でみんなを驚かせた。
※ 「latent talent」は「隠れた才能」という意味で、まだ誰も気づいていない、または本人も気づいていない才能についてよく使われます。この例文では、静かな子が実は絵が上手だった、という意外な発見の場面を描いています。
Doctors found a latent infection in the patient's body during the check-up.
医師たちは健康診断中に、患者の体内に隠れた感染症を見つけた。
※ 「latent infection」は「潜在的な感染症」という意味で、病気がまだ症状として現れていない状態を表します。健康診断などで見つかることが多い状況です。医療や科学の文脈でよく使われます。
Even after the fight, a latent anger still lingered deep inside her heart.
喧嘩の後も、彼女の心の奥底には隠れた怒りがくすぶっていた。
※ 「latent anger」は「潜在的な怒り」という意味で、表面には出さなくても、心の中に秘めている感情を表します。「latent feeling」のように、他の感情にも使えます。この例文では、喧嘩の後も残る感情のモヤモヤを描いています。
見えない
まだ明らかになっていない、または活動を開始していない状態。物理的に目に見えないだけでなく、抽象的な概念にも使用できる。例えば、latent demand(潜在需要)のように使う。
He didn't know it, but he had a latent talent for drawing beautiful pictures.
彼は気づいていなかったが、美しい絵を描く秘めた才能を持っていた。
※ この例文は、まだ発見されていない、あるいは本人すら気づいていない「隠れた才能」について語っています。普段は目立たない人が、ふとしたきっかけで素晴らしい絵を描き、周りも本人も驚くような場面を想像してみてください。「latent talent(潜在的な才能)」は非常によく使われる表現です。
The small crack in the wall was a latent problem that could grow bigger.
壁の小さなひび割れは、大きくなる可能性を秘めた見えない問題だった。
※ ここでは、今はまだ小さいので見過ごされがちだが、将来的に大きな問題に発展する可能性のある「隠れた問題」を指しています。例えば、家の壁に小さなひび割れを見つけ、最初は気にも留めなかったが、専門家が「これは将来大きな問題になる可能性がある」と指摘するような状況です。「latent problem(潜在的な問題)」も典型的な使い方です。
Deep inside her heart, a latent hope for a better future slowly grew.
彼女の心の奥深くで、より良い未来への見えない希望がゆっくりと育っていた。
※ この例文では、まだ形になっていない、あるいは表には出ていない「隠れた感情や感覚」を表しています。困難な状況にいる人が、周りには見えないところで、心の奥底で少しずつ希望を育んでいる様子を想像できますね。このように、人の心の中の「まだ意識されていないもの」に対しても使われます。
休眠中の
活動を一時的に停止している状態。生物学的な文脈でよく使われ、種子やウイルスなどが活動を停止している状態を指す。比喩的に、能力や感情などが一時的に眠っている状態を表すこともある。
She discovered her latent artistic talent during the art class.
彼女は美術の授業中に、まだ隠れていた芸術の才能を発見しました。
※ この例文は、今まで自分でも気づかなかった才能が、あるきっかけで「開花した」瞬間を描いています。「latent talent」は「潜在的な才能」という意味で、まだ表面化していない能力を指します。誰かの隠れた能力について話すときに使える典型的な表現です。
The doctor explained that the virus was latent in her system for many years.
医者は、そのウイルスが彼女の体内で何年も休眠状態にあったと説明しました。
※ 医者が患者に、病気の原因となるウイルスが体内で活動を停止している状態であることを説明する場面です。「latent」は、病原体などが一時的に活動を休止している状態(休眠状態)を表すのによく使われます。「be latent in ~」で「~の中に休眠状態で存在する」という意味になります。
The quiet village had a latent charm waiting to be discovered by tourists.
