appreciation
強勢は「エー」の箇所にあります。/ə/ は曖昧母音で、力を抜いた「ア」のような音です。/ʃ/ (sh) の音は日本語の「シ」よりも唇を丸めて出す音です。'-tion' の部分は「シャン」と発音しますが、直前の 'eɪ' (エーィ) とスムーズにつながるように意識しましょう。全体として、各音節を区切らず、なめらかにつなげるように発音すると、より自然に聞こえます。
専門的な内容に関するご注意
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感謝
相手の行為や存在そのものに価値を認め、好意的な気持ちを抱くこと。Thank youよりも深く、フォーマルな場面で使われることが多い。
He expressed his sincere appreciation for her kindness.
彼は彼女の親切に対し、心からの感謝の気持ちを伝えました。
※ この文は、誰かの親切な行動に対して、心から感謝の気持ちを言葉で伝える場面を描いています。「express one's appreciation」は「感謝の気持ちを表す・伝える」という、とても自然でよく使われる表現です。相手の行動への感謝を具体的に示す時に役立ちます。
The school sent a letter of appreciation to all the volunteers.
学校は全てのボランティアに感謝状を送りました。
※ ここでは、学校がボランティアの努力を認め、正式に感謝の気持ちを「手紙(感謝状)」という形で伝える場面です。「a letter of appreciation」は「感謝状」という意味で、組織や団体が公式に感謝を示す際によく使われる典型的なフレーズです。この表現を覚えておくと、フォーマルな場面で役立ちます。
She gave a small gift in appreciation for his help.
彼女は彼の助けに対する感謝の気持ちとして、小さな贈り物を渡しました。
※ この文は、誰かの助けや協力に対して、感謝の気持ちを込めて何かを贈る場面を示しています。「in appreciation for/of ~」は、「~への感謝として、~に報いて」という意味で、感謝の気持ちを具体的な行動(この場合は贈り物)で示す際によく使われます。日常会話でもビジネスシーンでも頻繁に登場する形です。
理解
物事の本質や価値を認め、深く理解すること。単なる知識だけでなく、感情的な共鳴や共感を含むニュアンスがある。
He has a deep appreciation for classical music.
彼はクラシック音楽への深い理解を持っています。
※ 【情景】静かな部屋で、目を閉じてクラシック音楽を聴いている人がいます。彼はただ音を聞いているだけでなく、作曲家の意図や曲の構造、歴史的背景まで深く感じ取っているようです。この文は、芸術や文化など、奥深いものに対して「その価値や意味を深く理解している」という状況を表す時によく使われます。 【ポイント】「appreciation for ~」で「~に対する理解」を表します。単に「好き」というだけでなく、その奥深さや価値を認識しているニュアンスが含まれます。
It's important to have an appreciation of how difficult her job is.
彼女の仕事がいかに大変かを理解することが大切です。
※ 【情景】職場で、ある同僚がいつも大変な仕事をしているのを見ています。周りの人たちは、彼女の仕事の本当の難しさを十分に知らないかもしれません。この文は、誰かの努力や、物事の困難さに対して「その大変さを認識し、評価する」という状況で使われます。 【ポイント】「appreciation of how ~」で「~がいかに…であるかという理解」を表します。相手の立場や状況を深く考えて、その大変さや重要性を認める気持ちが込められています。
We need a clear appreciation of the current situation.
私たちは現在の状況を明確に理解する必要があります。
※ 【情景】会議室で、皆が難しい問題に直面しています。しかし、問題の全体像や深刻さをまだ誰もが完全に把握できていないようです。この文は、特定の状況や問題の全体像、重要性、複雑さなどを「はっきりと認識し、把握する」必要性を表す時に使われます。 【ポイント】「a clear appreciation」で「明確な理解」を意味します。漠然と知っているだけでなく、具体的な詳細や背景まで含めて「はっきりと認識する」というニュアンスです。ビジネスや議論の場でよく聞かれる表現です。
値上がり
価値や価格が上昇すること。不動産や美術品など、投資対象となるものの価値が上がった際に使われることが多い。
My parents bought this house years ago, hoping for an appreciation in its value.
