engross
第一音節の /ɪ/ は、日本語の「イ」よりも口を少し開き、短く発音します。第二音節の強勢(ˈ)に注意し、「グロウ」を意識して強く発音しましょう。最後の /s/ は無声音で、息だけで出すように発音します。日本語の「ス」のように母音を伴わないように注意してください。
夢中にさせる
興味や関心を惹きつけ、時間や周囲を忘れさせるほど熱中させること。受動態で使われることが多い。(例: be engrossed in a book)
She was so engrossed in the exciting novel that she didn't hear the doorbell.
彼女は面白い小説に夢中になりすぎて、ドアの呼び鈴が聞こえませんでした。
※ この例文は、誰かが何かに「夢中になっている」様子を描いています。「be engrossed in (something)」は「〜に夢中になっている」という、とてもよく使われる形です。小説やゲーム、趣味など、時間を忘れるほど集中している状況で使われます。ここでは「so A that B(とてもAなのでB)」の構文も同時に学べますね。
He was engrossed in his work and didn't notice the time passing.
彼は仕事に没頭していて、時間が経つのに気づきませんでした。
※ これも「be engrossed in (something)」の形を使った例文です。特に仕事や勉強など、集中して取り組むべきことに深く「没頭している」状態を表すのにぴったりです。周りの状況や時間の経過も忘れてしまうほど、そのことに集中している情景が目に浮かびますね。
The interesting story completely engrossed the children.
その面白い物語は、子供たちを完全に夢中にさせました。
※ この例文では、「何かが(誰かを)夢中にさせる」という能動態の「engross」が使われています。この場合、「The interesting story(面白い物語)」が「the children(子供たち)」を夢中にさせた、という関係になります。映画や演説、魅力的な話など、人の心を強く引きつけるものについて話す時によく使われます。「completely」は「完全に」という意味で、夢中になる度合いを強調しています。
没頭する
ある活動や思考に深く入り込み、他のことを気にかけなくなる状態。仕事や趣味など、意識的に集中する場合に使われる。
The little girl was completely engrossed in her picture book, smiling softly.
その小さな女の子は絵本にすっかり夢中になっていて、静かに微笑んでいました。
※ この例文では、小さな女の子が絵本の世界に深く入り込み、周りのことに気づかないほど集中している様子が伝わります。「engrossed in A」で「Aに没頭している、夢中になっている」という意味になります。何かを心から楽しんでいる時にぴったりの表現です。
He was deeply engrossed in his new coding project, barely noticing the time pass.
彼は新しいコーディングプロジェクトに深く没頭しており、時間が経つのもほとんど気づきませんでした。
※ この例文は、仕事や研究に極めて集中している状況を表しています。「deeply」を加えることで、没頭の度合いが非常に深いことを強調しています。時間が経つのも忘れるほど、その作業にのめり込んでいる様子が目に浮かびますね。
The audience became completely engrossed in the thrilling story of the play.
観客は劇のスリリングな物語にすっかり引き込まれました。
※ この例文は、映画や舞台、物語などに心を奪われ、完全にその世界に入り込んでいる状態を表します。「become engrossed in A」で「Aに夢中になる、引き込まれる」という変化を示します。感動的な体験をした時に使うと自然です。
コロケーション
考えに没頭している
※ この表現は、人が自分の考えに深く集中し、周囲の状況に気づいていない状態を描写します。単に『考えている』よりも、さらに深く、内面的な世界に没入しているニュアンスです。例えば、小説家がストーリーの展開を深く考えている場面や、科学者が難解な問題を解決しようと苦心している場面などで使われます。文法的には受動態(be + 過去分詞)が使われており、考えが人を『夢中にさせている』というイメージです。
人の注意を奪う、夢中にさせる
※ これは、何か(例えば、魅力的なプレゼンテーション、面白い物語、美しい芸術作品など)が人の注意を完全に引きつけ、他のことに気を取らせない状態を表します。能動態の構文で、何かが『積極的に』人の注意を奪うというニュアンスがあります。ビジネスシーンでは、聴衆を惹きつけるプレゼンテーションスキルとして重要視されます。また、子供向けのエンターテイメントが子供たちの注意を惹きつける様子などにも使われます。