その静かな村には、観光客に発見されるのを待つ隠れた魅力がありました。
※ まだ多くの人に知られていない静かな村が、実は観光客にとって隠れた魅力を持っているという発見の場面です。「latent charm」は「潜在的な魅力」や「隠された魅力」を指し、すぐに気づかないが、注意深く見ればわかるような、秘められた良さを表現するのに使えます。
コロケーション
潜在的な才能、隠れた才能
※ まだ開花していない、または本人も気づいていない才能を指します。教育や人材開発の文脈でよく使われ、『秘められた可能性』というニュアンスを含みます。adjective + noun の典型的な組み合わせで、しばしば「発掘する」「見出す」といった動詞と組み合わせて用いられます(例:uncover latent talent)。
潜熱
※ 物理学の用語で、物質の状態変化(例:氷が水になる)の際に吸収または放出される熱エネルギーのこと。温度変化を伴わない点が特徴です。科学的な文脈以外では、比喩的に『表面上は変化がないが、内部でエネルギーが蓄積されている状態』を表すことがあります。主に専門用語として使用されます。
潜在指紋
※ 犯罪捜査で、肉眼では見えない指紋のこと。特殊な処理(粉末や薬品など)によって可視化されます。forensic science(法医学)の分野で頻繁に使われる専門用語です。一般的には「指紋」という言葉とセットで使用され、証拠としての重要性を示唆します。
潜在変数
※ 統計学や心理学で、直接観測できないが、他の観測可能な変数に影響を与えると考えられる変数。例えば、人の知能や性格特性などが該当します。統計モデリングにおいて重要な概念であり、より複雑な関係性を分析するために用いられます。専門的な分野で使われる表現です。
潜伏感染
※ ウイルスや細菌などが体内に存在しているものの、症状が現れていない状態。時間が経ってから症状が出ることがあります。医学用語として使われ、感染症の予防や治療において重要な概念です。結核やヘルペスウイルスなどが潜伏感染を起こすことで知られています。
潜伏期間
※ 病原体に感染してから症状が現れるまでの期間。医学用語として使われ、感染症の疫学調査や対策において重要な情報となります。感染症の種類によって潜伏期間は異なり、感染拡大を防ぐための対策(隔離など)の期間設定に用いられます。
潜在需要
※ まだ顕在化していない、または消費者が意識していないニーズのこと。マーケティングや経済学の分野で使われ、新しい商品やサービスを開発する上で重要な視点となります。市場調査や顧客分析を通じて潜在需要を掘り起こすことが、ビジネスの成功につながると考えられています。
使用シーン
学術論文や研究発表で、潜在変数、潜在的な影響、潜在的な関係性などを議論する際に頻繁に使用されます。例えば、心理学研究で「潜在的な不安傾向が認められる」と述べる場合や、経済学研究で「潜在成長率を分析する」といった文脈で使用されます。統計学やデータ分析の分野では、潜在クラス分析(Latent Class Analysis)という手法名としても登場します。
ビジネスシーンでは、市場調査や顧客分析の報告書、戦略立案の会議などで使われることがあります。例えば、「潜在顧客ニーズを把握する」「潜在的なリスク要因を評価する」といった表現です。日常的な業務メールや口頭での会話では、より平易な表現(例えば、hidden, underlying)が好まれる傾向があります。
日常会話で「latent」という単語が使われることは稀です。ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、専門的な内容を解説する際に使われることがあります。例えば、「潜在的なテロの脅威」や「潜在的な環境汚染リスク」といった文脈で登場します。一般的には、「隠れた」「見えない」といった意味合いで、より簡単な言葉が使われることが多いでしょう。
関連語
類義語
潜在的な活動能力や成長能力を持つが、現在は休止状態にあることを指す。生物学(冬眠中の動物、休眠中の種子など)、経済(不況時の潜在的な経済力)、社会(潜在的な紛争)など、幅広い分野で使用される。 【ニュアンスの違い】"latent"は存在そのものが隠されているニュアンスがあるのに対し、"dormant"は存在は認識されているものの、活動を休止している状態を指す。"dormant"は、活動再開の可能性をより強く示唆する。 【混同しやすい点】"latent"が抽象的な潜在能力を指すことが多いのに対し、"dormant"は具体的な活動や成長が一時的に停止している状態を指す。例えば、病気の潜伏期間は"latent period"だが、休火山は"dormant volcano"。
