badge
母音 /æ/ は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を大きく開けて発音します。「ヂ」は、舌先を上の歯茎に当ててから、息を破裂させるように発音するとよりネイティブに近い音になります。日本語の「ジ」とは少し異なります。
身分証明
特定の組織や活動への所属を示す記章。資格や権限を可視化する目的で使われる。警察官やイベントスタッフなどが着用するものをイメージしてください。
He showed his badge to the security guard at the company entrance.
彼は会社の入り口で警備員に自分のバッジを見せました。
※ 会社のエントランスで、男性が警備員に社員証(バッジ)を提示している場面です。社員であることを証明する、とても一般的な状況ですね。 「badge」は、社員証や入場許可証など、個人を識別するための小さな記章やカードを指します。ここでは社員証のイメージです。
To enter the special exhibition, visitors needed to wear a name badge.
特別な展示会に入るために、来場者は名札(バッジ)をつける必要がありました。
※ 美術館やイベント会場で、特別な展示会に入る前に、受付で名札(バッジ)を受け取り、それを身につけている人々の様子が目に浮かびます。参加者や関係者であることを示すためによく使われます。「wear a badge」で「バッジをつける」という意味です。「name badge」は「名札」のこと。
The detective proudly displayed his shiny police badge to the witness.
その刑事は、きらめく警察のバッジを証人に対し誇らしげに見せました。
※ 映画やドラマで見るような、刑事が自分の身分を明かすために、胸元から警察手帳(バッジ)をサッと取り出して見せる、緊迫した場面を想像してみてください。職業を象徴する重要なアイテムです。「police badge」は「警察官のバッジ」で、警察官の身分や権限を示すものです。
勲章
功績や貢献を称えるために授与される記章。名誉や栄誉の象徴として用いられる。軍人やスポーツ選手が授与される場面を想像してください。
He proudly wore the gold badge he got for winning the race.
彼はレースに勝ってもらった金色のバッジを誇らしげにつけていました。
※ 【情景】運動会や競技会で、一生懸命頑張って優勝した子供が、ご褒美としてもらった金色のバッジを胸につけ、喜びと誇らしさでいっぱいの様子です。 【なぜ典型的か】「badge」は、努力や功績が認められた証として与えられるものを指すことがよくあります。特に子供がもらう「ご褒美のバッジ」はイメージしやすいでしょう。 【文法/ヒント】「wear」は「身につける」という意味で、服やアクセサリーなど、体に装着している状態を表します。「got for winning the race」は「レースに勝ったことでもらった」という理由を示しています。
The police officer showed his badge to the man at the gate.
その警察官は、門にいた男性にバッジを見せました。
※ 【情景】警察官が、警備員や門番のような人に、自分の身分を証明するために胸元から取り出した警察官のバッジを提示している場面です。 【なぜ典型的か】「badge」は、警察官や警備員などが身分を証明するために携帯している「記章」や「身分証」を指す際によく使われます。これは「badge」の非常に一般的な使い方です。 【文法/ヒント】「showed his badge to someone」で「誰かに自分のバッジを見せる」という表現です。何かを提示して身分を明らかにする、という状況で使われます。
She carefully pinned the new badge onto her scout uniform.
彼女は新しいバッジを慎重にスカウトの制服に留めました。
※ 【情景】ボーイスカウトやガールスカウトの活動で、何か新しいスキルを習得したり、特定の目標を達成したりした証として新しいバッジをもらい、それを大切に制服の決められた場所に針で留めている様子です。 【なぜ典型的か】スカウト活動では、達成度に応じて様々なバッジが与えられ、制服に縫い付けたりピンで留めたりすることが一般的です。これは「badge」が「組織の一員であること」や「特定の能力や経験の証」を示す典型的な例です。 【文法/ヒント】「pin A onto B」で「AをBにピンで留める」という意味になります。「carefully」は「慎重に」という副詞で、このバッジを大切に思っている気持ちが伝わります。
認定する
品質や基準を満たしていることを公式に認めること。製品やサービスが一定の基準をクリアしていることを示す際に使われる。品質保証や認証制度に関連する文脈で用いられます。
This online course will badge you as a certified digital marketer after you pass the final exam.
このオンライン講座は、最終試験に合格すれば、あなたを認定デジタルマーケターとして認定します。
※ この例文は、オンライン学習でスキルを習得し、その知識が公式に認められる場面を描いています。学習者が試験に合格した時の安堵感や達成感を想像できますね。「badge O as C」で「OをCとして認定する」という、動詞「badge」の最も典型的な使い方の一つです。
Our community organization proudly badges volunteers who complete over 100 hours of service.
