英単語学習ラボ

common sense

/ˌkɒmən ˈsɛns/(カーマン センス)

第一音節の /ɑː/ は、日本語の「ア」よりも口を大きく開けて発音する長母音です。第二音節の /ən/ は弱く、曖昧母音の /ə/ で発音されることが多いです。また、 'sense' の 'se' は日本語の「セ」よりも少し口を横に引いて発音するとより正確になります。強勢は第一音節にあります。

名詞

良識

社会生活を円滑に送る上で、誰もが持っているべきとされる、分別や判断力のこと。多くの人が当然のこととして受け入れるような、基本的な知恵や理解を指す。例:Common sense tells us not to touch a hot stove.(熱いストーブに触るなというのは良識だ)

It's common sense to check if a cup is hot before you pick it up, so you don't burn your hand.

カップを持ち上げる前に熱くないか確認するのは良識です。そうすれば、手を火傷しません。

熱い飲み物のカップをうっかり掴んで「アチッ!」とならないように、事前に気を付けるのは、誰もが「当たり前」と感じる行動ですよね。この例文は、「〜するのは常識だ、良識だ」と言いたい時に使われる典型的な表現 'It's common sense to V...' の形です。

A good leader uses common sense to stay calm and make the right decision in a difficult situation.

良いリーダーは良識を働かせ、困難な状況でも冷静でいられ、正しい決断を下します。

会社やグループで、リーダーがパニックにならず、冷静に状況を判断して適切な行動をとることは、非常に重要な「良識」です。ここでは 'use common sense' で「良識を使う」「良識を働かせる」という、自然な行動を表しています。

My neighbor plays loud music late at night, and I think he completely lacks common sense.

私の隣人は夜遅くに大音量で音楽をかけるので、彼には全く良識がないと思います。

夜中に隣人の騒音に困っている場面を想像してください。他人に迷惑をかける行為は「良識がない」と強く感じますよね。ここでは 'lack common sense' で「良識が欠けている」「常識がない」という、批判的なニュアンスを伴う表現として使われています。

名詞

常識

社会一般に広く共有されている知識や理解のこと。特定の分野に特化した専門知識ではなく、日常生活や社会生活を送る上で必要とされる基本的な知識を指す。例:It's common sense to wear a seatbelt in a car.(車の中でシートベルトをするのは常識だ)

Please don't talk on your phone loudly in the library. It's common sense.

図書館では携帯電話で大声で話さないでください。それは常識です。

この例文は、公共の場でのマナーについて「それは常識だ」と伝える場面を描いています。静かにしたい人が、大声で話す人に少し困った様子で注意している情景が目に浮かびますね。「It's common sense.」は、誰もが知っているべき当たり前のことを指摘する際に非常によく使われる表現です。

If you just use a little common sense, you'll know not to touch a hot stove.

ほんの少し常識を使えば、熱いストーブに触らないとわかるでしょう。

この例文は、危険な状況で「常識的に考えればどうすべきか」という判断を促す場面です。例えば、親が子供に、あるいは大人が誰かに、危険を避けるための基本的な考え方を教えるような情景です。「use common sense」で「常識を使う」「常識的に考える」という意味になり、問題解決や判断の文脈でよく使われます。

When you visit someone's house, it's common sense to take off your shoes at the door.

誰かの家を訪ねるとき、玄関で靴を脱ぐのは常識です。

この例文は、特定の状況における「一般的な行動」や「社会的な慣習」としての常識を示しています。初めて誰かの家を訪れる人や、異文化の人に日本の習慣を説明するような場面が想像できますね。「When you do something, it's common sense to...」という形は、ある状況での当たり前の行動を説明するのに便利です。

形容詞

当たり前の

ごく普通で、誰にとっても理解できる、または予想できるような性質を表す。期待される行動や判断が、特に説明を要しないほど明白であることを強調する。例:It's just common sense.(それは当たり前のことだ)

It's common sense to turn off the lights when you leave a room.

部屋を出るときは電気を消すのが当たり前です。

「電気つけっぱなしだ!」と気づいた時に、心の中で「普通は消すよね」と感じる場面です。これは、節約やマナーとして「当然のこと」だと言いたい時にぴったりの表現です。「It's common sense to do something」で「~するのは常識だ/当たり前だ」という意味になります。

It's common sense to say "thank you" when someone helps you.

