enthuse
第2音節にアクセントがあります。/ɪ/ は日本語の『イ』よりも口を少し開き、短く発音します。/θ/ は無声音で、舌先を上下の前歯で軽く挟んで息を出す音です。『ス』と『ズ』の中間のような音を意識しましょう。最後の /z/ は有声音で、同様に舌先を前歯の裏に近づけ、声帯を震わせます。
熱中させる
人や活動などに強い興味や関心を抱かせ、夢中にさせること。受動態で「enthused about」の形でよく用いられ、強い熱意や興奮を表す。
The teacher's passionate story really enthused the students about science.
先生の情熱的な話が、生徒たちを科学に本当に夢中にさせました。
※ 【情景】先生が目を輝かせながら、楽しそうに科学の話をしている様子を想像してください。その熱意が伝わり、生徒たちも「わぁ、科学って面白い!」と目を輝かせている場面です。 【なぜ典型的か】「enthuse A about B」は「AをBに熱中させる」という、この単語の非常に典型的な使い方です。特に、誰かの情熱やアイデアが他の人に良い影響を与える状況でよく使われます。
The coach's inspiring speech enthused the team to play their best.
コーチの感動的なスピーチが、チームを最高のプレーをすることに熱中させました。
※ 【情景】試合前、ロッカールームでコーチが力強く語りかけ、選手たちが「よし、やってやるぞ!」と奮い立つ様子を想像してください。この一言で、チーム全体の士気が高まる瞬間です。 【なぜ典型的か】「enthuse A to do B」は「AがBをするように熱中させる」という形で、ある行動を促す文脈で使われます。スポーツのコーチやリーダーが、人々を励まし、行動させる場面にぴったりです。
Her innovative idea immediately enthused everyone in the meeting.
彼女の革新的なアイデアは、会議室にいた全員をすぐに熱中させました。
※ 【情景】新しいアイデアが発表され、最初は懐疑的だった人たちも、その魅力に気づき、どんどん前のめりになっていく様子を想像してください。「これは面白い!」「ぜひやってみたい!」という期待感で、部屋全体が活気づきます。 【なぜ典型的か】人々の興味や関心を強く引きつけ、ポジティブな気持ちにさせる状況で使われます。特に、新しいコンセプトや計画が人々の心を掴む際に「enthuse」は非常に自然な選択です。
熱弁する
あるテーマやアイデアについて、情熱的に、時に説得力を持って語ること。講演やプレゼンテーションなど、公の場で用いられることが多い。
My friend couldn't stop enthusing about his new camera.
私の友達は、新しいカメラについて熱く語るのを止められませんでした。
※ この例文は、誰かが自分の趣味や好きなものについて、興奮して情熱的に話している典型的な場面を描写しています。「couldn't stop ~ing」で「~するのを止められない」という状況が加わり、その情熱がより鮮明に伝わります。このように「enthuse about + もの/こと」で「~について熱弁する」という使い方ができます。
The speaker began to enthuse about the exciting new project.
講演者は、そのわくわくするような新しいプロジェクトについて熱弁し始めました。
※ 会議やプレゼンテーションの場で、自分のアイデアや計画を情熱的に説明する様子を表しています。「speaker(講演者)」が「exciting new project(わくわくする新しいプロジェクト)」について語ることで、未来への期待感が伝わります。ここでも「enthuse about + 計画/アイデア」の形で使われています。
She would always enthuse about her travels to Japan.