私たちの地域団体は、100時間以上の奉仕を完了したボランティアを誇りを持って認定します。
※ この例文は、ボランティア活動などの社会貢献が認められ、感謝される温かいシーンを想像させます。団体が個人の努力や貢献を公式に「認定する」という、能動態での典型的な使い方です。努力が形になって認められる喜びが伝わってきますね。
The national association will badge new members who meet all the strict professional standards.
その全国協会は、厳しい専門基準をすべて満たした新しい会員を認定するでしょう。
※ この例文は、専門的なスキルや経験が認められ、プロフェッショナルな集団の一員として迎え入れられる場面を描いています。長年の努力が実り、厳しい基準をクリアしてついに認められる、という達成感が伝わります。「認定」が、特定の資格や地位を与える行為として使われている典型例です。
コロケーション
名誉の証、誇り
※ 文字通りには「名誉のバッジ」ですが、比喩的に「苦労や困難を乗り越えた結果として得られる栄誉」を意味します。何かを達成したことに対する肯定的な評価や、誇らしい経験を表す際に使われます。例えば、「そのプロジェクトを成功させたことは、彼にとって名誉の証だ (Completing that project was a badge of honor for him.)」のように使います。ビジネスシーンやフォーマルな場面でよく用いられます。
バッジをつける、特定の役割や所属を示す
※ 文字通りの意味に加え、比喩的に「特定の役割や立場を公然と示す」という意味合いを持ちます。たとえば、「彼は環境保護のバッジをつけている (He wears a badge of environmentalism)」のように、ある主義主張や活動を支持していることを示す際に使われます。また、警察官や警備員などが制服の一部としてバッジをつける場合にも使われます。文脈によって、物理的にバッジをつけている場合と、比喩的に特定の役割を担っている場合の両方を指します。
バッジを取り消す、資格や権限を剥奪する
※ 文字通りバッジを剥奪するという意味から転じて、「権限や資格を取り消す」という意味で使われます。例えば、不正行為を行った従業員の資格を取り消す場合などに用いられます。「彼のセキュリティバッジは取り消された (His security badge was revoked)」のように使用します。フォーマルな場面や、企業内での懲戒処分などについて話す際に適しています。
バッジを獲得する、資格や称号を得る
※ 文字通りの意味だけでなく、比喩的に「努力や実績によって特定の資格や称号を得る」という意味合いで使用されます。例えば、ボーイスカウトやガールスカウトが技能を習得してバッジを得る場合や、オンライン学習プラットフォームでコースを修了してデジタルバッジを獲得する場合などに使われます。「彼女はプログラミングスキルを証明するためにバッジを獲得した (She earned a badge to prove her programming skills)」のように使用します。
バーチャルバッジ、デジタルバッジ
※ オンライン上で授与されるデジタルなバッジのこと。特定のスキルや知識、実績を証明するために使用されます。ゲーミフィケーションの要素として、学習プラットフォームやソーシャルメディアなどでよく見られます。「彼はそのコースを修了してバーチャルバッジを獲得した (He earned a virtual badge after completing the course.)」のように使います。現代的なデジタル環境を反映した表現です。
役職の象徴、職務の標章
※ 「office」はここでは「役職、官職」を意味し、「badge of office」は役職を表すバッジ、つまり、その役職にあることを示す象徴的なものを指します。例えば、市長や警察署長などが身につけるバッジを指すことがあります。比喩的に、その役職に伴う権威や責任を表すこともあります。フォーマルな文脈や、歴史的な記述などで用いられることがあります。
使用シーン
大学や研究機関における論文、研究発表、講義などで使用されます。研究者が特定の成果や能力を「認定する」という意味で使用したり、デジタルバッジによる学習成果の可視化について議論したりする文脈で見られます。例:『本研究は、新しい手法を開発した研究者として彼をbadge(認定)するものである。』
企業内研修や人事評価、プロジェクト管理などで使用されます。従業員のスキルや資格を証明するデジタルバッジの発行、または特定の業績を「認定する」という意味合いで使われることがあります。例:『プロジェクトの成功に貢献したメンバーに、貢献度をbadge(認定)するデジタルバッジを授与する。』
日常生活では、オンラインゲームやコミュニティサイトなどで、特定の成果や貢献に対して与えられるデジタルバッジを目にする機会があります。また、イベント参加の記念品としてバッジが配布されることもあります。例:『オンラインゲームで特定の条件をクリアすると、特別なbadge(バッジ)がもらえる。』
関連語
類義語
- emblem