誰かが助けてくれたら「ありがとう」と言うのは当たり前です。

人に助けてもらった時、自然と感謝の気持ちを伝えるのは「人として当然のこと」ですよね。この例文は、基本的な礼儀や社会性を表す場面で使われます。「common sense」は名詞ですが、「当たり前のこと」という感覚を伝えるのに非常によく使われるフレーズです。

It's common sense not to touch a hot stove with your bare hands.

素手で熱いストーブに触らないのは当たり前です。

火傷の危険がある熱いものに触らないのは、誰でもわかる「危険回避の常識」です。この文は、安全に関する基本的な知識や注意を促す際に使えます。「not to do something」で「~しないのは当たり前」という否定の形も自然です。

コロケーション

a matter of common sense

常識の問題、当然のこと

「~は常識の範囲内だ」という時に使われる表現です。何かを説明する際に、それが自明である、あるいは理解できるべきであるという前提を示す場合に用いられます。例えば、『交通ルールを守るのは常識の範囲内だ』のように使います。ビジネスシーンでも、基本的なマナーや業務遂行について言及する際に使われます。文法的には 'matter' という名詞を 'of common sense' という前置詞句が修飾する形です。

common sense dictates

常識的に考えて~すべきである

'dictate' は『命じる、要求する』という意味で、ここでは常識が何らかの行動を促すというニュアンスです。フォーマルな場面や、ある行動の正当性を主張する際に使われます。例えば、『安全のため、常識的に考えてヘルメットを着用すべきだ』のように使います。法律や規則を説明する際にも用いられることがあります。文法的には 'common sense' が主語、'dictates' が動詞となる構造です。

fly in the face of common sense

常識に反する、非常識である

'fly in the face of' は『~に逆らう、真っ向から反対する』という意味のイディオムで、ここではそれが常識に対して行われることを表します。ある行動や考え方が極めて理にかなっていない、受け入れがたい場合に用いられます。例えば、『彼の提案は常識に反している』のように使います。議論や批判的な文脈でよく見られます。比喩的な表現で、日常会話よりもややフォーマルな場面で使用されます。文法的には 'fly' が動詞句で、 'common sense' は前置詞 'of' の目的語です。

lack common sense

常識がない、分別がない

文字通り、常識が欠如している状態を表します。人の行動や判断を批判する際に用いられ、しばしば強い非難のニュアンスを含みます。例えば、『彼は常識がない』のように使います。日常会話でよく使われる表現ですが、相手を傷つける可能性もあるため、注意が必要です。文法的には 'lack' が動詞で、 'common sense' が目的語です。

apply common sense

常識を働かせる、常識的に考える

問題解決や意思決定の際に、常識的な判断基準を用いることを意味します。実用的で合理的なアプローチを強調する際に使われます。例えば、『この問題には常識を働かせて対処すべきだ』のように使います。ビジネスシーンや教育の場面で推奨されることが多い表現です。文法的には 'apply' が動詞で、 'common sense' が目的語です。

a dose of common sense

少しの常識、良識

'dose' は『(薬などの)一服、一回分』という意味で、ここでは比喩的に『少しの常識』を意味します。誰かの言動が非常識であると感じたときに、皮肉を込めて使われることがあります。例えば、『彼には少し常識が必要だ』のように使います。インフォーマルな会話でよく使われる表現です。文法的には 'dose' という名詞を 'of common sense' という前置詞句が修飾する形です。

trust one's common sense

自分の常識を信じる

自分の直感や経験に基づいた判断を信頼することを意味します。特に、複雑な状況や不確実な状況において、自分の判断を信じることの重要性を強調する際に使われます。例えば、『自分の常識を信じて行動する』のように使います。自己啓発やリーダーシップの文脈でよく用いられます。文法的には 'trust' が動詞で、 'one's common sense' が目的語です。

