commonwealth
第一音節に強勢があります。/ɒ/ は日本語の「ア」と「オ」の中間のような音で、口を大きく開けて発音します。「n」の後は「ウェ」と繋がりますが、口の形を「ウ」の構えにしてから「エ」を発音するとより自然です。 'th' は有声音(舌先を上下の歯で軽く挟み、息を漏らす音)なので、無声音(/θ/)と区別しましょう。
専門的な内容に関するご注意
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共和国
国家元首が世襲制ではない政治体制を指す。共通の利益や福祉を追求する共同体というニュアンスを含む。イギリス連邦(Commonwealth of Nations)のように、歴史的な経緯から特定の国々が緩やかに結びついた組織を指す場合もある。
The old history book described the country as a free commonwealth.
その古い歴史の本は、その国を自由な共和国として描写していました。
※ 歴史の授業で、生徒が古い本を広げ、過去の国の姿を想像している場面です。commonwealthが「共和国」という意味で、特に過去の国家や、民主的な理想を持った国を指すときに使われる典型的な例です。ここでは「自由な(free)」という言葉が、その国の特徴をより鮮明にしています。
Citizens debated the future of their commonwealth in the town hall.
市民たちは町の会館で、自分たちの共和国の未来について議論しました。
※ 市民たちが町の会館に集まり、真剣な表情で自分たちの国の将来について意見を交わしている様子が目に浮かびます。commonwealthは、国民が主権を持ち、共通の利益のために運営される「共和国」というニュアンスで使われることがよくあります。ここでは「自分たちの(their)」という言葉が、市民の当事者意識を表しています。
Our goal is to build a fair commonwealth for all people.
私たちの目標は、全ての人々のための公正な共和国を築くことです。
※ 人々が熱い思いを語り合い、未来に希望を抱いている場面です。commonwealthが、単なる「国」ではなく、「人々の幸福や福祉を目的とした理想的な国」という概念で使われることがあります。ここでは「公正な(fair)」という言葉が、築きたい国の理想を明確に示しており、具体的な目標が伝わってきます。
共同の富
社会全体の共有財産や資源を指す。公共の利益のために利用されるべきもの、という含みがある。経済的な豊かさだけでなく、文化的な遺産や自然環境なども含まれる。
The vast national park is a true commonwealth for all citizens to enjoy.
その広大な国立公園は、すべての市民が楽しむための真の共同の富です。
※ この例文では、広大な国立公園が、そこに住むすべての人々にとっての「共有の財産」であることを表しています。国や地域が持つ自然や資源は、特定の誰かのものではなく、みんなで大切にし、利用する「commonwealth」の典型的な例です。「a true commonwealth for...」のように、「誰にとっての共同の富か」を示す「for」と組み合わせてよく使われます。
Our local library, built by everyone's efforts, became a valuable commonwealth for the town.
みんなの努力で建てられた私たちの地域の図書館は、町にとって貴重な共同の富となりました。
※ 地域の人々が協力して作った図書館が、その町にとってかけがえのない「共同の富」となった情景を描いています。自分たちの手で作り上げた共有の場所や資源が、コミュニティ全体の宝物になる様子がよくわかります。「built by everyone's efforts」は「みんなの努力によって建てられた」という意味で、受動態が使われています。このように、何かを「みんなで築き上げたもの」として「commonwealth」を使うことがあります。
New scientific discoveries are often seen as a commonwealth that benefits all humanity.