私の両親は何年も前にこの家を買い、その価値が上がることを期待していました。
※ この例文は、家を購入した人が将来の価値上昇(値上がり)を期待している場面を描写しています。不動産や資産の価値が増す時に「appreciation」を使うのは非常に典型的です。ここでは「hoping for (〜を期待して)」という表現で、その期待感が伝わります。将来の資産価値の上昇を願う気持ちが込められていますね。
The investor smiled, seeing a steady appreciation in his stock portfolio.
投資家は、自分の株式ポートフォリオが着実に値上がりしているのを見て、微笑みました。
※ この例文では、投資家が自分の株(stock portfolio)が順調に価値を上げている(steady appreciation)のを見て、満足している様子が描かれています。「smiled」という動作から、彼の喜びが伝わってきますね。株や投資信託など、金融資産の価値上昇を指す際にも「appreciation」は頻繁に使われます。実際のビジネスニュースなどでもよく耳にする表現です。
She found an old painting in her attic that showed incredible appreciation.
彼女は屋根裏で古い絵を見つけ、それが信じられないほど値上がりしていることが分かりました。
※ この例文は、古い美術品や骨董品が、時間の経過とともに予想外に価値を増した状況を描いています。「attic(屋根裏)」で発見されたという具体的な場所と、「incredible(信じられないほどの)」という言葉が、その驚きと喜びを伝えています。このように、コレクション品や芸術品が時間の経過で価値を高める場合にも「appreciation」が使われます。
コロケーション
深い感謝、心からの感謝
※ 「deep」は感謝の度合いを強調する形容詞です。単に「thank you」と言うよりも、より強い感謝の気持ちを伝えたいときに使います。例えば、長年の貢献に対する感謝や、困難な状況を乗り越えるための支援に対する感謝など、特別な状況で用いられることが多いです。ビジネスシーンやフォーマルな場面で、相手への敬意を示すのに適しています。類語としては、「profound appreciation」も同様に使えます。
感謝の意を表す、感謝の気持ちを伝える
※ 「express」は動詞で、感謝の気持ちを言葉や行動で示すことを意味します。手紙、メール、スピーチなど、様々なコミュニケーション手段で使われます。「express gratitude」もほぼ同義ですが、「appreciation」の方が、より広い意味で、価値を認める、良い点に気づくといったニュアンスを含みます。例えば、プロジェクトの成功に対して、関係者全員に感謝の意を表明する、といった状況で使われます。ビジネスシーンで頻繁に使われる表現です。
感謝の気持ちを示す、感謝の態度を見せる
※ 「show」は動詞で、感謝の気持ちを態度や行動で示すことを意味します。「express」が言葉による表現に重点を置くのに対し、「show」はより具体的な行動を伴うことが多いです。例えば、贈り物をする、手伝いをする、褒める、昇進させるなどが該当します。感謝祭のようなイベントで、日頃の感謝を示すために贈り物をする、といった状況で使われます。ビジネスシーンだけでなく、個人的な関係でも使われる表現です。
〜に感謝して、〜の感謝のしるしとして
※ 「in appreciation of」は前置詞句で、何かに感謝する理由や対象を示す際に使います。例えば、「in appreciation of your hard work」(あなたの努力に感謝して)のように使います。感謝の気持ちを伝える贈り物や行動の理由を説明する際によく用いられます。フォーマルな場面やビジネスシーンで、丁寧な印象を与える表現です。類語としては、「as a token of our appreciation」があります。
感謝のしるし、感謝の気持ちを表すもの
※ 「token」は名詞で、象徴的な意味を持つ贈り物や行為を指します。「a token of appreciation」は、言葉だけでなく、具体的な形で感謝の気持ちを伝えたいときに使われます。例えば、従業員の頑張りに感謝して贈るギフトカードや、ボランティア活動に対する感謝状などが該当します。ビジネスシーンやフォーマルな場面でよく用いられる表現です。単に「gift」と言うよりも、感謝の気持ちが込められていることを強調できます。
感謝の欠如、感謝の気持ちの不足
