formidable
強勢は 'mi' にあります。最初の 'for' は、日本語の『オ』よりも口を大きく開け、喉の奥から響かせるように発音します。'r' は、舌をどこにもつけずに発音する巻き舌に近い音です。最後の '-able' は、曖昧母音(schwa)が含まれるため、ぼやけたような 'ァ' の音になります。全体として、リズミカルに発音することを意識しましょう。
手強い
相手が強大で、打ち負かすのが難しい、または圧倒されるような印象を与える時に使う。物理的な強さだけでなく、知力、技術、規模など、あらゆる種類の強さに対して用いられる。
The opposing team's star player looked truly formidable on the court.
対戦相手のスター選手は、コート上で本当に手強く見えました。
※ バスケットボールの試合で、相手のエースが圧倒的な実力を見せていて、勝つのが難しいと感じる場面です。スポーツや競争の場で、相手が「強い」「手強い」と感じる状況でよく使われる典型的な例です。`looked formidable` で「手強く見えた」という印象を表しています。
Starting this big new project felt like a truly formidable challenge.
この大きな新しいプロジェクトを始めるのは、本当に手強い挑戦だと感じられました。
※ 新しい大きな仕事や課題が目の前にあり、その規模や難しさに圧倒され、「これは大変だぞ」と感じている場面です。仕事や学業で、難しい目標や大きな課題に直面した時に「手強い挑戦」として使われる、非常に自然な表現です。`formidable challenge` は非常によく使われる組み合わせです。
The old master's calm presence was formidable, making everyone quiet.
その老いた師の静かな存在感は手強く、皆を静かにさせました。
※ 経験豊かな師や、非常に能力の高い人物が、その場にいるだけで周りの人が圧倒され、静まり返るような場面です。ここでは `formidable` が人の「存在感」や「威厳」に対して使われています。必ずしも「戦う相手」だけでなく、尊敬や畏怖の念を抱かせるような人にも使えます。
圧倒的な
何かの規模、量、または質が非常に大きく、他を寄せ付けない、または畏敬の念を起こさせる様子。良い意味でも悪い意味でも使われる。
The champion boxer looked truly formidable in the ring.
そのチャンピオンボクサーは、リング上で本当に圧倒的に見えました。
※ この例文は、スポーツの試合などで「相手がとても強くて、勝つのが難しそう」と感じる場面にぴったりです。観客がそのボクサーの筋肉や集中した表情を見て、その強さに息をのむような、威圧感のある様子が伝わってきますね。「look + 形容詞」で「~に見える」という意味になります。
Climbing that huge mountain seemed like a formidable challenge for me.
あの巨大な山を登るのは、私にとって圧倒的な挑戦のように思えました。
※ 「formidable」は、達成するのが非常に難しい「課題」や「目標」に対してもよく使われます。目の前にそびえ立つ山を見て、「これは大変そうだ…」と少しひるむ気持ちが伝わってきます。目標や困難さを表す「challenge」と相性が良く、「seem like + 名詞」で「~のように見える/思える」という意味です。
The principal of the school had a formidable reputation for strictness.
その学校の校長先生は、厳しさに関して圧倒的な評判を持っていました。
※ この例文は、人や組織が持つ「威厳」や「影響力」が非常に大きく、近寄りがたいような場合を表しています。生徒たちが校長先生の姿を見るだけで背筋を伸ばし、その存在感に緊張する様子が目に浮かびます。「reputation for ~」は「~に関する評判」という意味で、ある特定の能力や性格が「圧倒的」である場合によく使われます。
やりがいのある
困難を伴うが、それを乗り越えた時に大きな達成感や成長が得られるような状況を表す。学習や仕事などの文脈で使われることが多い。
The chess master was a formidable player, but I felt excited to test my skills against him.
そのチェスの達人は手ごわい選手でしたが、彼を相手に自分の腕を試すことにワクワクしました。
※ この例文では、チェスの達人という「手ごわい(formidable)」相手に挑むことで、「自分の力を試せる」という「やりがい」を感じる様子が描かれています。スポーツやゲームで、強い相手と対戦する時に使われる典型的な場面です。`test my skills against him`で挑戦する気持ちが伝わります。
It was a formidable challenge, but the team felt a great sense of purpose working on the new project.
