innocent
最初の母音/ɪ/は、日本語の「イ」よりも口を少し横に引いて短く発音します。ストレス(強勢)は最初の音節「イィ」に置くことを意識しましょう。語尾の「t」は、息を止めるように軽く発音するとより自然です(破裂させない)
専門的な内容に関するご注意
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無罪の
法的な文脈で、罪を犯していない、潔白であることを指す。または、純粋で汚れがない様子を表す。
The jury found the man innocent, and he cried with relief.
陪審員はその男性を無罪としました。彼は安堵して泣きました。
※ 法廷で陪審員が「無罪」と判断した瞬間を描いています。長い裁判の末、無罪が証明されて、被告人が心から安堵する様子が伝わります。「find O C」は「OをCだと見なす」という重要な表現で、この文では「その男性を無罪だと判断した」という意味になります。
Even though everyone suspected him, the boy insisted he was innocent.
みんなが彼を疑っていたけれども、その少年は自分は無罪だと主張しました。
※ みんなが疑っている中で、少年が「自分はやっていない、潔白だ」と強く主張する場面です。この「innocent」は、法的な「無罪」だけでなく、「悪いことをしていない、潔白だ」という意味でも使われます。「Even though」は「〜だけれども」という意味で、意外な状況や対比を表すときに便利です。
New evidence proved the arrested person was innocent and set them free.
新しい証拠が、逮捕された人が無罪であることを証明し、彼らを解放しました。
※ 新しい証拠が見つかり、逮捕されていた人が実は無罪だったことが証明され、解放される場面です。最初は有罪だと思われていた人が、真実が明らかになり自由になるという、希望のあるストーリーが伝わります。「prove O C」は「OがCだと証明する」という意味で、とてもよく使われます。「set free」は「解放する」という意味の句動詞です。
無邪気な
世間知らずで、悪意がない様子。子供や経験の浅い人に対して使われることが多い。
The little girl's innocent smile brightened the whole room.
その幼い女の子の無邪気な笑顔が、部屋全体を明るくした。
※ この例文は、子供の純粋で飾り気のない笑顔が、周りの雰囲気を明るくする様子を描いています。「innocent」は、悪意がなく、純粋な心を持つ様子を指すときに非常によく使われます。特に子供に対して使われることが多い、典型的な使い方です。
The small boy looked at his mother with innocent eyes after spilling juice.
その小さな男の子は、ジュースをこぼした後、無邪気な目で母親を見た。
※ この例文は、子供が何か失敗してしまったけれど、そこに悪気や意図的な悪さがないことを示しています。「innocent eyes(無邪気な目)」という表現は、純粋で何も知らない、あるいは悪意がない状態を伝える際によく用いられます。何かを壊したり汚したりしても、叱られないと分かっているかのような、子供ならではの様子が伝わります。
Our new puppy played with a leaf, full of innocent joy.
私たちの新しい子犬は、無邪気な喜びにあふれて葉っぱと遊んでいた。
※ 「innocent」は、子供だけでなく、動物の純粋な行動や感情を表現する際にも使われます。この例文では、子犬がただ葉っぱと遊んでいるだけの、何の計算もない純粋な喜びが伝わってきます。「full of ~」は「~でいっぱい」という意味で、感情や状態が満ち溢れている様子を表すのに便利です。
無邪気な人
特に子供など、純粋で世間知らずな人を指す。形容詞innocentから派生した用法。
The children laughed loudly in the park, looking like true innocents.
子供たちは公園で大きな声で笑い、まさに無邪気な人々のようでした。
※ 公園で無邪気に遊ぶ子供たちの姿が目に浮かぶような例文です。「innocent」は名詞で「無邪気な人」という意味ですが、このように複数形「innocents」として、無邪気な人々の集まりを指すことがよくあります。特に子供に対して使うのは非常に自然な表現です。
She is so kind and always believes the best in people; she is truly an innocent.
彼女はとても優しくて、いつも人の良い面を信じています。まさに純粋な人です。
※ この例文では、「an innocent」として、世間ずれしていない、純粋な心を持つ一人の大人を指しています。周りの複雑な状況や悪意に気づかず、良い面ばかりを見るような、純粋で傷つきやすい心を持つ人を表現するのに使われます。少し比喩的なニュアンスも含まれます。
We must protect the innocents from harm in times of conflict.
