forth
th の発音は、舌先を上下の前歯で軽く挟み、息を摩擦させて出す音です。日本語にはない音なので意識的に練習しましょう。「ス」に近い音になりますが、声帯は振動しません。/ɔːr/ は口を大きく開けて発音する「オー」の音で、日本語の「オ」よりも口を丸める必要があります。また、アメリカ英語では/r/の音が入りますが、イギリス英語では/r/の音は弱まるか、ほとんど発音されません。
前方へ
物理的な方向だけでなく、時間的な未来や、計画の進行などを指す場合にも使われる。go forth (前進する), bring forth (生み出す), and so forth (等々) など、様々な句動詞で用いられる。
He stepped forth bravely to face the challenge.
彼は勇敢に前に踏み出し、その課題に立ち向かった。
※ 困難な状況で一歩前に進む決意を表す場面です。「step forth」は「前に出る、踏み出す」という、物理的な動きによく使われる典型的な表現。「forth」によって、勇気を出して前へ進む人の姿が目に浮かびますね。
The small plant put forth new leaves in the warm spring sun.
小さな植物が暖かい春の日差しの中で新しい葉を出した。
※ 「put forth」は、植物が芽や葉を「出す、生やす」ときに使われる表現です。まるで新しい生命が外に向かって伸びていくようなイメージが「forth」に込められています。春の穏やかな情景が目に浮かびますね。
The lighthouse sent forth a bright beam of light into the dark night.
灯台は暗い夜の中に明るい光の筋を放った。
※ 「send forth」は、光や音などが「外に向かって放たれる」ときに使われる典型的な表現です。暗闇の中で一筋の光が遠くまで届く様子が鮮やかに描かれています。「forth」によって、光が前方へ力強く進んでいくイメージが伝わります。
表へ
隠されていたものが明らかになる、公になる、という意味合いを含む。come forth (現れる), put forth (発表する) など。
The shy child slowly came forth from behind the big curtain.
内気な子供が、大きなカーテンの後ろからゆっくりと姿を現しました。
※ この例文は、誰かが「隠れている場所から外へ出てくる」という、forthの最も基本的な使い方を表しています。シャイな子が、勇気を出して一歩踏み出すような、心温まる情景が目に浮かびますね。'come forth' で『出てくる』という意味のフレーズになります。
With a deep breath, the explorer stepped forth into the dark cave.
深呼吸をして、探検家は暗い洞窟の中へと一歩踏み出しました。
※ ここでは、探検家が未知の場所へ『前進する』『行動を起こす』というforthのニュアンスがよくわかります。一歩踏み出す前の緊張感と決意が感じられますね。'step forth' は『一歩踏み出す』という意味で、物理的な前進だけでなく、新しい挑戦を始める際にも使われます。
Finally, the new company policy was put forth at the morning meeting.
ついに、新しい会社の方針が朝の会議で発表されました。
※ この例文では、情報や提案が『公に提示される』『発表される』というforthの使い方を示しています。会議での発表は、多くの人が注目する瞬間であり、新しい方針への期待や戸惑いが混じる場面が想像できますね。'put forth' は『提示する』『発表する』という意味のフレーズで、ビジネスシーンなどでもよく使われます。
コロケーション
(計画・考えなどを)提示する、説明する / (旅などに)出発する
※ 「set forth」は、何かを公に提示したり、明確に説明したりする意味で使われます。ビジネスシーンや学術的な文脈で、計画、提案、意見などを丁寧に説明する際に適しています。また、旅や冒険に出発するという意味もあり、やや古風で文学的な響きがあります。例えば、"The report sets forth a detailed analysis of the market."(報告書は市場の詳細な分析を提示している)のように使います。出発の意味では、"They set forth on their journey early in the morning."(彼らは朝早く旅に出発した)のように使われます。
(結果・証拠などを)生み出す、もたらす / (子供を)出産する
※ "bring forth"は、努力や行動の結果として何かを生み出す、または証拠などを提示する意味で使われます。また、古風な表現として、子供を出産するという意味もあります。例えば、"The research brought forth some unexpected results."(その研究は予期せぬ結果をもたらした)のように使います。出産の意味では、"She brought forth a healthy baby boy."(彼女は元気な男の子を出産した)のように使われます。ややフォーマルな響きがあります。
今日から、今後