新しい科学的発見は、しばしば全人類に恩恵をもたらす共同の富と見なされます。
※ 新しい科学の発見は、特定の研究者だけのものではなく、全人類の生活を豊かにする「共同の富」であるという考え方を表しています。知識や技術、文化など、目に見えないけれど普遍的な価値が「commonwealth」と表現されることもあります。「be seen as a commonwealth」は「共同の富と見なされる」という意味で、客観的な見方を伝えるときに使えます。
コロケーション
イギリス連邦競技大会
※ イギリス連邦に加盟する国と地域が参加する総合競技大会です。オリンピックと同様に4年に一度開催され、スポーツを通じて連邦内の友好と交流を深めることを目的としています。略して「コモンウェルスゲームズ」とも呼ばれます。政治的な意味合いを持つ「コモンウェルス」という言葉が、スポーツの祭典に使われることで、その理念を体現していると言えるでしょう。
イギリス連邦市民
※ イギリス連邦加盟国の国民を指します。連邦市民は、加盟国間で特定の権利(ビザ免除、就労許可など)を相互に享受できる場合があります。ただし、権利の内容は国によって異なり、歴史的な経緯や政治的な判断によって変化することもあります。この表現は、単なる国籍を超えた、連邦という枠組みにおける共通のアイデンティティを示唆します。
イギリス連邦事務局
※ イギリス連邦の活動を支援する国際機関です。加盟国間の協力促進、政策調整、紛争解決支援などを行います。事務局長は連邦の顔として、国際的な舞台で活動します。この表現は、連邦が単なる歴史的な遺産ではなく、現代においても機能する組織であることを示しています。
イギリス連邦の精神
※ 連邦の根底にある、協力、相互尊重、民主主義、平等などの価値観を指します。この表現は、連邦が単なる経済的・政治的な集まりではなく、共通の理念に基づいた共同体であることを強調します。スピーチや声明などで、連邦の結束を訴える際に用いられることがあります。
イギリス連邦加盟国
※ かつてイギリスの植民地であった国々を中心に構成される国家群を指します。しかし、現在では歴史的な経緯だけでなく、共通の価値観や協力関係に基づいて結びついているという側面が強調されます。「元イギリス植民地」という言葉を避けて、よりポジティブな意味合いで使われることが多い表現です。
イギリス連邦奨学金
※ イギリス連邦加盟国の学生を対象とした奨学金制度です。連邦内の大学や研究機関で学ぶ機会を提供し、人材育成と国際交流を促進することを目的としています。この奨学金は、連邦の結束を強め、加盟国の発展に貢献する人材を育成するための重要な手段となっています。
使用シーン
政治学、歴史学、経済学などの分野で、特定の国家連合や政治体制を指す際に使用されます。例えば、イギリス連邦(Commonwealth of Nations)に関する研究論文や、歴史的な文脈における国家間の関係を分析する際に、『commonwealth』という言葉が用いられることがあります。また、経済学においては、資源の共同利用や共有財産といった概念を議論する際に使用されることがあります。
ビジネス文書や国際的な会議などで、国家間の経済協力や貿易関係を指す際に使用されることがあります。例えば、複数の国が参加する経済共同体を指して『commonwealth』という言葉が使われることがあります。ただし、日常的なビジネスシーンでは、より具体的な用語(例:economic alliance, trade agreement)が好まれる傾向があります。
日常会話で使われることは稀ですが、ニュースや報道番組で、イギリス連邦に関する話題や、国際的な政治・経済情勢について議論される際に耳にすることがあります。例えば、『The Commonwealth Games』のようなイベント名として知られている場合もあります。一般的には、フォーマルな文脈で用いられることが多い単語です。
関連語
類義語
『国家』を意味し、地理的境界、政府、国民、主権を持つ政治的実体を指します。国際関係、政治学、歴史などの文脈で頻繁に使用されます。 【ニュアンスの違い】"commonwealth"は、共通の福祉や利益を追求する国家の集団、特に歴史的なつながり(例:イギリス連邦)を持つ国々を指すことが多いのに対し、"nation"はより一般的な国家の概念を指します。レジスターはどちらもフォーマルです。 【混同しやすい点】"nation"は単一の国家を指すのに対し、"commonwealth"は国家の連合体や組織を指すことがあります。また、"commonwealth"は特定の歴史的・政治的な背景を持つ場合に用いられることが多いです。
『共和国』を意味し、国民または国民の代表者が主権を持つ政治体制を指します。君主制とは対照的に、選挙で選ばれた代表者が統治を行います。 【ニュアンスの違い】"commonwealth"は、必ずしも共和制であるとは限りません。君主制の国もコモンウェルスに加盟している場合があります。一方、"republic"は政治体制そのものを指します。レジスターはどちらもフォーマルです。 【混同しやすい点】"commonwealth"は国家間の関係や組織を指すことがありますが、"republic"は国家の政治体制を指します。"commonwealth"という言葉が使われる場合、必ずしも共和制であるとは限りません。