将来的に実現する可能性を秘めていることを指す。人(潜在能力)、物(潜在的な市場)、状況(潜在的な危険)など、幅広い対象に使用される。ビジネスや教育の分野で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】"latent"は隠れていてまだ現れていない状態を強調するのに対し、"potential"は将来的に実現する可能性そのものを強調する。"potential"は、より積極的でポジティブなニュアンスを持つ。 【混同しやすい点】"latent"は必ずしも実現するとは限らない潜在能力を指すことが多いのに対し、"potential"は努力や条件次第で実現する可能性が高い潜在能力を指す。例えば、潜在的な犯罪者は"latent criminal"だが、潜在能力開発は"potential development"。
物理的または抽象的に隠されている状態を指す。文字通り隠された物(隠された宝物)、隠された感情(隠された怒り)、隠された情報(隠された真実)など、幅広い対象に使用される。日常会話で頻繁に使われる。 【ニュアンスの違い】"latent"は表面には現れていないが内部に存在することを指すのに対し、"hidden"は意図的に、または偶然に隠されている状態を指す。"hidden"は、発見されるまで存在が知られないというニュアンスが強い。 【混同しやすい点】"latent"は必ずしも隠されているとは限らず、単に表面化していない状態を指すことが多いのに対し、"hidden"は意図的な隠蔽や不可視の状態を指す。例えば、潜在的な才能は"latent talent"だが、隠されたカメラは"hidden camera"。
表面には見えないが、物事の基礎や原因となっていることを指す。根底にある原因(underlying cause)、基礎となる原理(underlying principle)、根本的な問題(underlying problem)など、学術的な文脈や問題解決の場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"latent"は存在が潜在的であることを強調するのに対し、"underlying"は表面的な現象の背後にあって、それを支えたり影響を与えたりする根本的な要素であることを強調する。"underlying"は、因果関係を示唆することが多い。 【混同しやすい点】"latent"は表面化していない潜在能力や可能性を指すことが多いのに対し、"underlying"は表面的な現象を説明する根拠となる、より深く、構造的な要素を指す。例えば、潜在的な不安は"latent anxiety"だが、根本的な原因は"underlying cause"。
明示的には表現されていないが、暗示されている、または含まれていることを指す。暗黙の了解(implicit agreement)、暗黙の前提(implicit assumption)、暗黙のルール(implicit rule)など、社会科学や哲学の分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"latent"は潜在的な存在そのものを指すのに対し、"implicit"は明示的な表現を必要とせずに理解される、または含まれていることを指す。"implicit"は、文脈や状況から推測されるというニュアンスが強い。 【混同しやすい点】"latent"は表面化していない能力や可能性を指すことが多いのに対し、"implicit"は明示的に述べられていないが、当然のこととして理解されている、または含まれている概念を指す。例えば、潜在的なリスクは"latent risk"だが、暗黙の了解は"implicit agreement"。
- undeveloped
十分に発達していない、または開発されていない状態を指す。未開発の土地(undeveloped land)、未発達の能力(undeveloped skills)、未発達の市場(undeveloped market)など、経済学や地理学の分野でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"latent"は潜在的な能力や可能性が存在することを示唆するのに対し、"undeveloped"は実際に開発や成長が不足している状態を強調する。"undeveloped"は、改善の余地があるというニュアンスを持つ。 【混同しやすい点】"latent"は必ずしも開発が必要とは限らない潜在能力を指すことが多いのに対し、"undeveloped"は開発や成長が望ましい、または必要な状態を指す。例えば、潜在的な市場は"latent market"だが、未開発の国は"undeveloped country"。
派生語
- latency
名詞で「潜在(性)、潜伏期間」。形容詞latentの性質・状態を表す抽象名詞。IT分野で通信や処理の遅延時間を指すことが多い。学術論文や技術文書で頻出。
- latently
