weigh
二重母音 /eɪ/ は、日本語の『エ』から『イ』へスムーズに移行する音です。『エ』の音を少し長めに発音し、口角を少し上げて『イ』へ移行すると自然に聞こえます。日本語の『エイ』と発音すると、音が平板になりがちなので注意しましょう。また、語尾の音を上げないように意識すると、より自然な発音になります。
専門的な内容に関するご注意
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重さを測る
物理的な重さを計測する行為。体重計に乗る、荷物の重さを量るなど、具体的な測定場面で使われる。
My mom carefully weighed the sugar for her delicious cake.
お母さんは美味しいケーキを作るために、慎重に砂糖の重さを測りました。
※ この例文は、お母さんがキッチンで、ケーキの材料である砂糖を計量器で測っている場面を描写しています。お菓子作りでは分量がとても大切なので、「carefully(慎重に)」という言葉が、お母さんの真剣な気持ちを伝えていますね。このように、料理で材料の重さを測る際に「weigh」は非常によく使われます。
Before the flight, he weighed his suitcase to avoid extra fees.
フライト前に、彼は追加料金を避けるためにスーツケースの重さを測りました。
※ 空港で旅行者が、荷物の重さが規定を超えていないか心配しながらスーツケースを測っている場面です。「weigh」は、このように手荷物や貨物の重さを測る際にも頻繁に使われます。「to avoid extra fees(追加料金を避けるために)」は、「〜するために」という目的を表す英語でよく使う表現です。
The kind nurse gently weighed the baby during the check-up.
優しい看護師さんが、健康診断中に赤ちゃんの重さをそっと測りました。
※ この例文は、病院で看護師さんが、健康診断の一環として赤ちゃんの体重を測っている温かい場面を描いています。「gently(優しく)」という言葉が、赤ちゃんへの気遣いを表していますね。人の体重や、動物の体重を測る際にも「weigh」が使われます。「during the check-up(健康診断中に)」のように、「during + 名詞」で「〜の間」という意味になります。
重要度を評価する
抽象的な意味での重さ、つまり重要性や影響力を判断・評価する。選択肢の検討、リスク評価、意見の重要度などを判断する際に使われる。 "weigh the pros and cons"(賛否両論を比較検討する)という表現が代表的。
Before deciding on our family trip, we need to weigh everyone's wishes carefully.
家族旅行の目的地を決める前に、私たちは皆の希望を慎重に検討する必要があります。
※ 家族で旅行の計画を立てるような、身近なシーンです。みんなの意見や希望を「天秤にかける」ように比較検討し、どれが一番大切か、どう組み合わせるかを考える様子が目に浮かびます。このように、何かを決定する際に様々な要素の重要度を評価する場面でよく使われます。
The team had to weigh the risks and benefits before launching the new product.
そのチームは、新製品を発売する前に、リスクとメリットを比較検討しなければなりませんでした。
※ ビジネスの意思決定の場面です。新しい製品を世に出すことは大きな決断なので、成功の可能性(メリット)と失敗の可能性(リスク)の両方をしっかり評価し、どちらがより重要か、どちらのリスクを許容できるかを考える様子が伝わります。仕事やプロジェクトで重要な判断をする際によく聞かれる表現です。
The government is weighing the impact of the new policy on citizens' lives.
政府は、新しい政策が市民の生活に与える影響を評価しています。
※ ニュースなどでよく耳にする、社会的な状況です。政府が新しいルールを作る際、それが人々の暮らしにどう影響するか(良い影響か、悪い影響か、どのくらいの影響か)を深く考え、その重要性を評価する様子を表しています。このように、大きな影響を持つ事柄について、その重要性や影響を慎重に評価する時に「weigh」が使われます。
圧し掛かる
心配事や責任などが精神的に重くのしかかる様子。比喩的な意味合いが強く、悩みやプレッシャーが精神的な負担となる状況を表す。
The heavy backpack weighed on his shoulders, making him tired.