私たちは紛争時に、罪のない人々を危害から守らなければなりません。
※ ここでは「the innocents」が「罪のない人々」「無力な人々」という、集合的な意味合いで使われています。特に、戦争や災害など、危険な状況下で守られるべき対象として、その純粋さや無実さが強調される文脈でよく用いられます。少し硬いニュース記事や声明などで見かける表現です。
コロケーション
巻き添えを食った罪のない人、無関係な通行人
※ 事件や事故に偶然居合わせ、被害を受ける無関係な人を指します。法律や報道でよく使われる表現で、特に犯罪や紛争の文脈で『罪のない一般市民が犠牲になった』というニュアンスを含みます。構文は 'adjective + noun' で、innocent が bystander を修飾します。
世間知らずな外国人、海外旅行に不慣れな人
※ マーク・トウェインの旅行記『The Innocents Abroad』に由来する表現で、海外の文化や習慣に戸惑い、騙されやすい旅行者を指します。皮肉を込めて使われることが多く、ビジネスシーンではあまり使いません。構文は 'adjective + preposition + noun' です。
無罪を主張する
※ 法廷で被告が自身の無罪を主張することを意味します。法律用語として非常に一般的で、刑事事件の報道などで頻繁に目にします。'plead' は『嘆願する』という意味合いもありますが、ここでは『主張する』という意味で使われています。構文は 'verb + adjective' です。
罪のない楽しみ、ささやかな喜び
※ 誰かを傷つけたり、道徳的に問題があったりしない、純粋な楽しみを指します。例えば、子供が遊んでいる様子や、自然の中で過ごす時間などが該当します。'guilty pleasure'(後ろめたいけどやめられない楽しみ)の対義語として使われることもあります。構文は 'adjective + noun' です。
潔白を保つ、無罪のままでいる
※ 嫌疑がかけられた状況で、最終的に無罪であることが証明される、または罪を犯さずにいることを意味します。'remain' は『~のままでいる』という意味で、innocent の状態が継続することを強調します。報道や法律関連の文章でよく見られます。構文は 'verb + adjective' です。
無罪を証明する
※ 法廷や社会的な文脈で、自分が罪を犯していないことを証拠によって示すことを意味します。'prove' は『証明する』という意味で、積極的に無罪を立証するニュアンスがあります。冤罪事件などでよく使われます。構文は 'verb + adjective' です。
不正行為とは無縁である、不正行為に関与していない
※ 'wrongdoing' は不正行為、犯罪行為を意味し、それに 'innocent of' が続くことで、そのような行為とは全く関係がないことを強調します。企業や組織の声明などで、潔白を主張する際に使われることがあります。構文は 'adjective + preposition + noun' です。
使用シーン
法律、心理学、社会学などの分野で比較的頻繁に使用されます。法律の論文では「無罪の」という意味で、例えば「被告人は状況証拠から見て無罪である可能性が高い」のように使われます。心理学の研究では、子供の認知発達に関する研究で「無邪気な質問」や「純粋な好奇心」を表現する際に用いられます。社会学では、社会問題に関する議論で「無辜の犠牲者」という言葉が使われることがあります。
ビジネスシーンでは、契約や訴訟関連の文書で「無罪の」という意味で使用されることがあります。例えば、「第三者は本件に関して無罪であると判断された」というように、法的責任の有無を明確にする際に用いられます。日常的なビジネス会話ではあまり使われませんが、企業の倫理規定やコンプライアンスに関する研修資料などで見かけることがあります。
日常会話では、「無邪気な」という意味で子供や動物に対して使われることが多いです。例えば、「彼女の無邪気な笑顔に癒される」や「子犬が無邪気に遊んでいる」のように使われます。ニュース記事やドキュメンタリーでは、事件や事故の報道で「無実の罪で逮捕された」という表現が使われることがあります。また、比喩的に「無邪気な嘘」や「罪のない冗談」のように、悪意のない行為を表現する際にも用いられます。
関連語
類義語
- guileless
邪気のない、策略を知らないという意味。人の性格や態度を表す際に使われ、特に子供や世間知らずな人を指すことが多い。文学的な表現。 【ニュアンスの違い】"innocent"が法的な無罪や、道徳的な純粋さを含むのに対し、"guileless"はより無垢で世間ずれしていない様子を強調する。悪意がないことを意味する。 【混同しやすい点】"guileless"は、しばしば良い意味で使われるが、状況によっては「単純すぎる」「騙されやすい」といったニュアンスを含むことがある。また、フォーマルな場面で使われることが多い。
世間知らずで単純、経験不足からくる無邪気さを表す。人を批判的に評価する文脈や、注意喚起の文脈で使われることが多い。日常会話。 【ニュアンスの違い】"innocent"が無罪や潔白を意味するのに対し、"naive"は経験不足からくる判断の甘さを指摘する。しばしば批判的な意味合いを含む。 【混同しやすい点】"naive"は、しばしばネガティブな意味合いで使用される。"innocent"のように完全に肯定的な意味合いではない点に注意。また、他人を評価する際に使う言葉であり、自分自身を"naive"と表現することは少ない。