副詞で「潜在的に、隠れて」。形容詞latentに副詞化の接尾辞-lyが付いた形。表面的には見えないが、内部に存在する様子を表す。ビジネスや学術的な文脈で使われる。
- delate
動詞で「告発する、密告する」。接頭辞de-(下へ、完全に)とlate(運ぶ)が組み合わさり、「(秘密を)運び下ろす」というイメージ。古風な用法だが、法廷や歴史的な文脈で見られることがある。
語源
"latent"はラテン語の"latēre"(隠れている、潜んでいる)に由来します。この"latēre"は、インド・ヨーロッパ祖語の語根である"*lādh-"(隠れる、潜む)まで遡ることができます。"latent"は、まさに表面には現れていない、潜在的な状態を表す言葉であり、物理的な隠蔽だけでなく、能力や可能性がまだ発揮されていない状態を指す場合にも使われます。例えば、才能がまだ開花していない状態を「潜在的な才能(latent talent)」と表現するように、内に秘められたものが、まだ表に出ていない様子を表します。日本語の「潜在的」という言葉も、この"latent"から派生しており、語源を理解することで、より深く単語の意味を捉えることができます。
暗記法
「latent」は、ロマン主義の時代から、理性では捉えきれない人間の内なる情熱を象徴してきました。抑圧された感情、未開発の才能、社会の制約…表面的な安定の裏に潜む、目に見えないけれど確かに存在するエネルギー。奴隷制度廃止運動や冷戦下の民主化運動では、社会変革の原動力となる「潜在的な抵抗の力」を意味しました。AIやキャリア開発においては、秘められた可能性に光を当てる言葉として、希望を託されています。
混同しやすい単語
『latent』と発音が非常に似ており、特にアメリカ英語では母音の区別が曖昧になることがある。綴りも 'la-' と 'pa-' の違いのみで視覚的に混同しやすい。意味は『特許』であり、名詞または動詞として使われる。日本人学習者は、文脈から判断するだけでなく、発音記号を確認して意識的に発音を区別する必要がある。語源的には、'patent' は『公に開かれた』という意味のラテン語に由来し、特許が公開情報であることに繋がっている。
古英語に存在した単語で、現代英語ではほとんど使われない。『遅い』という意味合いがあった。発音が似ており、古い文献などで見かけると『latent』と誤認する可能性がある。現代英語学習者は、このような古語との混同を避けるため、現代英語の辞書やコーパスを参照することが重要。
『latent』と語頭の音が似ており、特に早口で話される場合に聞き間違えやすい。意味は『最新の』であり、形容詞として使われる。日本人学習者は、文脈を注意深く聞き取るだけでなく、子音の発音を意識して区別する必要がある。『latest』は『late』の最上級であり、時間的な概念を表す。
語頭の音が似ており、特に発音練習が不十分な場合、聞き間違えやすい。綴りも 'lame-' の部分が共通しているため、視覚的にも混同しやすい。意味は『嘆き悲しむ』であり、動詞または名詞として使われる。日本人学習者は、発音記号を確認し、それぞれの単語のアクセント位置を意識して発音を区別する必要がある。『lament』は感情的な苦痛を表す言葉。
語尾の '-ent' が共通しており、発音の響きが似ているため、混同しやすい。意味は『付き添い人』や『係員』であり、名詞として使われる。また、『attending』という形容詞の形もある。日本人学習者は、語頭の音の違いを意識し、文脈から判断することが重要。『attendant』は誰かに付き添ったり、何かを担当したりする人を指す。
発音が似ており、特に母音の区別が曖昧な場合に聞き間違えやすい。綴りも『lead』という単語が隠れているため、視覚的にも混同しやすい。意味は『鉛の』であり、形容詞として使われる。また、「鉛色」という意味もある。日本人学習者は、発音記号を確認し、それぞれの単語の母音を意識して発音を区別する必要がある。『leaden』は重さや鈍さを連想させる言葉。
誤用例
「latent」は「潜在的な」という意味ですが、日本語の「潜在能力」を直訳すると不自然になることがあります。英語では、才能がまだ表面化していないニュアンスを伝えたい場合、「untapped potential」の方が自然です。また、「latent talent」は、才能が眠っている状態を指すため、それを「develop(開発する)」という行為者と目的語の関係性が不自然に聞こえる場合があります。より自然な英語では、才能の主体である「employee」の「potential(可能性)」を主語にします。日本語の受動態的な表現を直訳するのではなく、英語の能動態で表現する方がスムーズな場合があります。