それは大変な挑戦でしたが、チームは新しいプロジェクトに取り組むことに大きな目的意識を感じました。
※ ここでは、新しいプロジェクトが「手ごわい(formidable)」挑戦であると同時に、チームがそれに「やりがい」を見出している様子を表しています。仕事や学業で、困難な課題に立ち向かう時に使われることが多いです。`a great sense of purpose`は「大きな目的意識」という意味で、仕事のやりがいを表す際によく使われます。
Reaching the summit of the formidable mountain was a dream for the experienced climber.
その手ごわい山の頂上に到達することは、経験豊富な登山家にとって夢でした。
※ 「formidable mountain」は、登るのが非常に困難で、しかし挑戦する価値のある「手ごわい山」を意味します。多くの登山家にとって、そのような山を征服することは大きな「やりがい」のある夢です。自然の壮大さや困難さを表現する際によく使われる表現です。`Reaching the summit`は「頂上に到達すること」という意味です。
コロケーション
手ごわい難題、打ち破るのが非常に難しい課題
※ 「formidable」が持つ「恐るべき」「圧倒的な」という意味合いが、課題の困難さを強調します。単に「difficult challenge」と言うよりも、乗り越えるには相当な努力と準備が必要であることを示唆する、より強い表現です。ビジネスシーンや学術的な文脈で、目標達成の難易度が高い状況を表す際に頻繁に用いられます。
手ごわい相手、打ち負かすのが難しい競争相手
※ 競争や対立の場面で、相手が非常に強く、油断できない存在であることを表します。スポーツ、政治、ビジネスなど、あらゆる分野で使われます。単に「strong opponent」と言うよりも、相手の能力や実績に対する敬意と警戒感が込められています。例えば、選挙戦で「formidable opponent」と言えば、単に強いだけでなく、組織力や資金力も兼ね備えた難敵であることを意味します。
恐るべき評判、畏怖の念を抱かせる名声
※ ある人物や組織が、その能力、実績、あるいは影響力によって、周囲から畏敬の念を抱かれている状態を表します。必ずしもネガティブな意味ではなく、尊敬や畏怖の念が含まれることが多いです。例えば、弁護士が「formidable reputation」を持つ場合、それは法廷での手腕や交渉力が高く評価されていることを意味します。ビジネスの世界では、競争相手が「formidable reputation」を持つ場合、その市場での地位や影響力を警戒する必要があります。
骨の折れる仕事、達成困難な任務
※ 非常に困難で、多くの時間と労力を要する仕事や任務を指します。「formidable challenge」と似ていますが、「task」はより具体的な作業や業務を指すことが多いです。例えば、大規模なプロジェクトの立ち上げや、複雑なシステムの構築などが「formidable task」に該当します。プロジェクトマネジメントやビジネスの文脈でよく使われ、計画と実行の重要性を強調する際に用いられます。
乗り越えがたい障壁、進むのを阻む大きな壁
※ 目標達成や進歩を妨げる、非常に大きな障害を指します。物理的な障害だけでなく、法的な規制や経済的な制約など、抽象的な障害も含まれます。例えば、新規事業の参入障壁や、国際貿易における関税などが「formidable barrier」となり得ます。政治や経済の文脈でよく使われ、課題解決の難しさを強調する際に用いられます。
並外れた知性、畏敬の念を抱かせる知力
※ 非常に高い知能や理解力を指し、その知性が周囲に畏怖の念を抱かせるほどであることを意味します。学術的な文脈や、知的エリートが集まる場でよく用いられます。単に「high intellect」と言うよりも、その知性が持つ影響力や潜在能力を強調する、より強い表現です。例えば、天才的な科学者や、難解な問題を解決する数学者などが「formidable intellect」を持つと表現されます。
圧倒的なほどの〜の数々、ずらりと並んだ〜
※ 「array」は「配列」「勢揃い」の意味で、「formidable array of + 名詞」で、種類や数が非常に多く、圧倒されるような印象を与えることを表します。例えば、「a formidable array of weapons(圧倒的な数の武器)」のように使われます。軍事的な文脈や、コレクションなどを表現する際に用いられることが多いです。単に「many」と言うよりも、その数や種類の多さが持つ力強さや威圧感を強調する表現です。
使用シーン