重いリュックサックが彼の肩に圧し掛かり、彼は疲れていました。
※ この例文では、物理的な重さが体に「圧し掛かる」様子を描いています。長時間の移動や重い荷物を運ぶときに感じる、あの肩への負担感が伝わってきますね。「weigh on + 体の一部」で、物理的な重みがその部分に負担をかける状況を表す、とても自然な表現です。
The secret weighed heavily on her mind, making her anxious.
その秘密は彼女の心に重くのしかかり、彼女を不安にさせました。
※ ここでは、「weigh」が精神的な負担を表す場合に使われています。人に言えない秘密や心配事が、心にずっしりと「圧し掛かる」ような感覚です。「weigh heavily on someone's mind/heart」は、精神的な重荷や心配事を表す定番のフレーズで、日常会話でもよく耳にします。
The responsibility of the new project weighed on him, causing stress.
新しいプロジェクトの責任が彼に重くのしかかり、ストレスの原因となっていました。
※ この例文は、仕事や役割の「責任」が精神的な重圧として「圧し掛かる」状況を示しています。新しい大きな仕事を任された時など、その重圧で気が重くなる感覚ですね。「weigh on someone」は、プレッシャーや期待、義務などが人にとって重荷になる状況を表現するのに非常に適しています。
コロケーション
賛成意見と反対意見を比較検討する
※ 「pros and cons」はそれぞれ「賛成」と「反対」を意味するラテン語由来の言葉で、ビジネスシーンや意思決定の場面で頻繁に使われます。単に長所と短所を挙げるだけでなく、それぞれの重要度や影響力を考慮して比較検討するニュアンスが含まれます。フォーマルな場面でもインフォーマルな場面でも使用可能です。
(人)の心に重くのしかかる、深刻な影響を与える
※ 悩みや問題、責任などが精神的に大きな負担となる状況を表します。例えば、「The responsibility weighed heavily on her.(その責任は彼女の心に重くのしかかった)」のように使われます。比喩的な表現で、物理的な重さではなく、心理的な負担を意味します。ビジネスや個人的な問題など、深刻な状況で用いられることが多いです。
錨を上げる、出航する
※ 船が港を出る際に錨を巻き上げる行為を指します。比喩的に、新しい冒険や旅立ちを意味することもあります。やや古風な表現で、現代では日常会話よりも文学作品や歴史的な文脈で見られることが多いです。文字通りの意味と比喩的な意味の両方で使用されます。
(議論などに)意見を述べる、参加する
※ ある問題や議論に対して、自分の意見や見解を述べることを意味します。「I'd like to weigh in on this issue.(この問題について意見を述べたい)」のように使われます。特に、専門的な知識や経験を持つ人が意見を述べる際に使われることが多いです。フォーマルな会議や議論の場でよく用いられます。
証拠を検討する、証拠の信憑性を評価する
※ 裁判や調査などで、提示された証拠の価値や信頼性を慎重に評価することを指します。単に証拠を見るだけでなく、その証拠がどれだけ事実を裏付けているかを判断するニュアンスが含まれます。法的な文脈や調査報道などでよく用いられます。客観性と公平性が求められる場面で使用されます。
言葉を選ぶ、慎重に発言する
※ 発言する前に、自分の言葉が相手に与える影響を考慮して、慎重に言葉を選ぶことを意味します。特に、誤解を招きやすい状況や、相手を傷つけやすい話題を扱う際に重要です。「He weighed his words carefully before answering.(彼は答える前に慎重に言葉を選んだ)」のように使われます。ビジネスやフォーマルな場面で特に重要視されます。
使用シーン
学術論文や研究発表で、データや証拠の重要度を評価する際に使われます。「The evidence weighs heavily in favor of this hypothesis.(その証拠はこの仮説を強く支持している)」のように、客観的な根拠に基づいて議論を展開する文脈で用いられます。また、実験結果の解釈において、異なる要因の影響を比較検討する際にも使用されます。
ビジネスシーンでは、意思決定における要素の重要度を比較検討する際に使用されます。「We must weigh the risks and benefits of this investment.(この投資のリスクと利益を比較検討しなければならない)」のように、会議や報告書で、複数の選択肢を評価し、最適な戦略を決定する文脈で使われます。また、プロジェクトの進捗状況を評価する際にも、達成度や課題の重要度を測るために用いられます。