心を奪う、心を占める
※ 抽象的な概念や感情が、人の心を完全に占拠している状態を表します。例えば、強い愛情、深い悲しみ、または複雑な謎などが人の心を奪う状況です。この表現は、特に文学的な文脈や、心理的な状態を深く掘り下げたい場合に適しています。比喩的に、心が何かに『飲み込まれている』ようなイメージです。
本に夢中になっている
※ これは、読書に深く没頭し、周囲の状況を忘れてしまうほど本に集中している状態を表します。単に『本を読んでいる』よりも、本の世界に完全に浸っているニュアンスが強調されます。例えば、電車の中やカフェで、周囲の騒音も気にせず本を読んでいる人を描写する際に使われます。類似の表現として 'lost in a book' もありますが、'engrossed' の方がより強い集中力を示唆します。
会話に夢中になっている
※ 二人が非常に興味深い会話をしていて、周りの状況に全く気づかないほど熱中している状態を表します。これは単に「話している」よりも、より深いレベルでの関与と没頭を示唆します。社交的な場面や、親密な人間関係を描写する際に適しています。例えば、旧友との再会で、時間を忘れて話し込んでいる様子などに使われます。
細部に没頭している
※ これは、あるプロジェクトやタスクの非常に細かい部分に注意を払い、他の側面を無視してしまうほど集中している状態を表します。例えば、芸術家が作品の細部にこだわり抜いたり、研究者がデータの分析に没頭するような状況です。しばしば、完璧主義的な傾向や、全体像を見失う危険性も暗示します。ビジネスシーンでは、品質管理や精密な作業を求められる場面で使われます。
夢中にさせる物語、引き込まれる話
※ これは、読者や観客の注意を強く引きつけ、最後まで飽きさせない物語を指します。プロットが複雑で、キャラクターが魅力的で、サスペンスに満ちているなど、様々な要素が組み合わさって人を惹きつけます。映画、小説、演劇など、あらゆる種類の物語に使われます。類義語としては 'captivating', 'absorbing' などがありますが、'engrossing' はより強い没入感を強調します。
使用シーン
学術論文や専門書で、研究対象や現象に人が没頭する様子を記述する際に使われます。例えば、心理学の研究で「被験者は特定のタスクに完全に没頭した(The subjects were completely engrossed in the specific task.)」のように使われます。講義では、学生の興味を引くために、具体的な例を挙げて「この分野は非常に奥深く、一度足を踏み入れると夢中になるでしょう(This field is so profound that once you delve into it, you'll be engrossed.)」のように説明することがあります。
ビジネス文書やプレゼンテーションで、プロジェクトや業務に集中している様子を表現する際に使用されます。例えば、プロジェクトの進捗報告で「チームメンバーは新プロジェクトに没頭している(The team members are engrossed in the new project.)」のように使われます。また、顧客への提案書で、自社の製品やサービスが顧客の課題解決に貢献できることを強調する際に、「貴社のビジネス成長に貢献することに全力を尽くします(We are engrossed in contributing to your business growth.)」のように表現することがあります。ややフォーマルな印象を与えるため、日常的な会話ではあまり使われません。
日常会話ではあまり使われませんが、書籍、ニュース記事、ドキュメンタリーなどで、人が何かに夢中になっている状況を説明する際に使われることがあります。例えば、ニュース記事で「彼はその事件の真相解明に没頭した(He became engrossed in uncovering the truth of the incident.)」のように使われます。また、映画やドラマのレビューで、ストーリー展開の面白さを表現する際に「物語に引き込まれる(You become engrossed in the story.)」のように使われることがあります。日常会話では、よりカジュアルな表現(e.g., 'really into', 'hooked on')が好まれます。
関連語
類義語
『吸収する』という意味で、液体や知識、情報などを吸収する際に使われる。また、人の注意や関心を奪うという意味でも使われる。ビジネス、学術、日常会話など幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】『engross』と同様に、人の注意や関心を奪うという意味を持つが、『absorb』はより受動的なニュアンスが強い。例えば、人が本を読んでいて完全に物語に没頭している状態を表すのに適している。『engross』よりも感情的な強さは弱い。 【混同しやすい点】『absorb』は物理的な吸収と抽象的な吸収の両方を表せるが、『engross』は主に抽象的な意味(人の心や注意を奪う)で使われる点。
