impotent
第一音節に強勢があります。/ɪ/ は日本語の「イ」よりも口を少し開けて発音する短い母音です。 't' は母音に挟まれているため、軽く有声音化して「ドゥ」に近い音になることがあります。ただし、アメリカ英語では破裂音として強く発音されることもあります。語尾の 't' は、完全に発音しないか、弱く発音されることが多いです。
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無力な
肉体的、性的な意味での無力さ、あるいは影響力や効果を発揮できない状態を指す。しばしば、男性の性機能不全を婉曲的に表現するのに用いられる。
He felt completely impotent because he could do nothing to stop the fire.
彼は火事を止めるために何もできず、完全に無力だと感じた。
※ この例文は、自分の力ではどうにもならない状況に直面した時の、個人の絶望的な感情を表しています。「impotent」は、特に自分の努力や意思が及ばない場合に使うと、その無力感がより伝わります。
The small village felt impotent against the powerful storm.
その小さな村は、強力な嵐に対して無力だと感じた。
※ 巨大な自然の力や、圧倒的な問題に対して、集団や組織が「どうしようもない」と感じる状況を描写しています。災害や大きな社会問題など、個人の力を超える事柄に対して使われる典型的な例です。
The tiny army was impotent against the large invading force.
その小さな軍隊は、大規模な侵攻軍に対して無力だった。
※ この例文では、物理的な力や影響力が全く及ばない状況を示しています。「impotent」は、何かに対抗する力や効果がない、という文脈でも頻繁に使われます。ここでは、圧倒的な兵力差による無力感が伝わります。
効果がない
政治的な決定、法律、薬などが目的を達成できない、または期待される結果をもたらさない状態を指す。単に弱いだけでなく、本来あるべき効力がないことを強調する。
The old painkiller proved impotent against her throbbing migraine, leaving her in tears.
その古い鎮痛剤は、彼女のズキズキする偏頭痛には全く効果がなく、彼女は泣き崩れました。
※ 頭痛で苦しむ人が、期待していた薬を飲んだのに全く効かず、落胆している情景が目に浮かびます。このように、特定の対処法や薬が「効果がない」という状況でよく使われます。「proved impotent」で「効果がないと判明した」という意味になります。
Despite their desperate pleas, the villagers felt their protests were impotent against the large corporation's plans.
必死に懇願したにもかかわらず、村人たちはその大企業の計画に対して自分たちの抗議は無力だと感じました。
※ 村人たちが一生懸命に反対の声を上げたのに、それが全く聞き入れられず、状況を変えられないと感じている場面です。自分たちの行動や努力が、より大きな力の前で「効果がない」「無力だ」と感じる状況で使われる典型的な例です。
The manager's stern warnings became impotent as the team continued to miss their deadlines.
チームが締め切りを守り続けなかったため、部長の厳しい警告は効果がなくなってしまいました。
※ 上司がいくら厳しく注意しても、部下が改善せず、結局その警告が何の効力も持たなくなってしまった状況です。言葉や指示、ルールなどが、相手に響かず「効果がない」状態になる時によく使われます。
コロケーション
どうすることもできない怒り、無力感からくる激しい怒り
※ 「impotent」は「無力な」「効果がない」という意味ですが、「rage」と組み合わさることで、ただ怒り狂うだけで何も変えられない、もどかしい感情を表します。例えば、不当な扱いを受けたのに、立場上何も言い返せない状況などで感じやすいでしょう。この表現は、文学作品や映画などで、登場人物の心理描写としてよく用いられます。単なる怒り(anger)よりも、より深く、絶望的なニュアンスを含んでいます。
防ぐことができない、阻止する力がない
