engaged
第2音節にアクセントがあります。/ɪ/ は日本語の『イ』よりも口を少し開けて発音します。/dʒ/ は『ヂ』に近いですが、より摩擦を意識してください。語尾の /d/ は舌先を上前歯の裏につけて発音し、息を止めるように意識するとよりネイティブに近い発音になります。母音を伴わない無声化は避けましょう。
専門的な内容に関するご注意
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夢中な
何かに深く関わっている状態。興味を持って熱心に取り組んでいる様子を表す。恋愛関係にある場合にも使われる
My little brother was so engaged with his toy cars that he didn't notice me.
弟はミニカーで遊ぶことに夢中で、私がいることに気づきませんでした。
※ 小さな男の子が、お気に入りのミニカーで遊ぶことに完全に集中している様子が目に浮かびますね。周りの声も聞こえないくらい夢中になっている「夢中な」状態をよく表しています。「be engaged with ~」で「~に夢中になっている、熱中している」という意味になります。
The engineer was deeply engaged in solving the complex problem.
そのエンジニアは、複雑な問題を解決することに深く没頭していました。
※ デスクに向かい、難しい問題の解決に全神経を集中させているエンジニアの姿を想像してみてください。他のことが手につかないほど真剣に取り組んでいる状況も、「夢中な」という言葉がよく使われる場面です。「be engaged in ~」で「~に夢中になっている、取り組んでいる」という意味。`deeply` を加えることで、集中度が高いことを表せます。
She was completely engaged in the new novel, turning pages quickly.
彼女は新しい小説にすっかり夢中になり、素早くページをめくっていました。
※ ソファに座って本を読んでいる女性が、物語の世界にすっかり入り込み、夢中でどんどんページをめくっている様子です。本や映画、物語などに心を奪われている状態は、「夢中な」という感覚を非常によく表します。ここでも「be engaged in ~」が使われ、`completely` を使うと「完全に夢中」という強い気持ちが伝わります。
予約済みの
すでに使用予定が決まっている状態。特に、電話回線や会議室、人材などが確保されていることを指す。
The meeting room was engaged, so we had to wait outside patiently.
会議室は予約済み(使用中)だったので、私たちは辛抱強く外で待たなければなりませんでした。
※ この例文は、オフィスや学校で「会議室が使われている」という、よくある状況を描写しています。「engaged」は、部屋や設備が「使用中」であることを表す際に非常によく使われます。ドアに「Engaged」と表示されているのを見たことがあるかもしれませんね。「patiently」は「辛抱強く」という意味で、待つ人の気持ちが伝わります。
I tried to call my friend, but the line was engaged for a long time.
友達に電話をかけようとしたのですが、電話回線が長い間話し中でした。
※ 「誰かに電話をかけたら、ずっと話し中だった」という、日常で誰もが経験する状況です。電話回線が「話し中」であることを表すときに、「the line is engaged」という表現はとても一般的です。電話が繋がらず、ちょっとがっかりする様子が伝わりますね。「for a long time」は「長い間」という意味で、時間の長さを表します。
I wanted to book the popular hair stylist, but she was already engaged all week.
人気のヘアスタイリストを予約したかったのですが、彼女はすでに一週間ずっと予約でいっぱいでした。
※ 「人気のサービス(人)を予約しようとしたら、もう予約で埋まっていた」という、残念な気持ちが伝わるシーンです。「engaged」は、人(特にプロのサービス提供者:医者、弁護士、美容師など)のスケジュールが「予約で埋まっている」状態を表す際にも使われます。人気のスタイリストの予約が取れなくて、がっかりしている様子が目に浮かびますね。「all week」は「一週間ずっと」という意味で、期間の長さを表します。
引き込む
注意や関心を惹きつけ、参加させること。議論や活動などに積極的に関与させるニュアンス。
The thrilling story completely engaged her, making her forget the time.
そのスリリングな物語は彼女を完全に引き込み、時間を忘れてしまいました。
※ 【情景】夢中になって本を読んでいる人が、物語の世界に吸い込まれ、周囲の音が聞こえなくなり、時間の感覚すら忘れてしまうような場面です。物語が持つ「人を惹きつける力」を鮮やかに描写しています。 【ポイント】「engage (人)」で「人を引き込む、夢中にさせる」という意味になります。本や映画、ゲームなどが、その内容で人を惹きつける際によく使われる、非常に自然な表現です。
His passionate speech truly engaged the audience from beginning to end.
