foot
母音 /ʊ/ は日本語の「ウ」よりも唇を丸めて、より短く発音します。軽く息を吐き出すように意識すると、より自然な英語らしい響きになります。日本語の「フ」は摩擦音ですが、英語の /f/ は下唇を軽く噛んで空気を出す破擦音です。意識して発音してみましょう。
専門的な内容に関するご注意
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足
人間または動物の、立ったり歩いたりするための体の部位。足全体を指すことも、足先だけを指すこともあります。靴のサイズを測る際など、具体的な長さを伴う場合に特に使われます。
After a long day of walking, my feet felt incredibly tired.
一日中歩き回った後、私の足は信じられないほど疲れていました。
※ この文は、長時間活動した後の「足の疲れ」という、誰もが共感できる日常的な感覚を描写しています。「足」が身体の一部として、その状態を述べる最も基本的な使い方です。'felt tired' は「疲れていると感じた」という状態を表します。
The little girl gently dipped her bare foot into the cool river water.
小さな女の子は、そっと裸足を冷たい川の水に浸しました。
※ この例文は、足が何かと触れ合う、または特定の状態(裸足)にある場面を描写しています。'bare foot'(裸足)という具体的な表現で、情景がより鮮明になります。'dip'(浸す)という動詞で、水に足を入れる優しい動きが伝わります。
He quickly moved his foot to avoid stepping on the tiny ant.
彼は小さなアリを踏まないように、素早く足を動かしました。
※ この文は、「足」を使って何かを避けたり、特定の行動を起こしたりする場面を示しています。'moved his foot'(足を動かした)は、足を使った動作の基本的な表現です。'to avoid stepping on...'(~を踏むのを避けるために)という目的が加わることで、彼の気遣いが感じられます。
ふもと
山や丘などの下端の部分。比喩的に、組織や構造物の基盤、始まりの部分を指すこともあります(例:計画の第一歩)。
A small village lies at the foot of the big mountain.
大きな山のふもとに小さな村があります。
※ この文は、山や丘の「ふもと」に何かがある、という典型的な情景を描写しています。遠くから景色を眺めているような、静かで落ち着いた雰囲気が伝わります。「lies」は「~がある、~に位置する」という意味で、自然な配置を表す時によく使われます。
We stood at the foot of the tall tower and looked up.
私たちは高い塔のふもとに立ち、見上げました。
※ この文は、高い建物や構造物の「ふもと(足元)」に人がいる状況を示しています。巨大な塔を見上げて、その大きさに圧倒されているような様子がイメージできます。「stood」は「stand(立つ)」の過去形、「looked up」は「見上げた」という意味です。
I found a lost key at the foot of the old tree.
私は古い木のふもとで、なくした鍵を見つけました。
※ この文は、木や柱などの「根元」に近い場所を指す「ふもと」の使い方です。何かを捜していて、ようやく見つけた時の安堵感が伝わるような、身近なミニストーリーです。「found」は「find(見つける)」の過去形です。
(費用を)払う
主にアメリカ英語で使われる口語表現。請求書などの費用を支払う意味。誰かが費用を負担するニュアンスを含む。
Our company will foot the entire bill for the employee training trip.
当社が社員研修旅行の全費用を負担します。
※ 会社が社員のスキルアップを支援するために、研修旅行の費用を全額負担する、という前向きな場面です。社員は安心して研修に集中できるでしょう。ビジネスの場で「会社が費用を負担する」という状況は非常によくあるため、この例文は典型的な使い方を示しています。
My parents happily offered to foot the bill for my university tuition.
両親は喜んで私の大学の授業料を払うと申し出てくれました。
※ 大学の授業料は高額なので、親が子の将来を応援するためにその費用を負担する、という温かい家族の情景が目に浮かびます。この文は、大きな個人的な費用を誰かが「快く負担してくれる」という感情が伝わる良い例です。'tuition' は大学などの「授業料」を指します。
The city council decided to foot the entire cost of building the new community center.