使用シーン

アカデミック

学術論文や教科書で、一般的な知識や前提を指す際に使われます。例えば、経済学の論文で「需要と供給のバランスはcommon senseである」のように、議論の出発点となる共通認識を示す際に用いられます。また、心理学の研究で「人間の行動にはcommon senseでは理解できない側面がある」と、既存の常識とのずれを指摘する際にも使われます。

ビジネス

ビジネス文書や会議で、意思決定の根拠やプロジェクトの進め方について言及する際に使われます。例えば、「コスト削減はbusiness common senseだ」のように、当然の判断基準として提示したり、「顧客第一主義は、もはやcommon senseとして組織に浸透している」と、企業文化を説明したりする際に用いられます。ややフォーマルな文脈で、合理性や効率性を強調する目的で使われることが多いです。

日常会話

日常会話で、相手に同意を求めたり、自分の意見を強調したりする際に頻繁に使われます。例えば、「そんなのcommon senseでしょ?」のように、相手の知識や判断を促したり、「考えてみれば、それが一番common senseだよね」のように、自分の考えを正当化したりする際に用いられます。ニュースやSNSなどでもよく見かける表現で、幅広い世代で使われています。

関連語

類義語

  • 経験や知識に基づいて得られた、深く洞察力のある理解力。長年の経験や学習によって培われることが多い。学術的な文脈や、人生訓を語るような場面で使われる。 【ニュアンスの違い】"Common sense"は誰でも持ちうる常識的な判断力を指すのに対し、"wisdom"はより高度で洗練された知恵を意味する。年齢や経験を重ねた人が持つイメージが強い。 【混同しやすい点】"Wisdom"は不可算名詞であり、具体的な行動指針というよりは、抽象的な概念を指すことが多い。"common sense"は具体的な状況判断に使われることが多い。

  • 将来起こりうるリスクや結果を考慮して、慎重に行動すること。特にビジネスや財政的な文脈で、賢明な判断を意味する。フォーマルな場面で使われることが多い。 【ニュアンスの違い】"Common sense"は日常的な判断力を指すのに対し、"prudence"はより計画的で長期的な視点を含む。リスク管理や将来への備えといったニュアンスが強い。 【混同しやすい点】"Prudence"は、感情的な要素を排除し、合理的な判断に基づいて行動することを強調する。"common sense"は、必ずしも合理的とは限らない、経験に基づく直感的な判断を含むことがある。

  • sound judgment

    合理的で妥当な判断を下す能力。客観的な情報に基づいて、冷静に状況を分析し、適切な結論を導き出すことを指す。ビジネスシーンや、問題解決の場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Common sense"は、必ずしも論理的な根拠に基づかない、経験的な判断を含むことがあるのに対し、"sound judgment"は、より客観的で論理的な根拠に基づいた判断を意味する。 【混同しやすい点】"Sound judgment"は、専門的な知識や分析能力が必要となる場面で使われることが多い。"common sense"は、専門知識がなくても、誰でも持ちうる常識的な判断力を指す。

  • good sense

    "Common sense"とほぼ同義だが、より良い判断力、分別があるという意味合いが強まる。特定の状況において、適切で賢明な行動をとる能力を指す。日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Good sense"は、単に常識があるだけでなく、状況を的確に把握し、適切な行動を選択できる能力を強調する。他者を思いやる気持ちや、倫理的な判断力を含むこともある。 【混同しやすい点】"Good sense"は、主観的な判断や価値観に基づくことが多い。"common sense"は、客観的な事実や社会通念に基づくことが多い。

  • 理論や理想だけでなく、現実的な側面を考慮して物事を進めること。実用性や実現可能性を重視する姿勢を指す。プロジェクト管理や、問題解決の場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"Common sense"は、必ずしも具体的な行動を伴わない、一般的な知識や理解を指すことがあるのに対し、"practicality"は、具体的な行動や解決策に焦点を当てる。 【混同しやすい点】"Practicality"は、理想や目標を実現するために、現実的な制約を考慮することを強調する。"common sense"は、必ずしも実現可能性を考慮しない、理想的な解決策を提示することがある。