「latent」は「表面に現れていない」という意味ですが、怒りの感情など、今にも爆発しそうなニュアンスを含む場合は「barely suppressed(かろうじて抑えられた)」の方が適切です。「latent」は、より長期的に潜在している状態を表すのに適しています。日本語の「潜在的な怒り」という表現をそのまま英語にすると、不自然になることがあります。英語では、怒りの種類や状態に応じて、より具体的な形容詞を選ぶことが重要です。また、文化的な背景として、感情をストレートに表現しない日本人が、英語でも控えめな表現を選びがちですが、英語では感情をより直接的に表現する方が自然な場合もあります。
「latent」は知識や理解に対して使うと、その知識がまだ発揮されていない、あるいは意識されていないニュアンスを含みます。しかし、量子物理学のような高度な知識の場合、「latent」を使うと、まるで彼女がまだその知識を理解していないかのような印象を与えてしまいます。ここでは、彼女がすでに量子物理学を深く理解していることを示すために、「intuitive grasp(直感的な理解)」という表現を使う方が適切です。日本語の「潜在的な理解」という表現を直訳すると、誤解を招く可能性があります。英語では、知識のレベルや質に応じて、より適切な表現を選ぶことが重要です。さらに、「latent」はフォーマルな文脈で使われることが多いですが、「intuitive grasp」はより自然で親しみやすい表現です。
文化的背景
「latent」は、表面には現れない潜在的な力や可能性を指し、しばしば抑圧された感情や未開発の才能といった、目に見えないけれど確かに存在するエネルギーの象徴として用いられます。この単語は、社会が個人に課す制約や、歴史の中で長い間眠っていた思想や発明が、ある時を境に花開く様子を表現する際に、特にその文化的意義を帯びてきます。
「latent」が持つ含意は、特に19世紀のロマン主義運動と深く結びついています。ロマン主義者たちは、理性や科学では捉えきれない、人間の内面に潜む感情や直感、創造性を重視しました。彼らは、社会の規範や抑圧によって隠された「latent」な情熱こそが、芸術や文学の源泉であると考えたのです。例えば、ゴシック小説においては、主人公の内面に潜む狂気や欲望が「latent」な形で描かれ、読者に恐怖と興奮を与えました。また、フロイトの精神分析学も、「latent」という概念に大きな影響を与えました。フロイトは、人間の無意識の中に抑圧された欲望や記憶が「latent」な形で存在し、夢や神経症といった形で表面化すると考えたのです。
さらに、社会構造や政治的背景と結びついた意味の変化も見逃せません。例えば、奴隷制度廃止運動においては、抑圧された人々の間に存在する「latent」な抵抗の力が、最終的に社会変革を成し遂げる原動力となると信じられました。また、冷戦時代には、共産主義国家における「latent」な民主化への願望が、西側諸国からの情報流入や文化交流によって刺激され、体制崩壊の一因となったと分析されています。このように、「latent」は、表面的な安定や秩序の裏に潜む、変化や革命の可能性を示唆する言葉としても用いられてきました。
現代社会においても、「latent」は様々な分野でその存在感を示しています。例えば、AI技術においては、学習データの中に潜む「latent」なパターンを発見し、新たな知識や予測を生み出すことが重要視されています。また、個人のキャリア開発においては、自分自身の「latent」な才能を見つけ出し、それを開花させることが成功の鍵となると考えられています。「latent」は、単に隠された状態を指すだけでなく、そこに秘められた可能性やエネルギーに光を当てる、希望に満ちた言葉でもあるのです。
試験傾向
準1級・1級の長文読解や語彙問題で出題される可能性があります。1級ではエッセイの記述語彙としても有用です。文脈から意味を推測する問題や、同意語・類義語を選ぶ問題で問われることが多いです。注意点としては、潜在的な意味合いを理解し、文脈に合った適切な訳語を選ぶことです。
TOEIC L&Rでは、Part 5(短文穴埋め問題)やPart 7(長文読解問題)で登場する可能性があります。ビジネスシーンでの潜在的なリスクや可能性について言及する文脈で使われることが多いです。注意点としては、ビジネス英語特有の言い回しや関連語句と一緒に覚えることです。
TOEFL iBTのリーディングセクションで、アカデミックな文章の中で登場する可能性があります。心理学、社会学、科学などの分野で、潜在的な影響や原因を説明する際に使われることが多いです。注意点としては、抽象的な概念を表す言葉なので、具体的な例と結びつけて理解すること、また、類似の単語とのニュアンスの違いを把握することです。
難関大学の長文読解問題で出題される可能性があります。評論文や論説文で、潜在的な問題点や可能性について議論する文脈で使われることが多いです。注意点としては、文脈から意味を推測する練習をすること、また、同義語や反意語を覚えて語彙力を高めることです。