firstly
最初の音 /f/ は、上の歯を下唇に軽く当てて息を出す音です。日本語の『フ』とは異なり、喉を使いません。/ɜːr/ は、舌を奥に引き、口を少しすぼめて出す母音で、日本語の『アー』よりもこもった音になります。最後の /li/ は弱く短く発音します。全体的に、最初の音節 /ˈfɜːrst/ を強く意識しましょう。
まず第一に
議論や説明を始める際に、最初に述べるべき点を示す。単に順番の最初というより、重要性や優先順位が高いことを示唆するニュアンスがある。フォーマルな場面でよく使用される。
When I start my day, firstly, I drink a big glass of water.
一日を始めるとき、まず第一に、私は大きなコップ一杯の水を飲みます。
※ 朝のルーティンを説明している情景が目に浮かびますね。「まず第一に」と、朝一番にすることを伝える、とても自然な使い方です。体が目覚めるような気持ちが伝わります。
We have a lot to prepare for the school festival. Firstly, we must choose a theme.
学園祭のために準備することがたくさんあります。まず第一に、テーマを決めなければなりません。
※ みんなで学園祭の準備会議をしている場面ですね。「まず第一に」と、たくさんあるタスクの中で、最初に片付けるべき重要な項目を提示する際に使われます。話し合いでよく出てくる表現です。
My dog was very happy to see me. Firstly, he wagged his tail quickly.
私の犬は私に会えてとても喜んでいました。まず第一に、彼はしっぽを素早く振りました。
※ 大好きな飼い主に会えて、犬が喜びを爆発させている可愛らしいシーンです。「まず第一に」と、喜びのサインとして最初に見られた具体的な行動を説明する際に使われています。感情が伝わる描写ですね。
最初に
複数の項目を列挙する際に、一番最初の項目を示す。その後にsecondly, thirdlyと続くことが多い。箇条書きの冒頭などにも使用される。
Firstly, you need to wash the vegetables carefully before cutting them.
まず第一に、野菜を切る前に丁寧に洗う必要があります。
※ 料理のレシピや手順を説明する時に「まず最初に何をすべきか」を伝える、とても典型的な使い方です。料理の先生が優しく教えているような場面をイメージできます。「〜する必要がある」という助言のニュアンスも含まれます。
Firstly, I want to thank everyone for coming to this important meeting today.
まず第一に、今日の重要な会議にお集まりいただいた皆様に感謝申し上げます。
※ 会議やプレゼンテーションなど、公の場で話す際に、最初に伝えたいことや、挨拶として「まず最初に」と切り出す時に使われます。少しフォーマルな響きがあり、丁寧な印象を与えます。
Firstly, let's decide where we want to go for our summer vacation.
まず第一に、夏の休暇にどこに行きたいか決めましょう。
※ 友人や家族と何か計画を立てる時、「最初に何をすべきか」を提案する場面でよく使われます。みんなでわくわくしながら旅行の計画を立てているような、楽しい雰囲気が伝わります。
コロケーション
まず第一に、~を考慮してください
※ 「Firstly」は、議論や説明の最初、または複数の点を列挙する際に用いられる接続副詞です。このフレーズは、聞き手や読み手に、これから提示する内容の中でも特に重要な点を最初に考慮してほしいという意図を示します。ビジネスシーンや学術的な文章でよく見られ、フォーマルな印象を与えます。口語では "First of all" がより一般的です。構文としては、"Firstly" の後に動詞の原形を伴う命令形が続くことで、提案や指示を明確に伝えます。"Secondly", "Thirdly" と続けて議論を展開することが多いです。
まず最初に、~と言わせてください
※ このフレーズは、スピーチやプレゼンテーションの冒頭でよく用いられ、これから述べる内容の導入として機能します。特に、感謝の意を述べたり、謝罪をしたり、または個人的な見解を述べる際に適しています。「let me say」は許可を求めるニュアンスを含み、相手への配慮を示すことができます。フォーマルな場面での使用が推奨されますが、口語でも使われます。類似表現として "To begin with, let me say..." があります。
まず最初に、~について述べたいと思います
※ このフレーズは、プレゼンテーションや会議などで、議論の対象となる特定のトピックを最初に明確化する際に使用されます。「I would like to address」は、これから取り組むべき問題や課題に焦点を当てることを示唆し、聞き手に議論の方向性を理解させる効果があります。ビジネスや学術的な文脈で頻繁に用いられ、プロフェッショナルな印象を与えます。類似表現として "Firstly, I'd like to talk about..." があります。
まず、~という点を指摘しておくべきです