  • street smarts

    主に都市部での生活で必要となる、世渡り上手な知恵や機転。危険を回避したり、困難な状況を乗り切ったりする能力を指す。インフォーマルな場面で使われる。 【ニュアンスの違い】"Common sense"は一般的な常識を指すのに対し、"street smarts"は、より具体的な状況、特に都市部での生活で必要となる知識やスキルを指す。狡猾さや、臨機応変な対応能力を含む。 【混同しやすい点】"Street smarts"は、学校教育や formal な知識とは異なり、経験を通して身につけることが多い。"common sense"は、学校教育や社会生活を通して身につけることが多い。

派生語

  • 『分別のある』、『賢明な』という意味の形容詞。『sense(感覚、判断力)』に『-ible(〜できる)』が付与され、『感覚が使える』→『分別がある』という意味に発展。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われ、人の性質や行動を評価する際に頻出。

  • 『感受性』、『繊細さ』という意味の名詞。『sense(感覚)』から派生し、『-ivity』という抽象名詞を作る接尾辞が付加。感情や感覚の鋭敏さを表し、心理学、社会学、文学などの分野でよく用いられる。人の感情や文化に対する理解の深さを表す際に重要。

  • 『合意』、『総意』という意味の名詞。『con-(共に)』と『sense(感じる、思う)』が組み合わさり、『共に感じる』→『意見が一致する』という意味に発展。ビジネス、政治、学術など、様々な分野で意見の一致や合意形成のプロセスを表す際に頻繁に使用される。

反意語

  • 『不合理』、『ばかげたこと』という意味の名詞。『common sense(常識)』の欠如から生じる、論理や理性に反する状況や考えを指す。日常会話だけでなく、哲学、文学、演劇など、幅広い分野で用いられ、社会の矛盾や人間の愚かさを表現する際に使われる。

  • 『愚かさ』、『軽率な行為』という意味の名詞。『common sense(常識)』に欠ける行動や判断の結果を指し、しばしば後悔や失敗を伴う。文学作品や歴史的な記述において、人の過ちや愚行を批判的に描写する際に用いられる。教訓的な意味合いを含むことが多い。

  • irrationality

    『非合理性』、『不合理なこと』という意味の名詞。接頭辞『ir-(否定)』が『rationality(合理性)』に付加され、『理性や論理に基づかないこと』を意味する。『common sense(常識)』が理性的な判断の基礎となるため、その欠如は非合理性につながる。心理学、経済学、政治学など、様々な分野で人間の行動や意思決定における非合理性を分析する際に用いられる。

語源

"Common sense"は、文字通り「共通の感覚」という意味で、多くの人が共有している基本的な理解力や判断力を指します。この単語は比較的単純な構造で、ラテン語に直接の語源はありません。 "Common" はラテン語の "communis"(共有の、公共の)に由来し、これは古ラテン語の "com-"(共に)+ "-munis"(義務を負う、奉仕する)に遡ります。つまり、元々は「共に義務を負うこと」から「共有の」という意味合いが生まれました。一方、"sense" はラテン語の "sensus"(感覚、知覚、理解)に由来します。これは "sentire"(感じる、知覚する)の過去分詞形です。したがって、"common sense" は、文字通りには「共有された感覚」であり、社会生活を円滑に進めるために、多くの人が共通して持っているべき感覚や理解力を意味するようになったのです。日本語の「常識」という言葉も、社会における共通認識を表しており、"common sense" と非常に近い概念と言えるでしょう。

暗記法

「常識(common sense)」は知識ではなく、社会を生きる暗黙の了解。啓蒙思想では理性万能への反省から重視されましたが、社会規範に根ざすため、時代や文化で異なり、時には偏見の温床にも。文学では主人公を律する一方、個性を奪うことも。現代では多様化し定義は曖昧ですが、社会の共通言語として不可欠。常識を疑い、変化に対応する柔軟性こそが、教養なのです。

混同しやすい単語

『census』と『common sense』は、どちらも名詞で、語尾の '-sus' と '-sense' がスペルと発音の両方で似ているため混同しやすいです。『census』は『国勢調査』という意味で、人口や世帯などの情報を収集する調査のことです。発音記号は /ˈsensəs/ で、『common sense』とはアクセントの位置も異なります。日本人学習者は、特に発音の違いを意識して区別する必要があります。

condense

『condense』は動詞で、『濃縮する』『要約する』といった意味を持ちます。スペルの一部(con-と-ense)が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。また、『common sense』を短縮したような印象を受けるかもしれません。発音記号は /kənˈdens/ で、アクセントの位置も異なります。文脈から判断することが重要です。

