prudence
最初の音は「プ」と発音しますが、唇を丸めて「プ」と言うよりも、軽く閉じた唇を破裂させるように発音するとよりネイティブに近い音になります。また、強勢は最初の音節(/ˈpruː/)に置かれるため、「ルー」を意識して強く発音しましょう。最後の「ス」は弱く短く発音します。日本語の『ウ』の音が入らないように注意しましょう。
専門的な内容に関するご注意
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用心深さ
危険を避け、安全を確保するための慎重な態度。将来起こりうる問題やリスクを考慮し、賢明な判断を下す能力を指す。計画、投資、行動など、様々な状況で使用される。単なる臆病さではなく、知識や経験に基づいた合理的な判断を含むニュアンスがある。
The old man walked with great prudence on the slippery, icy path, taking small, careful steps.
そのお年寄りは、滑りやすい凍った道を、小さな慎重な一歩を踏みながら、とても用心深く歩いた。
※ この例文では、おじいさんが転ばないように細心の注意を払って歩く様子が描かれています。「prudence」は、このように危険な状況で「慎重に行動する」ことを表すのにぴったりです。特に「with prudence」という形で、「用心深く〜する」と行動の様子を説明できます。
She spoke with prudence, choosing her words carefully to avoid hurting anyone's feelings.
彼女は、誰の気持ちも傷つけないように言葉を慎重に選びながら、用心深く話した。
※ この例文は、人間関係において、軽率な発言を避け、相手の気持ちを配慮する賢明な態度としての「prudence」を示しています。単に慎重なだけでなく、思慮深さや賢明さも含む言葉なので、会話や重要な判断の場面でよく使われます。
He showed great prudence by saving money every month for his future education.
彼は将来の教育のため、毎月お金を貯めることで、とても用心深さを示した。
※ ここでは、将来を見据えて計画的に行動する賢明さが「prudence」として表現されています。目先の誘惑に流されず、将来のリスクに備えたり、賢明な計画を立てたりする文脈でよく使われます。「show prudence」で「用心深さを見せる」という意味になります。
分別
状況を正しく理解し、適切に対応する能力。特に道徳的な観点から、何が正しく、何が間違っているかを判断し、正しい行動を選択する能力を指す。思慮深さや良識と関連する。
A young woman showed great prudence by saving her money instead of spending it all.
若い女性は、お金をすべて使い切らずに貯めることで、素晴らしい分別を示しました。
※ この例文は、若い人が将来を考えて、衝動的にではなく賢くお金を管理する場面を描写しています。「prudence」は、このように将来を見据えて慎重に行動する賢さを表すのにぴったりです。「show prudence」で「分別を示す」という自然な言い方です。
Before making a big decision, she always shows prudence by taking time to think.
大きな決断をする前に、彼女はいつも時間をかけて考えることで分別を示します。
※ ここでは、人生の重要な選択(例えば、転職や大きな買い物など)をする際に、すぐに決めずにじっくり考える人の姿が描かれています。「prudence」は、焦らず、よく考えてから行動に移す賢明さを意味します。「make a big decision」は「大きな決断をする」、「take time to think」は「時間をかけて考える」という意味です。
When the road was icy, the driver showed prudence by driving very slowly.
