detailed
第一音節にアクセントがあります。/iː/ は日本語の「イー」よりも少し長く発音し、口を横に引くことを意識しましょう。/eɪ/ は二重母音で、「エ」から「イ」へスムーズに移行させます。最後の /ld/ は、舌先を上の歯の裏につけて発音する /l/ の後、有声歯摩擦音 /d/ を発音します。/d/ は日本語の「ド」よりも舌を強く弾くように発音するとより正確になります。
詳細な
細部まで丁寧に記述・説明されている様子。単に詳しいだけでなく、注意深く、網羅的に情報が提供されているニュアンスを含む。報告書、計画、説明など、具体的な情報を伝える文脈で使われる。
He gave me a very detailed explanation of how to use the new app.
彼は新しいアプリの使い方について、とても詳細な説明をしてくれました。
※ 新しいアプリの使い方が分からず困っていた時、彼が一つ一つ丁寧に教えてくれました。まさに「詳細な」説明です。このように、何かを詳しく説明したり、指示したりする時によく使います。「detailed explanation(詳細な説明)」は非常によく使われる組み合わせです。
The police report contained a detailed description of the missing car, so we could easily recognize it.
警察の報告書には行方不明の車の詳細な描写が含まれていたので、私たちはそれを簡単に見分けることができました。
※ 警察が探している車の特徴について、色や形、傷の場所まで細かく書かれていた状況です。このように、物や人の特徴を具体的に「描写する」際に「詳細な」情報が提供される場合によく使われます。「detailed description(詳細な描写)」も頻繁に耳にする表現です。
After the trip, I wrote a detailed diary to remember every moment clearly.
旅行の後、私はすべての瞬間をはっきりと覚えておくために、詳細な日記を書きました。
※ 楽しい旅行の思い出を忘れたくないから、その日の出来事や感じたことを、できるだけ細かく日記に書き留めた場面です。「詳細な日記 (detailed diary)」のように、個人的な記録や文章が「詳しい」ことを表現する時にも使えます。情報が多ければ多いほど「detailed」です。
綿密な
細部にまで注意が行き届き、入念に作り込まれている様子。計画、調査、分析など、正確さや完成度が求められる文脈で使われる。
The architect drew a detailed plan for the new building.
建築家は新しい建物の綿密な設計図を描きました。
※ 建築家が建物の設計図を描くとき、柱の位置や窓の大きさなど、細かい部分まですべて綿密に計画しますよね。このように「計画」や「図面」について「詳細がしっかりしている」と言うときに`detailed plan`はとてもよく使われます。「彼は綿密な計画を立てた」なら `He made a detailed plan.` と言えます。
Could you give me more detailed instructions for this game?
このゲームについて、もっと綿密な(詳しい)説明をいただけますか?
※ 新しいゲームを始めたけれど、ルールがよくわからず、もっと詳しい説明がほしい時に使えるフレーズです。`instructions`(説明書、指示)は`detailed`と非常によく組み合わされます。日常会話で「もっと詳しく教えて」と言いたい時に `Could you give me more details?` とも言えますが、`detailed instructions` は「綿密な手順や説明」を指します。
The artist added many detailed patterns to the dress.
その芸術家は、ドレスに多くの綿密な(細やかな)模様を加えました。
※ 芸術家が絵を描いたり、洋服をデザインしたりする際、非常に細かい線や模様を一つ一つ丁寧に描き込むことがあります。このように「細部までこだわって作られたもの」や「描写が細かいもの」に対して`detailed`を使います。この例文では、ドレスの美しい模様が目に浮かびますね。
具体的な
抽象的な概念ではなく、はっきりと形や内容が特定できる様子。例:「detailed instructions(具体的な指示)」、あいまいさを排除し、実行に移しやすい情報であることを強調する。
My friend shared her travel plan, but I need more detailed information about the schedule.
友達が旅行の計画を教えてくれたけど、スケジュールについてもっと具体的な情報が欲しいな。
※ この例文は、友達との会話で、旅行の計画を立てる場面を想像させます。ワクワクするけど、もう少し具体的な情報が欲しいという気持ちが伝わりますね。「何かもっと詳しく教えてほしい」「具体的な情報が欲しい」という時に、'detailed information' や 'detailed plan' の形でよく使われます。'detailed' は 'information' や 'plan' など、情報や計画を表す名詞の前によく置かれます。
The manager asked for a detailed report with all the sales figures.