※ "from this day forth"は、公式な宣言や誓約などで、「今日から今後」という意味を強調するために使われます。やや古風で厳粛な印象を与えるため、契約書や法的な文書、あるいは演説などで用いられることが多いです。日常会話ではあまり使われません。例えば、"From this day forth, I pledge to uphold the values of this company."(今日から今後、私はこの会社の価値観を支持することを誓います)のように使われます。
など、以下同様
※ "and so forth"は、リストの一部を挙げた後、「その他も同様」という意味で使われます。日常会話でよく用いられ、カジュアルな表現です。ただし、フォーマルな文書やビジネスシーンでは、具体的に列挙する方が望ましいです。例えば、"We need to buy milk, eggs, bread, and so forth."(牛乳、卵、パンなどを買う必要があります)のように使われます。
(努力・提案などを)差し出す、提出する
※ "put forth"は、努力、提案、アイデアなどを積極的に差し出す、または提出するという意味で使われます。ビジネスシーンや会議などで、自分の意見や提案を述べる際に適しています。例えば、"She put forth a new marketing strategy at the meeting."(彼女は会議で新しいマーケティング戦略を提案した)のように使われます。積極的に行動するニュアンスが含まれます。
(命令・許可を受けて)出発する、進む
※ "go forth"は、何かを命じられたり、許可されたりして、そこから出発する、または進むという意味で使われます。聖書や文学作品に多く見られる表現で、やや古風で荘厳な響きがあります。日常会話ではあまり使われません。例えば、"Go forth and spread the word."(行って、その言葉を広めなさい)のように使われます。
(隠れていたものが)現れる、公になる
※ "come forth"は、隠されていたもの、秘密にされていたものなどが、公になる、または現れるという意味で使われます。ニュース記事や法廷ドラマなどでよく見られる表現で、ややドラマチックなニュアンスがあります。例えば、"New evidence came forth during the trial."(裁判中に新たな証拠が現れた)のように使われます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、データや理論の展開を説明する際に使われます。例えば、「実験結果から新たな仮説が導き出される(brought forth)」のように、結果や結論が導き出されるプロセスを記述する際に使用されます。文語的な表現であり、客観性と論理性が求められる場面で用いられます。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、提案や計画を提示する際に使われることがあります。「新たな戦略を打ち出す(put forth)」のように、アイデアや計画を公式に提示するニュアンスで使用されます。フォーマルな文脈で使用され、日常会話ではあまり使われません。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース報道やドキュメンタリーなどで、意見や情報が公にされる状況を説明する際に使われることがあります。例えば、「政府が新たな政策を発表した(put forth)」のように、公式な発表や声明を伝える際に用いられます。やや硬い表現であり、フォーマルな印象を与えます。
関連語
類義語
『前へ』という意味で、物理的な方向や、計画・提案などを進める際に使われる。副詞、形容詞、動詞として用いられる。 【ニュアンスの違い】『forth』よりも一般的で、日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる。物理的な移動だけでなく、抽象的な意味での『前進』も表せる。『forth』よりも頻繁に使われる。 【混同しやすい点】『forward』は『to the front』の意味だけでなく、『to promote』の意味でも使われる点。『forth』は古風な表現であり、現代英語では『back and forth』のようなイディオム以外ではあまり見られない。
『外へ』という意味で、場所や空間の外に出る、または何かが現れる状況を表す。副詞、形容詞、名詞として用いられる。 【ニュアンスの違い】『forth』よりも直接的で具体的な移動を指すことが多い。『forth』はより抽象的な意味合いや、隠されていたものが出てくるニュアンスを含むことがある。 【混同しやすい点】『out』は単純に『外』という場所を示すのに対し、『forth』はそこから何かが生み出される、発表されるといった意味合いを含むことがある。例えば、『bring forth』は『produce』に近い意味になる。
- onward
『前へ』という意味で、旅や進行の継続、目標に向かって進む様子を表す。副詞、形容詞として用いられる。 【ニュアンスの違い】『forth』と同様に、継続的な進行や前進を強調するが、『onward』はより目標や目的地に向かって進むニュアンスが強い。『forth』は単に『前へ』という方向性を示すことが多い。 【混同しやすい点】『onward』は未来に向かって進むイメージが強く、『forth』は必ずしも未来志向ではない。『onward and upward』という成句は『ますます発展する』という意味でよく使われる。