道が凍っていたとき、運転手は非常にゆっくり運転することで分別を示しました。
※ この例文は、危険な状況(凍結した道路)で、事故を避けるために慎重に行動する運転手の様子を示しています。「prudence」は、このようにリスクを予測し、安全のために賢明な判断を下す場合にも使われます。自分の命や他人の命を守るための分別ですね。
コロケーション
財政的な慎重さ、堅実な財政管理
※ 財政、投資、支出など、お金に関わる事柄においてリスクを避け、長期的な安定を重視する姿勢を指します。形容詞"financial"が、prudenceの対象領域を明確に限定しています。ビジネスシーンや公的機関の財政運営に関する議論で頻繁に用いられ、無謀な投資や浪費を戒める文脈で登場します。単に"prudence"と言うよりも、具体的な対象を明示することで、意図がより明確になります。
慎重さを行使する、注意深く行動する
※ 動詞"exercise"は、能力や権力、資質などを『行使する』という意味合いを持ちます。"exercise prudence"は、判断や行動において注意深さや慎重さを意識的に発揮することを意味します。たとえば、契約を結ぶ前、投資を行う前、あるいは公的な発言をする前など、リスクを伴う状況で用いられます。"show prudence"よりも、より積極的かつ意識的な行動を示唆するニュアンスがあります。
慎重に、用心深く
※ 前置詞"with"は、状態や性質を伴うことを示します。"with prudence"は、行動や判断が慎重さや用心深さという性質を伴って行われることを意味します。副詞的に用いられ、動詞を修飾します。例えば、"He handled the delicate situation with prudence."(彼はそのデリケートな状況を慎重に処理した)のように使われます。類似表現として"prudently"がありますが、"with prudence"はよりフォーマルな印象を与え、特に書き言葉で好まれます。
慎重さを要求する、用心深さを求める
※ 動詞"demand"は、強く要求することを意味します。"demand prudence"は、特定の状況や行動に対して、関係者や社会全体が慎重さや用心深さを強く求めている状態を表します。例えば、新型ウイルスの感染拡大時や、金融市場の不安定な時期などに、政府や企業に対して「慎重な対応を求める」という文脈で使用されます。"require prudence"とほぼ同義ですが、"demand"の方がより強い要求を表します。
ある程度の慎重さ
※ "a measure of" は「ある程度の〜」という意味合いで、prudence の程度を限定します。全くなしの状態ではないが、過度でもない、適切な範囲の慎重さを示す際に用いられます。たとえば、リスクの高い投資を行う際に、「ある程度の慎重さは必要だ (a measure of prudence is necessary)」のように使われます。"some prudence" とほぼ同義ですが、"a measure of" はより客観的でフォーマルな印象を与えます。
政治的な慎重さ、政略
※ 政治的な判断や行動において、長期的な視点や影響を考慮し、リスクを最小限に抑えることを指します。単なる個人的な慎重さだけでなく、国家や組織の利益を考慮した戦略的な意味合いを含みます。外交交渉や政策決定など、政治的な文脈で頻繁に用いられます。"economic prudence"(経済的な慎重さ)など、他の分野と組み合わせて使うことも可能です。
使用シーン
学術論文、特に倫理学、経済学、政治学などの分野で、意思決定の合理性やリスク管理の文脈で用いられます。例:「企業の社会的責任に関する研究において、経営者の慎重さ(prudence)が長期的な企業価値に与える影響を分析する。」
ビジネス文書、特にリスク評価報告書や投資判断の際に用いられます。例:「投資委員会において、新規事業への投資判断は、経営陣の慎重なリスク評価(prudence in risk assessment)に基づいて行われるべきである。」または「契約交渉において、相手方の財務状況を慎重に確認する(exercising prudence in verifying the financial status)ことは重要である。」
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やノンフィクション書籍などで、個人の財産管理や健康管理に関する賢明な行動を指す際に用いられることがあります。例:「老後の資金計画を立てる際には、慎重な計画(prudence in planning)が必要である。」または「健康診断の結果に基づき、食生活を改善することは賢明な判断(a prudent decision)である。」
関連語
類義語