※ 「impotent」の後に「to + 動詞」が続くパターンで、特定の行動を阻止する能力がないことを強調します。例えば、「He was impotent to prevent the disaster.(彼は災害を防ぐことができなかった)」のように使います。これは、単に「できなかった」という事実だけでなく、「できるはずなのに、力が及ばなかった」という無念さや責任感を含んだニュアンスがあります。ニュース記事や報告書など、客観的な状況を説明する際に使われることが多い表現です。
無力感を感じる、どうしようもない気持ちになる
※ 「feel」という動詞と組み合わさることで、主観的な感情を表します。困難な状況に直面し、自分の力では何もできないと感じる時に使われます。例えば、「I felt impotent when I saw the suffering of the refugees.(難民の苦しみを見て、私は無力感を感じた)」のように使います。これは、単なる能力不足だけでなく、精神的な落ち込みや絶望感を含んだ表現です。心理学や社会学の分野で、個人の感情や社会現象を分析する際に用いられることがあります。
無力な政府、機能不全に陥った政府
※ 政治的な文脈でよく使われる表現で、政府が本来果たすべき役割を果たせない状態を指します。例えば、経済危機や自然災害に対して有効な対策を講じることができない政府を「impotent government」と表現します。これは、単に政策の失敗だけでなく、政府の権威や正当性が失われていることを示唆します。ニュース記事や政治評論などで、政府の現状を批判的に評価する際に用いられることが多い表現です。
何もできない犠牲者、抵抗できない被害者
※ 犯罪や事故などの被害者が、加害者に対して抵抗する力を持たない状態を表します。例えば、弱者や子供が虐待を受ける状況などを指します。これは、単に被害を受けたという事実だけでなく、被害者の無力さや絶望感を強調します。法律や社会福祉の分野で、弱者保護の必要性を訴える際に用いられることがあります。また、文学作品や映画などで、被害者の心理描写として用いられることもあります。
どうすることもできない怒り、無力感からくる怒り
※ 「impotent rage」と似ていますが、こちらはより一般的な怒りの感情を指します。具体的な行動に移せない、あるいは行動しても効果がないと分かっている状況で感じる怒りを表します。例えば、社会の不条理に対する怒りなど、個人的な力ではどうにもできない問題に対して抱く感情です。この表現は、社会問題や政治的なテーマを扱う際に、人々の不満や抵抗の感情を表現するために用いられます。
効果のない行動、無駄な努力
※ 善意から出た行動であっても、結果的に何も変わらない、あるいは状況を悪化させてしまうような行動を指します。例えば、貧困問題に対して、一時的な支援を行うことなどが挙げられます。これは、単に努力が無駄に終わったというだけでなく、問題の根本的な解決にはならないことを示唆します。社会政策や国際協力の分野で、長期的な視点や構造的な改革の必要性を訴える際に用いられることがあります。
使用シーン
学術論文、特に社会科学や医学分野で、政治的、経済的、あるいは生理学的な無力状態を議論する際に使用されます。例えば、政治学の研究で「政策決定における市民の無力感」を分析したり、医学研究で「特定の治療法が無効である」ことを示す際に用いられます。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、戦略や計画の失敗、または市場への影響力の欠如を表現する際に使用されることがあります。例えば、「新たなマーケティング戦略が無効であることが判明した」といった状況を報告する際に用いられます。ただし、より婉曲な表現が好まれる傾向があります。
日常会話では、直接的な表現を避ける傾向があるため、あまり使用されません。ニュース記事やドキュメンタリーなどで、社会問題や個人の苦境を説明する際に使用されることがあります。例えば、「政府の対策が無力である」といった文脈で見かけることがあります。
関連語
類義語
権力や影響力を持たない状態を指す。政治的な文脈や、個人の無力感を表現する際にも用いられる。日常会話でも比較的よく使われる。 【ニュアンスの違い】"impotent"よりも広い意味で使われ、必ずしも性的不能を意味しない。より一般的な無力感や、状況に対する支配力の欠如を表す。感情的なニュアンスも含むことが多い。 【混同しやすい点】"impotent"が特定の能力(特に性的能力)の欠如を指すのに対し、"powerless"はより広範な影響力の欠如を意味する。文脈によって意味合いが大きく異なる点に注意。
- ineffectual