※ 「lack of」は名詞句で、何かが不足している状態を表します。「lack of appreciation」は、感謝の気持ちが足りない、または全くない状態を指します。例えば、誰かの努力や貢献を当然のことと見なし、感謝の言葉や行動を示さない場合に用いられます。この表現は、批判的なニュアンスを含むことが多く、人間関係や職場環境における不満を表す際に使われます。例えば、「He complained about the lack of appreciation from his boss.」(彼は上司からの感謝の欠如について不満を述べた。)のように使われます。
相互の感謝、互いに感謝し合うこと
※ 「mutual」は形容詞で、双方向の関係を表します。「mutual appreciation」は、お互いが相手の価値を認め、感謝し合っている状態を指します。健全な人間関係や協力関係を築く上で重要な要素です。例えば、ビジネスパートナーシップにおいて、互いの貢献を認め合い、感謝し合うことが成功の鍵となる場合があります。この表現は、ポジティブな意味合いで使われ、良好な関係性を強調する際に用いられます。類語としては、「reciprocal appreciation」があります。
使用シーン
学術論文や研究発表で、先行研究の評価や貢献を述べる際に使われます。「先行研究への評価(appreciation of previous studies)」のように用いられ、研究の文脈における理解や評価を示すフォーマルな表現です。学生が論文を読む際や、研究者が自身の研究を位置づける際に目にすることがあります。
ビジネスシーンでは、感謝の意を表す際に「感謝状(letter of appreciation)」や、プロジェクトの成功に対する評価として用いられます。また、不動産や美術品の「値上がり」の意味で、投資報告書や経済ニュースなどで使われることもあります。例:「不動産の価値の評価(appreciation of property value)」
日常会話では、感謝の気持ちを伝える際に「I appreciate it.(感謝します)」という形で使われることが多いですが、これは定型句です。より深い感謝や評価を表す場合には、フォーマルな場面で使われる傾向があります。例えば、ボランティア活動への参加や親切な行為に対して、手紙やメールで感謝の気持ちを伝える際に用いられます。
関連語
類義語
感謝の気持ちを表すフォーマルな言葉。贈り物や親切など、具体的な行為に対する感謝の念を伝える際に用いられる。手紙やスピーチなど、書き言葉でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『appreciation』よりも深い感謝の念を表し、恩義を感じている状況で使われることが多い。受けた恩恵に対する認識と、それに対する感謝の気持ちが込められている。 【混同しやすい点】『gratitude』はしばしば具体的な行為や贈り物に対して使われるが、『appreciation』はより広い意味で、人、物、状況など、さまざまなものに対する価値を認める気持ちを表す。
- thankfulness
感謝の気持ちを表す一般的な言葉。宗教的な文脈や、日々の小さな幸せに対する感謝の気持ちを表す際にも用いられる。感謝祭(Thanksgiving Day)の語源にもなっている。 【ニュアンスの違い】『appreciation』よりも個人的で感情的なニュアンスが強い。また、『thankfulness』はしばしば神への感謝や、与えられたものへの感謝の気持ちを表す。 【混同しやすい点】『thankfulness』は感謝の気持ちそのものを表すのに対し、『appreciation』は価値を認める気持ちや、理解、評価など、より広い意味を持つ。
認識、評価、認知といった意味を持つ。功績や業績を認め、表彰する場面でよく使われる。ビジネスや学術的な文脈で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】『appreciation』が感謝の気持ちを含むのに対し、『recognition』は価値を客観的に評価し、認めるという意味合いが強い。感情的な要素は薄い。 【混同しやすい点】『recognition』は感謝の気持ちを必ずしも伴わない。例えば、優れた業績を『recognition』する際には、感謝の気持ちよりも評価や認知が重要となる。
尊敬、尊重、敬意といった意味を持つ。人柄や能力、業績などを高く評価する気持ちを表す。フォーマルな場面や、文学的な表現で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】『appreciation』が感謝の気持ちを表すのに対し、『esteem』は尊敬や敬意の念を表す。相手の価値を高く評価し、尊敬する気持ちが込められている。 【混同しやすい点】『esteem』はしばしば相手の人格や能力に対する評価を伴うが、『appreciation』は必ずしもそうではない。例えば、美しい景色を『appreciation』する際には、尊敬の念は含まれない。
