banknote
紙幣
法的通貨として発行された紙のお金。硬貨ではなく紙でできている点を強調する時に使う。日常会話では単に'money'や'bill'と言う方が自然な場合も多い。
The cashier gave me a shiny new banknote as change.
レジ係が、お釣りとしてピカピカの新しい紙幣を私に渡してくれました。
※ この例文は、買い物をした際にお釣りをもらうという、非常に日常的で典型的な場面を描写しています。店員さんが手際よくお釣りを渡してくれる、そんな瞬間をイメージできます。「shiny new」は、受け取った紙幣が真新しい様子を表し、五感を刺激します。
She found a foreign banknote on the street and wondered where it came from.
彼女は道で外国の紙幣を見つけ、それがどこから来たのか不思議に思いました。
※ 道端で思わぬものを見つける、という発見の場面です。特に「foreign banknote(外国の紙幣)」とすることで、見慣れない紙幣への好奇心や、それがどこから来たのだろうという疑問が生まれる情景が鮮明になります。思わず立ち止まって拾い上げる様子が目に浮かびますね。
He checked his wallet and saw only one small banknote remaining.
彼は財布の中を確認し、たった一枚の少額紙幣しか残っていないのを見ました。
※ この例文は、財布の中身を確認する、という日常的な行動を切り取っています。支払いをする前や、お金が足りるか心配な時に財布を開け、中を見て少しがっかりする、そんな感情が伝わってきます。「only one small banknote remaining」で、残りが少ない状況が具体的に伝わります。
コロケーション
新札、折り目のない綺麗な紙幣
※ 「crisp」は、野菜などが新鮮でパリッとしている様子を表す形容詞ですが、紙幣に対して使うと、まるで印刷されたばかりのような、パリッとした新品の状態を指します。お祝い事や特別な贈り物で新札を用意する文化と結びついて、縁起の良いイメージを伴うこともあります。ビジネスシーンよりも、個人的なやり取りで使われることが多いでしょう。
偽造紙幣
※ 「forged」は「偽造された」という意味の形容詞で、犯罪や不正行為に関連する文脈でよく使われます。偽造紙幣は、経済犯罪の代表的な例であり、ニュースや警察の捜査報告などで頻繁に登場します。単に"fake banknote"と言うよりも、"forged banknote"の方が、より専門的でフォーマルな印象を与えます。
紙幣を引き出す
※ 銀行口座から現金(紙幣)を引き出す行為を表す、ごく一般的な動詞+名詞の組み合わせです。ATMの操作や銀行窓口でのやり取りなど、日常的な場面で頻繁に使われます。"take out banknotes"も同様の意味ですが、"withdraw"の方が、より公式なニュアンスがあります。例えば、銀行の利用明細書には"cash withdrawal"と記載されます。
札束
※ "wad"は、紙幣や書類などが丸められたり、束ねられたりした状態を指す名詞です。映画や小説などでは、札束をポケットに詰め込むような場面でよく登場し、やや俗語的な響きがあります。少額のお金を指すのではなく、ある程度の金額があることを示唆します。ビジネスシーンではあまり使いませんが、口語的な会話ではよく用いられます。
紙幣を汚損する
※ "deface"は、何かを傷つけたり、汚したりして、その外観や価値を損なうという意味の動詞です。紙幣に落書きをしたり、故意に破ったりする行為を指します。多くの国では、紙幣の汚損は違法行為とされています。公共広告や法律関連の記事などで見かける表現です。"vandalize a banknote"も同様の意味ですが、より強い非難のニュアンスを含みます。
細断された紙幣
※ "shredded"は、シュレッダーなどで細かく裁断された状態を表す形容詞です。犯罪組織が証拠隠滅のために紙幣を細断したり、古い紙幣が廃棄処分される際に細断されたりする状況を指します。ニュース記事やドキュメンタリーなどで見かけることが多いでしょう。比喩的に、計画やアイデアが完全に破壊された状態を表すこともあります。
偽札