彼女はいつも、日本への旅行について熱く語っていました。
※ これは、過去の経験や思い出について、喜びや感動を込めて語る場面です。「would always enthuse」という表現で、「いつもそうしていた」という習慣や、その話をするたびに情熱がこもる様子が伝わります。旅行の思い出など、心に残る体験を語る際にぴったりの表現です。
コロケーション
~について熱心に語る、~に夢中になる
※ 最も一般的な形の一つで、ある対象(名詞または名詞句)に対して強い興味や熱意を持って語る様子を表します。前置詞 'about' が必須で、具体的な対象を示すことがポイントです。例えば、"She enthused about her new project."(彼女は新しいプロジェクトについて熱心に語った。)のように使います。口語、ビジネス、カジュアルな場面など、幅広く使用されます。
~に熱狂する、~に大喜びする
※ 'enthuse about' と似ていますが、'over' を使うと、より強い興奮や喜びのニュアンスが加わります。例えば、子供がおもちゃを手に入れた時のように、非常に喜んでいる状態を表すのに適しています。"The children enthused over the new puppy."(子供たちは新しい子犬に大喜びした。)のように使います。やや口語的で、フォーマルな場面には不向きかもしれません。
~に感銘を受ける、~に刺激される
※ 受動態の形で、ある人や物事によって熱意や刺激を受けることを意味します。'by' の後には、刺激の源となる人や物が続きます。"He was enthused by the speaker's passion."(彼は講演者の情熱に感銘を受けた。)のように使います。ややフォーマルな響きがあり、ビジネスシーンや報道などでも用いられます。
群衆を熱狂させる、聴衆を沸かせる
※ 他動詞として使い、人を目的語にとる場合、誰かを熱狂的な状態にすることを意味します。演説やパフォーマンスなどが成功し、聴衆が非常に興奮している状況を表すのに使われます。"The charismatic leader enthused the crowd with his speech."(そのカリスマ的なリーダーは演説で群衆を熱狂させた。)のように使います。少し硬めの表現で、ニュース記事や歴史的な記述にも見られます。
支持者を熱狂させる、支持者の熱意を高める
※ 政治やスポーツの文脈で、支持者たちの熱意を掻き立て、より積極的に活動するように促す意味合いで使われます。"The candidate's strong message enthused his supporters."(候補者の力強いメッセージは支持者を熱狂させた。)のように使います。'supporters' の代わりに 'voters' や 'fans' なども使えます。
選択的に熱意を示す
※ すべてに対してではなく、特定の物事や人に対してのみ熱意を示すことを意味します。例えば、興味のある分野にだけ熱中するような人を表す際に使えます。"He enthuses selectively about classical music."(彼はクラシック音楽について選択的に熱意を示す。)のように使います。皮肉めいたニュアンスを含むこともあります。
心から熱意を示す、本気で熱中する
※ 熱意が偽りではなく、本当に心から湧き出ていることを強調する表現です。相手に誠実さや信頼感を与える効果があります。"She enthused genuinely about the project's potential."(彼女はそのプロジェクトの可能性について心から熱意を示した。)のように使います。ビジネスシーンや人間関係において、相手に好印象を与えたい場合に有効です。
使用シーン
学術論文やプレゼンテーションにおいて、研究対象への熱意や関心を表現する際に使用されます。例えば、研究発表で「この理論は、〜という現象を解明することに研究者を熱中させてきた(This theory has enthused researchers to unravel the phenomenon of...)」のように、研究の推進力としての熱意を語る文脈で見られます。文語的な表現です。
ビジネスシーンでは、提案書や社内プレゼンテーションなどで、プロジェクトやアイデアに対する熱意を伝えるために使用されることがあります。例:「この革新的な戦略は、顧客を熱中させる(enthuse)可能性を秘めている」のように、関係者を巻き込むような文脈で使われます。ただし、より直接的な表現(excite, motivate)が好まれる傾向にあります。
日常会話ではあまり一般的ではありませんが、ニュース記事やドキュメンタリーなどで、特定の活動や趣味に熱中している人々を紹介する際に使われることがあります。例えば、「彼は熱心なバードウォッチャーだ(He is enthused by bird watching)」のように、ややフォーマルな印象を与える文脈で使用されます。口語では「passionate about」など、よりカジュアルな表現が好まれます。
関連語
類義語