市議会は新しいコミュニティセンター建設の全費用を負担することを決定しました。
※ 地域住民のために新しい公共施設が作られることが決まり、期待感が高まる場面です。政府や自治体などの公的な組織が、特定のプロジェクトや事業の費用を負担する際に「foot」が使われることはよくあります。ニュース記事や公式発表で目にするような、ややフォーマルな文脈での典型例です。'city council' は「市議会」という意味です。
コロケーション
断固とした態度を取る、反対する
※ 文字通りには『足を地面に強く踏みつける』という意味ですが、比喩的には『譲らない姿勢を示す』ことを意味します。親が子供のわがままに対して、会社の上司が部下に対してなど、権力や決定権を持つ者が強い意志を示す際に使われます。類似の表現に『stand one's ground』がありますが、こちらはより一般的な『自分の立場を守る』という意味合いが強く、必ずしも権力関係を伴いません。口語的な表現で、ビジネスシーンでも使えますが、フォーマルな場では避けた方が無難です。
最初からつまずく、第一印象が悪い
※ 『最初の一歩を踏み間違える』というイメージから、『物事がうまくいかない始まり』を意味します。新しい職場や人間関係など、最初の印象が重要な場面でよく使われます。例えば、面接で緊張してうまく話せなかった場合などに『I think I got off on the wrong foot in the interview.』のように使います。似た表現に『start off on the wrong foot』がありますが、意味はほぼ同じです。口語的な表現です。
勘定を払う、費用を負担する
※ もともとは『請求書の末尾(foot)』を処理するという意味から、『最終的な支払いをする』ことを指すようになりました。誰かが食事代や旅行代などの費用を負担する際に使われます。例えば、『Who's going to foot the bill for the party?』のように使います。ビジネスシーンでも頻繁に使われ、フォーマルな場面でも問題なく使用できます。類似の表現に『pick up the tab』がありますが、こちらはより口語的で、特にカジュアルな場面で使われます。
死にかけている、瀕死の状態である
※ 文字通りには『墓に片足を突っ込んでいる』という意味で、非常に深刻な病気や高齢で死期が近い状態を表す比喩的な表現です。ユーモラスに、または皮肉を込めて使われることもあります。例えば、高齢の人が若い人に『I have one foot in the grave, you know.』のように言うことがあります。文学的な文脈や、やや誇張した表現を好む人が使う傾向があります。
徒歩で
※ 交通手段を使わず、自分の足で歩くことを意味します。単に『walk』と言うよりも、移動手段に焦点を当てたい場合に適しています。例えば、『We explored the city on foot.』のように使います。フォーマルな場面でもカジュアルな場面でも使用できますが、日常会話では『walking』の方がより一般的かもしれません。文法的には、前置詞句として機能し、動詞を修飾する副詞句として使われます。
(人)の足跡をたどる、(人)のようになる
※ 誰かの行動や業績を見習い、同じような道を進むことを意味します。親の職業を受け継ぐ場合や、尊敬する人物の生き方を模倣する場合などに使われます。例えば、『He followed in his father's footsteps and became a doctor.』のように使います。ビジネスシーンや教育的な文脈でも使用でき、フォーマルな場面でも問題ありません。類義語としては『emulate』がありますが、こちらはより尊敬の念を込めて模倣するというニュアンスが強くなります。
(人)を夢中にさせる、心を奪う
※ 文字通りには『誰かを足元からすくい上げる』という意味で、恋愛において、相手を強烈に魅了し、心を奪うことを表します。ロマンチックな文脈でよく使われ、プロポーズや出会いの場面などで使われることが多いです。例えば、『He swept her off her feet with his charm.』のように使います。口語的な表現で、ビジネスシーンでは不適切です。
使用シーン
学術論文や研究発表で、データの分析結果や考察を述べる際に使われます。例えば、統計データに基づいて「〜という傾向が顕著に見られる」と結論づける場合や、先行研究の不足を指摘する際に「この分野の研究はまだ始まったばかりである」と述べる場合などです。文語的な表現が中心となります。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、プロジェクトの費用負担や責任範囲を明確にする際に使われます。例えば、契約書で「〜の費用はA社が負担する」と明記する場合や、会議で「今回のイベントの費用は各部署で分担する」と決定する場合などです。フォーマルな文脈で用いられます。
日常会話で、身体の一部としての「足」や、距離の単位としての「フィート」を指す場合によく使われます。例えば、「足が痛い」「靴のサイズが合わない」「〜まで徒歩5分」といった表現です。また、「(費用を)払う」という意味では、家族や友人との間で「今日のランチは私が払うよ」といったカジュアルな場面で使われます。