※ このフレーズは、議論の前提となる重要な事実や情報を最初に提示する際に用いられます。「It should be noted that」は、聞き手や読み手に注意を喚起し、その後の議論を理解するための基礎知識を提供します。学術論文や報告書など、客観的な情報伝達が求められる場面で特に有効です。フォーマルな文体であり、口語ではあまり使用されません。類似表現として "Firstly, it is important to note that..." があります。
まず、~の問題があります
※ このフレーズは、複数の問題点や課題を列挙する際に、最初の問題点を導入するために使用されます。「There is the issue of」は、特定の懸念事項や議論の余地がある問題に焦点を当てることを示し、聞き手に問題の存在を認識させます。ビジネスシーンや政策議論などでよく用いられ、問題解決に向けた議論の出発点となります。類似表現として "Firstly, we must consider the problem of..." があります。
使用シーン
学術論文やプレゼンテーションで、議論のポイントを列挙する際に使われます。例えば、歴史学の研究で「まず第一に、当時の社会構造が影響している。第二に、経済状況も無視できない」のように、論点を整理して提示する際に用いられます。文語的な表現であり、口語ではあまり使いません。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、理由や提案を順序立てて説明する際に使われることがあります。例えば、「まず第一に、コスト削減が可能です。第二に、効率が向上します」のように、メリットを強調する場面で使われます。しかし、より簡潔な表現('first'など)が好まれる傾向にあります。
日常会話ではあまり使いません。ニュース番組やドキュメンタリー番組などで、解説者が理由や根拠を説明する際に使われることがあります。例えば、「まず第一に、気候変動が原因と考えられます」のように、ややフォーマルな印象を与えます。日常会話では、'first of all' や 'to begin with' の方が自然です。
関連語
類義語
「最初に」という意味で、順番を示す際に最も一般的な表現。日常会話、ビジネス、学術など、あらゆる場面で使用可能。 【ニュアンスの違い】「firstly」よりも口語的で、より自然な印象を与える。現代英語では「firstly」よりも「first」が好まれる傾向がある。フォーマルな場面でも問題なく使用できる。 【混同しやすい点】文法的には副詞だが、文頭に置いて文全体を修飾する用法が一般的。「firstly」も同様だが、より形式ばった印象を与えるため、会話では「first」が推奨される。
- to begin with
「まず最初に」という意味で、議論や説明を始める際に使われる。口語的な表現で、カジュアルな場面に適している。 【ニュアンスの違い】「firstly」よりも柔らかい印象を与え、相手に親しみやすさを感じさせる。フォーマルな場面では避けるべき。 【混同しやすい点】「to begin with」は文頭に置かれ、その後に続く文全体を修飾する。複数の理由や根拠を述べる場合に、導入として用いるのに適している。
- in the first place
「そもそも」という意味合いが強く、「最初に」という順番を示すだけでなく、根本的な理由や原因を強調する際に使われる。議論や反論の際に用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】「firstly」よりも強いニュアンスを持ち、相手の意見や行動に対して異議を唱える際に有効。皮肉や非難のニュアンスを含む場合もある。 【混同しやすい点】「in the first place」は、後に続く文脈によって意味合いが大きく変わる点に注意が必要。単に順番を示すだけでなく、状況全体に対する批判的な視点を示す場合がある。
「最初は」「当初は」という意味で、時間的な経過における最初の段階を示す。ビジネスや学術的な文脈で、計画やプロジェクトの初期段階について言及する際に使われる。 【ニュアンスの違い】「firstly」よりも客観的で、感情的な要素を含まない。時間的な順序を淡々と述べる際に適している。 【混同しやすい点】「initially」は、その後の変化や展開を暗示する場合が多い。初期段階と現在の状況を比較する際に用いられることが多い。
「第一に」「主な」という意味で、重要度や優先順位を示す。ビジネスや学術的な文脈で、最も重要な要素や理由を強調する際に使われる。 【ニュアンスの違い】「firstly」が単に順番を示すのに対し、「primarily」は重要度を強調する点が異なる。他の要素も存在するが、これが最も重要であるというニュアンスを含む。 【混同しやすい点】「primarily」は、後に続く文脈によって意味合いが強まる場合がある。他の要素を否定するわけではないが、重要度を強調することで、他の要素の重要度を相対的に下げる効果がある。
- at the outset
「初めに」「冒頭で」という意味で、特に公式な場面や文書で使用される。会議の冒頭、プレゼンテーションの開始時などに適している。 【ニュアンスの違い】「firstly」よりもフォーマルで、改まった印象を与える。ビジネスシーンや学術的な発表など、正式な場面での使用が推奨される。 【混同しやすい点】「at the outset」は、その後の展開や議論の方向性を示す役割を果たすことが多い。全体の概要や目的を最初に説明する際に用いられる。