部長は、すべての売上数字を含む具体的な報告書を求めました。
※ これはオフィスでの会議中、部長が社員からの報告について「もっと具体的な数字や情報が必要だ」と感じている場面です。ビジネスシーンで、報告書や説明に「具体性」や「詳細」を求める際に頻繁に使われます。'detailed report' はビジネスで非常に一般的な組み合わせで、「具体的な報告書」という意味で、数字や事実がしっかり含まれていることを期待するニュアンスです。
The artist painted a very detailed picture of the old village.
その画家は、古い村のとても具体的な(詳細な)絵を描きました。
※ この例文は、美術館で、ある絵をじっくり見ている場面を想像させます。その絵が、古い村の様子を細部まで丁寧に描いていることに感銘を受けている状況です。絵画や写真、地図など、視覚的に「細部まで描かれている」「精密に作られている」ものを表現する際によく使われます。物事の「具体的な様子」を伝えるのにぴったりです。
コロケーション
詳細な分析
※ 名詞を修飾する形容詞の組み合わせです。単に『詳しい分析』というだけでなく、徹底的に掘り下げ、あらゆる角度から検討を加えた分析を指します。ビジネスシーンや学術論文で、客観性と信頼性を示すために頻繁に用いられます。例えば、市場調査の報告書や、製品の性能評価レポートなどで見られます。類語の 'thorough analysis' よりも、さらに細かい部分にまで注意が払われているニュアンスを含みます。
詳細な説明、詳細な記録
※ 出来事や状況を非常に細かく、具体的に説明・記録することを指します。物語の描写、事件の捜査報告、会計報告など、事実を正確に伝える必要がある場面で重要です。 'account' は『説明』『記録』という意味を持ちますが、'detailed' がつくことで、単なる概要ではなく、すべての関連情報が網羅されていることを強調します。口語よりも、書面や公式な場での使用が適しています。
詳細な情報
※ 特定の事柄に関する、非常に細かく具体的な情報です。単に情報があるだけでなく、質問に答えられるだけの十分な情報があることを意味します。製品仕様、旅行の計画、法律の詳細など、正確さが求められる場面で不可欠です。'specific information' と似ていますが、'detailed' は量と深さの両方を示唆します。
詳細な計画
※ プロジェクトやイベントなどを成功させるために、各ステップ、リソース、タイムラインなどを具体的に記述した計画です。単に計画があるだけでなく、実行可能性が高く、リスクを最小限に抑えるための綿密な準備がされていることを示唆します。ビジネスシーンでよく用いられ、'comprehensive plan' と同様に、全体像を把握し、関係者全員が同じ方向を向くために不可欠です。
詳細な調査、詳細な検査
※ 何かを注意深く、徹底的に調べる行為を指します。医療における身体検査、犯罪捜査における現場検証、製品の品質管理など、見落としがないように細部まで確認する場面で用いられます。'thorough examination' と同様に、表面的な観察だけでなく、内部構造や潜在的な問題点まで掘り下げて調査することを意味します。
詳細に、詳しく
※ 副詞句として、動詞や文全体を修飾し、説明や描写が非常に細かいことを強調します。例えば、 'He explained the process in detailed.' のように使います。 'in detail' とほぼ同義ですが、'in detailed' はやや古風な印象を与えることがあります。ビジネス文書や学術論文など、正確さが求められる場面で好んで用いられます。口語では 'in detail' の方が一般的です。
詳細な知識
※ 特定の分野や主題に関する、深く掘り下げた、広範な知識のことです。単に情報を持っているだけでなく、その知識を応用し、問題を解決できるレベルであることを意味します。専門家や研究者など、高度な専門性を持つ人物を指す場合に用いられます。'comprehensive knowledge' と同様に、表面的な理解を超え、本質を捉えていることを示唆します。
使用シーン
学術論文や研究発表で、データや分析結果を詳細に説明する際に頻繁に使用されます。例えば、実験結果を報告する際に「detailed analysis(詳細な分析)」として記述したり、先行研究の「detailed review(綿密なレビュー)」を行うといった文脈で使われます。研究者が自身の研究の正確性や信頼性を高めるために不可欠な語彙です。