危険や問題が起こる可能性を認識し、注意深く行動すること。事故や失敗を避けるために用心する意味合いが強い。日常会話、ビジネス、公共の場など、幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】「prudence」は長期的な視点での賢明さや分別を意味するのに対し、「caution」はより即時的な危険に対する注意を指す。「prudence」は計画や判断に適用されることが多いが、「caution」は行動や発言に適用されることが多い。 【混同しやすい点】「caution」は名詞としてだけでなく、動詞としても使われる(例:Caution: Wet Floor)。「prudence」は名詞のみで使用される点に注意。また、「caution」は警告の意味合いも持つ。
将来起こりうる事柄を予測し、事前に準備する能力。ビジネス戦略、投資、リスク管理など、将来を見据えた計画を立てる際に重要な概念。学術的な文脈やビジネスシーンでよく用いられる。 【ニュアンスの違い】「prudence」は現在に基づいた賢明な判断を指すのに対し、「foresight」は未来を見越した準備を意味する。「prudence」はリスクを避けることを重視するが、「foresight」は機会を捉えることも含む。 【混同しやすい点】「foresight」は名詞であり、動詞形は「foresee」である。「prudence」に対応する動詞はない。「foresight」はしばしば「planning」(計画)と組み合わせて用いられる。
状況に応じて適切な判断を下し、秘密を守る能力。個人情報、機密情報、プライベートな話題などを扱う際に重要となる。ビジネス、法律、人間関係など、デリケートな状況で求められる。 【ニュアンスの違い】「prudence」は一般的な賢明さや慎重さを意味するのに対し、「discretion」は特定の状況における判断力や秘密保持能力を指す。「prudence」は行動全般に適用されるが、「discretion」は発言や情報管理に適用されることが多い。 【混同しやすい点】「discretion」は「at your discretion」(あなたの裁量で)というフレーズでよく用いられる。これは「prudence」では置き換えられない。「discretion」はしばしば「confidentiality」(機密性)と関連付けられる。
- circumspection
あらゆる可能性を考慮し、注意深く検討すること。特に、誤りや危険を避けるために慎重に行動する態度。学術的な議論、倫理的な判断、リスクの高い状況などで重要となる。 【ニュアンスの違い】「prudence」は分別や賢明さを意味するのに対し、「circumspection」はより詳細な検討や注意深さを指す。「prudence」は長期的な視点を含むが、「circumspection」はより具体的な状況に焦点を当てる。 【混同しやすい点】「circumspection」はフォーマルな言葉であり、日常会話ではあまり使われない。「caution」や「care」の方が一般的。「circumspection」はしばしば「thoroughness」(徹底性)と関連付けられる。
- frugality
資源(お金、時間、エネルギーなど)を無駄にせず、質素に生活すること。経済的な安定、環境保護、持続可能なライフスタイルなどを重視する際に用いられる。個人的な生活やビジネスにおいて、コスト削減の文脈で使われる。 【ニュアンスの違い】「prudence」は賢明な判断全般を指すのに対し、「frugality」は特に資源の節約に焦点を当てる。「prudence」はリスク管理を含むが、「frugality」は主に経済的な側面を扱う。 【混同しやすい点】「frugality」はしばしば「thrift」(倹約)と混同されるが、「thrift」はより広い意味での節約を指し、「frugality」はより意識的な資源の活用を意味する。「frugality」はしばしば「sustainability」(持続可能性)と関連付けられる。
経験や知識に基づいて、正しい判断を下す能力。人生の教訓、倫理的な問題、複雑な状況など、深い理解と洞察が必要な場面で重要となる。哲学、宗教、文学など、幅広い分野で用いられる。 【ニュアンスの違い】「prudence」は具体的な状況における賢明な判断を指すのに対し、「wisdom」はより普遍的で深い知識や理解を意味する。「prudence」は短期的な利益を考慮することがあるが、「wisdom」は長期的な視点や倫理的な価値を重視する。 【混同しやすい点】「wisdom」はしばしば「knowledge」(知識)と混同されるが、「knowledge」は単なる情報の蓄積であり、「wisdom」はそれを活用する能力を指す。「wisdom」はしばしば「experience」(経験)から得られるとされる。
派生語
『軽率な』、『分別に欠ける』という意味の形容詞。『im-』は否定の接頭辞で、prudent(分別のある)の反対を意味します。日常会話やビジネスシーンで、人の行動や判断を批判する際に使われます。単に否定するだけでなく、分別を欠くことによる危険性や不利益を示唆するニュアンスがあります。
- prudential