※ "counterfeit"は「偽造の」という意味で、"forged banknote"とほぼ同義ですが、より一般的に使われます。日常会話やニュース報道など、幅広い場面で用いられます。偽札を発見した場合の対処法や、偽造防止技術に関する情報など、公共的な文脈でよく登場します。例えば、"counterfeit money"という表現もよく使われます。
使用シーン
経済学や金融史の研究論文で、特定の時代の貨幣制度や経済政策を分析する際に使用されます。例えば、「〇〇時代のbanknoteの流通量と経済状況の関係」といったテーマで言及されることがあります。
銀行や金融機関の報告書、経済ニュースの記事などで、現金取引や金融政策に関する議論の中で使用されます。例えば、「中央銀行が新たなbanknoteを発行した」というニュースや、「企業のbanknoteの取り扱いに関する内部統制」に関する報告書などで見られます。
日常会話ではあまり使用されませんが、ニュースやドキュメンタリー番組で、偽造通貨や経済に関する話題の中で登場することがあります。例えば、「偽造banknoteが出回っている」というニュースや、「海外の珍しいbanknoteを紹介する」ドキュメンタリーなどで使われます。
関連語
類義語
主にアメリカ英語で使われる口語的な表現。レストランでの勘定書や法案なども意味する。 【ニュアンスの違い】「banknote」よりもカジュアルで、日常会話で頻繁に使用される。特定の金額を示す場合にも使われる(例:a twenty-dollar bill)。 【混同しやすい点】「bill」は可算名詞であり、複数形は「bills」となる。また、「banknote」よりも広い意味を持ち、文脈によって意味を判断する必要がある。
ある国や地域で流通している通貨全般を指す。紙幣だけでなく硬貨も含む。 【ニュアンスの違い】「banknote」が具体的な紙幣を指すのに対し、「currency」はより抽象的な概念。経済や金融に関する文脈でよく使われる。 【混同しやすい点】「currency」は集合名詞として扱われることが多く、具体的な金額を指す場合は、単位(例:dollars, euros)を伴う必要がある。
- paper money
紙で作られたお金を指す、文字通りの表現。硬貨に対する紙幣という意味合いが強い。 【ニュアンスの違い】「banknote」よりも直接的で、ややくだけた印象を与える。フォーマルな場面ではあまり使われない。 【混同しやすい点】「paper money」は不可算名詞として扱われることが多い。また、古い紙幣や珍しい紙幣など、特定の種類を指す場合にも使われる。
イギリス英語で「banknote」の略として使われる。メモや音符の意味もある。 【ニュアンスの違い】「banknote」よりも短く、よりカジュアルな印象を与える。イギリス英語圏では一般的だが、アメリカ英語圏ではあまり使われない。 【混同しやすい点】「note」は文脈によって意味が大きく異なるため、注意が必要。金額を示す場合は、単位(例:pound note)を伴うことが多い。
- legal tender
法律で定められた支払い手段として認められている通貨。紙幣や硬貨を含む。 【ニュアンスの違い】「banknote」が具体的な紙幣を指すのに対し、「legal tender」はより法的な概念。契約や債務の履行に関する文脈で使われる。 【混同しやすい点】「legal tender」は特定の紙幣や硬貨を指すのではなく、あくまで支払い能力を保証する法的根拠を示す。日常会話ではあまり使われない。
現金全般を指す。紙幣だけでなく硬貨も含む。 【ニュアンスの違い】「banknote」が具体的な紙幣を指すのに対し、「cash」はより包括的な概念。支払い手段としての現金を指す場合に広く使われる。 【混同しやすい点】「cash」は不可算名詞として扱われることが多い。クレジットカードや電子マネーなど、現金以外の支払い方法と対比される文脈でよく使われる。
派生語
『銀行業』を意味する名詞。bank(銀行)に『〜に関わること』を示す接尾辞『-ing』が付加され、銀行業務全般を指す言葉になった。日常会話よりも経済ニュースやビジネスシーンで頻繁に使われる。
『銀行家』を意味する名詞。bank(銀行)に『〜する人』を表す接尾辞『-er』が付加。金融業界の専門家を指す。新聞記事や経済学の議論でよく見られる。