尊敬、尊重、配慮といった意味を持つ。相手の意見や感情を尊重し、考慮する際に用いられる。ビジネスやフォーマルな場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『appreciation』が価値を認める気持ちを表すのに対し、『regard』は相手を尊重し、配慮する気持ちを表す。相手の立場や感情を考慮することが重要となる。 【混同しやすい点】『regard』はしばしば相手への配慮や尊重を伴うが、『appreciation』は必ずしもそうではない。例えば、芸術作品を『appreciation』する際には、作者への配慮は必ずしも必要ではない。
理解、共感、洞察といった意味を持つ。物事や人の気持ちを深く理解する際に用いられる。日常会話から学術的な文脈まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】『appreciation』が価値を認める気持ちを表すのに対し、『understanding』は物事を深く理解する能力を表す。相手の立場や状況を理解することが重要となる。 【混同しやすい点】『understanding』は感謝の気持ちを必ずしも伴わない。例えば、複雑な問題を『understanding』する際には、感謝の気持ちよりも理解が重要となる。また、appreciationは「理解」の意味でも使われるが、understandingよりも対象の良さや価値を認めるニュアンスが強い。
派生語
『感謝する』『(価値を)認める』という動詞。名詞の『appreciation』から派生し、具体的な行為や感情を表す。ビジネスシーンや日常会話で広く使われ、感謝の意を伝える基本的な語彙。
- appreciable
『(十分に)認識できる』『評価できる』という意味の形容詞。『appreciation』の価値を認める意味合いが、客観的な評価の対象に変化。ビジネス文書や学術論文で、数量や効果が無視できないほど大きいことを示す際に用いられる。
- appreciatively
『感謝して』『高く評価して』という意味の副詞。『appreciate』の感情や行動を強調し、態度や行動の様子を表す。手紙やスピーチなど、感謝の気持ちを伝える場面で用いられる。
反意語
『無視する』『軽視する』という意味の動詞。『regard(尊重する、考慮する)』に否定の接頭辞『dis-』が付いた形。『appreciation』が価値を認めて大切にするのに対し、『disregard』は価値を認めず、注意を払わないことを意味する。ビジネスや学術的な文脈で、重要性を無視することを示す。
『価値の低下』『減価償却』という意味の名詞。『appreciation』が価値の増加や認識を表すのに対し、『depreciation』は価値の減少や過小評価を意味する。経済学や会計学の分野で、資産価値の減少を表す専門用語として用いられる。
『批判』という意味の名詞。『appreciation』が肯定的な評価であるのに対し、『criticism』は否定的な評価や欠点の指摘を意味する。芸術、文学、政治など、様々な分野で対象の欠点や問題点を指摘する際に用いられる。
語源
"Appreciation」は、ラテン語の"appretiare"(評価する、価値をつける)に由来します。これは、"ad-"(〜へ)と"pretium"(価値、価格)が組み合わさったものです。つまり、もともとは「価値を与える」「正当な価値を見出す」という意味合いがありました。これが古フランス語を経て英語に入り、「感謝」「理解」「値上がり」といった意味に発展しました。 "Appreciate"(感謝する、評価する)という動詞も同じ語源を持ちます。例えば、美術品を鑑賞(appreciate)する際に、その価値や美しさを理解し、高く評価するイメージです。この「価値を認める」という核となる意味から、「感謝」や「値上がり」といった意味が派生したと考えると、記憶に残りやすいでしょう。
暗記法
「Appreciation」は感謝以上の意味を持ち、相手の価値を認め尊重する感情です。18世紀イギリスのパトロン制度では、芸術家の才能を「appreciation(高く評価)」し、経済的支援だけでなく、社会的な認知も与えました。現代では、組織文化や人間関係を円滑にする要素として重要視され、精神的な豊かさをもたらす感情としても捉えられています。相手の存在価値を認め、尊重する姿勢を示すことで、より深い信頼関係を築く鍵となるでしょう。
混同しやすい単語