ビジネスシーンでは、報告書、企画書、プレゼンテーション資料などで、プロジェクトの進捗状況や市場分析の結果を具体的に示す際に使用されます。例えば、「detailed market research(詳細な市場調査)」や「detailed financial report(詳細な財務報告書)」といった表現が用いられ、意思決定の根拠となる情報を伝えるために重要です。マネージャーが部下に指示を出す際に、タスクの具体的な内容を「detailed instructions(詳細な指示)」として伝えることもあります。
日常会話ではあまり使用されませんが、ニュース記事やドキュメンタリー番組などで、事件や事故の状況を詳しく報道する際に用いられることがあります。例えば、「detailed account of the incident(事件の詳細な説明)」といった表現が見られます。また、趣味や興味のある分野について深く掘り下げて議論する際に、専門的な知識を持つ人が「detailed explanation(詳細な説明)」を行うことがあります。
関連語
類義語
『徹底的な』『完全な』という意味で、調査、分析、準備など、何かを完全に、そして注意深く行うことを指します。ビジネスや学術的な文脈でよく使用されます。 【ニュアンスの違い】"detailed"が細かい情報に焦点を当てるのに対し、"thorough"はプロセスや調査の完全性に焦点を当てます。つまり、"thorough"は、あらゆる側面を網羅していることを強調します。 【混同しやすい点】日本語ではどちらも『詳細な』と訳されることがありますが、"thorough"は情報そのものの詳細さよりも、調査や作業の網羅性や完全さを意味することに注意が必要です。例えば、"thorough investigation"(徹底的な調査)は、詳細な情報だけでなく、あらゆる角度から調査が行われたことを意味します。
『明白な』『明示的な』という意味で、曖昧さがなく、はっきりと述べられていることを指します。契約書、指示書、ルールなど、誤解を避けるために明確さが求められる場面で使われます。 【ニュアンスの違い】"detailed"が情報量が多いことを意味するのに対し、"explicit"は情報が明確に表現されていることを強調します。つまり、"explicit"な情報は、解釈の余地がないほど明確です。 【混同しやすい点】"detailed"は情報が多いことを示すのに対し、"explicit"は情報が明確であることを示すという違いがあります。例えば、"detailed instructions"は情報量が多い指示を意味しますが、"explicit instructions"は曖昧さがない明確な指示を意味します。
『正確な』『精密な』という意味で、誤差が少なく、正確であることを指します。科学、数学、工学などの分野で、正確な測定や計算が必要な場合に用いられます。 【ニュアンスの違い】"detailed"が多くの情報を含むことを意味するのに対し、"precise"は情報の正確さを強調します。つまり、"precise"な情報は、誤差や曖昧さがなく、正確に定義されています。 【混同しやすい点】"detailed"は必ずしも正確であることを意味しませんが、"precise"は常に正確であることを意味します。例えば、"detailed description"は多くの情報を含む説明を意味しますが、その情報が正確であるとは限りません。一方、"precise measurement"は誤差が少ない正確な測定を意味します。
『特定の』『具体的な』という意味で、一般的ではなく、特定の対象や事項に限定されていることを指します。ビジネス、法律、科学など、対象を明確にする必要がある場面で使われます。 【ニュアンスの違い】"detailed"が多くの情報を含むことを意味するのに対し、"specific"は対象が明確であることを強調します。つまり、"specific"な情報は、一般的ではなく、特定の対象に限定されています。 【混同しやすい点】"detailed"は情報量が多いことを示し、"specific"は対象が明確であることを示すという違いがあります。例えば、"detailed information"は情報量が多い情報を意味しますが、その情報が特定の対象に限定されているとは限りません。一方、"specific information"は特定の対象に関する情報を意味します。