日常生活では、直接的に重さを測る意味合いよりも、比喩的に問題や決断の重要性を考える際に使われることがあります。「The decision of whether to move weighed heavily on her mind.(引っ越すかどうかという決断が彼女の心に重くのしかかっていた)」のように、個人的な悩みや重要な選択について話す際に用いられます。ニュースやドキュメンタリーで、社会問題や倫理的なジレンマを扱う際に、その影響の大きさを表現するために使われることもあります。
関連語
類義語
『考慮する』という意味で、様々な選択肢や情報を吟味し、判断を下す場面で使われる。ビジネスや意思決定の文脈で頻繁に用いられる。 【ニュアンスの違い】『weigh』が物理的な重さや重要性を測るニュアンスを含むのに対し、『consider』はより抽象的で、多角的な視点から検討するという意味合いが強い。感情的な要素は薄い。 【混同しやすい点】『weigh』は『weigh the pros and cons(賛否両論を比較検討する)』のように具体的な要素を比較する際に使われることが多いが、『consider』はより広範な状況や可能性を考慮する際に適している。また、『consider』はしばしば『considering that...(〜を考慮すると)』のような構文で使用される。
『評価する』という意味で、価値、重要性、質などを判断する際に用いられる。ビジネス、学術、人事評価など、客観的な基準に基づいて判断を下す場面でよく使われる。 【ニュアンスの違い】『weigh』が物理的な重さや重要性の比較を示唆するのに対し、『evaluate』は特定の基準に照らし合わせて価値を判断するというニュアンスが強い。より専門的でフォーマルな文脈で使用されることが多い。 【混同しやすい点】『weigh』が主観的な判断を含む可能性があるのに対し、『evaluate』は客観的なデータや基準に基づいて評価を行うという点が異なる。また、『evaluate』はしばしばパフォーマンスや成果を評価する際に用いられる。
『査定する』『評価する』という意味で、状況、リスク、能力などを評価する際に使われる。リスクアセスメント、能力評価、損害査定など、専門的な文脈で用いられることが多い。 【ニュアンスの違い】『weigh』が重さや重要性を比較考量するニュアンスを含むのに対し、『assess』は特定の目的のために情報を収集し、分析して判断を下すというニュアンスが強い。よりフォーマルで専門的な語彙。 【混同しやすい点】『assess』はしばしば特定の基準やガイドラインに基づいて評価を行うため、主観的な要素が入りにくい。『weigh』よりも客観的な評価を重視する場面で用いられる。例えば、『assess the damage(損害を査定する)』のように使われる。
『熟考する』という意味で、ある問題や疑問について深く考える際に用いられる。個人的な悩みや哲学的な問題など、時間をかけてじっくり考える場合に適している。 【ニュアンスの違い】『weigh』が複数の要素を比較検討するニュアンスを含むのに対し、『ponder』は一つの事柄について深く掘り下げて考えるというニュアンスが強い。より内省的で文学的な表現。 【混同しやすい点】『weigh』は具体的な解決策を導き出すために用いられることが多いが、『ponder』は必ずしも明確な結論を必要としない。例えば、『ponder the meaning of life(人生の意味を熟考する)』のように使われる。
『熟考する』『瞑想する』という意味で、将来の計画や可能性について深く考える際に用いられる。長期的な目標や人生の選択など、重要な決断を前にして考える場合に適している。 【ニュアンスの違い】『weigh』が複数の選択肢を比較検討するニュアンスを含むのに対し、『contemplate』は未来や理想像を思い描くニュアンスが強い。よりフォーマルで文学的な表現。 【混同しやすい点】『contemplate』はしばしば将来の行動や計画に関連して用いられる。『weigh』よりも未来志向的な意味合いが強い。例えば、『contemplate retirement(退職後の生活を熟考する)』のように使われる。