『appreciation』とスペルが非常に似ており、接頭辞 'de-' の有無が主な違いです。意味は『(価値の)減少』や『減価償却』であり、正反対の意味合いを持つため、会計や経済の文脈では特に注意が必要です。日本語でも『感謝』と『減価』で意味が全く異なるように、英語でも接頭辞一つで意味が大きく変わる例として覚えておきましょう。
『appreciation』と語頭が同じ 'appre-' で始まり、スペルも似ているため混同しやすいです。意味は『不安』や『懸念』、『逮捕』など、状況や文脈によって異なります。また、『理解』という意味もありますが、『感謝』とは大きく異なります。発音もストレスの位置が異なるため、注意が必要です。apprehension は、apprehend(逮捕する、理解する)という動詞から派生していることを覚えておくと、意味の広がりを理解しやすいでしょう。
'approp-'という共通の語幹を持つため、スペルが似ており混乱しやすいです。意味は『(資金などの)流用』や『充当』、『盗用』であり、『感謝』とは全く異なるネガティブな意味合いを持つこともあります。政治や経済、芸術の分野でよく使われる単語なので、ニュースなどで見かけた際に意味を確認するようにしましょう。
語尾の '-tion' が共通しているため、スペルが似ていると感じやすいかもしれません。意味は『知覚』や『認識』であり、『感謝』とは意味が異なります。ラテン語の 'percipere'(完全に捉える)が語源であり、五感を通して何かを理解するプロセスを指します。心理学や哲学の文脈で頻繁に登場する単語です。
語尾が '-ation' で終わるため、スペルが似ていると感じるかもしれません。意味は『応用』、『適用』、『申し込み』など多岐に渡りますが、『感謝』とは全く異なります。apply(適用する、申し込む)という動詞から派生していることを覚えておくと、意味の理解が深まります。ビジネスシーンで頻繁に使われる単語なので、様々な文脈での使い方を覚えておくと役立ちます。
語尾が '-ation' で終わるため、スペルが似ていると感じるかもしれません。意味は『レクリエーション』、『娯楽』、『気晴らし』であり、『感謝』とは全く異なります。re-(再び)と create(創造する)が組み合わさった単語で、心身をリフレッシュするために何かをすることを指します。発音もストレスの位置が異なるため、注意が必要です。
誤用例
日本語の『感謝しています』を直訳すると 'have appreciation' となりがちですが、これは不自然です。英語では 'appreciate' を動詞として直接使うのが一般的です。また、'but' の代わりに 'however' を使用することで、フォーマルな文脈に合った丁寧さを示せます。ビジネスシーンでは、ストレートな物言いを避け、感謝の意を強調しつつ、残念な結果を伝えるニュアンスが重要です。この背景には、欧米のビジネス文化における婉曲表現の重視があります。
『私の感謝は〜です』という日本語を直訳して 'My appreciation is...' という構文を使うのは不自然です。英語では、感謝の気持ちの源泉を示す場合に 'My appreciation stems from...' のように表現します。'stem from' は『〜に由来する』という意味で、感謝の感情が何に根ざしているのかを明確にする効果があります。また、'always help me' よりも 'consistent support' の方が、よりフォーマルで洗練された印象を与えます。日本語の『いつも助けてくれる』を直訳すると、やや恩着せがましい印象になる可能性もあるため、注意が必要です。
「I appreciate it, but...」は日常会話では問題ありませんが、フォーマルなビジネスシーンや目上の人に対しては、ややカジュアルすぎる印象を与える可能性があります。相手への敬意を示すためには、「I appreciate that, however...」のように 'that' を使用し、'but' を 'however' に置き換えることで、より丁寧で洗練された表現になります。これは、英語のレジスター(状況に応じた言葉遣いの使い分け)の意識の問題であり、日本語の『感謝はしておりますが、しかし…』のようなニュアンスを伝える際に重要です。また、文化的背景として、欧米では感謝の意を明確に示しつつ、反対意見を述べる際にクッション言葉を用いることが一般的です。
文化的背景
「Appreciation」は、単なる感謝を超え、相手の価値や美点を見抜き、それを認め、尊重し、大切に思う気持ちを表します。この言葉は、相手への深い理解と共感に基づいた人間関係の構築において、不可欠な要素として捉えられてきました。