『海外へ』という意味で、自国以外の国や地域へ行くことを表す。副詞として用いられる。 【ニュアンスの違い】『forth』とは異なり、具体的な場所(外国)への移動を指す。しかし、比喩的に『広く知れ渡る』という意味で使われる場合もある。 【混同しやすい点】『abroad』は場所が明確であるのに対し、『forth』は方向性を示すのみである。『go abroad』は『海外へ行く』という意味だが、『go forth』は『出発する』という意味になる。
『前方へ』という意味で、時間的または空間的に前方を指す。副詞として用いられる。 【ニュアンスの違い】『forth』よりも、時間的な意味合いで使用されることが多い。例えば、『plan ahead』は『事前に計画する』という意味になる。『forth』は時間的な意味合いは薄い。 【混同しやすい点】『ahead』は競争や比較の文脈でよく使われる(例:be ahead of someone)。『forth』は競争的な意味合いはほとんどない。
派生語
『forth』が元々持っていた『前へ』『先へ』という意味合いが、比較級の接尾辞『-er』によって『より先に』『より遠くへ』と発展した形容詞・副詞。物理的な距離だけでなく、時間や程度、抽象的な意味での『さらに』を表す。日常会話からビジネス、学術論文まで幅広く使用され、頻出語。
『further』に『more』が付加され、意味を強調した副詞。『さらに』『その上』という意味で、議論や説明を付け加える際に用いられる。主にフォーマルな文脈(ビジネス文書、学術論文など)で使用され、日常会話ではやや硬い印象を与える。
『forth』と『coming』が組み合わさり、『近づいてくる』『やってくる』という意味を持つ形容詞。予定されていることや、人が打ち解けやすい様子を表す。ビジネスシーンでは、情報や協力が『得られやすい』という意味合いで使われることもある。
反意語
『forth』が『前へ』という意味なのに対し、『back』は『後ろへ』という意味を持つ。物理的な方向だけでなく、時間的な後退や、進捗の逆行なども表す。文脈によっては『forth』の『公に』という意味合いに対して、『back』が『秘密裏に』という意味で対比されることもある。
『re-(後ろへ)』と『treat(引く)』が組み合わさり、『退却する』『撤退する』という意味を持つ動詞。『forth』が『前進』や『出現』を表すのに対し、こちらは『後退』や『隠蔽』を表す。軍事的な文脈だけでなく、比喩的に『(意見などを)撤回する』という意味でも使われる。
『遅れて』『後ろに』という意味を持つ前置詞・副詞。『forth』が『先へ』進むイメージなのに対し、『behind』は『取り残される』『遅れる』という状態を表す。時間、空間、進捗など、様々な文脈で使用される。
語源
"forth"は古英語の"fore"(前方へ、前に)に由来し、さらに遡るとゲルマン祖語の"fur"(前に)にたどり着きます。これは、日本語の「先(さき)」や「前方(ぜんぽう)」といった概念と共通する、空間的な位置関係を示す基本的な語彙です。接頭辞や接尾辞といった要素は含まれていませんが、この単語自体が「前へ」という方向性を示すシンプルな形をしています。現代英語では、物理的な方向だけでなく、「表に出る」「公になる」といった意味合いでも使用され、例えば"bring forth evidence"(証拠を提出する)のように、隠されていたものが明らかになる状況を表すこともあります。"fore-"という接頭辞を持つ単語(例:forecast, forehead)との関連性を意識すると、"forth"が持つ「前へ」という核となる意味がより深く理解できるでしょう。
暗記法
「forth」は単なる前進ではない。騎士道物語では、騎士が出陣する姿に勇気と変革の意志が宿る。隠された真実を明らかにし、未来を切り開く象徴だ。シェイクスピア劇では、囚人を引き出す場面で劇的な展開を予感させる。「From this day forth」という表現には、過去との決別と未来への誓いが込められている。現代では使用頻度が減ったものの、その精神は今も英語話者の心に息づいている。
混同しやすい単語
『forth』と『fourth』は、発音が非常に似ており、特に語尾の 'th' の有無が聞き取りにくいことが混同の原因です。『fourth』は『4番目』という意味の序数であり、品詞も異なります。スペルも 'u' が追加されているだけなので、注意が必要です。日本語の『フォース』というカタカナ英語の影響で、つい『fourth』を使ってしまうことがあるので気をつけましょう。
『forth』と『force』は、発音の最初の部分が似ていますが、語尾が異なります。スペルも似ているため、混同しやすいです。『force』は『力』という意味の名詞、または『強制する』という意味の動詞です。文脈によって意味が大きく異なるため、注意が必要です。語源的には、ラテン語の『fortis』(強い)に由来し、語源を意識すると関連語彙(effort, fortifyなど)とのつながりが見えてきます。
『forth』と『froth』は、最初の文字が異なるだけで、残りの部分は同じです。発音も似ていますが、『froth』は『泡』という意味の名詞です。スペルミスに注意する必要があります。視覚的な類似性に惑わされないようにしましょう。たとえば、ビールやカプチーノの『泡』をイメージすると覚えやすいでしょう。
『forth』と『worth』は、語尾の 'th' が共通しており、母音の発音が若干似ているため、混同されることがあります。『worth』は『価値』という意味の名詞、または『〜の価値がある』という意味の前置詞です。意味が全く異なるため、文脈で判断する必要があります。'be worth doing' のように、特定の構文でよく使われる点も覚えておきましょう。