派生語
『時間的に前の』『優先的な』という意味の形容詞。『first』の比較級に相当し、重要度や順序が先であることを示す。ビジネスや法律文書で『事前の』という意味で頻繁に使用される。
『最初の』『主要な』という意味の形容詞。『prime(最初)』という語根に由来し、『-ary』が付いて形容詞化。特に『小学校(primary school)』のように、根本的・基礎的なものを指す場合に使われる。
『最も重要な』『最高の』という意味の形容詞および名詞。時間や順序における『最初』から派生し、『全盛期』『最盛期』といった意味合いを持つ。ビジネスや科学技術分野で頻出。
語源
"Firstly"は、「まず第一に」という意味を持つ副詞で、"first"に接尾辞の"-ly"が付いた形です。"First"は、ゲルマン祖語の"furista-"(最も前の)に由来し、さらに遡るとインド・ヨーロッパ祖語の"*per-"(前、最初)という語根にたどり着きます。この語根は、英語の"fore"(前)、"front"(正面)などとも関連があります。つまり、"first"は、もともと「最も前にあるもの」という概念を表していたのです。接尾辞の"-ly"は、形容詞を副詞に変える働きがあり、「〜のように」という意味合いを付け加えます。したがって、"firstly"は、「最初のように」という意味から、「まず第一に」という副詞として使われるようになったと考えられます。日本語で例えるなら、「最初」に「的に」を付け加えて「最初的に」と言うようなイメージです。
暗記法
「Firstly」は単なる順序ではない。議論の主導権を握り、聞き手に注意を促す合図だ。中世の法廷や教会での説教にルーツを持ち、発言の重要性を示す。社会階層とも結びつき、上位者が発言の重みを示すために使用。現代ではビジネスや学術分野で重要だが、連発は傲慢に。言葉の裏にある優先順位の意識を理解し、相手への敬意を忘れずに。発言者の意図や社会的背景が絡み合う、文化的な意味を持つ言葉なのだ。
混同しやすい単語
スペルが非常によく似ており、'ly' が付いているかどうかの違いしかありません。意味は 'first' が『最初の』という形容詞または副詞であるのに対し、'firstly' は『第一に』という副詞で、主に箇条書きなどで順序を示す際に使われます。日本人学習者は、文脈に応じて品詞と意味を意識し、フォーマルな場面では 'first' を使う方が自然な場合もあることに注意が必要です。語源的には、どちらもゲルマン祖語の *furista-(最も前の)に由来します。
発音の最初の部分と、末尾の '-ly' が共通しているため、全体的な語感が似て聞こえることがあります。'fiercely' は『激しく』という意味の副詞で、'firstly' のように順序を示す意味はありません。日本人学習者は、'r' の発音と母音の違いを意識し、文脈から意味を判断する必要があります。'fierce' は古フランス語の 'fers'(荒々しい)に由来し、語源も異なります。
末尾の '-ly' が共通している点と、どちらも副詞であるという点で混同しやすいかもしれません。'formerly' は『以前は』という意味で、過去の状態や状況を示す際に使われます。日本人学習者は、文脈から時間的な意味合いを判断し、'firstly' との区別を意識する必要があります。'form'(形)に関連する単語であり、語源も異なります。
'fastly' という単語は、一般的には 'fast' で代用されるため、あまり使われません。しかし、'fast' を副詞として使う場合と 'firstly' を混同する可能性があります。 'fast' は状況によって『速く』または『しっかりと』という意味を持ちます。'firstly' は順序を示す場合にのみ使用されます。日本人学習者は、'fast' の多様な意味と使い方を理解し、'fastly' という単語は特殊な状況を除いて避けるのが無難です。
語尾の '-sty' の部分が '-stly' (firstly) と似た音を出すため、特に音声学習において混同が生じる可能性があります。'frosty' は『霜の降りた』『冷ややかな』という意味の形容詞で、季節や雰囲気などを表現する際に使われます。日本人学習者は、文脈から形容詞であること、および気象や感情に関連する意味合いを判断し、'firstly' との区別を意識する必要があります。'frost'(霜)に関連する単語であり、語源も異なります。
語頭の 'fri-' の音と、語尾の '-sky' の音が、なんとなく 'firstly' の音と似ていると感じる人がいるかもしれません。 'frisky' は『元気な』『遊び好きな』という意味の形容詞で、動物や子供の様子を表す際に使われます。日本人学習者は、文脈から形容詞であること、および活発な様子を表す意味合いを判断し、'firstly' との区別を意識する必要があります。語源は不明ですが、古ノルド語の 'friskr'(健康な)に関連があるかもしれません。
誤用例
『Firstly』は文法的には正しいですが、現代英語ではやや古風で形式ばった印象を与えます。口語やインフォーマルな場面では『First』を使う方が自然です。日本人が『まず第一に』という日本語に引きずられて『Firstly』を選んでしまうケースが見られますが、英語の語感としては、スピーチや論文など、よりフォーマルな文脈に適しています。日常会話やビジネスシーンでは『First』が無難です。