「Appreciation」の文化的背景を語る上で、18世紀のイギリスにおける「パトロン制度」は重要な視点を提供します。当時の芸術家や作家は、貴族や富裕層のパトロンから経済的な支援を受け、創作活動を続けることができました。パトロンは、単に資金を提供するだけでなく、芸術家の才能を「appreciation(高く評価)」し、その活動を社会的に認知させる役割も担っていました。この制度において、「appreciation」は、単なる経済的な支援を超え、才能の育成と文化の発展に貢献する重要な要素として機能していました。パトロンの「appreciation」は、芸術家にとって創作意欲の源泉となり、社会全体にとっては文化的な豊かさをもたらす原動力となったのです。
また、現代社会においては、「appreciation」は組織文化や人間関係を円滑にするための重要な要素として認識されています。企業においては、従業員の貢献や努力を「appreciation」することで、モチベーションを高め、生産性を向上させることが重視されています。また、日常生活においては、家族や友人への「appreciation」の気持ちを伝えることで、良好な人間関係を築き、維持することができます。「Appreciation」は、単なる感謝の言葉ではなく、相手の存在価値を認め、尊重する姿勢を示すことで、より深い信頼関係を築くための鍵となるのです。
さらに、「appreciation」は、物質的な価値を超えた、精神的な豊かさをもたらす感情としても捉えられています。自然の美しさや芸術作品の素晴らしさを「appreciation」することで、私たちは日常生活の中で忘れがちな感動や喜びを再発見することができます。また、他者の優しさや親切心を「appreciation」することで、私たちはより豊かな人間性を育み、社会全体への貢献意欲を高めることができます。このように、「appreciation」は、個人的な幸福感の向上だけでなく、社会全体の調和と発展にも貢献する、重要な文化的価値として位置づけられるのです。
試験傾向
- 出題形式: 主に語彙問題、長文読解、稀にリスニング
- 頻度と級・パート: 準1級、1級で頻出。2級でも稀に出題される可能性あり。長文読解パートでの出現が多い。
- 文脈・例題の特徴: フォーマルな文章、手紙、ニュース記事など。感謝状や表彰に関する文脈、または環境問題や文化に関する文章で使われやすい。
- 学習者への注意点・アドバイス: 名詞としての「感謝」「評価」の他に、動詞「appreciate」の様々な意味(価値を認める、鑑賞する)を理解しておくことが重要。類似語であるgratitude, thankfulnessとのニュアンスの違いも把握しておくと良い。
- 出題形式: 主にPart 5(短文穴埋め)、Part 6(長文穴埋め)、Part 7(長文読解)
- 頻度と級・パート: 頻出。特にPart 5, 6で語彙問題として出題されやすい。Part 7でも読解のキーワードとして重要。
- 文脈・例題の特徴: ビジネスシーンでのメール、報告書、会議の議事録など。顧客への感謝、従業員の功績に対する評価、提案への理解を示す文脈で使われることが多い。
- 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスにおける感謝の表現として頻出。動詞「appreciate」の後に続く目的語(例:appreciate your help)を正確に把握し、適切な前置詞(例:in appreciation of)を選べるように練習する。appreciate that節の形も重要。
- 出題形式: リーディング、リスニング
- 頻度と級・パート: 頻出。アカデミックな文章でよく用いられる。
- 文脈・例題の特徴: 学術論文、講義、ディスカッションなど。芸術、科学、社会科学など幅広い分野で使われる。特に、貢献や影響を評価する文脈で用いられる。
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や複雑なアイデアに対する評価・理解を表す場合が多い。動詞「appreciate」の「理解する」「認識する」という意味合いを理解することが重要。appreciate the significance of…のような形で使われることが多い。
- 出題形式: 主に長文読解
- 頻度と級・パート: 頻出。難関大学ほど出題頻度が高い傾向にある。
- 文脈・例題の特徴: 評論文、物語文、説明文など。社会問題、科学技術、文化、歴史など、幅広いテーマで登場する。
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する力が重要。特に、比喩的な表現や抽象的な概念を理解する際に、「appreciation」がどのような意味合いで使われているかを把握する必要がある。また、appreciate A for B (Bの理由でAに感謝する)のような構文も押さえておくと良い。