『慎重な』、『用心深い』という意味の形容詞。特に、将来のリスクを考慮した上で行動することを指します。保険や金融、法律などの分野でよく用いられ、『prudential regulation(健全性規制)』のように専門用語としても登場します。抽象的な概念を具体的に表現する際に役立ちます。
- jurisprudence
『法学』、『法律学』という意味の名詞。『juris-』は『法律』を意味する語根で、prudence(分別、判断力)と組み合わさることで、『法律の知識や判断力』という概念を表します。学術的な文脈で用いられ、法律の原則や解釈、体系などを研究する分野を指します。法律の専門家や研究者が用いる語彙です。
反意語
- recklessness
『無謀さ』、『向こう見ずさ』という意味の名詞。prudence(慎重さ、用心深さ)とは対照的に、リスクを顧みずに行動することを指します。日常会話からニュース記事まで幅広く使われ、特に事故や事件などの文脈で、原因や責任を問う際に用いられます。比喩的に、大胆な行動を批判する意味合いでも使われます。
- rashness
『軽率さ』、『無分別さ』という意味の名詞。prudence(慎重さ)の欠如を意味しますが、recklessnessよりも衝動的なニュアンスが強いです。日常会話や文学作品で、人の性格や行動を評価する際に用いられます。特に、後先考えずに感情的に行動することを指す場合に適しています。
『愚かさ』、『分別を欠いた行為』という意味の名詞。prudence(分別)とは対照的に、賢明でない行動や判断を指します。やや古風な表現ですが、文学作品や格言などで用いられ、教訓的な意味合いを含みます。単なる間違いではなく、道徳的な観点から非難されるべき愚かさを表す場合に適しています。
語源
"Prudence(用心深さ、分別)」は、ラテン語の"prudentia"(予見、知恵)に由来します。これは"providentia"(先見の明)と関連があり、さらに"providere"(前もって見る、準備する)から派生しています。"Pro-"は「前もって」を意味し、"videre"は「見る」を意味します。つまり、prudenceは文字通りには「前もって見ること」を意味し、将来起こりうる事態を予測し、それに対応する能力を示唆します。日本語で例えるなら、「転ばぬ先の杖」という諺がprudenceの概念に近いでしょう。リスクを事前に察知し、賢明な判断を下す、それがprudenceの本質です。
暗記法
「prudence(慎重さ)」は西洋で道徳と知性の羅針盤。キリスト教では正義、勇気、節制と並ぶ四枢徳の一つ。鏡と蛇を持つ女性で象徴され、自己認識と賢明さの証。ダンテの『神曲』では導きの知恵。政治においては長期的な視点とリスク管理の要。キケロは「善悪を区別し正しい行動を選ぶ力」と定義。保守的と批判も。真のprudenceはリスクを理解し賢明な判断を下す知性と勇気の結晶。
混同しやすい単語
『prudence』と語頭の音が似ており、特に発音に自信がない場合、聞き間違えやすい。また、どちらも名詞であるため、文脈によっては意味の取り違えも起こりうる。『president』は『大統領』や『社長』といった意味で、組織の長を指す。スペルも似ているため、注意が必要。特に、語頭のpre-という接頭辞は、前に、とか重要というニュアンスを持つことを覚えておくと区別しやすい。
スペルが非常に似ており、特に手書きの場合や、ざっと読んだ場合に混同しやすい。『providence』は『神の摂理』や『天佑』という意味で、宗教的な文脈で使われることが多い。語源的には、pro-(前もって)+ videre(見る)から来ており、『先見の明』というニュアンスもある。スペルミスに注意。
『prudence』と『precedence』は、語頭の pre- が共通しており、スペルも似ているため、視覚的に混同しやすい。『precedence』は『優先順位』や『先行』という意味で、ビジネスや法律などの文脈でよく使われる。発音も似ているため、文脈で判断する必要がある。語源的には、pre-(前に)+ cedere(行く)から来ており、『先に行くこと』が原義。
『prudence』と『students』は、どちらも複数形の名詞になり得るため、文法的な構造が似ている文で混同しやすい。また、語尾の -dence と -dents が似ているため、発音を聞き間違える可能性もある。『students』は『学生たち』という意味で、『prudence』とは全く異なる。文脈をよく読むことが重要。
『prudence』の反対語である『imprudence(軽率さ、無分別)』は、接頭辞 im- が付いているだけでスペルが非常に似ているため、混同しやすい。意味も正反対なので、文脈で注意深く判断する必要がある。im- は否定を表す接頭辞であることを覚えておくと良い。
語尾の -denceと -dentsの類似性から、特に発音を聞き間違えやすい。『residents』は『居住者』や『住民』という意味で、集合名詞として使われることが多い。発音もスペルも似ているため、文脈で判断する必要がある。
誤用例