『微細な』『詳細な』という意味で、非常に小さく、見過ごしやすいような細部にまで及ぶことを指します。文学、科学、法律など、細部に注意を払う必要がある場面で用いられます。 【ニュアンスの違い】"detailed"と似ていますが、"minute"はさらに細部に焦点を当て、見過ごしやすいほどの小さな点まで含んでいることを強調します。また、"minute"はフォーマルな文脈で使われることが多いです。 【混同しやすい点】"minute"は発音が同じ別の単語(「分」の意味)があるため、文脈によって意味を判断する必要があります。また、"detailed"よりもフォーマルな響きがあるため、日常会話では"detailed"の方が自然な場合が多いです。例えば、"minute details"(微細な詳細)は、非常に細かい部分まで含んだ詳細を意味します。
『手の込んだ』『詳しく述べる』という意味で、複雑で詳細な説明やデザインを指します。芸術、建築、文学など、複雑さや美しさが求められる場面で用いられます。 【ニュアンスの違い】"detailed"が単に情報量が多いことを示すのに対し、"elaborate"は複雑さや装飾性を含んだ詳細さを意味します。また、"elaborate"は動詞としても使われ、「詳しく説明する」という意味になります。 【混同しやすい点】"detailed"は名詞を修飾する形容詞として使われることが多いですが、"elaborate"は形容詞としても動詞としても使われるという違いがあります。例えば、"elaborate design"(手の込んだデザイン)は、複雑で美しいデザインを意味し、"elaborate on a topic"(あるトピックについて詳しく述べる)は、そのトピックについて詳細に説明することを意味します。
派生語
名詞で「詳細」「細部」の意味。動詞の「detailed」から派生し、より具体的な情報や要素を指す。ビジネス文書や技術文書、ニュース記事などで頻繁に使用され、物事を具体的に記述する際に不可欠。例えば、「計画のdetail(詳細)」のように使われる。
- detailing
動名詞または現在分詞として使用され、「詳細に述べること」「細部へのこだわり」といった意味合いを持つ。特に自動車の「detailing(内外装の徹底的な清掃・磨き上げ)」や、プロジェクトの「detailing(詳細設計)」のように、特定の分野における専門的な作業やプロセスを指すことが多い。
- detail-oriented
「細部に注意を払う」「几帳面な」という意味の複合形容詞。「detailed」が持つ「細部」の概念を、人の性格や能力を表す形容詞として応用したもの。履歴書や求人広告でよく見られ、仕事の正確性や品質を重視する姿勢を示す。
反意語
「詳細な」の反対で、「一般的な」「大まかな」という意味。特定の詳細に焦点を当てる「detailed」とは異なり、「general」は全体像や概要を指す。例えば、「general overview(概要)」のように、詳細を省いた全体的な説明をするときに使う。ビジネスやニュース報道で頻出。
「広い」「広範な」という意味で、「detailed」が狭く深く掘り下げるのに対し、「broad」は広く浅く全体をカバーするニュアンス。例えば、「broad outline(大まかな概要)」のように、詳細な情報がない、または必要としない場合に用いられる。学術論文や政策文書などで、議論の範囲を示す際によく使われる。
「曖昧な」「不明瞭な」という意味。「detailed」が明確で具体的な情報を提供するのに対し、「vague」は情報が不足していたり、意図的にぼかされていたりする状況を表す。「vague explanation(曖昧な説明)」のように、詳細を避けたい場合や、情報が不確かな場合に用いられる。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる。
語源
"Detailed"は、フランス語の"détail"(細部)に由来し、さらに遡ると古フランス語の"taille"(切ること、刻むこと)から派生しています。この"taille"は、ラテン語の"taliare"(切る、分割する)を語源としています。つまり、"detailed"は、もともと何かを細かく切り分ける、分割するというイメージから、「細部にまで行き届いている」「綿密である」という意味に発展しました。たとえば、木彫りの職人が木を細かく刻んでいく様子を想像すると、その細密さが"detailed"という言葉のニュアンスを捉えやすくなるでしょう。何かを詳細に説明する、分析する際には、まるで彫刻のように細部まで丁寧に扱う様子が反映されているのです。
暗記法
「detailed」は単なる情報量ではない。ルネサンス美術では神の創造美を、フランドル絵画は富と教養を細部に宿した。19世紀のリアリズム小説は社会の深層を抉り出し、シャーロック・ホームズは微細な観察で真実を暴く。現代ではデータ分析や医療に不可欠だが、情報の洪水に溺れず、意味と文脈を読み解く知性が重要だ。詳細の追求は、人間の知的な探求心の証なのだ。