『破産』を意味する名詞。bank(銀行)とrupt(破る)が組み合わさり、『銀行が破綻すること』が原義。経済状況を表す言葉として、ニュースや法律文書で使われる。
語源
「banknote」は「紙幣」を意味しますが、その語源は「bank」(銀行)と「note」(覚え書き、証書)という二つの要素から成り立っています。「bank」は、中世イタリア語の「banca」(両替商の机)に由来し、お金を扱う場所、つまり銀行を指すようになりました。「note」は、ラテン語の「nota」(印、記号)に由来し、ここでは銀行が発行する支払いの約束を示す「証書」の意味合いを持ちます。つまり、「banknote」は、銀行が発行した支払いを保証する証書、現代で言うところの「紙幣」を意味するようになったのです。銀行という組織が信用を担保し、その証書が通貨として流通するという、歴史的な背景がこの単語に込められています。
暗記法
Banknote(銀行券)は、単なる紙幣以上の意味を持ちます。それは国家の信用、経済の安定、社会の信頼を象徴する存在です。デザインには国の歴史や文化が凝縮され、その国のアイデンティティを視覚的に表現します。初期は兌換券として登場し、銀行の信用が重要でした。偽造防止技術の発展や中央銀行制度の確立を促し、文学や映画では権力や腐敗の象徴としても登場します。キャッシュレス化が進む現代でも、banknoteに込められた文化的、歴史的な意味は色褪せません。お金は単なる交換手段ではなく、社会の信頼と国家のアイデンティティを体現するものなのです。
混同しやすい単語
『banknote』と『bank』は、どちらも金融機関に関連する単語ですが、意味が異なります。『bank』は銀行そのもの、または川岸などを指します。発音も似ていますが、アクセントの位置が異なり、『banknote』は2音節で『note』にアクセントがあります。銀行の種類や金融取引に関する文脈で誤用しないように注意が必要です。
『banknote』と『banker』は、どちらも銀行に関連しますが、意味と品詞が異なります。『banknote』は名詞で『紙幣』、『banker』は名詞で『銀行家』です。発音も似ていますが、語尾が異なります。銀行員の役職や役割について話す際に混同しないように注意が必要です。
『banknote』の後半部分である『note』自体も、単独で『覚え書き』『メモ』『音符』など多様な意味を持つ単語です。紙幣としての意味合いは『banknote』に限られるため、文脈によって意味を正しく判断する必要があります。また、『note』には『注目する』という意味の動詞もあります。
『black note』は、音楽用語で『黒鍵』を意味します。また、比喩的に不正な金銭や裏金などを指すスラングとしても使われることがあります。『banknote』が単に紙幣を意味するのに対し、『black note』はネガティブな意味合いを含む場合があるため、文脈に注意が必要です。
『bond』は『債券』や『絆』を意味する単語で、金融に関連する文脈で登場することがあります。『banknote』とはスペルも発音も異なりますが、どちらも金融取引に関わる単語であるため、文脈によっては混同される可能性があります。特に、投資や金融市場に関する議論では注意が必要です。
『blanket』は『毛布』という意味で、スペルの一部('bank'と'blank')が似ています。また、発音も最初の部分が似ているため、特に音声認識の場面で誤認識される可能性があります。意味は全く異なるため、文脈で判断する必要があります。
誤用例
『banknote』は文字通り『紙幣』を意味し、『nostalgia(郷愁)』のような抽象的な概念を数えるために使うことはできません。日本人が『〜という紙幣』のように直訳してしまうことで起こりやすい誤用です。感情や抽象的な概念が押し寄せる様子を表現する際は、『wave of...』のような表現を使うのが自然です。また、『banknote』は具体的な金銭を扱う文脈で使用されるべきで、感情的な文脈には不適切です。
『banknote』はややフォーマルな表現であり、日常会話では『bill』がより一般的です。特に個人的な思い出の品を指す場合には、『bill』の方がくだけたニュアンスで適切です。日本人が『紙幣』という言葉をそのまま英訳しようとする際に、『banknote』を選んでしまうことがありますが、英語では場面によって使い分ける必要があります。また、ラミネート加工するという行為自体が、紙幣の価値を損なう可能性があるため、mementoとして適切かどうかという文化的背景も考慮する必要があります。