「prudence」は日本語の『分別』『用心深さ』に近いですが、特に道徳的・倫理的な判断や、将来のリスクを避けるための慎重さを指します。上司の誤りを指摘しないことは、必ずしも倫理的な判断ではなく、むしろ人間関係や状況を考慮した『discretion(思慮深さ、分別)』が適切です。日本人が『空気を読む』という行為を英語で表現しようとする際に、つい『prudence』を選んでしまうことがありますが、より広い意味での状況判断には『discretion』が適しています。日本語の『分別』には、倫理的な意味合いと状況判断の意味合いが混在しているため、英語に直訳する際には注意が必要です。
「prudence」は賢明さ、慎重さからくる判断力を指しますが、単に数字をチェックするような行動は「diligence(勤勉さ、まめさ)」がより適切です。この誤用の背景には、日本人が『用心深さ』をあらゆる場面で良いことだと捉えがちであるという文化的背景があります。数字のチェックは、リスクを避けるための賢明な判断というよりは、日々のルーチンワークとしての勤勉さによるものです。日本語の『用心深さ』が、英語の『prudence』と『diligence』の両方の意味を含むため、文脈によって使い分ける必要があります。
「prudence」は(特に倫理的な意味合いを含んだ)思慮深さや良識を意味し、投資判断においては、やや大げさな印象を与えます。より一般的な投資における慎重さを表すには、「caution(注意深さ、用心)」が適切です。日本人が『慎重に』という言葉を安易に『prudence』に置き換えてしまうことがありますが、投資のような文脈では、よりニュートラルな『caution』を使う方が自然です。また、政府債のみを購入するという行為自体は、必ずしも高度な倫理的判断を伴うものではないため、『prudence』が持つ道徳的なニュアンスとはそぐわない場合があります。
文化的背景
「prudence(慎重さ、分別)」は、単なる注意深さ以上の意味を持ち、西洋文化においては、人生の羅針盤として、道徳的、知的、そして実際的な判断を導く重要な徳とされてきました。古代ギリシャの哲学から、中世キリスト教の倫理観、そして現代社会の意思決定まで、その重要性は一貫して高く評価されています。
特にキリスト教文化圏において、「prudence」は四枢徳(four cardinal virtues)の一つとして、正義(justice)、勇気(courage)、節制(temperance)と並び称されます。中世の絵画や彫刻では、しばしば鏡や蛇を持つ女性の姿で擬人化され、鏡は自己認識と熟慮を、蛇は賢明さと警戒心を象徴します。ダンテの『神曲』においても、prudenceは地獄、煉獄、天国を巡る旅において、主人公ダンテを導く知恵として描かれています。これは、prudenceが単なる個人的な資質ではなく、社会全体の調和と幸福に不可欠な要素であるという認識を示しています。
さらに、prudenceは政治的な文脈においても重要な役割を果たします。政治家やリーダーがprudenceを持つことは、短期的な利益に囚われず、長期的な視点から国や社会を導くために不可欠であると考えられてきました。例えば、古代ローマの政治家キケロは、prudenceを「善と悪を区別し、正しい行動を選択する能力」と定義し、政治指導者にとって最も重要な徳の一つであると主張しました。現代においても、prudenceは政策決定や国際関係において、リスクを評価し、予期せぬ事態に備えるための重要な指針となっています。
ただし、prudenceは時に保守的、あるいは消極的と解釈されることもあります。大胆な行動や革新的な発想を抑制し、現状維持に固執する傾向があるという批判も存在します。しかし、真のprudenceは、単にリスクを避けるのではなく、リスクを理解し、賢明な判断を下す能力を意味します。それは、過去の経験から学び、現在の状況を正確に把握し、未来を見据えることによって培われる、知性と勇気の結晶なのです。
試験傾向
準1級、1級の語彙問題で出題される可能性あり。長文読解でも、内容を理解する上で重要となる場合がある。特に、prudent (形容詞) の形で、状況判断や意思決定に関する文脈で登場しやすい。リスニングでの出題は比較的少ない。
Part 5 (短文穴埋め) や Part 7 (長文読解) で見られることがある。ビジネスシーンにおける意思決定やリスク管理に関する文脈で登場しやすい。類義語との識別がポイントとなる(例:caution, discretion)。
リーディングセクションで、アカデミックな文章において出題される可能性がある。倫理、政策、経済などの分野で、慎重さや賢明さを示す文脈で使われることが多い。ライティングセクションで使う場合は、フォーマルな文体で使用する必要がある。
難関大学の長文読解で出題される可能性あり。文脈から意味を推測する問題や、内容一致問題で問われることが多い。比喩的な意味合いで使用される場合もあるため、文脈全体を理解する必要がある。prudenceの関連語(prudent, imprudence)も合わせて覚えておくと良い。