彼の情熱的なスピーチは、最初から最後まで聴衆を心から引き込みました。
※ 【情景】講演会場で、スピーカーの熱意あふれる話に、聴衆全員が真剣に耳を傾け、身を乗り出して聞いている様子が目に浮かびます。話し手の魅力が、聞き手の関心や集中力を強く引き出している場面です。 【ポイント】スピーチやプレゼンテーション、授業などが、聞き手の関心を「引きつける」ときに使えます。「truly engaged」は「心から引き込んだ」という強い気持ちを表し、話し手が聴衆をどれだけ惹きつけたかを強調できます。
The artist's unique painting immediately engaged my eye and curiosity.
その画家の個性的な絵は、すぐに私の目と好奇心を引きつけました。
※ 【情景】美術館で、たくさんの絵がある中で、ある特定の絵の前で思わず立ち止まり、その魅力に吸い寄せられるように見入ってしまう様子です。絵が持つ独特の魅力が、見る人の注意や興味を強く惹きつけている場面を表します。 【ポイント】「engage (one's) eye」や「engage (one's) attention」で「~の目/注意を引きつける」という意味で非常によく使われます。人や物が、無意識のうちに誰かの注意を惹きつけるような状況を表現するのに便利です。
コロケーション
会話に夢中になっている、会話に参加している
※ 単に話しているだけでなく、積極的に会話に参加し、興味を持って聞いたり話したりしている状態を表します。 'in' がポイントで、何かに没頭しているニュアンスが含まれます。ビジネスシーンでも、会議や打ち合わせで積極的に意見交換をしている状況などに使われます。フォーマルな響きがあります。
婚約している
※ 結婚の約束をしている状態を指す、やや古風でフォーマルな言い方です。現在では 'engaged' だけでも婚約している意味で通じますが、'to be married' を加えることで、より正式な印象を与えます。新聞記事や結婚式の招待状などで使われることがあります。
熱心な眼差し、真剣な表情
※ 相手の話に注意深く耳を傾け、関心を持っていることを示す表情を指します。面接やプレゼンテーションなど、相手に好印象を与えたい場面で意識したい表現です。単に 'interested look' よりも、より積極的な関与を示唆します。
非常に熱心である、非常に積極的である
※ 'highly' をつけることで、'engaged' の度合いを強調します。仕事やプロジェクトに対して非常に意欲的で、積極的に取り組んでいる状態を表します。企業の人事評価や従業員満足度調査などでよく用いられる表現です。数値化して 'engagement rate' (エンゲージメント率) として測ることもあります。
デジタル技術を積極的に活用している
※ スマートフォン、SNS、オンラインサービスなどを積極的に利用している状態を指します。マーケティングや広告業界でよく使われる表現で、ターゲット層がデジタル技術にどれだけ関わっているかを測る指標となります。年齢層やライフスタイルによって 'digitally engaged' の度合いは異なります。
婚約する、従事し始める
※ ある状態に変化することを表す 'become' と組み合わせることで、婚約状態に入る、または何かに従事し始めるという意味になります。 'They became engaged last summer.' (彼らは昨年の夏に婚約した) のように使われます。 'get engaged' とほぼ同じ意味ですが、ややフォーマルな響きがあります。
関心を保つ、集中し続ける
※ 注意や関心を維持することを意味します。プレゼンテーションや講義などで、聴衆に飽きさせずに集中してもらうための工夫を指す場合によく使われます。'stay' は状態の維持を表し、積極的な努力が必要なニュアンスを含みます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、「~に従事している」「~に関わっている」という意味で使われます。研究者が特定のプロジェクトに『engaged in』している状況や、学生が熱心に議論に『engaged in』している様子などを説明する際に用いられます。また、心理学の研究で、被験者が特定のタスクに『engaged』している状態を観察・分析する場面でも使われます。
ビジネスシーンでは、会議やプレゼンテーションで聴衆を『engage』する(引き込む)という意味で使われます。また、従業員が仕事に積極的に『engaged』している状態や、企業が社会貢献活動に『engaged』していることを示す場合にも使われます。人事評価において、従業員のエンゲージメント(会社への愛着や貢献意欲)を測る指標としても重要視されます。
日常会話では、婚約している状態を『engaged』と表現することがあります。「She's engaged to him.(彼女は彼と婚約している)」のように使われます。ただし、日常的な会話では「getting married」や「engaged to be married」の方がより一般的です。また、ニュース記事やブログなどで、著名人が特定の活動に『engaged』している様子が報道されることもあります。
関連語
類義語