『forth』と『fought』は、スペルが大きく異なりますが、発音が似ていると感じる学習者がいます。特に、母音の発音と語尾の子音の響きが似ているためです。『fought』は『fight』(戦う)の過去形・過去分詞であり、動詞です。文法的な役割も異なるため、注意が必要です。不規則動詞の活用形として、しっかりと覚えておきましょう。
『forth』と『north』は、語尾の 'rth' が共通しており、スペルの一部が似ています。発音も、母音の違いはあれど、全体的な響きが似ているため、混同されることがあります。『north』は『北』という意味の名詞であり、方位を表します。地図や地理に関する文脈でよく使われるため、覚えておきましょう。
誤用例
『put forth』は『提案する』という意味で使われることもありますが、この文脈では不自然です。より一般的な『put forward』が適切です。日本人は『forth』を『前に』という意味で捉え、『put forth』を文字通り『前に出す』と解釈しがちですが、『forth』は古風で、現代英語では特定の熟語以外ではあまり使われません。『put forward』は提案や意見を出す際に幅広く使える表現であり、ビジネスシーンにも適しています。
『come forth』は『現れる』という意味合いが強く、特に隠れていたものが公になるニュアンスを含みます。情報提供の文脈では、より一般的な『come forward』が適切です。日本人は『forth』を『公に』や『表に』といった意味で捉えがちですが、現代英語では『come forth』はやや古めかしい印象を与えます。『come forward』は自発的に情報を提供するニュアンスがあり、脅迫された状況ではやや皮肉な響きになりますが、文法的には適切です。
『From this day forth』は文語的で、やや大げさな印象を与えます。日常会話や現代的な文章では『From this day onward』がより自然です。日本人は時代劇やファンタジー作品の影響で『forth』を『〜より』という意味で捉えがちですが、現代英語では古風な表現とみなされます。より自然な英語を話すためには、現代的な表現を選ぶことが重要です。『onward』は『〜に向かって』という意味で、目標に向かって進む決意を示すのに適しています。
文化的背景
「forth」は、単なる「前へ」という意味を超え、積極的な行動、隠されていたものが明らかになる、あるいは何かが具体化・実現していく過程を象徴する言葉です。中世英語に起源を持ち、古英語の「fore」(前に)と関連がありますが、単に空間的な前進を示すだけでなく、意志や目的を持って何かを推し進めるニュアンスを含んでいます。
「forth」が持つ文化的意義は、特に中世の騎士道物語やアーサー王伝説において顕著です。騎士が「forth」に出陣する場面は、単なる物理的な移動ではなく、名誉や正義のために危険を冒して進む、英雄的な行為を意味しました。彼らは隠された真実を明らかにし、抑圧された人々を解放するために「forth」に進みます。この文脈において、「forth」は勇気、決意、そして社会的な変革を促す力強い象徴として機能しました。また、シェイクスピアの作品においても、「Bring forth the prisoner!(囚人を連れて来い!)」のように、隠されていた事実や人物を公の場に引き出す際に用いられ、劇的な展開を予感させる効果があります。
さらに、「forth」は、時間的な経過や未来への展望とも結びついています。「From this day forth(今日から今後)」という表現は、単に未来を指すだけでなく、過去との決別、新たな始まり、そして未来への誓いを意味します。結婚の誓いや法的な文書で用いられることが多く、その言葉には重みと責任が込められています。この表現は、個人や社会が過去の制約から解放され、より良い未来を築くための決意を示すものとして、文化的に重要な役割を果たしています。
現代英語では、「forth」単独で使用される頻度は減りましたが、「and so forth(等々)」のような複合表現として、その痕跡を残しています。しかし、その根底にある「前進」「顕現」「未来への意志」といった文化的ニュアンスは、今もなお英語話者の心に深く刻まれています。それは、過去の英雄たちの勇気、未来への希望、そして社会を変革する意志を象徴する言葉として、静かに息づいているのです。
試験傾向
この試験での「forth」の直接的な出題頻度は比較的低めです。しかし、英作文や面接で、例えば "and so forth" のように使うことができれば、語彙力のアピールになります。長文読解で間接的に意味を問われる可能性はあります。
TOEICでは、「forth」単体での出題頻度は高くありません。しかし、ビジネス文書で "back and forth"(往復)のようなイディオムの一部として登場することがあります。Part 5の語彙問題で、文脈から意味を推測させる形で出題される可能性はあります。
TOEFLのアカデミックな文章では、「forth」が使われる可能性はありますが、頻繁ではありません。もし登場するとすれば、抽象的な概念や議論の流れを示す文脈でしょう。例えば、"set forth a theory"(理論を提唱する)のように使われることがあります。読解問題で、文脈から意味を推測する能力が問われるでしょう。
大学受験の長文読解で「forth」が直接問われることは少ないですが、難関大学では出題される可能性があります。特に "back and forth" や "and so forth" といったイディオムを知っておくと役立ちます。文脈から意味を推測する問題が出題される可能性もあります。