『Firstly, secondly...』という並びは、英語のネイティブスピーカーには少し不自然に聞こえることがあります。『First, second...』の方がより一般的で自然な響きを持ちます。これは、日本語の『第一に、第二に...』という表現を直訳しようとする際に起こりがちなミスです。英語では、数字を序数で表す場合、特に複雑な議論や厳密な順序立てが必要な場合を除き、『First, second...』のような簡潔な表現が好まれます。
『Nextly』という単語は存在しません。『Next』が副詞として『次に』という意味を持ちます。日本人が『〜ly』をつければ副詞になると考えがちなため、『Nextly』という誤った形を作り出してしまうことがあります。英語では、すべての形容詞に『-ly』をつければ副詞になるわけではありません。『Next』のように、それ自体が副詞の役割を果たす単語も多く存在します。英語の語彙を増やす際には、単語の品詞と用法をセットで覚えることが重要です。
文化的背景
「Firstly」は、単なる順序を示す言葉ではなく、議論や説明における「主導権」や「優先順位」を意識的に示す言葉です。それは、発言者がこれから提示する情報が重要であり、聞き手は注意を払うべきだという暗黙の合意を求める行為に他なりません。中世の法廷や教会での説教において、複雑な議論を展開する際に、聞き手の集中力を維持し、論理構造を明確にするために用いられたのが、この言葉のルーツと言えるでしょう。
「Firstly」が持つ「優先順位」の意識は、社会的な階層構造とも深く結びついています。歴史的に、社会の上位に位置する人々は、発言の機会が多く、その言葉は重みを持ちました。「Firstly」という言葉を使うことで、発言者は自らの見解が重要であり、最初に考慮されるべきだと主張しているとも解釈できます。これは、単なる順序の説明を超え、発言者の社会的立場や権威を暗に示す行為と言えるでしょう。例えば、18世紀のイギリス貴族が議会で演説する際、「Firstly, let us consider…」と始めることで、聴衆は彼の発言に特別な注意を払い、敬意を払うことが期待されました。
現代においても、「Firstly」はビジネスシーンや学術的な議論において、重要な役割を果たしています。プレゼンテーションや論文において、「Firstly」を用いることで、聞き手や読者は、これから提示される情報が議論の根幹をなす重要な要素であることを理解します。しかし、注意すべき点もあります。過度に「Firstly」を連発すると、かえって傲慢な印象を与え、聞き手を不快にさせる可能性があります。大切なのは、言葉の背後にある「優先順位」の意識を理解し、相手への敬意を払いながら、効果的に用いることです。例えば、チーム会議で自分の意見を述べるとき、「Firstly, I believe…」と言う代わりに、「The most important point to consider is…」と言うことで、より協調的な姿勢を示すことができます。
このように、「Firstly」は単なる順序を示す言葉ではなく、発言者の意図や社会的背景、聞き手との関係性など、様々な要素が複雑に絡み合った、文化的な意味を持つ言葉なのです。この言葉を理解し、適切に使いこなすことは、円滑なコミュニケーションを築き、より深い人間関係を構築するために不可欠なスキルと言えるでしょう。
試験傾向
- 出題形式: 主に英作文、まれに長文読解
- 頻度と級・パート: 準1級以上でまれに出題。英作文で導入として使う場合など。
- 文脈・例題の特徴: フォーマルな文脈。理由や根拠を述べる際に使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: "Firstly, secondly, thirdly..."と並べて使うのが基本。"First"だけでも可。会話では"First of all"がより一般的。
- 出題形式: まれに長文読解
- 頻度と級・パート: Part 7などでごくまれに出題される程度。
- 文脈・例題の特徴: ビジネス文書、特に提案書や報告書などで使われることがある。
- 学習者への注意点・アドバイス: TOEICでは、より自然な言い回しである"First," "First of all," "To begin with,"などが好まれる傾向がある。
- 出題形式: 主にライティング、まれにリーディング
- 頻度と級・パート: ライティングの独立問題で、理由や根拠を列挙する際に使う。
- 文脈・例題の特徴: アカデミックなエッセイ。
- 学習者への注意点・アドバイス: "Firstly, secondly, thirdly..."と続けるのが一般的。ただし、冗長にならないように注意。パラグラフの構成を意識することが重要。
- 出題形式: 主に長文読解、まれに英作文
- 頻度と級・パート: 難関大学の長文でまれに出題。英作文では使用可能。
- 文脈・例題の特徴: 論説文や説明文など、論理的な文章。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が必要。英作文では、"First," "First of all," など、より自然な表現を使う方が無難な場合もある。