関連語
類義語
歩行者。道路や歩道を歩いている人を指す名詞。法律や交通関連の文脈でよく用いられる。 【ニュアンスの違い】"foot"は身体の一部を指すのに対し、"pedestrian"は『歩く人』という行為者に焦点を当てる。よりフォーマルな響きを持つ。 【混同しやすい点】"foot"は具体的な足そのものを指すが、"pedestrian"は足を使って移動する人を指す抽象的な概念である。可算名詞として使われる。
歩幅、歩調、速度。名詞としては一定の歩幅や速度、動詞としては歩き回る、測るという意味を持つ。ビジネスやスポーツ、軍事などの文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】"foot"が身体の一部であるのに対し、"pace"は歩行のスタイルや速度を表す。"pace"はリズムやテンポといった意味合いを含む。 【混同しやすい点】"foot"は単数または複数形で使われるが、"pace"は比喩的に『ペースを上げる』のように使われる場合がある。また、動詞としても使われる。
歩み、足どり、階段の一段。名詞としては歩く行為や階段の一段を指し、動詞としては歩く、踏むという意味を持つ。日常会話からビジネスまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"foot"が足そのものを指すのに対し、"step"は歩行の動作や進捗を表す。具体的な足の動きに焦点を当てる。 【混同しやすい点】"foot"は身体の一部であり、"step"は行為や進捗を表す。"take a step"のように、比喩的な意味合いで使われることが多い。
- gait
歩き方、足並み。医学、動物学、または特徴的な歩行パターンを指す場合に用いられる、やや専門的な語彙。 【ニュアンスの違い】"foot"が単なる身体の一部であるのに対し、"gait"は歩行の様式全体を包括的に表す。より客観的、観察的な視点が含まれる。 【混同しやすい点】"foot"は日常的な語彙だが、"gait"は特定の分野や状況で使われる。病気や動物の歩行パターンを説明する際などに用いられる。
踏みつけること、足跡、タイヤの接地面。名詞としては踏みつける行為や足跡を指し、動詞としては踏む、歩くという意味を持つ。文学的、または技術的な文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"foot"が足そのものを指すのに対し、"tread"は足で踏む行為やその痕跡を表す。圧力をかけるイメージが強い。 【混同しやすい点】"foot"は身体の一部だが、"tread"は行為や痕跡を表す。タイヤの溝(tire tread)など、特定の文脈でよく用いられる。
(動物の)足、手。特に爪を持つ動物の足を指す。日常会話で動物について話す際に使われる。 【ニュアンスの違い】"foot"が人間を含む動物の足を指すのに対し、"paw"は主に四足歩行の動物の足を指す。よりくだけた表現。 【混同しやすい点】"foot"は人間にも動物にも使えるが、"paw"は基本的に動物にのみ使われる。擬人化された表現で、ペットなどに対して愛情を込めて使われることもある。
派生語
『フットボール』。元々は『徒歩で行うボールゲーム』という意味合い。中世英語の時代から存在し、様々な地域で独自のルールが発展した。現在では、アメリカンフットボールやサッカーなど、複数の競技を指す言葉として広く使われている。foot(足)と ball(球)の単純な組み合わせだが、文化的な意味合いが非常に強い。
『足跡』。文字通り、足が残した跡のこと。比喩的に、環境への影響や活動の痕跡を指すこともある。ビジネスや環境問題に関する議論でよく用いられる(例:カーボンフットプリント)。直接的な意味から抽象的な意味へと広がった好例。
- foothold
『足がかり』。登山用語として、文字通り足をかける場所を指す。比喩的に、組織内での地位やビジネスにおける市場シェアなど、成功への足がかりとなるものを意味する。ビジネスシーンや目標達成に関する文脈で頻繁に使用される。
- footbridge
『歩道橋』。人が歩いて渡るための橋。foot(足)と bridge(橋)の組み合わせで、その機能が明確に示されている。都市計画や交通インフラに関する話題で使われることが多い。
反意語
『頭』。身体の部位として、foot(足)と最も対照的な位置にある。比喩的にも、組織の『頭(かしら)』と『足(末端)』のように、対比されることが多い。headはリーダーシップや知性を象徴し、footは基盤や行動力を象徴することがある。
『乗り物』。foot(徒歩)とは対照的に、移動手段を提供するもの。自動車、電車、飛行機などを含む。移動手段の選択という文脈において、徒歩(foot)と乗り物(vehicle)は明確な対立関係にある。特に、環境負荷や移動効率に関する議論で対比される。
- immobile
『不動の』。接頭辞『im-(否定)』がついて『動けない』という意味になる。foot(歩行)が示す移動能力の欠如を強調する。医療、物理学、ビジネスなど、様々な分野で使用され、文脈によってニュアンスが異なる(例:病気で動けない、市場が停滞している)。
語源