- blameless
非難されるべき点がない、責任がないという意味。特定の行為や状況において、責任を問われないことを示す。法律、倫理、道徳的な文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"innocent"が法的な無罪や道徳的な純粋さを含むのに対し、"blameless"は特定の行為に対する責任の有無に焦点を当てる。過失や責任がないことを意味する。 【混同しやすい点】"blameless"は、特定の行為や状況に限定して使われることが多い。"innocent"のように、人の性格全体を指すことは少ない。また、"blameless"は、必ずしも道徳的な意味合いを含まない。
完璧で非の打ち所がないという意味。行動、態度、外見などが完璧であることを強調する。フォーマルな場面や、称賛する文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】"innocent"が無罪や潔白を意味するのに対し、"impeccable"は完璧さや非の打ち所がないことを意味する。道徳的な意味合いは薄い。 【混同しやすい点】"impeccable"は、主に技術や外見の完璧さを表す際に用いられる。道徳的な意味合いは薄いため、"innocent"の類義語としては、意味の範囲が異なる点に注意。
無害である、危険がないという意味。人や物事が安全であることを示す。日常会話や、注意喚起の文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】"innocent"が無罪や潔白を意味するのに対し、"harmless"は危害を加えないことを意味する。道徳的な意味合いは薄い。 【混同しやすい点】"harmless"は、人だけでなく、物や状況に対しても使用できる。"innocent"は、主に人に対して使われる点に注意。また、"harmless"は、必ずしも良い意味合いを含まない場合がある(例:"harmless lie" - 罪のない嘘)。
- unsullied
汚されていない、純粋な状態を保っているという意味。名誉、評判、自然などが損なわれていないことを示す。文学的な表現や、環境保護の文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】"innocent"が無罪や潔白を意味するのに対し、"unsullied"は純粋さや元の状態が保たれていることを強調する。道徳的な意味合いを含むが、より詩的な表現。 【混同しやすい点】"unsullied"は、抽象的な概念や自然に対して使われることが多い。人に対して使う場合は、非常にフォーマルな場面に限られる。また、日常会話ではあまり使われない。
派生語
『無罪』『潔白』を意味する名詞。innocent の状態・性質を表す抽象名詞化。法廷や報道で『無罪の主張』などの文脈で頻繁に使われる。語尾の -ce は名詞化を示す。
『無邪気に』『罪なく』を意味する副詞。innocent に副詞語尾 -ly が付加。行動や発言の様子を表し、日常会話や物語で使われることが多い。『彼は無邪気に言った』のように。
- noxious
語源的にinnocent(害がない)と関連する。ラテン語の『nocere(害する)』に由来し、『有害な』という意味を持つ形容詞。innocentが『害がない』状態を示すのに対し、noxiousは『害がある』状態を示す。学術的な文脈や専門的な分野で使われる。
反意語
『有罪の』『罪悪感のある』を意味する形容詞。innocent が法的な無罪や潔白を指すのに対し、guilty は罪を犯した状態や罪の意識を持つ状態を指す。法廷や日常会話で対比的に使われる。
『非難に値する』『過失のある』を意味する形容詞。innocent が責任がないことを示すのに対し、culpable は責任がある、特に過失によって責任を負う状態を示す。法的な文脈や道徳的な議論で使われる。
『堕落した』『腐敗した』を意味する形容詞。innocent が純粋で無垢な状態を指すのに対し、corrupt は道徳的に堕落し、不正な状態を示す。政治、経済、社会など幅広い文脈で使用され、比喩的な意味合いも持つ。
語源
"innocent"は、ラテン語の"innocens"に由来します。これは"害を与えない"という意味で、"in-"(~でない)と"nocens"(害を与える、傷つける)から構成されています。"nocens"は"nocere"(害する、傷つける)という動詞の現在分詞です。つまり、直訳すると「害を与えない状態」となります。この語源を考えると、"innocent"が「無罪の」や「無邪気な」という意味を持つのは自然な流れです。例えば、日本の法律で「無罪推定の原則」という言葉がありますが、これはまさに"innocent until proven guilty"(有罪と証明されるまでは無罪)という考え方と一致します。"innocent"は、単に罪がないだけでなく、純粋で傷つきやすい状態も表す言葉として、幅広く使われています。