学術論文や専門書で、特に困難な問題や課題、あるいは優れた業績を表現する際に用いられます。例えば、「その研究チームは、formidableな課題に直面した(その研究チームは、手強い課題に直面した)。」のように、研究の困難さや重要性を強調する文脈で見られます。また、ある研究者が「formidableな業績を残した(圧倒的な業績を残した)」のように、その業績の大きさや影響力を表す場合にも使われます。比較的フォーマルな文体で使用されます。
ビジネスシーンでは、競合他社や市場の状況、あるいはプロジェクトの課題などを表現する際に、やや硬い表現として用いられます。例えば、「我々はformidableな競争相手に直面している(我々は手強い競争相手に直面している)。」のように、競争の激しさを強調する文脈で使用されます。また、プロジェクトの目標が「formidableな挑戦である(やりがいのある挑戦である)」のように、その難易度や達成の価値を示す場合にも使われます。報告書やプレゼンテーションなど、フォーマルな場面で用いられることが多いです。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、例えば「formidableな自然の力(圧倒的な自然の力)」のように、自然の脅威や偉大さを表現する際に用いられることがあります。あるいは、スポーツの試合で対戦相手が「formidableな相手である(手強い相手である)」のように、その強さを強調する文脈で見かけることがあります。一般的には、少し大げさな印象を与える可能性があるため、フォーマルな場面での使用が適切です。
関連語
類義語
困難さや挑戦の大きさを強調し、気力をくじくような、または圧倒されるような印象を与える。主に、仕事、課題、計画などに対して使われる。日常会話からビジネスシーン、学術的な文脈まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"Formidable"と同様に畏怖や尊敬の念を含みうるが、"daunting"はよりネガティブな感情、つまり気後れや不安感に重点が置かれる。主語は人ではなく、課題や状況であることが多い。 【混同しやすい点】"Formidable"が能力や力強さを表すのに対し、"daunting"は困難さや挑戦の大きさを表すため、人に対して使うと不自然になる場合がある。例えば、"a daunting task"(気が重くなるような仕事)は適切だが、"a daunting person"は通常不適切。
- intimidating
相手を威圧し、怖がらせるような印象を与える。人、場所、状況などに対して使われ、心理的な影響に重点が置かれる。日常会話やビジネスシーンでよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Formidable"が能力や影響力の大きさを表すのに対し、"intimidating"は相手に恐怖心や不安感を与えるという点で異なる。"Intimidating"は、相手をコントロールしようとする意図や、相手が無力だと感じさせる状況を表すことが多い。 【混同しやすい点】"Formidable"は必ずしもネガティブな意味を持たないが、"intimidating"は通常ネガティブな意味合いを持つ。例えば、"a formidable opponent"は手強い相手という意味だが、"an intimidating opponent"は威圧的な相手という意味になる。
感銘を与える、素晴らしいという意味。才能、業績、外見など、様々なものに対して使われる。日常会話からビジネスシーン、文学まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"Formidable"が力強さや畏怖の念を表すのに対し、"impressive"は賞賛や感銘を表す。"Impressive"は、相手を圧倒するような力強さではなく、優れた品質や成果に対して使われる。 【混同しやすい点】"Formidable"は潜在的な脅威や挑戦を示唆する場合があるが、"impressive"は純粋に肯定的な評価を表す。例えば、"a formidable challenge"は克服困難な挑戦という意味だが、"an impressive challenge"は通常不適切。
力強い、強力なという意味。物理的な力、政治的な力、影響力など、様々な種類の力に対して使われる。日常会話からビジネスシーン、ニュース記事まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"Formidable"は潜在的な力や影響力を示唆するのに対し、"powerful"は実際に力を行使している状態を表すことが多い。また、"formidable"は畏怖の念を含むことがあるが、"powerful"は必ずしもそうではない。 【混同しやすい点】"Formidable"は、必ずしも目に見える力である必要はないが、"powerful"は通常、具体的な力や影響力を伴う。例えば、"a formidable intellect"は非常に優れた知性という意味だが、"a powerful intellect"はあまり一般的ではない。