象徴、紋章、記章。特定の団体や組織、主義などを表す視覚的なシンボルとして用いられる。フォーマルな場面や、公式な文書、歴史的な文脈でよく見られる。 【ニュアンスの違い】"badge"よりも意味が広く、抽象的な概念を具現化したものも指す。権威や忠誠心、アイデンティティを表すニュアンスが強い。また、デザイン性や芸術性が重視される傾向がある。 【混同しやすい点】"badge"は個人の身分証明や資格を示すことが多いが、"emblem"は組織や概念を代表する。例えば、企業のロゴは"emblem"、従業員が身につけるIDカードは"badge"となる。
- insignia
記章、勲章、階級章。特に軍隊や政府機関などで、地位や権威、所属を示すために用いられる。フォーマルで公式な場面での使用が中心。 【ニュアンスの違い】"badge"よりも格式が高く、権威や名誉の象徴としての意味合いが強い。デザインや素材も高級なものが多く、歴史的・伝統的な背景を持つことが多い。 【混同しやすい点】"badge"は比較的カジュアルな身分証明や参加証にも使われるが、"insignia"は特定の地位や権威を持つ人にのみ与えられる。警察官のバッジは"badge"だが、将軍の肩章は"insignia"となる。
証拠、しるし、記念品。何かを象徴する物や、特定の権利や資格を表すために用いられる。日常会話からビジネスまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"badge"が身分や資格を具体的に示すのに対し、"token"はより抽象的な意味合いを持つことが多い。感謝の印、友情の証、参加の記念など、象徴的な意味合いで使用される。 【混同しやすい点】"badge"は身につけることが多いが、"token"は必ずしも身につけるとは限らない。また、"token"は貨幣の代わりに使用されることもある(例:ゲームセンターのメダル)。
紋章、頂点、鶏冠。家族や組織の紋章、山や波の頂点などを指す。歴史的、文学的な文脈でよく見られる。 【ニュアンスの違い】"badge"よりも歴史的・伝統的な意味合いが強く、家柄や由緒を表すことが多い。紋章のデザインは、家族や組織の歴史や価値観を反映している。 【混同しやすい点】"badge"は個人の身分証明にも使われるが、"crest"は主に家族や組織を代表する。学校の制服につけられた紋章は"crest"、生徒証は"badge"となる。
身分証明、本人確認。個人を特定するための情報や書類を指す。日常会話からビジネス、法律まで幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"badge"は身分証明の手段の一つだが、"identification"はより広範な概念。運転免許証、パスポート、IDカードなど、個人を特定できるもの全てを含む。 【混同しやすい点】"badge"は身につけることで身分を示すが、"identification"は必ずしも身につけるとは限らない。また、"identification"は抽象的な概念(例:自己同一性)を指すこともある。
印、記号、特徴。何かを識別するための目印や、品質や状態を示すために用いられる。日常会話からビジネス、学術まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"badge"が身分や資格を示す特定のマークであるのに対し、"mark"はより一般的な意味を持つ。傷跡、汚れ、品質保証のマークなど、様々な意味で使用される。 【混同しやすい点】"badge"は通常、組織や団体によって発行されるが、"mark"は個人や企業が独自につけることができる。また、"mark"は動詞としても使用され、「印をつける」という意味になる。
派生語
- debadge
動詞で「(記章・バッジ)を取り外す、剥奪する」という意味。接頭辞「de-(分離、除去)」が付き、バッジを取り除く行為を表す。自動車のモデル名バッジを外すカスタムや、比喩的に地位や名誉を剥奪する状況で使用される。日常会話よりは専門的な文脈や技術的な議論で使われることが多い。
- badger
動詞で「しつこくせがむ、困らせる」という意味。元々はアナグマ狩りで猟犬がアナグマを追い詰める様子から派生し、バッジとは直接的な語源関係はないものの、比喩的に「執拗に追いかける」という意味で使われるようになった。日常会話でも使われるが、やや古風な印象を与える場合もある。
- badge of honor
「名誉の証」という意味の名詞句。バッジが象徴するものが肯定的な意味合いを持つ場合に用いられる。困難を乗り越えた証や、特別な功績を称える際に使われることが多い。ビジネスや政治、軍事など幅広い分野で見られる表現。
反意語
「汚名、不名誉」という意味の名詞。バッジが名誉や所属を表すのに対し、スティグマは社会的に否定的な烙印を意味する。バッジが賞賛される文脈で、スティグマは非難や差別を伴う。社会学や心理学の分野で頻繁に使われる。
「不名誉、恥辱」という意味の名詞。バッジが名誉や栄誉の象徴であるのに対し、disgrace は名誉を失墜させる行為や状態を指す。公的な失敗や不祥事の結果として用いられることが多い。報道記事や歴史的な記述でよく見られる。