『釣り合いを取る』『均衡を保つ』という意味で、異なる要素間のバランスを調整する際に用いられる。仕事とプライベート、収入と支出など、相反する要素を調整する場面で使われる。 【ニュアンスの違い】『weigh』が重要性を比較検討するニュアンスを含むのに対し、『balance』は異なる要素間の均衡を重視するニュアンスが強い。中立的で客観的な表現。 【混同しやすい点】『balance』はしばしば対立する要素間の調和を意味する。『weigh』よりも調和や安定を重視する場面で用いられる。例えば、『balance work and life(仕事と生活のバランスを取る)』のように使われる。
派生語
『重さ』を意味する名詞。「weigh」が持つ『重さ』という概念をそのまま名詞化したもの。日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く使われる。例えば、『考慮すべき重要事項(a matter of weight)』のように比喩的に使われることもある。
- weighty
『重い』『重要な』を意味する形容詞。「weight」に形容詞化の接尾辞『-y』がついたもの。物理的な重さだけでなく、『重大な責任(a weighty responsibility)』のように、比喩的に重要性や深刻さを示す際にも用いられる。ビジネスや政治の文脈でよく見られる。
- weighing
動名詞または現在分詞。「weigh」に接尾辞『-ing』がついた形。『重さを量ること』を意味する。比喩的には、『比較検討すること』を意味し、『weighing the pros and cons(長所と短所を比較検討すること)』のように使われる。
- overweigh
『~より重くする』または『~を過大評価する』という意味の動詞。接頭辞『over-』が『~を超える』という意味を付け加え、『weigh』の物理的な重さや重要性を超えることを表す。投資や分析の文脈で、『ある資産を過大評価する(overweigh a stock)』のように使われる。
反意語
『軽くする』という意味の動詞。「weigh」が重さを加える行為であるのに対し、『lighten』は重さを取り除く行為を表す。物理的な重さだけでなく、『負担を軽減する(lighten the burden)』のように、精神的な重さや負担を軽減する意味でも使われる。日常会話やビジネスシーンで頻繁に用いられる。
『過小評価する』という意味の動詞。「weigh」が重要性や価値を評価する意味合いを持つ場合、『underestimate』はその逆で、価値を低く見積もることを意味する。ビジネスやプロジェクト管理において、『リスクを過小評価する(underestimate the risk)』のように、注意を促す文脈で使われることが多い。
『無視する』という意味の動詞。「weigh」が考慮する、重要視するという意味合いを持つ場合、『ignore』は意図的に考慮しない、無視するという対照的な意味を持つ。例えば、『証拠を無視する(ignore the evidence)』のように、議論や意思決定の文脈で使われる。
語源
"weigh"の語源は、古英語の"wæġan"に遡ります。これは「重さを量る」「持ち上げる」といった意味を持っていました。さらに遡ると、ゲルマン祖語の"*wēganą"に由来し、これは「動かす」「運ぶ」という意味合いを含んでいました。この語源から、「重さを測る」という物理的な意味だけでなく、「重要度を評価する」という比喩的な意味が派生したと考えられます。何かを「weigh」するという行為は、文字通り重さを量るだけでなく、その価値や影響力を吟味し、比較検討することを意味するようになったのです。日本語で例えるなら、「天秤にかける」という表現が近いでしょう。天秤で重さを量るように、物事の重要性を比較衡量するイメージです。
暗記法
「weigh」は単なる重さの測定を超え、古代から正義や倫理の象徴として文化に根付いてきました。エジプト神話では魂の重さを天秤で測り、シェイクスピアは苦悩を「weigh」で表現しました。現代でも「選択肢をweighする」のように、意思決定の重みを表します。責任やプレッシャーが「重くのしかかる」感覚もまた、「weigh」が示す目に見えない重さなのです。人生の選択と責任を意識させる、奥深い言葉と言えるでしょう。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、文脈によっては聞き分けが難しいことがあります。"weigh" は動詞で「重さを量る」という意味ですが、"way" は名詞で「道、方法」という意味です。スペルも似ているため、特に書き言葉で注意が必要です。"weigh" は古英語の "wegan"(運ぶ、持ち上げる)に由来し、重さを量る行為が「持ち上げて確認する」というイメージにつながります。