『魅了する』という意味で、美しさや才能、魅力などで人の心を強く引きつける際に使われる。主に芸術、エンターテイメント、恋愛などの文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『engross』よりも強い感情的な影響を与えることを示唆する。また、『captivate』はしばしば、ある種の魔法のような、あるいは抗いがたい魅力によって引きつけられる様子を表す。『engross』は単に注意を集中させることを意味する。 【混同しやすい点】『captivate』は通常、ポジティブな意味合いで使用され、人を喜ばせる、楽しませるというニュアンスを含む。『engross』は必ずしもポジティブな感情を伴わない(例えば、恐ろしい話に夢中になる場合など)。
『没頭させる』という意味で、液体に浸すという意味の他に、ある活動や状況に深く関わらせるという意味を持つ。自己啓発、趣味、仕事など、ある程度時間をかけて深く関わる状況で使用される。 【ニュアンスの違い】『engross』と似ているが、『immerse』はより積極的に関与しているニュアンスが強い。自分自身を何かに浸す、つまり積極的にその状況や活動に入り込むイメージ。『engross』は必ずしも積極的な関与を必要としない。 【混同しやすい点】『immerse oneself in』という再帰的な形をよく使う。また、『immerse』は物理的な意味でも抽象的な意味でも使えるが、『engross』は主に抽象的な意味で使用される。
『心を奪う』、『夢中にさせる』という意味で、心配事や考え事で頭がいっぱいになっている状態を表す。ビジネス、日常生活、心理学などの文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『engross』と比べて、『preoccupy』はしばしばネガティブな感情や心配事を伴うことが多い。つまり、良い意味で夢中になっているというより、何か気がかりなことがあって集中できない状態を表すことが多い。『engross』は必ずしもネガティブな感情を伴わない。 【混同しやすい点】『preoccupy』は受動的なニュアンスが強く、何かに心を奪われている状態を表すのに対し、『engross』は能動的に何かに夢中になっている状態も表せる。
- rivet
『釘付けにする』という意味で、興味や恐怖などで人が動けなくなるほど強く注意を引きつける際に使われる。ニュース、スリラー映画、衝撃的な出来事などの文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】『engross』よりも強い、強制的な注意の引きつけを表す。『rivet』は文字通り釘で打ち付けられたように、その場から動けなくなるイメージ。感情的なインパクトが強く、一時的な状態を表すことが多い。 【混同しやすい点】『rivet』は通常、非常に強い感情(驚き、恐怖、興奮など)を伴う状況で使用される。『engross』はより穏やかな、または持続的な関心の状態を表すことができる。
『魅了する』という意味で、興味深く、魅力的なものによって人の心を捉える際に使われる。科学、歴史、芸術、文化など、知的な好奇心を刺激する対象に対して使われることが多い。 【ニュアンスの違い】『engross』と似ているが、『fascinate』はより知的で、好奇心を刺激するニュアンスが強い。単に注意を引くだけでなく、理解したい、もっと知りたいという気持ちを引き出す。『engross』は必ずしも知的な好奇心を伴わない。 【混同しやすい点】『fascinate』はしばしば、ある種の神秘性や複雑さを持つ対象に対して使用される。『engross』はより日常的なものや、単純な娯楽に対しても使用できる。
派生語
現在分詞/形容詞で「夢中にさせるような、心を奪うような」。動詞「engross」が持つ「完全に集中させる」意味合いが、形容詞として対象に働きかける性質を表す。物語や映画など、人の注意を強く引きつけるものに使われることが多い。日常会話でも使用頻度は高い。
- engrossment
名詞で「没頭、熱中」。動詞「engross」から派生し、状態や行為そのものを指す。契約書などの法律用語としても用いられ、「正式な清書」という意味もある。ビジネス文書や法律関係で使われる場合は、文脈に注意が必要。
「総計の、全体の」という意味の形容詞。「engross」の語源である古フランス語の「gros(大きい)」に由来し、本来は「大きくまとめる」というニュアンスがある。そこから「総計」や「粗野な」という意味に発展。ビジネスシーンで「粗利益(gross profit)」といった形で頻繁に使用される。
反意語
動詞で「退屈させる」。engrossが「(興味を引いて)没頭させる」のに対し、boreは「(興味を失わせ)退屈させる」という正反対の意味を持つ。日常会話で頻繁に使われ、受動態で「退屈した」という感情を表すことも多い。