『国家』または『州』を意味し、政治的な組織体、政府、領土を指します。国際法や政治学の文脈で頻繁に使用されます。アメリカ合衆国においては、連邦を構成する個々の州を指す場合もあります。 【ニュアンスの違い】"commonwealth"は、共通の福祉や利益を追求する国家の集団を指すことが多いのに対し、"state"はより一般的な国家の概念、またはアメリカの州を指します。レジスターはどちらもフォーマルですが、"state"はより広範な文脈で使用されます。 【混同しやすい点】"state"は、文脈によって『国家』または『州』を意味するため、注意が必要です。"commonwealth"は、特定の歴史的・政治的な背景を持つ場合に用いられることが多いです。
- federation
『連邦』を意味し、複数の州や地域が共通の政府の下に統合された政治体制を指します。各州は一定の自治権を保持します。 【ニュアンスの違い】"commonwealth"は、必ずしも連邦制であるとは限りません。連邦制ではない国もコモンウェルスに加盟している場合があります。一方、"federation"は政治体制そのものを指します。レジスターはどちらもフォーマルです。 【混同しやすい点】"commonwealth"は国家間の関係や組織を指すことがありますが、"federation"は国家の政治体制を指します。"commonwealth"という言葉が使われる場合、必ずしも連邦制であるとは限りません。
『共同体』を意味し、共通の関心事、価値観、または地理的場所を共有する人々の集団を指します。社会学、人類学、地域研究などの文脈で頻繁に使用されます。日常会話でもよく使われます。 【ニュアンスの違い】"commonwealth"は、国家レベルの政治的・経済的な共同体を指すことが多いのに対し、"community"はより小規模な、社会的なつながりを重視する集団を指します。"community"はレジスターがよりカジュアルです。 【混同しやすい点】"commonwealth"は政治的な組織体を指すことが多いのに対し、"community"は社会的な集団を指します。"commonwealth"は国家間の関係を表すことが多いですが、"community"は地域社会や共通の趣味を持つ人々の集まりを表すことが多いです。
『同盟』を意味し、共通の目的のために協力する国家、政党、または個人の間の協定を指します。外交、軍事、政治などの文脈で使用されます。 【ニュアンスの違い】"commonwealth"は、歴史的なつながりや共通の福祉を追求する国家の集団を指すことが多いのに対し、"alliance"は特定の目的(例:軍事的な協力)のために一時的に結ばれることが多いです。レジスターはどちらもフォーマルですが、"alliance"はより具体的な目的を持つ場合に用いられます。 【混同しやすい点】"commonwealth"は比較的永続的な関係を指すことが多いのに対し、"alliance"は特定の目的が達成された後に解消されることがあります。また、"commonwealth"は多岐にわたる分野での協力を意味しますが、"alliance"は特定の分野(例:軍事)に限定されることがあります。
派生語
『共通の』『一般的な』という意味の形容詞。ラテン語の『communis(共有の)』に由来し、『wealth(富)』と結びついて『共通の富』という原義を示唆する。日常会話からビジネス、学術まで幅広く使用される基本語彙。
『富』『財産』を意味する名詞。『commonwealth』の構成要素であり、個人や国家が所有する資源や資産を指す。日常会話はもちろん、経済や政治に関する議論で頻繁に用いられる。
- commonality
『共通性』『共通点』を意味する名詞。形容詞『common』に名詞化の接尾辞『-ity』が付加された形。抽象的な概念を表すため、学術論文や議論、分析などで使用頻度が高い。共通の基盤や特徴を強調する際に用いられる。
反意語
- autocracy
『独裁政治』を意味する名詞。『commonwealth』が共通の利益や福祉を重視するのに対し、『autocracy』は一人の支配者による政治体制を指し、意味的に対立する。政治学や歴史の文脈でよく用いられる。
- private property
『私有財産』を意味する。『commonwealth』が公共の利益や共有財産を連想させるのに対し、『private property』は個人が独占的に所有する財産を指し、経済や法律の文脈で対立概念となる。
『個人主義』を意味する。『commonwealth』が共同体や社会全体の利益を重視するのに対し、『individualism』は個人の自由や権利を最優先とする思想であり、社会学や政治哲学の分野で対立概念として扱われることがある。