「非難、叱責」という意味の名詞または動詞。バッジが承認や支持を示すのに対し、censure は公式な場での非難や批判を意味する。政治的な文脈や組織内での懲戒処分などで使われる。学術論文や報道記事で用いられることが多い。
語源
"badge"は、その起源を中世フランス語の"bage"(印、標識)に遡ることができます。さらに遡ると、ゲルマン祖語の" *badją"(指輪、宝石)に由来すると考えられています。この" *badją"は、動詞の語根" *beudan"(強制する、押す)に関連しており、もともとは圧印されたり、刻印されたりした装飾品や身分証明証を意味していたことが示唆されます。つまり、初期の「badge」は、所有者の身分や所属を示す、一種の「押された」または「刻まれた」印だったのです。日本語で例えるなら、武士の家紋や、現代の会社の社章のようなものでしょう。これらの印は、個人を特定のグループや組織に結びつけ、その身分を可視化する役割を果たしました。この意味合いが、現代の「身分証明」「勲章」「認定」といった語義に繋がっています。
暗記法
バッジは、小さな金属片に過ぎずとも、社会的身分や役割を可視化する強力な象徴。中世の巡礼者が聖地訪問の証として身につけたエンブレムに起源を持ち、信仰と安全の証だった。ギルドは技能と品質を保証するバッジを発行。近代では軍や警察が権威を示し、スポーツチームは一体感を醸成。公民権運動では連帯の象徴に。現代では企業が帰属意識を高め、イベントで身元確認を円滑にする。バッジは社会的なつながり、権威、所属、アイデンティティを内包する。
混同しやすい単語
『badge』と発音が非常に似ており、特に語尾の子音の聞こえ方が曖昧だと区別が難しい。意味は『わずかに動く』『考えを変える』など。『badge』が名詞であるのに対し、『budge』は主に動詞として使われるため、文脈で判断する必要がある。語源的には、古フランス語の 'bouger'(動く)に由来し、発音の変化に注意。
スペルが似ており、特に 'a' の位置が異なる点を見落としやすい。発音も母音が異なる(badge: /bædʒ/, batch: /bætʃ/)ため、注意が必要。『batch』は『一団』『ひとまとめ』という意味で、例えば『a batch of cookies』(クッキーのひと焼き分)のように使われる。アメリカ英語では 'batch' の 'a' の音が /æ/ で open a と同じ音なので、'badge' と区別しやすい。
スペルに 'd' が含まれるか 'l' が含まれるかの違いで、視覚的に混同しやすい。発音も母音と語尾の子音が異なる(badge: /bædʒ/, bulge: /bʌldʒ/)。『bulge』は『膨らみ』『突き出る』という意味で、例えば『a bulge in the tire』(タイヤの膨らみ)のように使われる。語源的には、古フランス語の 'boulge'(革袋)に由来し、イメージで捉えると覚えやすい。
語尾の 'dge' が共通しているため、スペルの一部が似ていると感じやすい。発音も、母音が異なる(badge: /bædʒ/, dodge: /dɑːdʒ/)ものの、リズムが似ているため混同しやすい。『dodge』は『避ける』という意味で、例えば『dodge a ball』(ボールを避ける)のように使われる。アメリカ英語では 'dodge' の 'o' の音が /ɑ/ で father と同じ音なので、'badge' と区別しやすい。
『badge』の最初の音とスペルが共通しているため、注意が必要。意味は『悪い』であり、形容詞として使われることがほとんど。発音は『badge』が二重母音を含むのに対し、『bad』は単母音である点が異なる。文脈から判断することが重要だが、特に初学者は混同しやすい。例えば、'bad guy' と 'badge of honor' は全く意味が異なる。
語尾の 'dge' が共通しており、スペルの類似性が高い。発音も、母音と語尾の子音が似ているため、特に発音練習が不十分な学習者は混同しやすい。『bridge』は『橋』という意味で、例えば『a bridge over the river』(川にかかる橋)のように使われる。名詞としての用法が多いため、『badge』との共通点がある。ただし、文脈からは容易に区別可能。
誤用例
日本語の『バッジ』は勲章のように、成功の証として身につけるイメージがありますが、英語の『badge』は所属や資格を示すもので、成功そのものを『badge』として『wear(身につける)』とは表現しません。ここでは、成功を『見せびらかす』という意味の『flaunt』が適切です。日本人が『〜をバッジとして身につける』という直訳的な発想をしてしまうのは、比喩表現の文化的な違いによるものです。英語では、成功は隠す美徳とまでは言いませんが、直接的に誇示することはやや下品と見なされることもあります。
『badge』は通常、物理的な身分証や標章を指し、『謝罪のしるし』のような抽象的な概念には使いません。この文脈では、『token』(形ばかりの物、記念品) や『gesture』(行為) を用いるのが自然です。日本人が『謝罪のバッジ』という表現を思いつくのは、形に残る謝罪を重視する文化が背景にあるかもしれません。英語圏では、誠意のある言葉や行動による謝罪がより重視される傾向があります。