『興奮させる』という意味で、人や感情を高ぶらせる場面で使われる。他動詞であり、受動態でもよく使われる。 【ニュアンスの違い】『enthuse』よりも一般的な言葉で、興奮の度合いも幅広い。ビジネス、日常会話、学術など、あらゆる場面で使用可能。 【混同しやすい点】『excite』は他動詞なので、主語が興奮する場合は受動態(be excited)にする必要がある。能動態で使用すると『~を興奮させる』という意味になる。
『大いに喜ばせる』という意味で、非常に強い喜びや満足感を与える状況で使われる。他動詞。受動態で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】『enthuse』よりも喜びの度合いが強く、フォーマルな印象を与える。『enthuse』が対象への積極的な関与を伴うのに対し、『delight』は純粋な喜びや満足感に重点が置かれる。 【混同しやすい点】『delight』は他動詞だが、喜びを感じる場合は受動態(be delighted)で使用されることが多い。また、『delight in』という形で『~を楽しむ』という意味でも使われる。
『活気づける』『生き生きとさせる』という意味で、無生物や活動、議論などを活発にする場面で使われる。他動詞。 【ニュアンスの違い】『enthuse』が人に対して使われることが多いのに対し、『animate』は物事や活動を活性化させるニュアンスが強い。フォーマルな場面や、文学的な表現で用いられることがある。 【混同しやすい点】『animate』は、アニメーション(animation)の語源であり、『生命を与える』というイメージが強い。人に対して使う場合は、文字通り『活力を与える』という意味合いになる。
『鼓舞する』『刺激する』という意味で、創造性や行動意欲を引き出す場面で使われる。他動詞。 【ニュアンスの違い】『enthuse』よりも、相手の内面的な変化を促すニュアンスが強い。目標達成や自己啓発など、より高尚な文脈で用いられることが多い。 【混同しやすい点】『inspire』は、相手に良い影響を与え、行動を促す意味合いが強い。一方、『enthuse』は、必ずしも良い影響を与えるとは限らず、単に熱狂させるという意味合いも含まれる。
『活気づける』『刺激して行動させる』という意味で、特に危機的な状況や停滞した状況を打破するために、人々を奮い立たせる場面で使われる。他動詞。 【ニュアンスの違い】『enthuse』よりも強い刺激を与え、具体的な行動を促すニュアンスが強い。政治的な演説や社会的な運動など、フォーマルな場面で用いられることが多い。 【混同しやすい点】『galvanize』は、電気を流して金属を活性化させるという意味合いから派生しており、強い刺激によって行動を促すというイメージが強い。日常会話ではあまり使われない。
- rouse
『奮い立たせる』『呼び覚ます』という意味で、眠っている感情や意識、あるいは人を活動へと駆り立てる場面で使われる。他動詞。 【ニュアンスの違い】『enthuse』よりも、潜在的な感情や能力を呼び覚ますニュアンスが強い。文学的な表現や、歴史的な出来事を語る際に用いられることがある。 【混同しやすい点】『rouse』は、眠りから覚ます、あるいは感情を揺さぶるという意味合いが強い。特に、『rouse someone from slumber』のように、比喩的な意味で用いられることが多い。
派生語
『熱狂的な』という意味の形容詞。『enthuse』に『〜のような性質を持つ』という意味の接尾辞『-iastic』が付加。人や活動、アイデアに対する強い感情や熱意を表す。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用され、特にポジティブな文脈で頻繁に登場する。熱意を『持っている状態』を示す。
『熱狂的に』という意味の副詞。『enthusiastic』に副詞化の接尾辞『-ally』が付加されたもの。動詞を修飾し、行動が熱意をもって行われる様子を示す。例えば、『He enthusiastically supported the project.(彼はそのプロジェクトを熱狂的に支援した)』のように使う。ビジネスシーンでのプレゼンテーションや、スポーツの実況など、感情が伴う状況で使われることが多い。
『熱意』『熱中』という意味の名詞。『enthuse』から派生し、抽象的な概念を表す。ある対象に対する強い興味や関心、情熱を指す。ビジネスシーンではプロジェクトへの意欲やチームへの貢献意欲を示す際に、学術的な文脈では研究テーマへの情熱を表す際に用いられる。例:『His enthusiasm for the subject was contagious.(彼のそのテーマへの熱意は伝染した)』。形容詞や副詞と異なり、状態や感情そのものを指す。
反意語
『無関心』『無感動』という意味の名詞。『enthusiasm(熱意)』とは対照的に、感情や興味が欠如した状態を表す。政治、社会問題、個人的な出来事など、あらゆる事柄に対する無関心を示す際に用いられる。学術的な文脈や社会問題に関する議論でよく見られる。例:『The public's apathy towards the election was concerning.(選挙に対する大衆の無関心は懸念された)』。単なる『反対の接頭辞』ではなく、感情の方向性が正反対。