混同しやすい単語
『detailed』の動詞形であり、名詞としても使われる。発音もスペルも非常に似ているため、品詞と文脈を意識する必要がある。『detailed』は形容詞または動詞の過去分詞であり、より具体的な情報や説明を加えることを意味する。例えば、『a detailed map』(詳細な地図)のように使う。
『entail』の過去形/過去分詞形。発音とスペルの一部が似ており、特に語尾の '-tailed' と '-tailed' が混同されやすい。『entail』は『伴う』『必要とする』という意味で、『detailed』とは意味が大きく異なる。文脈から判断することが重要。
『title』の過去形/過去分詞形。発音が一部似ており、特に語尾の '-tiled' と '-tailed' が混同されやすい。『title』は『題名』『称号』という意味で、『titled』は『~という題名の』という意味になる。スペルも似ているため注意が必要。
これは実際には正しい単語ではありません。しかし、英語学習者が『data』(データ)と『detailed』を混同し、誤って作り出す可能性があります。『data』は名詞であり、情報や事実の集合を意味します。スペルも発音も大きく異なるため、混同しないように注意が必要です。
『delete』の過去形/過去分詞形。スペルの一部(特に 'de-' の部分)が似ているため、視覚的に混同しやすい。『delete』は『削除する』という意味で、『detailed』とは意味が大きく異なる。特にIT関連の文脈では頻繁に使われるため、区別できるようにしておくことが重要。
『derail』の過去形/過去分詞形。発音とスペルの一部が似ているため、混同しやすい。『derail』は『脱線する』という意味で、比喩的に計画や議論が本筋から外れることを指す場合もある。『detailed』とは意味が大きく異なるため、文脈から判断する必要がある。
誤用例
日本語の『詳しい人』を直訳的に『detailed man』としてしまう誤用です。英語では人を修飾する際に『detailed』は通常使いません。『detailed』は情報や説明などが詳細であることを指し、人を表す場合は『knowledgeable』(知識が豊富な)、あるいは『well-informed』(情報通の)といった語を使います。また、『in detail』という副詞句を使うことで、『詳細に』という意味を表すことができます。この誤りは、日本語の形容詞が人にも物にも使えることに起因する、典型的な母語干渉の例です。
『detailed』は『詳細な』という意味ですが、謝罪に対して使うと、単に事実関係を細かく述べただけの、心のこもっていない謝罪というニュアンスになりがちです。謝罪に求めるのは事実の羅列ではなく、誠意です。そのため、ここでは『sincere apology』(心からの謝罪)を使うのが適切です。日本人が『詳細な説明』を求める場面では、感情よりも事実を重視する傾向がありますが、英語圏では謝罪において誠実さや共感がより重要視される文化的背景があります。安易な『日本語→英語』変換によって、文化的ニュアンスが欠落した不自然な表現になる典型例です。
『detailed』自体は間違いではありませんが、この文脈では『so』を使うと因果関係が弱く、不自然に聞こえます。『detailed』なレポートが理解しにくい原因となることを明確にするためには、分詞構文を使って『making it hard to understand』と表現する方が自然です。あるいは、『The report contained excessive detail, making it hard to understand.』のように、『excessive detail(過剰な詳細)』を使うこともできます。日本人は、因果関係を曖昧にする表現を好む傾向がありますが、英語ではより直接的な表現が好まれるため、注意が必要です。
文化的背景
「detailed(詳細な)」という言葉は、単に情報が豊富というだけでなく、緻密な観察眼とそれを表現する技術、そして時に執拗なまでのこだわりを象徴します。ルネサンス美術における細密描写から、現代社会におけるデータ分析まで、「detailed」は、対象を深く理解しようとする人間の知的な探求心と密接に結びついてきました。