『banknote』は特定の金額を指すニュアンスを含むため、物乞いをする人が漠然とお金を求める状況では不自然です。『some money』のように、金額を特定しない表現がより適切です。日本人が『お金』=『banknote』と直訳してしまうことで起こりやすい誤用です。英語では、具体的な金額が重要でない場合には、より一般的な表現を使うことが好まれます。
文化的背景
「banknote(銀行券)」は、単なる紙幣としてだけでなく、国家の信用、経済の安定、そして社会の信頼を象徴する存在です。そのデザインには、国の歴史、文化、価値観が凝縮されており、一国のアイデンティティを視覚的に表現する媒体としての役割も担っています。
歴史を遡ると、金や銀といった貴金属の兌換券として登場したbanknoteは、その利便性から広く流通し、経済活動を円滑にする上で欠かせないものとなりました。初期のbanknoteは、発行元の銀行の信用力に大きく依存しており、銀行の倒産はそのまま紙幣の価値消失に繋がりました。そのため、banknoteの信用を維持することは、国家や銀行にとって最重要課題となり、偽造防止技術の発展や、中央銀行制度の確立を促す原動力となりました。
Banknoteは、しばしば文学や映画においても重要な役割を果たします。例えば、経済格差や不正をテーマにした作品では、札束が権力や腐敗の象徴として登場することがあります。また、サスペンス映画では、偽札作りが犯罪の隠蔽や裏社会の暗躍を描く上で効果的な小道具として用いられます。このように、banknoteは単なるお金としてだけでなく、物語の展開を左右する象徴的なアイテムとして、様々な作品に登場します。
現代社会において、banknoteはキャッシュレス決済の普及により、その物理的な存在感を薄れさせつつあります。しかし、banknoteに込められた文化的、歴史的な意味合いは、決して失われることはありません。それは、私たちが日々使うお金が、単なる交換手段ではなく、社会の信頼と国家のアイデンティティを体現するものであることを、静かに物語っているのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に長文読解、語彙問題(空所補充)
- 頻度と級・パート: 準1級、1級でまれに出題。2級以下では出題頻度低め。
- 文脈・例題の特徴: 経済、金融に関する文章で登場しやすい。ニュース記事、レポートなどが典型。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「紙幣」という意味を確実に覚えること。関連語(currency, money)との区別も重要。
- 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: TOEIC L&Rで稀に出題される程度。TOEIC S&Wではほぼ出題されない。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンでの支払いや会計に関する文脈で使われる可能性がある。
- 学習者への注意点・アドバイス: 「請求書」「領収書」など、お金に関する他の語彙と合わせて覚えておくと有利。
- 出題形式: リーディングセクションの長文読解
- 頻度と級・パート: アカデミックな経済学、金融に関する文章で稀に出題。
- 文脈・例題の特徴: 経済史、金融政策、国際貿易などのテーマで登場する可能性。
- 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での使用例を把握しておくことが重要。類義語(currency, legal tender)とのニュアンスの違いも理解しておくと良い。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 難関大学の経済学部、社会学部などで出題される可能性あり。
- 文脈・例題の特徴: 経済、金融に関する評論文やニュース記事の一部として登場。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が必要。経済に関する背景知識があると有利。