- redoubtable
畏敬の念を起こさせる、手ごわいという意味。人や軍事力に対して使われることが多い。比較的フォーマルな文脈や文学的な文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"Formidable"と非常に近い意味を持つが、"redoubtable"はより古風で、使用頻度が低い。また、"redoubtable"は、相手の尊敬の念を強調する傾向がある。 【混同しやすい点】"Redoubtable"は日常会話ではあまり使われず、やや古めかしい印象を与える可能性がある。また、"formidable"よりも使用頻度が低いため、誤解される可能性もある。
困難でやりがいがあるという意味。仕事、課題、状況などに対して使われる。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"Formidable"が圧倒的な力や能力を示唆するのに対し、"challenging"は克服すべき困難さや挑戦を表す。"Challenging"は、成長の機会や達成感に重点が置かれる。 【混同しやすい点】"Formidable"は必ずしもポジティブな意味を持たないが、"challenging"は通常ポジティブな意味合いを持つ。例えば、"a formidable opponent"は手強い相手という意味だが、"a challenging opponent"は通常不適切。"A challenging task"(やりがいのある仕事)は適切。
派生語
- formidability
『手ごわさ』『恐ろしさ』を意味する名詞。形容詞『formidable』に、名詞化の接尾辞『-ity』が付加されたもの。抽象的な概念を指すため、学術論文や、事態の深刻さを強調する文脈で用いられることが多い。例:『The formidability of the challenge』(課題の手ごわさ)。
『手ごわく』『恐ろしく』を意味する副詞。形容詞『formidable』に、副詞化の接尾辞『-ly』が付加されたもの。能力や才能が非常に優れている様子を表す際に使われることが多い。例:『formidably talented』(並外れた才能)。ビジネスシーンやニュース記事でも見られる。
反意語
- unassuming
『控えめな』『謙虚な』という意味の形容詞。『formidable』が威圧感や畏怖の念を起こさせるのに対し、『unassuming』は自己主張せず、目立たない様子を表す。日常会話や人物描写で用いられる。例:『an unassuming leader』(控えめなリーダー)。
『ささいな』『取るに足らない』という意味の形容詞。『formidable』が重大さや困難さを示唆するのに対し、『trivial』は重要性の欠如を表す。問題や課題の重要度を議論する際に用いられる。例:『a trivial matter』(ささいな問題)。ビジネス文書や学術論文でも使用される。
語源
"formidable"は、ラテン語の"formidabilis"(恐ろしい、畏敬の念を起こさせる)に由来します。さらに遡ると、"formido"(恐怖、恐れ)という名詞にたどり着きます。この"formido"は、もともと「(敵を)恐れさせるもの」という意味合いがあり、敵の姿や威圧感からくる恐怖を表していました。つまり、"formidable"は、その姿を見ただけで恐れを抱かせるような、圧倒的な力や存在感を持つものを指すようになったのです。現代英語では、「手強い」「圧倒的な」「やりがいのある」といった意味合いで使用され、目に見える形だけでなく、抽象的な困難さや挑戦に対しても用いられます。例えば、「手強い相手」や「やりがいのある課題」を"formidable opponent," "formidable challenge"と表現します。"formidable"は、文字通り「形(form)を見れば恐れる(fear)」という語源的なイメージを今もなお残していると言えるでしょう。
暗記法
「formidable」は単に強いだけでなく、畏敬の念を起こさせる存在。中世騎士物語では、主人公を阻むドラゴンや敵騎士として登場し、打ち破ることで社会秩序を回復する象徴でした。18-19世紀の文学では、抑圧的な社会構造が「formidable」な障壁として描かれました。現代では、ビジネスの競争相手や地球規模の問題も指し、常に人類の知恵を試す存在。政治においては、カリスマ的指導者の二面性も表します。この言葉の背後には、常に克服すべき試練の歴史が刻まれています。
混同しやすい単語