『関与している』『巻き込まれている』という意味で、活動、プロジェクト、議論など、何らかの事柄に積極的に参加している状態を表す。ビジネス、日常会話、学術など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『engaged』よりも広い意味を持ち、関与の度合いは様々。『engaged』はよりコミットメントが強く、注意やエネルギーを集中させているニュアンスがある。『involved』は、必ずしも積極的な参加を意味しない場合もある。 【混同しやすい点】『involved』は受動的な状況でも使用できる(例:be involved in an accident)。『engaged』は通常、より積極的な関与を意味する。また、『involved』はしばしば否定的な状況(犯罪、問題など)にも使われる。
- occupied
『占有されている』『忙しい』という意味で、時間、場所、注意などが何かによって満たされている状態を表す。フォーマルな場面やビジネスシーンでよく使用される。 【ニュアンスの違い】『engaged』が関心や注意を向けている状態を指すのに対し、『occupied』は物理的または時間的に何かで満たされている状態を指す。『engaged』は感情的なつながりやコミットメントを含むことが多いが、『occupied』は必ずしもそうではない。 【混同しやすい点】『occupied』は場所や時間に対して使われることが多い(例:The seat is occupied. I'm occupied with work.)。『engaged』は人や感情、活動などに対して使われることが多い。また、『occupied』は受動的な意味合いが強い場合がある。
- absorbed
『没頭している』『夢中になっている』という意味で、何かに深く集中し、他のことを忘れている状態を表す。文学的な表現や、感情的なニュアンスを含む場面でよく使用される。 【ニュアンスの違い】『engaged』が積極的に関わっている状態を指すのに対し、『absorbed』はより内面的で、周囲を気にせず没頭している状態を指す。『engaged』は他者との交流を含むことがあるが、『absorbed』は個人的な集中を表すことが多い。 【混同しやすい点】『absorbed』は通常、be動詞と組み合わせて使われる(例:be absorbed in a book)。『engaged』は、他動詞としても使われる(例:engage someone in conversation)。また、『absorbed』は物理的に吸収するという意味もあるため、文脈に注意が必要。
『注意深い』『熱心な』という意味で、人の話や行動によく注意を払い、相手に気を配っている状態を表す。ビジネス、教育、日常会話など、幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『engaged』が積極的に関与している状態を指すのに対し、『attentive』は相手に注意を払い、耳を傾けている状態を指す。『engaged』は行動を伴うことが多いが、『attentive』は受容的な態度を示す。 【混同しやすい点】『attentive』は通常、人に対して使われる(例:an attentive listener)。『engaged』は、人だけでなく、活動やプロジェクトなどにも使える。また、『attentive』はしばしば礼儀正しさや配慮のニュアンスを含む。
『献身的な』『熱心な』という意味で、人、仕事、趣味などに対して深い愛情や忠誠心を持ち、時間やエネルギーを惜しみなく費やしている状態を表す。フォーマルな場面や、感情的なニュアンスを含む場面でよく使用される。 【ニュアンスの違い】『engaged』が積極的に関わっている状態を指すのに対し、『devoted』はより深い愛情や忠誠心を持って献身している状態を指す。『devoted』は自己犠牲的なニュアンスを含むことがある。 【混同しやすい点】『devoted』は通常、toを伴って使われる(例:devoted to her family)。『engaged』は、toを伴わない場合もある(例:engaged in a project)。また、『devoted』はしばしば宗教的な献身や愛情表現に使われる。
『興味がある』という意味で、何かに対して関心や好奇心を持っている状態を表す。日常会話、ビジネス、学術など、幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『engaged』が積極的に関わっている状態を指すのに対し、『interested』は関心を持っているという、より受動的な状態を指す。『engaged』は行動を伴うことが多いが、『interested』は必ずしもそうではない。 【混同しやすい点】『interested』は通常、inを伴って使われる(例:interested in learning)。『engaged』は、inを伴わない場合もある(例:engaged in a project)。また、『interested』は単なる好奇心を表す場合もある。
派生語
『関与』『婚約』などを意味する名詞。『engage』から派生し、元々は『拘束』の意味合いが強かったが、そこから『関係を持つこと』『約束すること』へと意味が発展。ビジネスシーンでは『従業員エンゲージメント』のように、組織への積極的な関与度合いを示す言葉として用いられる。日常会話では『婚約』の意味で使われることが多い。