「detailed」の文化的背景を語る上で、ルネサンス期の美術は欠かせません。ヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻の肖像』に代表されるフランドル絵画は、光の描写、質感の表現、そして室内の調度品に至るまで、驚くほど細部にこだわって描かれています。これは、単なる技術の誇示ではなく、神の創造物の美しさを細部まで捉えようとする信仰心の表れであり、同時に、裕福な市民の富と教養を誇示する手段でもありました。絵画における「detailed」は、単なる写実的な表現を超え、当時の社会の価値観や世界観を反映していたのです。
文学の世界でも、「detailed」は重要な役割を果たしてきました。例えば、19世紀のリアリズム小説では、登場人物の心理描写や社会背景を詳細に描き出すことで、読者に現実をより深く理解させようと試みました。チャールズ・ディケンズの作品は、当時のロンドンの貧困層の生活を克明に描写し、社会問題への関心を喚起しました。また、シャーロック・ホームズのような探偵小説では、「detailed」な観察と推理が事件解決の鍵となります。ホームズは、微細な証拠を見逃さず、それを論理的に組み立てることで、難事件を解決に導きます。このように、文学における「detailed」は、現実を深く理解し、真実を追求するための手段として用いられてきました。
現代社会においては、「detailed」はデータ分析や科学研究において不可欠な要素となっています。ビッグデータの時代において、膨大な情報を詳細に分析することで、新たな発見やイノベーションが生まれています。また、医療分野では、詳細な画像診断や遺伝子解析によって、病気の早期発見や個別化医療が可能になっています。しかし、「detailed」な情報が氾濫する現代社会では、その情報をどのように解釈し、どのように活用するかが重要になっています。単に情報を集めるだけでなく、その背後にある意味や文脈を理解し、批判的に思考する能力が求められているのです。つまり、「detailed」は、単なる情報ではなく、深い理解と洞察力を伴ってこそ、その真価を発揮すると言えるでしょう。
試験傾向
1. 出題形式:主に長文読解、語彙問題。
2. 頻度と級・パート:準1級、1級で頻出。2級でもまれに出題。
3. 文脈・例題の特徴:学術的な文章、ニュース記事、エッセイなど。物事の詳細な説明や分析が含まれる文脈が多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス:形容詞として「詳細な」という意味で使われることが多いが、動詞として「詳しく述べる」という意味もある。類義語のspecific, precise, elaborateとのニュアンスの違いを理解することが重要。
1. 出題形式:Part 5(短文穴埋め問題)、Part 7(長文読解問題)。
2. 頻度と級・パート:Part 7で比較的頻出。Part 5でも時々見られる。
3. 文脈・例題の特徴:ビジネス文書(報告書、メール、企画書など)、ニュース記事。プロジェクトの詳細、製品の仕様、会議の議事録など、具体的な情報が求められる文脈で使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス:形容詞として使われることが多い。文脈から意味を推測する練習が重要。類義語のcomprehensive, thoroughとの使い分けを意識する。TOEICでは、detailed information, detailed analysisなどの形でよく出題される。
1. 出題形式:リーディングセクション(長文読解問題)。
2. 頻度と級・パート:リーディングセクションで頻出。
3. 文脈・例題の特徴:アカデミックな文章(科学、歴史、社会科学など)。研究の詳細、実験の手順、理論の解説など、専門的な内容を詳しく説明する文脈で使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス:リーディングセクションで頻繁に登場する語彙の一つ。文脈から意味を正確に把握することが重要。類義語のthorough, comprehensive, exhaustiveとのニュアンスの違いを理解することが高得点につながる。パラフレーズ(言い換え)のパターンも覚えておくと役立つ。
1. 出題形式:主に長文読解問題、自由英作文。
2. 頻度と級・パート:難関大学の入試で頻出。標準的なレベルの大学でも出題される可能性あり。
3. 文脈・例題の特徴:評論文、物語文、説明文など、幅広いジャンルの文章で使われる。社会問題、科学技術、文化など、様々なテーマに関する詳細な情報が含まれる文脈で登場する。
4. 学習者への注意点・アドバイス:文脈から意味を推測する力が必要。類義語(explicit, particular, specific)との使い分けを意識する。自由英作文では、具体的な例や詳細な説明を加える際に活用できる。