動詞で「気を散らす、注意をそらす」。engrossが「注意を集中させる」のに対し、distractは「注意を分散させる」という意味を持つ。ビジネスシーンや学術的な文脈で、集中を妨げる要因を説明する際によく用いられる。
- disinterest
名詞で「無関心、興味のなさ」。engrossが「強い興味を持つ」状態を表すのに対し、disinterestは「興味がない」状態を指す。学術論文や議論などで、客観性や中立性を強調する文脈で使われることが多い。接頭辞「dis-」が否定の意味を付加している。
語源
"Engross"は、中英語の"en gross"に由来し、「大きくする」「太らせる」といった意味合いがありました。この"gross"は、古フランス語の"gros"(大きい、太い)から来ており、さらに遡るとラテン語の"grossus"(粗い、厚い)にたどり着きます。もともと物理的な大きさや量を示す言葉でしたが、そこから転じて、人の注意や関心を「大きく占める」→「夢中にさせる」「没頭させる」という意味を持つようになりました。日本語で例えるなら、「のめり込む」という表現が近いかもしれません。「のめり込む」も、最初は物理的な動作を表していましたが、比喩的に何かに熱中する様子を示すようになったのと似ています。
暗記法
「engross」は、中世写本職人が装飾写本に没頭する姿を想起させます。聖書の言葉を伝える写本製作は、美への没頭と神への奉仕が結びついた精神的な営みでした。手紙に「engrossed」になることは、感情の機微に深く入り込むこと。現代では、映画や音楽への没入感を表しますが、創造性や人間関係、自己探求といった深い意味合いも秘めています。単なる没頭を超えた、献身的な集中を意味する言葉です。
混同しやすい単語
発音が似ており、特に語尾の 'grave' の部分が混同されやすい。'engrave' は『彫る、刻む』という意味の動詞であり、'engross' の『夢中にさせる』とは意味が大きく異なる。スペルも似ているため、文脈で判断する必要がある。語源的には、'engrave' は 'grave'(墓)と関連があり、石に刻むイメージから来ている。
スペルが似ており、特に 'en-' で始まる点が共通しているため、視覚的に混同しやすい。'enclose' は『囲む、同封する』という意味の動詞であり、'engross' とは意味が異なる。ビジネスメールなどで頻繁に使われる単語なので、意味を正確に理解しておくことが重要。
'engross' の古い綴りまたは異形として存在するため、古い文献などで見かけることがある。現代英語では 'engross' が一般的だが、歴史的な文脈では 'ingross' もあり得ることを知っておくと良い。意味は 'engross' と同じ。
スペルが似ており、特に最初の 'gros-' の部分が共通しているため、視覚的に混同しやすい。'gross' は『総計の、ひどい』などの意味を持つ形容詞または動詞であり、'engross' とは意味が異なる。発音も若干異なるため、注意が必要。会計用語としてもよく使われる。
スペルと発音の両方が 'en-' と 'or' の部分で類似性を持つため、混同しやすい。'endorse' は『支持する、裏書きする』という意味の動詞であり、'engross' とは意味が異なる。特に、有名人が商品を 'endorse' するというように、広告やマーケティングの文脈でよく使われる。
語頭の 'e' と、語尾の 'rge' の部分がスペル的に似ているため、視覚的に混同しやすい。'emerge' は『現れる、出現する』という意味の動詞であり、'engross' とは意味が異なる。ニュース記事などで頻繁に使われる単語なので、意味を正確に理解しておくことが重要。
誤用例
『engross』は『夢中にさせる』という意味で、対象が人や活動に向けられることが多いです。葬儀という厳粛な場でスマートフォンに夢中になっている状況を表現する場合、より口語的で強い非難のニュアンスを含む『glued to』を使う方が適切です。日本人が『engross』を直訳的に使いがちな背景には、『没頭する』という言葉の対象範囲の広さが影響していると考えられます。英語では、状況や対象によって適切な表現を選ぶ必要があります。
『engross』は、人を対象として、その人の注意や興味を奪うという意味合いが強いです。市場シェアのような抽象的な概念に対しては、獲得するという意味の『capture』が適切です。日本人が『engross』を『独占する』のような意味で捉えがちなのは、漢字のイメージに引きずられている可能性があります。『独占』という言葉が持つ強い支配的なニュアンスは、英語では別の語彙で表現されることが多いです。ビジネスシーンでは、より正確な語彙選択が求められます。