効果がない、役に立たないという意味。計画、努力、人物などが目的を達成できない状態を表す。ビジネスや政治、学術的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"impotent"が能力の欠如を直接的に指すのに対し、"ineffectual"は能力はあるかもしれないが、結果が出ていない状態を示す。より客観的な評価に近い。 【混同しやすい点】"impotent"は人や組織の能力そのものの欠如を指すことが多いが、"ineffectual"は行動や計画が効果的でないことを指す。主語が異なる場合がある。
肉体的、精神的に弱い状態を指す。体力がない、意志が弱い、影響力がないなど、様々な意味合いを持つ。日常会話で非常によく使われる。 【ニュアンスの違い】"impotent"が特定の機能不全を指すのに対し、"weak"はより一般的な弱さを示す。感情的なニュアンスも含まれやすい。比喩的な意味でも頻繁に使われる。 【混同しやすい点】"impotent"は主に男性の性的不能を指すことが多いが、"weak"は性別に関係なく、様々な弱さを表現できる。文脈によって意味が大きく異なる。
助けがない、自分ではどうすることもできない状態を指す。困難な状況に直面し、誰かの助けを必要としている状態を表す。感情的な文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"impotent"が能力の欠如を強調するのに対し、"helpless"は状況に対する無力感を強調する。より感情的なニュアンスが強い。 【混同しやすい点】"impotent"は主に能力不足を指すが、"helpless"は能力があっても状況的にどうすることもできない場合も含む。緊急時や困難な状況でよく使われる。
- castrated
去勢された、力を奪われたという意味。比喩的に、権力や影響力を奪われた状態を指す。文学的な表現や、政治的な批判で用いられることがある。 【ニュアンスの違い】"impotent"が性的不能を婉曲的に指す場合があるのに対し、"castrated"はより直接的に力を奪われた状態を表現する。強い感情的なニュアンスを含む。 【混同しやすい点】"impotent"は必ずしも権力を奪われたことを意味しないが、"castrated"は権力や影響力を奪われた状態を強く示唆する。使用頻度は比較的低い。
- emasculated
男らしさを奪われた、自信を喪失したという意味。精神的なダメージを受け、男性としての自信を失った状態を表す。文学的な表現や心理学的な文脈で用いられる。 【ニュアンスの違い】"impotent"が性的不能を指す場合があるのに対し、"emasculated"はより広範な男性性の喪失を意味する。精神的なダメージに焦点を当てている。 【混同しやすい点】"impotent"は身体的な機能不全を指す場合があるが、"emasculated"は精神的な影響を強調する。より感情的なニュアンスが強く、使用頻度は低い。
派生語
- omnipotence
『全能』という意味の名詞。『omni-(すべて)』+『potent(力のある)』+『-ence(名詞化)』で構成され、『すべてをなせる力』を表す。哲学や神学、文学作品で、神や超自然的な存在の属性として用いられる。
『潜在的な』『可能性のある』という意味の形容詞。名詞としては『潜在能力』『可能性』を意味する。語源的には『力を持つことができる』というニュアンス。ビジネス、科学、日常会話など幅広い文脈で使用される。
『潜在的に』『可能性として』という意味の副詞。『potential』に副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。ある事象が起こりうる可能性を控えめに示す際に用いられ、ビジネス文書や科学論文などで頻繁に見られる。
語源
「impotent」は、ラテン語の「impotens」(無力な、支配できない)に由来します。これは、「in-」(否定を表す接頭辞、日本語の「非〜」や「不〜」に相当)と、「potens」(力のある、強力な)が組み合わさったものです。「potens」は、「posse」(〜できる、〜する力がある)という動詞の現在分詞に由来します。つまり、文字通りには「力がない」状態を指します。日本語で例えるなら、「ポテンシャル(potential)」という言葉も「posse」を語源とするので、この単語と関連付けて考えると覚えやすいでしょう。「impotent」は、物理的な力がない状態だけでなく、影響力や効果がない状態も意味するようになり、比喩的な意味合いも持つようになりました。現代英語では、政治的な無力さや、医学的な意味合いでも用いられます。
暗記法