語源
"commonwealth"は、「共通の富」または「公共の福祉」を意味する言葉です。この単語は、二つの要素から成り立っています。一つは「common」(共通の、共有の)であり、これは古フランス語の"comun"(共通の)に由来し、さらに遡るとラテン語の"communis"(共有の、公共の)にたどり着きます。日本語の「共同」という言葉と響きが似ているように、何かを共有するというイメージです。もう一つは「wealth」(富、豊かさ)であり、これは古英語の"welth"(幸福、繁栄)に由来します。つまり、「commonwealth」は、文字通りには「共通の幸福」や「共有の繁栄」を意味し、それが転じて「共和国」や「連邦」といった、公共の利益を追求する政治共同体を指す言葉として使われるようになりました。国民全体で富を分かち合う、そんなイメージで捉えると覚えやすいでしょう。
暗記法
「commonwealth」は、17世紀のイングランド共和国にその名を刻みました。王なき理想の共同体を目指したものの、独裁と王政復古の挫折を経験。現代ではイギリス連邦として、旧植民地との繋がりを保ちつつ、その負の遺産と向き合っています。共通の利益と繁栄を追求する精神は、希望と困難が交錯する人類の歩みを象徴し、公共の福祉を願う普遍的な心を今に伝えます。
混同しやすい単語
スペルが非常によく似ており、意味も『共通の』と関連があるため混同しやすい。'common' は形容詞で、一般的な状態や性質を表しますが、'commonwealth' は名詞で、特定の政治的・経済的な共同体を指します。'commonwealth' は、'common'(共通の)と 'wealth'(富、繁栄)が組み合わさった言葉で、共通の利益や繁栄を目指す共同体を意味することを意識すると区別しやすくなります。
'commonwealth' の一部である 'wealth' は、単独でも『富』や『財産』という意味を持つため、意味の面で混同しやすい。'commonwealth' は、より抽象的な概念であり、国家や地域などの共同体を指すのに対し、'wealth' は個人的な、または国家全体の経済的な豊かさを指すことが多い。'wealth' の語源は 'well'(良い)と 'th'(名詞を作る接尾辞)で、『良い状態』を意味することから、物質的な豊かさへと意味が発展したことを知っておくと、概念の区別に役立ちます。
語尾が似ており、意味も『共通性』と関連があるため、文脈によっては混同しやすい。'commonality' は抽象的な『共通性』を指すのに対し、'commonwealth' は具体的な共同体を指します。'commonality' は countable noun (可算名詞)として使われることもあり、その場合は「共通点」という意味になります。
スペルと発音が似ており、'common' に関連する単語であるため、意味の連想から混同しやすい。'commoner' は『庶民』や『平民』を意味し、社会的な階級を表す名詞です。'commonwealth' とは全く異なる意味を持つため、注意が必要です。'commoner' は、'common'(共通の)に 'er'(~する人)が付いた形で、『共通の場所にいる人』、つまり『庶民』を意味すると考えると覚えやすいでしょう。
語尾の 'wealth' と 'fare' の響きが似ており、どちらも社会的な概念を表すため混同しやすい。'welfare' は『福祉』を意味し、人々の幸福や生活の質を指します。'commonwealth' は特定の政治的・経済的な共同体を指すのに対し、'welfare' は社会的な支援や福祉制度を指すため、意味が異なります。'welfare' は 'well'(良い)と 'fare'(状態)が組み合わさった言葉で、『良い状態にあること』を意味し、そこから福祉へと意味が発展したことを理解すると、'commonwealth' と区別しやすくなります。
前半部分が同じ 'common' で始まるため、意味の関連性を連想しやすく、混同しやすい。'commonplace' は『ありふれた』、『平凡な』という意味の形容詞であり、'commonwealth' のような共同体を指す名詞とは品詞も意味も異なります。'commonplace' は、'common'(共通の)と 'place'(場所)が組み合わさった言葉で、『誰でも知っている場所にある』、つまり『ありふれた』という意味合いを持つことを理解すると、区別しやすくなります。
誤用例
日本人学習者は「commonwealth」を「共通の富」と直訳し、企業内の利益分配という文脈で誤用しやすいです。しかし、「commonwealth」は歴史的・政治的な意味合いが強く、国家や連邦、または共通の福祉を目指す共同体を指します。企業と従業員の関係においては、より適切なのは「partnership(協力関係)」や「shared prosperity(共通の繁栄)」といった表現です。この誤用は、日本語の直訳に頼り、英語の持つ文化的背景や語感を考慮しないために起こります。英語では、文脈に応じて単語の持つニュアンスを理解し、適切な語を選ぶ必要があります。