暗記法
「innocent」は、エデンの園の純粋さ、騎士道の乙女の如き穢れなき理想を宿す言葉。法においては「推定無罪」を意味するも、魔女狩りや冤罪の歴史が示すように、その価値は脆く、守られるべきもの。文学では、社会の欺瞞に抗うハックのように、物語を動かす純粋な力となる。紛争における罪なき犠牲者を指すように、政治的文脈でも重みを増し、常に倫理と正義を問いかける。
混同しやすい単語
『innocent』と『incident』は、どちらも語頭が 'in-' で始まるため、スペルと発音の両方で混同しやすい単語です。'Innocent' は『無罪の』『無邪気な』という意味の形容詞ですが、'incident' は『出来事』『事件』という意味の名詞です。特に、発音はアクセントの位置が異なるため、注意が必要です (innocent: in-uh-suhnt, incident: in-suh-duhnt)。語源的には、'innocent' はラテン語の 'nocere' (害する) の否定形に由来し、'incident' は 'cadere' (落ちる) に由来します。
『innocent』と『ignorant』は、どちらも否定的な意味合いを含む形容詞であり、語尾が '-ant' で終わるため、混同しやすいです。'Innocent' は『無知』という意味でも使われますが、これは『世間知らず』のようなニュアンスです。一方、'ignorant' は『無知な』『知らない』という意味で、知識や情報がない状態を指します。スペルも似ていますが、'g' の有無が異なります。発音も異なるため、注意が必要です (innocent: in-uh-suhnt, ignorant: ig-ner-uhnt)。
『innocent』と『noxious』は、どちらも形容詞であり、語尾の '-ous' が共通しているため、スペルと発音で混同しやすいです。'Innocent' は『無害な』という意味も持ちますが、'noxious' は『有害な』『有毒な』という意味で、正反対の意味を持ちます。発音も似ていますが、アクセントの位置と母音が異なるため、注意が必要です (innocent: in-uh-suhnt, noxious: nok-shuhs)。語源的には、'noxious' はラテン語の 'nocere' (害する) に由来し、'innocent' と関連があります。
『innocent』と『indecent』は、どちらも語頭が 'in-' で始まる形容詞であり、スペルと発音の両方で混同しやすいです。'Innocent' は『無邪気な』という意味ですが、'indecent' は『下品な』『わいせつな』という意味で、意味が大きく異なります。'Innocent' は無害であることを意味する一方、'indecent' は社会的な規範に反することを意味します。発音も異なるため、注意が必要です (innocent: in-uh-suhnt, indecent: in-dee-suhnt)。
『innocent』と『invent』は、どちらも語頭が 'in-' で始まるため、スペルが似ており、混同しやすいです。'Innocent' は形容詞ですが、'invent' は『発明する』という意味の動詞です。文脈が大きく異なるため、誤用は避けられますが、スペルミスには注意が必要です。発音も異なります (innocent: in-uh-suhnt, invent: in-vent)。'Invent' はラテン語の 'invenire' (見つける) に由来します。
『innocent』と『incentive』は、どちらも語頭が 'in-' で始まる名詞であり、スペルと発音で混同しやすいです。'Innocent' は『無罪の人』という意味で名詞としても使えますが、'incentive' は『動機』『刺激』という意味で使われます。発音が似ていますが、アクセントの位置が異なるため、注意が必要です (innocent: in-uh-suhnt, incentive: in-sen-tiv)。
誤用例
日本語の『〜に免疫がない』という表現を直訳すると、しばしばこのような誤用が生まれます。『innocent』は、法的な文脈や道徳的な潔白さを表す場合に用いられることがほとんどです。音楽や芸術などに対する知識や経験の浅さを表すには、より中立的な『not familiar with』や『new to』を使うのが適切です。日本人が『無知』という言葉を避け、婉曲的に表現しようとする心理が、この誤用の一因と考えられます。
『innocent』は『無罪である』という状態を指し、判決そのものを指すわけではありません。裁判官が無罪を宣告する際には、『not guilty』という言葉を用います。また、日本のドラマなどで見られるような、裁判官が笑顔で判決を言い渡すような状況は、英米の法廷では考えにくいです。より客観的で厳粛な手続きを重視する文化的な背景が影響しています。日本人が感情的な表現を好む傾向が、このような誤用につながることがあります。
『innocent』は、無邪気さや純粋さを表すこともありますが、この文脈では『世間知らず』や『単純』という意味合いが強くなります。特に、皮肉を理解できないことを強調したい場合には、『naive』を用いる方が適切です。日本人が『innocent』を肯定的な意味合いで捉えがちなのに対し、英語では文脈によっては侮蔑的なニュアンスを含むことがあるため注意が必要です。相手の知識や経験の不足を指摘する際には、より適切な単語を選ぶことが重要です。