『formidable』と『formal』は、どちらも『formal』で始まり、スペルも似ているため、混同しやすいです。『formidable』は『手ごわい』『恐るべき』という意味ですが、『formal』は『正式な』『形式的な』という意味です。品詞も異なり、『formidable』は形容詞ですが、『formal』は形容詞と名詞の両方で使われます。日本人学習者は、文脈から意味を判断し、それぞれの単語が持つニュアンスの違いを意識することが重要です。語源的には、『formal』は『forma(形)』に由来し、形や形式を重んじる意味合いがあります。
『formidable』と『formula』は、最初の部分が同じで、スペルも似ているため、特に初学者には混同されやすいです。『formidable』は『手ごわい』という意味ですが、『formula』は『公式』『製法』という意味です。発音も異なります。『formidable』は/fɔːrˈmɪdəbl/、『formula』は/ˈfɔːrmjələ/です。日本人学習者は、発音記号を確認し、それぞれの単語が持つ意味の違いを明確に区別することが重要です。語源的には、『formula』は『forma(形)』の指小形に由来し、一定の形を持つものを指します。
『formidable』と『formally』は、スペルが似ており、『formally』は『formal』の副詞形であるため、意味の関連性から混同しやすいです。『formidable』は『手ごわい』という意味ですが、『formally』は『正式に』『形式的に』という意味です。日本人学習者は、品詞の違いを意識し、『formidable』は形容詞、『formally』は副詞であることを理解することが重要です。また、文脈の中でどちらの単語が適切かを判断する練習が必要です。
『formidable』と『forgettable』は、語尾の '-able' が共通しており、スペルも似ているため、視覚的に混同しやすいです。『formidable』は『手ごわい』という意味ですが、『forgettable』は『忘れやすい』という意味で、正反対の意味を持ちます。日本人学習者は、単語全体をしっかりと見て、スペルの違いを意識することが重要です。また、それぞれの単語が持つ意味を正確に理解し、文脈の中で適切な単語を選ぶ練習が必要です。
『formidable』と『affordable』は、語尾が '-able' で終わる形容詞であり、音の響きも一部似ているため、聞き間違いやスペルの誤りを起こしやすいです。『formidable』は『手ごわい』という意味ですが、『affordable』は『手頃な価格の』という意味で、意味は大きく異なります。日本人学習者は、それぞれの単語の発音を正確に覚え、文脈から意味を判断することが重要です。また、語源的には、『affordable』は『afford(余裕がある)』に由来し、金銭的な余裕があることを意味します。
『formidable』と『terminate』は、どちらも複数音節の単語であり、発音のリズムが似ているため、特に聞き取りの際に混同しやすいです。『formidable』は形容詞で『手ごわい』という意味ですが、『terminate』は動詞で『終わらせる』という意味です。日本人学習者は、単語の品詞と意味の違いを明確に区別し、文脈に応じて適切な単語を選択することが重要です。また、発音記号を確認し、それぞれの単語の正確な発音を習得することが効果的です。
誤用例
日本語の『頼もしい』という言葉から、つい『formidable』を使ってしまいがちですが、これは誤りです。『formidable』は、畏怖の念を起こさせる、手強い、圧倒的な、という意味合いが強く、必ずしもポジティブな意味ではありません。CEOが微笑むという文脈では、単に『印象的な(impressive)』CEOという方が自然です。日本人が『頼もしい』という言葉に抱く親近感や安心感を『formidable』で表現しようとすると、相手に誤解を与える可能性があります。
ここでも『formidable』の誤用が見られます。『formidable』は、相手に畏怖の念を起こさせるような、近寄りがたい印象を与える言葉です。したがって、『彼がformidableな人なので、気軽に頼み事をした』という文脈は矛盾しています。この場合は、単に『親切な(kind)』人だったので頼み事をした、とするのが適切です。日本人は、相手の能力や立場を高く評価する際に、『頼りになる』という意味で『formidable』を使いたくなるかもしれませんが、英語では相手に威圧感を与えるニュアンスが含まれるため、注意が必要です。日本語の「頼りになる」という言葉には、相手への信頼感や安心感が含まれますが、英語の『formidable』は、そのようなニュアンスを持ちません。