『無関心』『どうでもいい』という意味の名詞。興味や関心の欠如を示し、『enthusiasm』が示す強い関心や熱意とは対照的である。しばしば『apathy』と類似の意味で用いられるが、『indifference』はより中立的な立場や、感情的な反応の欠如を強調するニュアンスがある。例:『She showed indifference to his proposal.(彼女は彼の提案に無関心を示した)』。日常会話からビジネスシーン、学術的な議論まで幅広く使用される。
- disinterest
『無関心』『公平さ』という意味を持つ名詞。興味がないという意味に加え、個人的な利益や偏見がない状態(公平さ)も意味する点が特徴。『enthusiasm』が個人的な関心や熱意を示すのに対し、『disinterest』はしばしば客観性や中立性を求められる文脈で使用される。例:『The judge showed disinterest in the case.(裁判官はその事件に公平な態度を示した)』。法律や倫理に関する議論でよく用いられる。
語源
"enthuse」は、ギリシャ語の「enthousiasmos(神がかり、熱狂)」に由来します。これは「en(中に)」+「theos(神)」+「-ismos(状態)」という要素から成り立っており、元々は「神が内に入った状態」、つまり神に憑依されたような状態を表していました。古代ギリシャでは、詩人や預言者が神の霊感を受けている状態を指す言葉として使われていました。この「神がかり」の状態から転じて、「熱中する」「熱弁する」という意味合いを持つようになり、英語に取り入れられました。日本語で例えるなら、「夢中」という言葉が近いかもしれません。何か一つのことに心を奪われ、まるで神がかりのように没頭するイメージです。
暗記法
「enthuse」は元々「神がかり」。宗教的熱狂から、ピューリタン革命期には狂信的な人々を指す言葉へ。啓蒙思想の時代には理性との対比で批判も。しかしロマン主義時代に情熱が肯定され、産業革命以降はスポーツや科学など世俗的な分野での熱意を意味するように。熱狂は社会の変化と共に意味を変え、今やビジネスでさえポジティブな感情として重要視される。言葉の変遷は、社会と人間の価値観の鏡。
混同しやすい単語
『enthuse』は動詞ですが、『enthusiastic』は形容詞です。どちらも『熱狂的な』という意味合いを持ちますが、文法的な役割が異なります。特に、名詞を修飾する際に『enthuse』を使うのは誤りです。また、『enthuse』は比較的新しい単語であり、フォーマルな場面では『enthusiastic』を使う方が適切です。
『enthuse』と『infuse』は、どちらも動詞で、語尾の '-fuse' が共通しているため、スペルと発音が混同されやすいです。『infuse』は『(液体などを)注ぎ込む』『(思想などを)吹き込む』という意味で、対象が抽象的な場合、意味の混同も起こりえます。語源的には、『infuse』はラテン語の『中へ注ぎ込む』に由来し、物理的な意味合いが強いのが特徴です。
『enthuse』と『abuse』は、どちらも動詞で、語頭の母音と語尾の子音が似ているため、発音を聞き間違えやすいです。『abuse』は『乱用する』『虐待する』という意味で、全く異なる意味を持ちます。特に、感情的な文脈では、意味の誤解を招きやすいので注意が必要です。アクセントの位置も異なり、『abuse』は 'bu' の部分にアクセントがあります。
『suffuse』は『(色・光・感情などが)一面に広がる』という意味の動詞で、『-fuse』という語尾が共通しているため、スペルと発音が似ていると感じやすいです。意味も『enthuse』と一部重なる部分(感情が高まる様子)があるため、文脈によっては混同される可能性があります。語源的には、『suffuse』はラテン語の『下から注ぎ込む』に由来し、広がりを表すイメージがあります。
『excuse』は、『言い訳』という意味の名詞、または『許す』という意味の動詞として使われます。『enthuse』とはスペルも発音も大きく異なりますが、どちらも感情や行動に関連する単語であるため、文脈によっては混同される可能性があります。特に、『excuse me』のような日常的な表現があるため、無意識のうちに発音が混ざってしまうことがあります。また、動詞の場合、語尾の 's' の発音に注意が必要です。
『use』は『使う』という意味の基本的な単語ですが、『enthuse』と発音が似ていると感じる学習者がいるかもしれません。特に、早口で発音された場合や、音声が不明瞭な場合に聞き間違えやすいです。また、『enthuse』は『use』に接頭辞 'en-' が付いた形だと考えると、語源的なつながりを感じられるかもしれません(ただし、直接的な語源関係はありません)。
誤用例
日本人は「〜される」という受動態の表現を多用しがちですが、『enthuse』は他動詞として『〜を熱狂させる』という意味合いが強く、受動態で使うと不自然に聞こえます。より自然な英語では、『be enthusiastic about』という形容詞句を用いることで、提案に対する積極的な姿勢を表現できます。日本語の『感銘を受けた』というニュアンスを直訳しようとすると、このような誤用が起こりやすいです。英語では、感情や状態を表す場合、形容詞を用いる方が自然な場合があります。