『nonsense』は『ナンセンス』として日本語にもなっているので、意味は理解しやすいですが、『sense』の部分が共通しているため、スペルと意味の両方で混同される可能性があります。『nonsense』は『無意味なこと』『ばかげたこと』を意味し、『common sense』とは対照的な意味合いを持ちます。スペルを意識して区別しましょう。

『consent』は『同意』という意味の名詞または動詞です。スペルの一部が共通している(con-と-sent)ため、視覚的に混同しやすいです。また、『sense』と『sent』の発音が似ているため、音声的にも混同される可能性があります。文脈によって意味が大きく異なるため、注意が必要です。例えば、『I consent to the terms』は『私はその条件に同意します』という意味になります。

『commence』は『始まる』という意味の動詞で、フォーマルな場面で使われます。『common』とスペルの一部が共通しているため、視覚的に混同しやすいです。また、発音も最初の部分が似ています。語源的には、ラテン語の 'com-'(共に)と 'initiare'(始める)が組み合わさったもので、何かを始める、開始するという意味合いがあります。フォーマルな状況で『start』の代わりに使われることが多いことを覚えておきましょう。

commons

『commons』は『共有地』や『共有財産』という意味の名詞です。『common』という単語が含まれているため、意味が似ていると誤解される可能性があります。しかし、『commons』は特定の場所や資源を指す言葉であり、『common sense』とは意味が異なります。例えば、『the village green is a commons』は『村の緑地は共有地です』という意味になります。発音もアクセントの位置が異なるため、注意が必要です。

誤用例

✖ 誤用: It's common sense that you should always agree with your boss.
✅ 正用: It's generally accepted that you should show respect to your boss, but blind agreement isn't always common sense.

この誤用は、日本的な『空気を読む』文化と『常識』を結びつけて解釈した結果として起こりやすいです。日本では、組織の秩序を重んじ、上司の意見に同調することが『常識』と見なされる場合があります。しかし、英語の"common sense"は、より普遍的で論理的な判断基準を指します。無批判な同意は、状況によっては"common sense"に反すると捉えられる可能性があります。英語圏では、上司への敬意は重要ですが、建設的な批判や異なる意見を述べることも奨励される文化があります。"common sense"は、状況を客観的に判断し、最も合理的な行動を選ぶ能力を意味します。

✖ 誤用: It's common sense not to talk about salary in public.
✅ 正用: It's considered impolite to discuss salary openly, but it's not necessarily a matter of common sense.

給与について公の場で話すことを避けるのは、多くの社会でマナーとされていますが、必ずしも"common sense"(良識)の問題ではありません。この誤用は、日本人が『本音と建前』を区別し、社会的な調和を重んじる文化に根ざしている可能性があります。日本では、給与のような個人的な情報を公にすることは、相手に不快感を与え、人間関係を損なう可能性があると考えられています。一方、英語圏では、給与の透明性を高め、賃金格差を是正するために、給与についてオープンに議論することが奨励される場合もあります。"common sense"は、文化や価値観によって解釈が異なるため、注意が必要です。この場合の"common sense"は、普遍的な良識というよりは、特定の社会におけるマナーやエチケットに近い意味合いで使われています。

✖ 誤用: Using chopsticks is common sense for Japanese people.
✅ 正用: Using chopsticks is second nature to Japanese people.