「impotent」は、単なる無力さを示す言葉ではありません。中世では、王侯貴族の生殖能力の欠如を意味し、それは家系の断絶、ひいては国家の危機を招く象徴でした。シェイクスピアの悲劇にも描かれたように、権力者の「無力」は、社会秩序の崩壊を暗示します。近代に入ると、国家や組織の無力さ、個人の無力感を指すようになり、社会運動の中で苦悩を表現する言葉としても用いられました。男性性、権力、社会的期待…「impotent」の背後には、歴史と文化が深く刻まれています。
混同しやすい単語
『impotent』と『important』は、スペルが非常に似ており、特に筆記体や手書きの場合に混同しやすいです。発音も最初の数音節が似ていますが、『impotent』は「インポテント」、『important』は「インポータント」と、アクセントの位置と母音が異なります。『impotent』は「無力な、不能の」という意味で、ネガティブな意味合いが強いのに対し、『important』は「重要な」という意味で、ポジティブな意味合いが強いです。日本人学習者は、スペルを注意深く確認し、文脈から意味を判断するようにしましょう。語源的には、『impotent』は「力がない」という意味のラテン語から来ており、『important』は「持ち込む、運ぶ」という意味のラテン語が語源です。
『impotent』と『patent』は、発音が似ており、特にカタカナ英語で発音した場合に混同しやすいです。また、スペルも最初の数文字が同じであるため、視覚的にも混同しやすいです。『impotent』は「無力な、不能の」という意味で、形容詞ですが、『patent』は「特許」という意味の名詞、または「明白な」という意味の形容詞として使われます。文脈によって意味が大きく異なるため、注意が必要です。日本人学習者は、発音の違い(特にアクセントの位置)と、文法的な役割(品詞)に注意して区別しましょう。『patent』は、ラテン語の「開いている」という意味の言葉が語源で、「公に公開された」という意味合いがあります。
『impotent』と『imminent』は、どちらも接頭辞 'im-' で始まり、スペルも似ているため、視覚的に混同しやすいです。発音も最初の部分が似ていますが、アクセントの位置が異なります。『impotent』は「無力な、不能の」という意味ですが、『imminent』は「差し迫った、切迫した」という意味です。意味も大きく異なるため、文脈から判断することが重要です。日本人学習者は、スペルを正確に覚え、それぞれの単語が持つ意味の違いを理解するようにしましょう。『imminent』は、「突き出す、迫る」という意味のラテン語が語源です。
『omnipotent』は『impotent』の反対の意味を持つ単語ですが、スペルの一部が共通しているため、混同されることがあります。『impotent』は「無力な」という意味ですが、『omnipotent』は「全能の」という意味です。接頭辞 'omni-' は「すべての」という意味を持ち、'potent'(力のある)を修飾することで「全能の」という意味になります。日本人学習者は、接頭辞の意味を理解することで、単語の意味を推測しやすくなります。
『impotent』と『importune』は、スペルが似ており、特に 'import-' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なります。『impotent』は「無力な、不能の」という意味ですが、『importune』は「しつこく頼む、せがむ」という意味の動詞です。意味も大きく異なるため、文脈から判断することが重要です。日本人学習者は、スペルを正確に覚え、それぞれの単語が持つ意味の違いを理解するようにしましょう。『importune』は、「都合の悪い時に港に入る」という比喩的な意味合いから、「しつこく頼む」という意味になったと言われています。
『patient』は『impotent』と直接的なスペルや発音の類似性はありませんが、医療の文脈で両方とも登場する可能性があるため、意味の混同が生じやすいです。『impotent』は性的不能などの意味で使われることがあり、『patient』は「患者」という意味です。文脈によっては、患者の状態を表す形容詞として『impotent』が使用されることもあります。日本人学習者は、文脈を注意深く読み、それぞれの単語が持つ意味の違いを理解するようにしましょう。
誤用例
『impotent』は、文字通りには『無力な』という意味ですが、人の性的不能を指す場合が多く、フォーマルな文脈で政府の政策などを批判する際に使うと、非常に不適切で下品な印象を与えます。より一般的な『ineffective(効果がない)』や『weak(弱い)』を使うのが適切です。日本人は、単語の意味だけを捉えてしまい、語感や社会的なタブーに気づかないことがあります。日本語の『無力』を安易に『impotent』に変換してしまうのが原因です。