『engross』は本来、人を魅了して夢中にさせるという意味です。退屈な講義で学生を『engross』することはありえません。この文脈では『bore(退屈させる)』が正解です。日本人が間違えやすい原因として、日本語の『〜させる』という使役の形に引きずられ、『退屈な講義が学生を〜させる』という発想で安易に英単語を選択してしまうことが考えられます。英語では、行為の主体と対象を明確に意識し、適切な動詞を選ぶ必要があります。
文化的背景
「Engross」は、まるで物語に没頭して時間を忘れるかのように、人の心を完全に捉えて離さない状態を表します。この言葉は、中世写本職人が装飾写本に没頭する姿を連想させ、美への没頭や創造的な活動における集中力を象徴してきました。
「Engross」が持つ文化的背景を深く理解するためには、中世ヨーロッパにおける写本製作の状況を垣間見る必要があります。修道院などで丹念に手書きされた写本は、聖書の言葉を伝えるだけでなく、美しい装飾によって信仰心を高める役割も担っていました。写字生や装飾家たちは、誤字脱字がないか、装飾は適切か、細部にまで神経を研ぎ澄ませ、文字通り「engrossed」な状態で作業に没頭しました。彼らの集中力は、単なる労働ではなく、神への奉仕という精神的な営みと結びついていたのです。そのため、「engross」は、単に「没頭する」という状態を超えて、献身的な集中、精神的な高揚感、そして創造的な達成感といったニュアンスを含んでいます。
文学作品における「engross」の使われ方にも、その文化的背景が反映されています。例えば、ジェーン・オースティンの小説では、登場人物が手紙を読む場面で「engrossed」という言葉が使われることがあります。これは、手紙の内容に心を奪われ、周囲の状況を忘れてしまうほどの強い感情を表しています。手紙は、当時の人々にとって貴重なコミュニケーション手段であり、個人的な感情や秘密が込められたものでした。そのため、手紙に「engrossed」することは、単なる情報収集ではなく、人間関係や感情の機微に深く入り込むことを意味していました。
現代社会においても、「engross」は、映画や音楽、ゲームなど、様々なエンターテイメントに対する没入感を表現するために用いられます。しかし、その根底には、中世の写本職人たちが抱いていたような、美への追求や精神的な充足感といった要素が残っています。私たちが何かに「engrossed」するとき、それは単なる娯楽ではなく、創造的な活動や人間関係、そして自己探求といった、より深い意味を持つ体験へと繋がっているのかもしれません。
試験傾向
準1級、1級で語彙問題や長文読解で出題される可能性があります。1級ではエッセイでの使用も考えられます。
1. **出題形式**: 主に語彙問題(四択)や長文読解。
2. **頻度と級・パート**: 準1級以上。長文読解で稀に出題。
3. **文脈・例題の特徴**: アカデミックな内容、ニュース記事、ノンフィクションなど。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 「夢中にさせる」という意味だけでなく、「(悪いことに)没頭させる」という意味もある点に注意。動詞としての用法を重点的に学習。
TOEICでは、リーディングセクション(Part 5, 6, 7)で登場する可能性がありますが、英検に比べると頻度は高くありません。
1. **出題形式**: 主に長文読解(Part 7)。稀に語彙問題(Part 5)。
2. **頻度と級・パート**: Part 7で稀に出題。
3. **文脈・例題の特徴**: ビジネス関連の文書(レポート、記事)など。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: ビジネスシーンでの「夢中にさせる」「没頭させる」というニュアンスを理解しておく。類義語(absorb, captivate)との使い分けも重要。
TOEFL iBTのリーディングセクションで頻出の単語です。アカデミックな内容で使われることが多く、文脈から意味を推測する能力が求められます。
1. **出題形式**: リーディングセクション(長文読解)。
2. **頻度と級・パート**: リーディングセクションで頻出。
3. **文脈・例題の特徴**: アカデミックな文章(科学、歴史、社会学など)。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 動詞として使われることがほとんど。文脈から意味を推測する練習を重ねる。類義語(preoccupy, immerse)とのニュアンスの違いも理解しておくと役立つ。
大学受験の長文読解問題で出題される可能性があります。難関大学ほど出題頻度が高くなる傾向があります。
1. **出題形式**: 長文読解。
2. **頻度と級・パート**: 難関大学でやや頻出。
3. **文脈・例題の特徴**: アカデミックな内容、評論、小説など。
4. **学習者への注意点・アドバイス**: 文脈の中で「engross」の意味を正確に捉えることが重要。派生語(engrossing)も覚えておくと役立つ。過去問で実際に出題された文脈を確認することが効果的。