『人の心を惹きつける』『魅力的な』という意味の形容詞。『engage』の現在分詞形から派生し、『(相手の注意や興味を)拘束する』というニュアンスから、良い意味での『人を引き込む力』を表すようになった。プレゼンテーションやコンテンツの内容を評価する際に、『engaging presentation』『engaging content』のように用いられる。
- re-engage
接頭辞『re-(再び)』が付いた動詞で、『再び関与させる』『再開する』という意味。中断していた活動や関係性を再び活性化させる文脈で使われる。例えば、顧客との関係性を再構築する際に『re-engage customers』のように用いられる。
反意語
接頭辞『dis-(分離・否定)』が付いた動詞で、『(関係を)断つ』『解放する』という意味。『engage』が『拘束する』という意味合いを持つため、その反対として『拘束から解放する』『関係を解消する』という意味になる。軍事用語としても用いられ、『交戦を停止する』という意味合いも持つ。
『分離する』『取り外す』という意味の動詞。『engage』が『結合する』という意味合いを持つため、物理的または比喩的に『分離』を表す。例えば、機械部品を『detach』したり、感情的に『detach oneself from a situation(状況から距離を置く)』のように用いる。
『疎遠にする』『遠ざける』という意味の動詞。『engage』が『関係を築く』という意味合いを持つため、その反対として『関係を悪化させ、遠ざける』という意味になる。政治や社会的な文脈で、特定のグループを『alienate(疎外する)』といった使われ方をする。
語源
"Engaged"は、古フランス語の"engager"(誓約する、担保に入れる)に由来し、さらに遡るとラテン語の"invadiare"(担保に入れる)から派生しています。"vadiare"は「誓約」を意味し、これはゲルマン祖語に起源を持つと考えられています。接頭辞"en-"は「〜の中へ」や「〜の状態にする」といった意味合いを持ち、"engage"全体としては「誓約の中に入れる」「拘束する」という核となる意味を形成しています。この「拘束」の意味から、時間や注意を「引き込む」、つまり「夢中にさせる」という意味や、結婚の「予約済み」の状態を表す意味へと発展しました。現代英語では、物理的な拘束だけでなく、精神的な関与や約束といった抽象的な概念も包含する多義的な単語として使われています。
暗記法
「Engaged(婚約)」は、単なる愛の約束に非ず。かつては家同士の契約であり、政略結婚の道具でもありました。騎士道物語では、忠誠の誓い。シェイクスピア劇では、運命を左右する劇的なイベント。現代ではSNSで共有される幸せの象徴ですが、破局のリスクも孕みます。恋愛のみならず、仕事への没頭も意味し、愛と責任、希望と不安が交錯する、奥深い言葉なのです。
混同しやすい単語
発音とスペルが全く同じだが、自動詞として使われる場合と他動詞として使われる場合で意味が大きく異なる。自動詞の場合は『従事する』、他動詞の場合は『婚約する』などの意味になる。文脈によって意味を判断する必要がある。
スペルが似ており、語頭の 'en-' が共通しているため混同しやすい。'enrage' は『激怒させる』という意味の動詞であり、人を主語にすることは基本的にない。'engage' とは意味が全く異なるため、注意が必要。
スペルと発音がやや似ているため、混同される可能性がある。'engross' は『夢中にさせる』という意味の動詞であり、'engage' の『従事する』という意味とは異なる。'gross'(ひどい、粗野な)という単語と関連付けて覚えると、意味の違いを区別しやすい。
スペルが似ており、語頭の 'im-' が 'en-' と視覚的に似ているため混同しやすい。'immerge' は『浸す、没頭させる』という意味の動詞であり、'engage' と意味が一部重なる部分もあるが、より物理的な意味合いが強い。文脈によって使い分ける必要がある。
スペルが似ており、語頭の 'en-' が共通しているため混同しやすい。'encage' は『檻に入れる』という意味の動詞であり、'engage' とは意味が全く異なる。動物園などで使われるイメージを持つと覚えやすい。
'engage' に否定の接頭辞 'dis-' がついた単語。意味は『解放する』『(連結などを)外す』など、'engage' の反対の意味合いを持つ。スペルが似ているため、意味を混同しないように注意が必要。文脈によっては「関与しない」といった意味にもなる。
誤用例
日本人が『〜に熱心だ』『〜に夢中だ』という気持ちを表現する際、安易に『engaged』を使ってしまいがちですが、これは結婚の『婚約している』という意味合いが非常に強く、ビジネスや学術的な文脈には不適切です。プロジェクトへの熱意を示す場合は『committed』を用いるのが自然です。日本語の『熱心』という言葉に引きずられず、英語の語彙が持つニュアンスを理解することが重要です。また、『engaged』を『be動詞 + engaged』の形で使う場合、多くは『(電話などが)使用中』という意味になります。
『Engaged in』は『〜に従事している』という意味で使われることが多いですが、ネガティブな状況、特にスキャンダルや事件などに対して使うと、まるで積極的に関与しているかのような印象を与えてしまいます。スキャンダルに巻き込まれた状況を表現するなら、『embroiled in』がより適切です。日本人は『関わる』という言葉を善悪両方の状況に使いがちですが、英語では状況に応じて適切な動詞を選ぶ必要があります。この場合、『embroil』は元々『もつれさせる』という意味があり、意図せず巻き込まれたニュアンスを伝えるのに適しています。