「foot」の語源は、インド・ヨーロッパ祖語の根 *ped-(歩く、足)に遡ります。これがゲルマン祖語で *fōtsとなり、古英語で fōtとなりました。つまり、「foot」は非常に古い時代から「足」という概念を表す言葉として存在していたのです。興味深いのは、この*ped-の仲間が、ラテン語の「pes」(足)であり、そこから派生した「pedal」(ペダル)や「pedestrian」(歩行者)といった単語も生まれていることです。日本語で言うと、例えば「歩」という漢字が、歩行や歩幅といった意味を持つように、「foot」もまた、移動の基本となる身体部位を表す言葉として、様々な意味に派生していったと考えられます。比喩的に「山のふもと」や「費用を払う」といった意味を持つようになったのも、足が基盤であること、足を使って活動することから連想されたものでしょう。
暗記法
「足」は所有と支配の象徴。中世では土地を踏み歩き所有を主張。肖像画の足元の絨毯は権力の証。歩兵は社会の基盤であり、「foot soldier」は国を支える存在。「putting your foot down」は自己主張の強さを示す。徒競走は人間の根源的な力を表す。「footloose」は束縛からの解放。「誰かの足跡をたどる」は、過去の遺産を未来へ繋ぐ道しるべ。足は文化と深く結びついた言葉。
混同しやすい単語
『foot』の複数形ですが、発音が /fʊt/ と /fiːt/ で大きく異なるため、混同しやすいです。単数形か複数形かで意味が変わり、文法的に重要な区別です。日本語の数え方のように、英語では名詞の形が変化することを意識しましょう。
『food』と『foot』は、どちらも 'oo' の音を含むため、特にリスニングで混同しやすいです。意味は『食べ物』であり、まったく異なります。/ʊ/ と /uː/ の発音の違いを意識して聞き分ける練習が必要です。口の形を意識すると区別しやすくなります。
『fought』(fightの過去形・過去分詞)は、『foot』とはスペルが異なりますが、発音記号が近い(/fɔːt/)ため、特に発音に自信がない学習者は混同しやすいです。意味は『戦った』であり、動詞である点も異なります。英語の母音は日本語よりも種類が多いことを理解し、発音記号を参考に練習しましょう。
『fool』は『foot』と同様に 'oo' の綴りですが、発音が /fuːl/ と長母音になるため、混同されることがあります。意味は『愚か者』や『だます』であり、名詞または動詞として使われます。長母音と短母音の違いを意識し、単語の発音を正確に覚えることが重要です。
『fit』は『foot』とスペルが似ており、特に手書きの場合など、誤って書いてしまう可能性があります。発音も /fɪt/ と似ていますが、母音が異なります。意味は『合う』や『健康な』であり、動詞や形容詞として使われます。スペルチェックを習慣づけることが大切です。
『full』は『foot』と発音が似ており(/fʊl/)、特に語尾の子音に注意が必要です。意味は『いっぱいの』であり、形容詞として使われます。『foot』は名詞であるため、文法的な役割も異なります。文脈から判断する練習も重要です。
誤用例
日本語の『全力を尽くす』を直訳的に『best foot』と表現してしまう誤用です。英語では『put one's best foot forward』というイディオムが『最善を尽くす』『良い印象を与えるように努める』という意味で定着しています。このイディオムは、文字通り『最高の足を前に出す』、つまり歩き始めから最高の状態を示すというイメージに由来し、交渉や面接など、第一印象が重要な場面で特に適しています。日本語の『全力を尽くす』は、文字通り体力的な努力を連想させますが、英語のイディオムは、より戦略的、心理的なニュアンスを含む点が異なります。また、単に『best foot』とすると、足の怪我など、文字通りの意味で解釈される可能性もあります。
『足がかりを得る』を直訳的に『foot』を使って表現しようとする誤りです。英語では『foothold』が『足がかり』『基盤』という意味を持ちます。『foot』は身体の一部を指すため、比喩的な意味で使用する場合は注意が必要です。日本語の『足がかり』は、文字通りに物理的な足場を連想させますが、英語の『foothold』は、ビジネスや政治など、抽象的な文脈でも広く使用されます。また、『get a foot in the door』というイディオムも存在し、これは『(就職や取引などで)最初のチャンスを得る』という意味合いが強く、『足がかりを得る』とはニュアンスが異なります。日本語の『足がかり』は、より安定した基盤を築くイメージが強いのに対し、英語の『get a foot in the door』は、まずは一歩踏み出すことを重視する点が異なります。
『うっかり失言する』という意味で『put one's foot in one's mouth』というイディオムがあります。日本語の『墓穴を掘る』『口は災いの元』といった表現に近いですが、より直接的に『自分の足で自分の口を踏む』、つまり『自分の言葉で自分の首を絞める』というイメージです。日本人は『in it』を『その状況に』などと解釈してしまいがちですが、このイディオムでは『mouth』が正しいです。このイディオムは、言葉が軽率であることへの戒めを含んでおり、フォーマルな場面では避けるべき表現です。より丁寧な表現としては、『She often misspeaks』や『She tends to say the wrong thing』などが適切です。また、日本語の『うっかり』には、無意識的なニュアンスが含まれますが、英語のイディオムは、言葉を選ばないことへの批判的な意味合いが強い点が異なります。