この誤用は、「〜にとって当然だ」という日本語を直訳しようとした結果、不自然な英語表現になってしまった例です。箸を使うことは日本人にとって非常に一般的ですが、"common sense"(良識)というよりは、文化的な習慣や身体的なスキルに近いものです。"common sense"は、論理的な思考や判断に基づいて生まれるものであり、箸を使うことは、幼い頃から自然に身につける習慣です。より適切な表現は、"second nature"(第二の天性)です。これは、箸を使うことが日本人にとって、考えるまでもなく自然にできることであることを意味します。英語では、文化的な習慣やスキルを表現する際に、"common sense"ではなく、"second nature"や"cultural norm"などの表現を用いることが一般的です。

文化的背景

「common sense(常識)」は、単なる知識の集積ではなく、社会の一員として円滑に生きるための暗黙の了解、共有された価値観を指します。それは、理屈よりもむしろ、経験や社会的な相互作用を通じて自然と身につく、いわば「空気を読む力」に近いものです。この言葉の背後には、啓蒙思想以降の合理主義と経験主義の緊張関係、そして社会秩序を維持するための共通基盤への希求が潜んでいます。

18世紀の啓蒙時代、スコットランド啓蒙思想において「common sense」は重要な概念として浮上しました。哲学者たちは、人間の理性が万能ではないことを認識し、経験や直感といった、より根源的な認識能力の重要性を強調しました。ここでは「common sense」は、理性的な推論とは異なる、誰にでも備わっているはずの、物事を正しく判断する能力を意味しました。しかし同時に、「common sense」は、社会的な規範や慣習に深く根ざしているため、時代や文化によってその内容は大きく異なり、時には偏見や差別を正当化する根拠としても利用されてきました。

文学作品における「common sense」は、しばしば主人公の行動を律する力として描かれます。例えば、ジェーン・オースティンの小説では、「common sense」を持つ人物は、感情に流されず、社会的な期待に応えようとします。しかし同時に、社会的な規範に縛られすぎる人物は、創造性や個性を失ってしまう危険性も示唆されます。映画においても、「common sense」は、主人公が困難な状況を乗り越えるための知恵として描かれる一方で、時に既成概念を打ち破るための障害としても描かれます。つまり、「common sense」は、状況に応じて、肯定的な側面と否定的な側面の両方を持ち合わせているのです。

現代社会において、「common sense」は、ますます多様化し、変化しています。グローバル化が進み、異なる文化や価値観が交錯する中で、「common sense」の定義は曖昧になり、絶対的な基準を見つけることは困難になっています。しかし、それでもなお、「common sense」は、社会生活を円滑に進めるための重要な指針であり、コミュニケーションの基礎となる共通言語として機能しています。私たちが「common sense」について考えるとき、それは単なる知識の暗記ではなく、社会の一員としての責任、他者への共感、そして変化する状況に対応する柔軟性を育むための、絶え間ない自己対話のプロセスなのです。

試験傾向

英検

- 出題形式: 主に語彙問題(短文補充)や長文読解

- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。2級でもまれに出題。リーディングパートが中心

- 文脈・例題の特徴: 社会問題、文化、科学など幅広いテーマで登場。意見論述問題の根拠としても使える

- 学習者への注意点・アドバイス: 「常識」「良識」という基本的な意味に加え、「当たり前のこと」というニュアンスも押さえる。形容詞「commonsensical」も覚えておくと役立つ

TOEIC

- 出題形式: 主に長文読解(Part 7)や語彙問題(Part 5, 6)

- 頻度と級・パート: 比較的頻出。特にビジネス関連のテーマでよく見られる

- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーン(会議、メール、報告書など)における一般的な判断や考え方を示す際に用いられる

- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスにおける「常識」を意味することが多いため、一般的な知識と合わせて、ビジネスマナーや業界の慣習なども理解しておくと文脈を捉えやすい

TOEFL

- 出題形式: 主に長文読解

- 頻度と級・パート: 頻出。アカデミックな文章でよく使われる

- 文脈・例題の特徴: 社会科学、人文科学、自然科学など、学術的なテーマにおける一般的な理解や判断基準を示す際に用いられる

- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念を説明する文脈で使われることが多い。類義語(例えば、reason, logic)との違いを意識し、文脈に応じて適切な意味を判断できるようにする

大学受験

- 出題形式: 主に長文読解、空欄補充

- 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。幅広いテーマで登場

- 文脈・例題の特徴: 評論文や物語文など、様々なジャンルの文章で使われる。社会問題、文化、歴史、科学など、幅広いテーマで登場

- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する能力が重要。「当たり前のこと」というニュアンスで使われる場合もあるため、前後の文脈から判断する。類義語や反意語(例えば、absurdity)も覚えておくと理解が深まる

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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