「commonwealth」は確かに「共通の富」というニュアンスを含みますが、この文脈では、異なる文化や伝統が混ざり合って共存していることを表現したいと思われます。しかし、「commonwealth」は、政治的、経済的な結びつきが強い共同体を指すことが多く、単に多様な文化が混在している状況を表すのには不適切です。より適切な表現は「melting pot(るつぼ)」や「cultural mosaic(文化のモザイク)」です。日本人が「共通」という言葉から「commonwealth」を連想するのは自然ですが、英語の語彙選択では、単語の持つニュアンスと文脈の一致が重要になります。特に、文化的背景が異なる概念を表現する際には注意が必要です。
ここでの誤用は、「知識の共有」という概念を「共通の富」と捉え、「commonwealth」を選んでしまったことに起因します。しかし、「commonwealth」は、国家や政治的な共同体を指すことが一般的であり、企業内の知識共有を表現するには大げさで不自然です。より適切な表現は「community(コミュニティ)」です。これは、共通の関心事や目的を持つ人々の集まりを意味し、知識共有の文脈に合致します。日本人は、「共通」という言葉から安易に「common」を連想しがちですが、英語では、文脈に合った自然な表現を選ぶことが重要です。特に、ビジネスシーンでは、適切なレジスター(言葉遣いの丁寧さやフォーマルさ)を意識する必要があります。
文化的背景
「commonwealth」は、単に「共通の富」を意味するだけでなく、共通の利益と繁栄を追求する共同体意識、そしてそのために人々が協力し合う政治体制や社会構造を象徴する言葉です。この言葉には、個人主義が強まる現代においても、公共の福祉を重視する理念が込められています。
「commonwealth」という言葉が歴史の表舞台に登場するのは、17世紀のイングランド内戦の時代です。王政が一時的に廃止され、共和制となったイングランドは、「イングランド共和国(Commonwealth of England)」と名乗りました。この共和制は、王ではなく、国民の代表によって統治されるべきだという思想を体現しようとしたものでした。しかし、クロムウェルの独裁政治を経て、王政復古に至るという挫折も経験しています。この歴史的な経緯から、「commonwealth」は、理想的な共同体を目指す希望と、その実現の難しさという両面を映し出す言葉となりました。
現代において、「コモンウェルス」という言葉は、イギリス連邦(Commonwealth of Nations)という形で広く知られています。これは、かつてイギリスの植民地であった国々が、自由意志に基づいて参加する国際組織です。イギリス連邦は、経済、文化、スポーツなど様々な分野で協力関係を築き、共通の価値観を共有しています。しかし、植民地支配の歴史という負の遺産も抱えており、「コモンウェルス」という言葉は、過去の帝国主義的な関係を想起させる側面も持ち合わせています。そのため、連邦内では、より平等で相互尊重に基づいた関係を築くための努力が続けられています。
「commonwealth」は、単なる政治体制や国際組織を指す言葉ではなく、人々が共通の目的のために協力し、より良い社会を築こうとする精神を表す言葉です。それは、理想と現実の狭間で揺れ動きながらも、常に公共の福祉を追求しようとする、人類の普遍的な願いを体現していると言えるでしょう。この言葉を学ぶことは、歴史を振り返り、現代社会の課題を理解し、未来を展望するための貴重な手がかりとなるはずです。
試験傾向
英検準1級、1級で長文読解問題や語彙問題でまれに出題される可能性があります。文脈から意味を推測する問題や、同意語・類義語を選ぶ形式が多いです。政治・経済・歴史に関するテーマで登場しやすいでしょう。学習の際は、関連語句(republic, nation, federationなど)との区別を意識してください。
TOEIC L&Rテストでは、ビジネスシーンでの使用頻度が低いため、出題される可能性は低いと考えられます。TOEIC S&Wテストでは、政治・経済に関する話題が出題される可能性はありますが、'commonwealth'が直接問われる可能性は低いでしょう。
TOEFL iBTのリーディングセクションで、アカデミックな文章(歴史、政治、社会学など)で出題される可能性があります。意味としては「共和国」「連邦」「国家」などを指し、文脈によって意味が異なります。ライティングセクションで、これらのテーマを扱う際に使用できるかもしれませんが、使いすぎには注意が必要です。スペルミスにも注意しましょう。
難関大学の長文読解問題で出題される可能性があります。特に、政治・経済・歴史に関するテーマで登場しやすいでしょう。文脈から意味を推測する問題や、内容一致問題で問われることが多いです。類義語や関連語句(nation, state, republicなど)との違いを理解しておくことが重要です。