試験が『formidable』だった、という表現も不自然です。試験が難しいことを伝えたい場合、『challenging』や『difficult』を使うのが一般的です。『formidable』は、試験そのものが畏怖の念を起こさせるような、圧倒的な存在である、というニュアンスを含んでしまいます。試験の難易度を表現する際には、より直接的な表現を用いる方が適切です。日本人は、試験の難しさを大げさに表現したい場合に、『formidable』を使いたくなるかもしれませんが、英語では過剰な表現と受け取られる可能性があります。また、日本語の「手ごわい」という言葉は、必ずしもネガティブな意味合いだけでなく、挑戦しがいのある、という意味合いも含むことがありますが、英語の『formidable』は、よりネガティブな意味合いが強いです。
文化的背景
「formidable」は、単に「手強い」という意味を超え、畏敬の念を起こさせるほどの力強さ、時に脅威さえ感じさせる存在を指します。この単語は、歴史的に見ると、敵対勢力や自然の脅威、あるいは社会的な障壁など、克服困難な対象に対して使われることが多く、人間の小ささや無力さを意識させるような文脈でその真価を発揮します。
中世ヨーロッパの騎士道物語を紐解くと、「formidable」な存在は、しばしば主人公の前に立ちはだかる巨大なドラゴンや、圧倒的な武力を持つ敵の騎士として描かれます。これらの物語において、「formidable」な敵を打ち破ることは、主人公の勇気や知恵を示すだけでなく、社会的な秩序を回復し、正義を確立する象徴的な行為でした。この文脈では、「formidable」は単なる強さだけでなく、道徳的な試練の象徴としての意味合いも帯びています。また、18世紀から19世紀にかけてのイギリス文学においては、社会的な階級制度や抑圧的な慣習が「formidable」な存在として描かれることがあります。ジェーン・オースティンの作品に登場する、主人公の結婚を阻むような傲慢な貴族や、シャーロット・ブロンテの作品における、主人公の自由を奪うような閉鎖的な学校などが、その典型的な例と言えるでしょう。
現代においても、「formidable」は、ビジネスの世界における競争相手や、科学技術の進歩によって生じる倫理的な問題など、様々な困難な状況を表現するために用いられます。例えば、ある企業が「formidable competitor」と評される場合、それは単に競争力が高いだけでなく、市場のルールを大きく変えうるほどの潜在的な力を持っていることを意味します。また、気候変動やパンデミックといった地球規模の問題は、「formidable challenge」として認識され、国際的な協力と革新的な解決策が求められています。このように、「formidable」は、時代や文脈によってその意味合いを変化させながらも、常に人間の努力と知恵を試すような、手ごわい存在を表現する言葉として生き続けているのです。
さらに、政治的な文脈においては、「formidable」は、時に二面性を持つ言葉として用いられます。例えば、ある政治家が「formidable speaker」と評される場合、それは彼の演説が聴衆を魅了し、強い影響力を持つことを意味する一方で、そのカリスマ性が独裁的な傾向につながる可能性も示唆しているかもしれません。このように、「formidable」は、畏敬の念と警戒心を同時に抱かせるような、複雑な感情を表現する言葉としても重要な役割を果たしていると言えるでしょう。この単語を理解することは、単に語彙力を高めるだけでなく、文化的な背景や社会的な文脈を読み解くための鍵となるのです。
試験傾向
準1級、1級で語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。長文読解では、文章全体のテーマを理解する上で重要な形容詞として使われることが多いです。リスニングで直接問われることは少ないですが、会話の内容理解に必要な語彙として登場する可能性はあります。注意点として、類義語とのニュアンスの違いを理解しておくことが重要です。
Part 5の語彙問題やPart 7の長文読解で稀に出題されます。ビジネスシーンにおける「手ごわい」「困難な」といった意味合いで使われることが多いです。正答を選ぶためには、文脈から単語の意味を推測する力が必要です。TOEICでは、フォーマルなビジネス文書や契約書などで使用される可能性があります。
リーディングセクションで頻繁に出題されます。アカデミックな内容の文章で、「困難な」「圧倒的な」といった意味合いで使われることが多いです。語彙問題として直接問われるだけでなく、文章全体の理解を深める上で重要な単語となります。ライティングやスピーキングで使うにはやや硬い表現です。
難関大学の長文読解で出題される可能性があります。文脈から意味を推測させる問題や、同意語・反意語を選ぶ問題として出題されることが多いです。特に、社会問題や科学技術に関する文章で登場する傾向があります。単語の意味だけでなく、文脈におけるニュアンスを理解することが重要です。