発音が似ており、特に母音部分が曖昧になると聞き間違えやすいです。"weigh" は「重さを量る」という意味ですが、"wait" は「待つ」という意味です。スペルは異なりますが、発音の類似性から混同しやすい単語です。"wait" は古フランス語の "waitier"(見張る、待ち伏せる)に由来し、時間的な概念を表します。
"weigh" の名詞形である "weight" は、意味が直接関連しているため混同されやすいですが、品詞が異なります。"weigh" は動詞(重さを量る)で、"weight" は名詞(重さ)です。スペルも似ているため、文法的な構造を理解することが重要です。例えば、「I weigh 60 kg.」と「My weight is 60 kg.」のように使い分けます。
発音が非常に近く、特に早口で話されると聞き分けが困難な場合があります。"weigh" は「重さを量る」という意味ですが、"whey" は「乳清(ホエー)」という意味です。スペルも似ているため、文脈から判断する必要があります。"whey" は牛乳からチーズを作る過程で生じる液体で、プロテインとして利用されることもあります。
発音の母音部分が類似しており、特に発音練習が不足していると混同しやすいです。"weigh" は「重さを量る」という意味ですが、"wave" は「波」または「手を振る」という意味です。スペルは異なりますが、発音の類似性から注意が必要です。"wave" は古英語の "wagian"(動く、揺れる)に由来し、物理的な動きを表します。
"weigh"と"wake"は母音の発音が日本語の「エ」に近い音で発音される場合があり、区別が曖昧になりやすいです。"weigh"は重さを量るという意味ですが、"wake"は「目を覚ます」という意味です。"wake"の過去形は"woke"となり、"weigh"とは全く異なる単語になります。
誤用例
日本語の「彼の意見を重く見る」を直訳するとこのようになりがちですが、'weigh'は物理的な重さや、証拠・事実などを考慮する意味合いが強いです。人の意見を尊重するという意味では、'value', 'respect', 'consider'などが適切です。この誤用は、日本語の比喩表現をそのまま英語に当てはめようとする際に起こりやすいです。英語では、意見の重要性を表すのに、物理的な重さではなく、価値や程度を表す語彙を選ぶのが自然です。また、'heavily'という副詞も、意見を評価する文脈では少し不自然に響きます。
'weigh'を他動詞として使う場合、物理的な重さを量る、または比喩的に重要性を考慮するという意味になります。しかし、問題が精神的に圧迫するという意味で「〜が私を重くする」と表現したい場合、'weigh on someone'という句動詞を使う必要があります。この誤りは、自動詞/他動詞の区別があいまいなまま、日本語の「〜を重くする」という表現をそのまま英語に置き換えようとする際に発生しやすいです。英語では、精神的な負担を表す場合、'weigh on'のように特定の句動詞を使うことで、よりニュアンスを正確に伝えることができます。
'weigh'は、選択肢のメリット・デメリットを比較検討する意味で使うこともできますが、ビジネスの意思決定のようなフォーマルな場面では、ややカジュアルな印象を与えます。より丁寧でプロフェッショナルな響きにするには、'consider'や'evaluate'を使うのが適切です。この誤りは、'weigh'の持つニュアンス(天秤にかけるようなイメージ)を、フォーマルな場面でも使えると誤解することで起こります。英語では、場面に応じて語彙のレジスター(フォーマルさの度合い)を使い分けることが重要であり、ビジネスシーンではより客観的で丁寧な語彙を選ぶのが一般的です。日本語の「検討する」という言葉も、場面によって様々な英語に置き換える必要があるという良い例です。
文化的背景
「weigh(重さを量る)」という言葉は、物理的な重さだけでなく、抽象的な重要性、影響力、責任などを測る行為を象徴し、人間の判断、評価、意思決定といった営みと深く結びついてきました。古代から、重さを量ることは公平さや正義を測るメタファーとして用いられ、社会的な規範や価値観を反映してきたのです。
「weigh」が持つ象徴性は、古代文明における天秤の使用に遡ることができます。エジプト神話では、死者の魂が天秤にかけられ、その心が真実の羽よりも重ければ、楽園へ行けないとされました。このイメージは、人間の行動や感情が道徳的な基準によって評価されるという考え方を表しています。同様に、ギリシャ神話の女神テミス(ローマ神話のユースティティア)は、正義の象徴として天秤を持ち、公平な判断を下すことを示しています。これらの神話は、「weigh」が単なる物理的な測定を超え、倫理的な判断や責任の重さを表す言葉として、文化的に根付いてきたことを示唆しています。