『badge of honor』は『名誉の証』という意味ですが、現代英語では皮肉を込めて使われることが多い表現です。特に『workaholic(仕事中毒)』に対して使うと、『仕事ばかりしていることを誇っているのか?』というニュアンスが含まれてしまいます。日本人が真面目さや勤勉さを美徳と考える文化から、ストレートに『名誉の証』と捉えてしまう可能性があります。英語では、ワークライフバランスを重視する価値観が強いため、仕事中毒は必ずしも褒められるものではありません。
文化的背景
「badge」は、権威、所属、功績などを視覚的に示す象徴であり、小さな金属片や布片に過ぎないにもかかわらず、身につける者のアイデンティティや役割を社会に示す強力なメッセージを発します。中世の騎士が紋章を盾に掲げた時代から、現代の企業が従業員に社章を授与するまで、バッジは常に社会的なつながりやヒエラルキーを可視化する役割を担ってきました。
バッジの歴史を遡ると、その起源は宗教的な巡礼者が聖地訪問の証として身につけた小さなエンブレムにまで遡ることができます。これらの初期のバッジは、信仰の証であると同時に、旅の安全を保証するパスポートのような役割も果たしました。中世後期には、ギルドや同業者組合が独自のバッジを作成し、メンバーシップを示すとともに、その技能や品質を保証する役割を担うようになります。これらのバッジは、単なる装飾品ではなく、中世社会における身分証明書であり、品質保証の証でもありました。
近代に入ると、バッジはより多様な意味を持つようになります。軍隊や警察などの組織では、階級や功績を示すためにバッジが用いられ、その権威を象徴するようになりました。また、スポーツチームや学校などでは、所属意識を高めるためにバッジが用いられ、集団への一体感を醸成する役割を果たします。政治的な運動や社会的な活動においても、バッジは支持者のシンボルとして用いられ、共通の目標を持つ人々を結びつける役割を果たします。例えば、公民権運動の時代には、人種差別に反対する人々がバッジを身につけ、連帯の意志を示しました。
現代社会においては、バッジはさらに多様な意味を持つようになっています。企業は従業員に社章を授与することで、企業文化への帰属意識を高め、顧客に対して信頼感を与えることを目指します。イベントや会議などでは、参加者がバッジを身につけることで、互いの身元を確認し、コミュニケーションを円滑に進めることができます。また、デジタルバッジと呼ばれる新しい形態のバッジも登場し、オンライン学習やスキルの証明に用いられるようになっています。バッジは、その小さな姿の中に、社会的なつながり、権威、所属、そして個人のアイデンティティといった、様々な意味を内包しているのです。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で比較的頻出。1級でも出題可能性あり。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、歴史、科学など幅広いテーマで、名誉や象徴としての「badge」が登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「記章」「バッジ」という基本的な意味に加え、「~の証」といった抽象的な意味も理解しておく。動詞としての用法(~にバッジをつける)は稀。
1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)
2. 頻度と級・パート: 比較的まれ。スコアアップに直結する単語ではない。
3. 文脈・例題の特徴: 従業員ID、イベント参加証など、ビジネスシーンでの使用が想定される。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 優先順位は高くないが、TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズなどに掲載されていれば覚えておく程度で良い。
1. 出題形式: リーディングセクション
2. 頻度と級・パート: 中程度の頻度。アカデミックな内容の文章で登場。
3. 文脈・例題の特徴: 歴史的な出来事、社会的な運動などで、象徴や身分証明としての「badge」が登場する。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 単語の意味だけでなく、文章全体の内容を把握する必要がある。文脈から意味を推測する練習が重要。
1. 出題形式: 長文読解、空所補充
2. 頻度と級・パート: 大学によって異なるが、難関大学では頻出。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、歴史、文化など、幅広いテーマで登場。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 基本的な意味に加え、「~の証」といった比喩的な意味も理解しておくこと。文脈から適切な意味を判断する練習が必要。