『enthuse』は動詞として使う場合、ややインフォーマルな響きがあり、フォーマルな記者会見のような場にはそぐわないことがあります。より丁寧でプロフェッショナルな印象を与えるには、『be enthusiastic about』や『spoke highly of』などの表現を使うのが適切です。また、日本語の『熱弁をふるった』というニュアンスをそのまま『enthuse』で表現しようとすると、レジスターが合わない可能性があります。英語では、場面に応じた適切な語彙を選ぶことが重要です。
『enthuse』は『〜を熱狂させる』という意味合いが強いですが、日本語の『やる気にさせる』や『盛り上げる』といったニュアンスで使うと、少し押し付けがましい印象を与えることがあります。より自然な英語では、『get someone excited about』という表現を使うことで、相手の自発的な興味を引き出すニュアンスを表現できます。日本人は、相手の気持ちを尊重する文化を持っているため、英語でも同様の配慮をすることが大切です。英語では、相手の気持ちを考慮した表現を選ぶことで、より円滑なコミュニケーションを図ることができます。
文化的背景
「enthuse」は、元来「神がかり」の状態を指し、宗教的な熱狂、霊感、神の啓示といった超越的な力に取り憑かれた状態を表す言葉でした。それが転じて、現代ではある対象に対する並外れた熱意や情熱を意味するようになった背景には、世俗化が進む中で、かつて宗教が担っていた役割を別の何かが代替する、人々の心の拠り所が変化していくという文化的変遷が見て取れます。
17世紀、特にピューリタン革命の時代には、「enthusiast(熱狂者)」という言葉は、既存の教会組織や教義に批判的な人々、個人的な霊感を重視する人々を指す言葉として使われました。彼らは、直接的な神との交わりを主張し、しばしば社会の秩序を乱す存在とみなされました。この時代、熱狂は必ずしも肯定的な意味合いを持たず、むしろ狂信的、扇動的といったニュアンスを帯びていました。ジョン・ロックのような啓蒙思想家は、理性と経験を重視し、熱狂的な信仰を批判的に捉えました。つまり、初期の「enthuse」は、理性を超えた感情や信仰に対する警戒感と結びついていたのです。
しかし、時代が下るにつれて、「enthuse」の意味合いは変化していきます。ロマン主義の時代には、感情や情熱が肯定的に評価されるようになり、芸術や文学においてインスピレーションの源泉として重要視されるようになりました。また、産業革命以降、社会が大きく変化する中で、人々は新しい価値観や目標を求め、熱意や情熱を注ぐ対象を見つけるようになりました。スポーツ、科学、政治運動など、宗教以外の分野で「enthuse」が使われるようになり、その意味合いも肯定的なものへと変化していきました。現代では、マーケティングやビジネスの分野で、顧客や従業員の熱意を高めることが重要視されるようになり、「enthuse」はポジティブな感情を喚起する言葉として広く使われています。
このように、「enthuse」という言葉の変遷は、宗教的な熱狂から世俗的な情熱へ、そしてビジネスにおける積極的な態度へと、社会の変化と人々の価値観の変化を反映しています。かつては狂信と見なされたものが、今では成功の鍵となることもある。この言葉の歴史を辿ることで、文化的な文脈の中で言葉がどのように意味を変えていくのか、そして、人間の感情や情熱が社会の中でどのように位置づけられてきたのかを理解することができます。
試験傾向
1. 出題形式:主に長文読解、稀に語彙問題。2. 頻度と級・パート:準1級以上でまれに出題。3. 文脈・例題の特徴:ノンフィクション系の長文や、意見論述問題で熱意を表現する際に使われる可能性がある。4. 学習者への注意点・アドバイス:動詞としての用法(enthuse)だけでなく、形容詞(enthusiastic)や名詞(enthusiasm)も合わせて学習。自動詞/他動詞の区別にも注意。
1. 出題形式:Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)。2. 頻度と級・パート:TOEIC L&Rで稀に出題。3. 文脈・例題の特徴:新商品やプロジェクトに対する熱意を表現するビジネス関連の文脈で登場する可能性がある。4. 学習者への注意点・アドバイス:ビジネスシーンで使われるフォーマルな表現と、日常会話で使われるカジュアルな表現の両方を理解しておく。類義語(eager, excited)との使い分けも重要。
1. 出題形式:リーディングセクション。2. 頻度と級・パート:アカデミックな内容の長文で稀に出題。3. 文脈・例題の特徴:研究や学問に対する熱意、支持を表明するアカデミックな文脈で登場する可能性がある。4. 学習者への注意点・アドバイス:アカデミックな文章での使われ方を理解する。類義語(passionate, zealous)とのニュアンスの違いを理解しておく。
1. 出題形式:長文読解問題。2. 頻度と級・パート:難関大学の入試問題で稀に出題。3. 文脈・例題の特徴:評論文や物語文など、筆者の感情や登場人物の心情を表現する文脈で登場する可能性がある。4. 学習者への注意点・アドバイス:文脈から意味を推測する練習をする。関連語句(enthusiasm, enthusiastic)も合わせて覚えておく。