文学作品においても、「weigh」は重要なテーマを表現するために用いられてきました。例えば、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』では、「To be, or not to be, that is the question: Whether 'tis nobler in the mind to suffer The slings and arrows of outrageous fortune, Or to take arms against a sea of troubles, And by opposing end them?」という有名な台詞があります。この一節で、ハムレットは生きるべきか死ぬべきかという究極の選択を「weigh(天秤にかける)」しており、その苦悩の深さを表現しています。また、現代社会においても、「weigh the options(選択肢を比較検討する)」、「weigh the pros and cons(賛否両論を比較検討する)」といった表現は、意思決定のプロセスにおける慎重さや熟慮を意味し、ビジネスや政治の場でも頻繁に用いられます。
さらに、「weigh」は、社会的な責任やプレッシャーの重さを表す言葉としても使われます。「The responsibility weighs heavily on him(その責任は彼に重くのしかかっている)」という表現は、人が抱える精神的な負担を、物理的な重さに例えています。このように、「weigh」は、個人の内面的な葛藤や社会的なプレッシャーといった、目に見えない重さを表現するのに適した言葉であり、人間の感情や経験を豊かに表現する上で、重要な役割を果たしています。この言葉は、単に重さを測るだけでなく、私たちの人生における様々な選択や決断、そしてその結果に対する責任を常に意識させる、深い文化的意味を持つ言葉なのです。
試験傾向
- 出題形式: 語彙問題、長文読解、リスニング
- 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題される可能性あり。リスニングは級に関わらず出題の可能性あり
- 文脈・例題の特徴: 科学、社会問題などアカデミックな話題が多い。人の意見や議論を述べる文脈で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「重さを量る」以外に「重要性・影響力を評価する」「比較検討する」という意味があることを理解する。名詞(weight)との関連付けも重要。
- 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)
- 頻度と級・パート: Part 5, 7で中頻度。特に出張、契約、市場調査などビジネス関連の文脈で登場しやすい
- 文脈・例題の特徴: ビジネス文書、メール、レポートなどで「重要視する」「考慮する」の意味で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 「consider」や「take into account」など、類似表現との言い換えを意識する。「weigh the pros and cons」のような定型表現も覚えておくと役立つ。
- 出題形式: リーディング
- 頻度と級・パート: リーディングセクションで頻出。アカデミックな文章でよく使われる
- 文脈・例題の特徴: 科学、歴史、社会学など、学術的なテーマで「重要性」「影響力」を評価する文脈で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 抽象的な概念や議論を説明する際に使われることが多い。文脈から意味を推測する練習が重要。名詞形 (weight, weighting) との関連も理解する。
- 出題形式: 長文読解、和訳、英作文
- 頻度と級・パート: 難関大学ほど頻出。標準レベル以上の語彙力が必要
- 文脈・例題の特徴: 社会問題、科学技術、文化など幅広いテーマで登場。「熟考する」「重要視する」といった意味で使われることが多い
- 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を判断する能力が重要。比喩的な意味合いで使われる場合もあるので注意が必要。派生語(weight, weighty)も一緒に覚える。