ここでも『impotent』は『無力』という意味で使われていますが、やはり性的不能のニュアンスが強く残ります。より一般的な『powerless』を使う方が無難です。特に感情を表現する場合には、性的意味合いを避けることが重要です。日本人は、英語の単語を辞書的な意味だけで捉えがちですが、言葉には文化的な背景やタブーが存在することを意識する必要があります。日本語の『無力感』をストレートに英訳しようとする際に、適切な代替表現を検討せずに『impotent』を選んでしまうのは、語感のずれに気づいていない典型的な例です。
『impotent』は権力や権威を持つ者が、その力を発揮できない状況を指すこともありますが、やはり性的不能のニュアンスがつきまといます。よりフォーマルで中立的な表現として『unable』や『incapable』を使うのが適切です。歴史的な文脈や文学作品では使われることもありますが、現代英語では避けるべきでしょう。日本人は、古くからの英語表現を現代でも使えると思い込んでしまうことがありますが、言葉は時代とともに変化することを理解する必要があります。特に歴史小説やファンタジー作品に頻出する表現を、現代社会でそのまま使うことの違和感に注意が必要です。
文化的背景
「impotent(無力)」という言葉は、単に物理的な力がない状態を示すだけでなく、歴史的に男性性、権力、そして社会的地位と深く結びついてきました。特に、王侯貴族や権力者の「無力さ」は、国家の衰退や社会秩序の崩壊を象徴するものとして、文学や歴史の中で繰り返し描かれてきました。
中世ヨーロッパにおいて、「impotent」は、主に男性の生殖能力の欠如を意味する言葉として用いられました。しかし、それは単なる医学的な問題に留まらず、家系を存続させ、領土を維持するという、当時の社会における男性の最も重要な役割を果たすことができないという、深刻な社会的、政治的な意味合いを帯びていました。王や貴族が「impotent」であることは、後継者問題を引き起こし、国家の安定を揺るがす可能性があったため、公然の秘密として扱われたり、時には陰謀の種になったりもしました。文学作品では、シェイクスピアの悲劇『リチャード二世』において、王権を失い、無力化していくリチャード二世の姿が、「impotent」という言葉が持つ象徴性を強く印象付けています。
時代が下り、近代になると、「impotent」は、より広範な意味を持つようになります。政治的な文脈においては、国家や組織が、その目的を達成するための力や影響力を持たない状態を指すようになりました。例えば、国際連盟が第二次世界大戦の勃発を防ぐことができなかったとき、その「impotence(無力さ)」は、国際社会における集団安全保障体制の限界を示すものとして批判されました。また、社会的な文脈においては、個人が、自身の置かれた状況を改善したり、社会的な不正に対抗したりする力を持たない状態を指すこともあります。こうした意味合いにおいて、「impotent」は、抑圧された人々や疎外された人々の苦悩を表現する言葉として、文学や社会運動の中で用いられてきました。
現代においては、男性の性的不能を婉曲的に表現する言葉としても使われますが、その背後には、依然として男性性、権力、そして社会的な期待という複雑な文化的背景が潜んでいます。したがって、「impotent」という言葉を理解することは、単にその字義的な意味を知るだけでなく、歴史、社会、そして文化的な文脈の中で、その言葉がどのように使われ、どのような意味合いを帯びてきたのかを理解することでもあると言えるでしょう。
試験傾向
この単語が英検で直接問われる頻度は低いですが、準1級以上の長文読解で、関連語句や派生語の意味を推測する形で出題される可能性はあります。文脈から意味を判断する練習が重要です。
TOEICでは、ビジネスの文脈で「無力な」「効果がない」という意味で使われる可能性があります。Part 5の語彙問題やPart 7の長文読解で、同意語・反意語を選ぶ問題で問われる可能性があります。ただし、頻度は高くありません。
TOEFLのアカデミックな文章では、「(政治的・社会的に)影響力がない」「効果がない」という意味で使われる可能性があります。読解問題で、文脈から単語の意味を推測する問題や、パラフレーズされた文を選択する問題で出題される可能性があります。名詞形や派生語にも注意が必要です。
大学受験では、難関大学の長文読解で出題される可能性があります。文脈から意味を推測する問題や、内容説明問題で問われる可能性があります。政治、経済、社会問題に関する文章で使われることが多いです。