『Engage』は『引き込む』という意味合いを持ちますが、相手を積極的に議論に『引き込む』というニュアンスが強すぎることがあります。特に、相手が乗り気でない場合に『engage』を使うと、強引な印象を与えかねません。より穏やかに、議論に『巻き込む』というニュアンスを伝えたい場合は、『involve』を使う方が適切です。日本語の『巻き込む』は、良い意味でも悪い意味でも使えますが、英語では『involve』の方が中立的なニュアンスを持ちます。また、『engage』は、機械などが『作動する』という意味も持ち、人に対して使う場合は慎重になるべきです。
文化的背景
「Engaged(婚約した)」は、単なる結婚の約束以上の意味を持ち、社会的な承認と責任、そして未来への希望を象徴する言葉です。かつては家と家との結びつきを意味し、政略結婚が一般的だった時代には、王侯貴族の権力維持や領土拡大のための重要な契約の一部でした。しかし、時代が下るにつれて、個人の感情や愛情が重視されるようになり、「engaged」は二人の自由な意志による約束、つまりロマンチックな愛情表現としての意味合いを強めてきました。
中世ヨーロッパの騎士道物語では、騎士が姫に忠誠を誓う際に「engagement」という言葉が使われることもありました。これは単なる恋愛感情だけでなく、命をかけて守り抜くという強い決意を示すものであり、現代の「engaged」が持つ責任感のルーツとも言えるでしょう。また、シェイクスピアの戯曲などでも、「engaged」は登場人物たちの運命を大きく左右する重要なイベントとして描かれています。婚約は、登場人物たちの社会的地位や財産、そして幸福を左右するものであり、ドラマティックな展開を生み出す要素として機能していました。
現代社会では、「engaged」はSNSなどで広く共有される個人的な喜びの表明となっています。婚約指輪の写真とともに「We're engaged!」と投稿することで、二人の幸せを友人や家族と分かち合い、祝福を受けることが一般的です。しかし、その一方で、婚約解消(broken engagement)もまた、現代社会における恋愛の不安定さを象徴する出来事として、メディアで取り上げられることがあります。婚約は、未来への希望に満ちたスタートであると同時に、破局のリスクを孕んだ、繊細な約束でもあるのです。
さらに、「engaged」は、単なる恋愛関係だけでなく、仕事や趣味など、何かに深く関わっている状態を表す言葉としても使われます。例えば、「He is engaged in a challenging project(彼は困難なプロジェクトに没頭している)」のように使われます。この用法は、婚約が単なる個人的な関係だけでなく、社会的な責任や義務を伴うものであるという、歴史的な背景を反映していると言えるでしょう。つまり、「engaged」は、愛と責任、希望と不安が入り混じった、複雑な感情を表現する言葉なのです。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解。2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、文化など幅広いテーマで登場。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「従事する」「熱中する」「婚約している」など複数の意味を理解し、文脈に応じて適切に判断する必要がある。
1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解)。2. 頻度と級・パート: 頻出単語。特にPart 7でよく見られる。3. 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(プロジェクト、会議、顧客対応など)で使われることが多い。「従業員が〜に従事する」といった文脈が多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「be engaged in」の形でよく使われる。類似表現(involved in, participate in)との使い分けを意識する。
1. 出題形式: リーディングセクション。2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。3. 文脈・例題の特徴: 研究論文、学術記事などで、抽象的な概念や理論の説明に使われることが多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「関与している」「没頭している」といった意味で使われることが多い。文脈から意味を推測する練習が必要。
1. 出題形式: 長文読解、語彙問題(空所補充)。2. 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、環境問題、科学技術など、論説的な文章で登場することが多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を判断する力が重要。「be engaged in」の形や、「engaged」単独で形容詞として使われる場合など、様々な用法を理解しておく必要がある。