文化的背景
「innocent(罪の無い、無邪気な)」という言葉は、西洋文化において、しばしば失われた純粋さ、理想、そして脆弱性の象徴として扱われます。それは、アダムとイブのエデンの園における原罪以前の状態、あるいは、中世の騎士道物語における汚れない乙女のイメージと結びつき、社会的な規範や道徳観念が複雑化する中で、人々の心の奥底にある根源的な善への憧憬を喚起します。
「innocent」という概念は、法制度においても重要な役割を果たします。近代法においては「推定無罪の原則」が確立されており、これは、すべての人は有罪が証明されるまでは「innocent(無罪)」であると見なされるべきだという考え方に基づいています。しかし、歴史を振り返ると、魔女狩りの時代や、冤罪事件など、「innocent」な人々が不当に裁かれる悲劇が繰り返されてきました。これらの出来事は、「innocent」という言葉の背後にある、脆く、守られるべき価値を浮き彫りにすると同時に、社会の正義に対する責任を強く訴えかけています。
文学や映画の世界では、「innocent」なキャラクターは、しばしば物語の推進力となります。例えば、マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』におけるハックは、社会の偽善や差別を目の当たりにしながらも、自身の良心に従って行動する「innocent」な存在として描かれています。また、アルフレッド・ヒッチコック監督の映画『逃走迷路』では、無実の罪を着せられた男が、真実を追求する中で、自身の「innocent」を証明しようとします。これらの作品は、「innocent」な人々が直面する困難や、社会の不条理を鮮やかに描き出し、観る者に深い感動と問いを与えます。
現代社会においては、「innocent」という言葉は、しばしば政治的な文脈でも用いられます。例えば、戦争や紛争における「innocent victims(罪のない犠牲者)」という表現は、人道的な支援を訴える際に、その悲惨さを強調するために使われます。また、児童虐待や性的搾取といった問題においては、「innocent」な子供たちを守ることが、社会全体の重要な課題として認識されています。このように、「innocent」という言葉は、時代や社会の変化とともに、その意味合いを深め、人々の倫理観や道徳観に深く根ざした、普遍的な価値観を象徴する言葉として、今もなお、私たちの社会に影響を与え続けています。
試験傾向
- 出題形式: 語彙問題、長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。2級でも稀に出題。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、倫理観などに関連する長文で使われることが多い。会話文でも使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 形容詞としての「無罪の」「無邪気な」の意味に加え、名詞としての用法(the innocent: 無実の人々)も覚えておく。文脈によって意味が異なるため注意。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: 頻度は高くないが、Part 7で稀に出題される。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス関連の倫理問題、訴訟、顧客対応などの文脈で使われることがある。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「無罪の」という意味で使われる場合、法的文書やニュース記事のような硬い表現で見られることが多い。ビジネスシーンでは、不正行為や過失がないことを示唆する文脈で使われる場合もある。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: アカデミックな文章で稀に出題
- 文脈・例題の特徴: 歴史、社会学、心理学などの分野における倫理的な議論や、科学研究におけるバイアスの有無などを議論する文脈で登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を説明する際に使われることが多い。文脈から意味を推測する練習が必要。
- 出題形式: 長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学で比較的頻出。標準的なレベルの大学でも出題の可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、倫理、歴史、環境問題など、幅広いテーマで使われる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈によって「無罪の」「無邪気な」「悪意のない」など、複数の意味があるため、文脈から適切な意味を判断できるようにする。派生語(innocence, innocently)も覚えておく。