文化的背景
「foot」は、単なる身体の一部というだけでなく、所有、支配、そして旅の象徴として、文化の中で深く根付いています。足跡は個人の存在を証明し、足を踏み入れる行為は新たな領域への進出を意味します。中世ヨーロッパにおいて、土地の所有権を主張する際に、実際にその土地を歩き回ることが行われました。これは「foot」が物理的な接触を通じて権利を確立する象徴的な行為として捉えられていたことを示しています。また、王侯貴族の肖像画において、足元に豪華な絨毯や動物の毛皮が敷かれているのは、権力と富の象徴であり、足が立つ場所、つまり基盤の重要性を示唆しています。
「foot」はまた、社会的な階層や地位を反映する言葉としても用いられてきました。例えば、「foot soldier(歩兵)」という言葉は、社会の底辺を支える存在でありながら、国家の根幹をなす人々を指します。彼らは文字通り「足」を使って戦場を駆け巡り、国の領土を守る役割を担っていました。一方、「putting your foot down(断固とした態度をとる)」という表現は、自分の立場を明確にし、他者からの干渉を拒否する強い意志を示します。これは、足を踏ん張ることで物理的な安定を保ち、自己の主張を揺るぎないものにするイメージと重なります。また、スポーツの世界では、「foot race(徒競走)」のように、人間の身体能力を競う基本的な行為を表す言葉として、根源的な意味を持ち続けています。
さらに、「foot」は旅や冒険といった概念とも密接に結びついています。「footloose(自由気ままな)」という言葉は、束縛から解放され、自分の足で自由に歩き回る喜びを表しています。これは、人生という長い道のりを自分の足で歩むことのメタファーであり、自己発見や成長の過程を象徴しています。また、「following in someone's footsteps(誰かの足跡をたどる)」という表現は、尊敬する人物の業績や生き方を模倣し、その道を継承することを意味します。足跡は過去の遺産であり、未来への道しるべでもあるのです。このように、「foot」は身体的な機能だけでなく、文化的な意味合いを深く含んだ言葉として、私たちの言語生活に根付いています。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解、リスニング(会話・アナウンス)
- 頻度と級・パート: 2級以上で頻出。準1級、1級ではより抽象的な意味合いで問われる。リスニングでは日常会話で使われる。
- 文脈・例題の特徴: 日常会話、ニュース記事、エッセイなど幅広い。比喩表現やイディオム(e.g., put one's foot down)も重要。
- 学習者への注意点・アドバイス: 複数形のfeetを正しく理解する。比喩表現やイディオムをまとめて学習する。動詞としての用法(蹴る、歩く)も確認。
- 出題形式: 主に長文読解(Part 7)、稀に語彙問題(Part 5)。リスニング(Part 1の写真描写問題、Part 2の応答問題)でも登場。
- 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。ビジネスシーンにおける比喩表現(e.g., get one's foot in the door)に注意。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス文書(メール、報告書、記事)で、比喩的、間接的な意味合いで使用されることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネス関連のイディオムを重点的に学習。文脈から意味を推測する練習が重要。複数形feetのスペルミスに注意。
- 出題形式: 主に長文読解。アカデミックな文章での使用が中心。
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出。専門的な内容で使われることが多い。
- 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会科学など、学術的な文章で、比喩表現や抽象的な意味合いで使用される。
- 学習者への注意点・アドバイス: 比喩表現やイディオムを理解する。文脈から意味を推測する練習をする。学術的な文章に慣れておく。
- 出題形式: 主に長文読解。記述問題(和訳、英訳)で問われることもある。
- 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。標準的な語彙だが、文脈に応じた適切な訳語を選ぶ必要がある。
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語文など。比喩表現やイディオムも頻繁に登場する。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を判断する練習をする。比喩表現やイディオムをまとめて学習する。過去問で出題傾向を把握する。