veracity
第2音節にアクセントがあります。/ə/は曖昧母音で、口を軽く開けて力を抜いて発音します。/æ/は日本語の「ア」と「エ」の中間のような音で、口を少し大きく開けて発音します。/r/は舌を丸めるように意識すると、より英語らしい発音になります。最後の/i/は日本語の「イ」よりも短く、軽く発音するのがポイントです。
真実
客観的な事実、または発言や記述の正確さを指す。単に正しいだけでなく、誠実さや信頼性といったニュアンスを含む。例文:The veracity of her statement was questioned.(彼女の声明の真実性が疑われた。)
The reporter carefully checked the old documents to confirm their veracity.
記者は、古い文書の真実性を確認するために慎重に調べました。
※ 【情景】記者が、何か重要な情報が書かれているかもしれない古い文書を、一つ一つ丁寧に読み進め、その内容が本当に正しいのかどうかを確かめている場面です。 【なぜ典型的か】「veracity」は、特に「情報」や「文書」などの客観的な内容が「本当であること」を指す際によく使われます。ニュースや調査の現場で情報の信頼性を確認する際にぴったりの単語です。 【文法/ヒント】「confirm the veracity of X」で「Xの真実性を確認する」という形でよく使われます。
The judge questioned the witness to determine the veracity of his statement.
裁判官は、証言の真実性を判断するために証人を尋問しました。
※ 【情景】裁判所で、裁判官が証言台に立つ人(証人)に質問を重ね、その人が話している内容が本当に事実なのか、嘘ではないのかを厳しく見極めようとしている場面です。 【なぜ典型的か】「veracity」は、法廷での「証言」や「陳述」が「真実であるか」を問う文脈で非常によく使われます。人の言葉の客観的な正確さを表すのに適しています。 【文法/ヒント】「determine the veracity of X」で「Xの真実性を判断する」という形で使われます。「witness(証人)」や「statement(陳述、証言)」と一緒に覚えると良いでしょう。
I doubted the veracity of his story because it sounded too good to be true.
彼の話はあまりにも出来すぎた話に聞こえたので、私はその真実性を疑いました。
※ 【情景】友人が信じられないほど素晴らしい話をしていて、あなたは内心「本当かな?」と少し疑いの目を向けている場面です。話がうますぎて、かえって信じられない、という気持ちが伝わります。 【なぜ典型的か】人の話や物語の内容が「本当かどうか」を疑うような、より個人的な文脈でも「veracity」は使えます。「truthfulness(正直さ)」と似ていますが、「veracity」は話の内容そのものの「真実性」に焦点を当てます。 【文法/ヒント】「doubt the veracity of X」で「Xの真実性を疑う」という形です。「too good to be true」は「うますぎる話で信じられない」という意味のよく使われる表現です。
誠実さ
嘘や偽りのない、正直で誠実な性質。人や組織の性格や行動を評価する際に用いられる。例文:He is a man of great veracity.(彼は非常に誠実な人物だ。)
The detective questioned the witness's veracity about what he saw that night.
刑事はその夜何を見たかについて、目撃者の証言の真実性を疑った。
※ この例文では、刑事が目撃者の話が本当に真実かどうかを慎重に確認している場面が目に浮かびます。「question someone's veracity」は、誰かの言葉や証言の『真実性』を疑う、という非常によく使われる表現です。刑事ドラマやニュースなどで耳にすることが多いでしょう。
She always checks the veracity of online sources before writing her research paper.
彼女は研究論文を書く前に、常にオンライン情報源の真実性を確認します。
※ 図書館やPCの前で、彼女が集中して情報源が信頼できるものか、内容が正確かを調べている様子が伝わりますね。「the veracity of sources」は、情報源やデータが『真実であること』『正確であること』を意味し、学術的な場面や報告書作成時によく使われます。情報の信頼性が問われる現代において、非常に大切な行動です。
Despite the long delay, we still trusted the veracity of his promise to help us.
長い遅れにもかかわらず、私たちは彼が助けてくれるという約束の誠実さをまだ信じていた。
※ この例文からは、誰かが約束をなかなか果たさないけれど、それでもその人の言葉を信じて待っている、という信頼の気持ちが伝わってきます。「the veracity of a promise」は、約束が『偽りのないものであること』『誠実なものであること』を指します。人の言葉や約束を信じる、という人間関係における『誠実さ』の側面を表す典型的な使い方です。
コロケーション
真実性を検証する、確かめる
※ 「veracity」の客観的な性質に着目したコロケーションです。証拠や証言などに対して、その信憑性を調査・確認する行為を指します。科学的な研究、法的な調査、ジャーナリズムなど、客観性と正確さが求められる場面で頻繁に使われます。例えば、目撃証言の信憑性を検証する際に "test the veracity of the witness's statement" のように使います。単に"check the truth"と言うよりも、よりフォーマルで厳密なニュアンスがあります。
疑う余地のない真実性、絶対的な正確さ
※ 「unquestionable」という形容詞を伴うことで、「veracity」が非常に高いレベルで保証されている状態を示します。例えば、歴史的文書や科学的データなど、信頼性が極めて重要な情報源に対して用いられます。 "The document possesses unquestionable veracity." のように使用されます。フォーマルな文脈で、断定的かつ強い確信を伝えたい場合に適しています。
真実性を示す、立証する
※ ある主張や情報が真実であることを、証拠や論理によって示す行為を表します。裁判や学術論文など、客観的な証拠に基づいて議論を進める必要がある場面でよく使われます。 "The experiment demonstrated the veracity of the hypothesis." のように使用します。単に"prove"と言うよりも、よりフォーマルで説得力のあるニュアンスがあります。
真実性に欠ける、虚偽である
※ "lack"という動詞を使うことで、「veracity」が不足している状態、つまり嘘や誤りが含まれていることを婉曲的に表現します。直接的に"false"と言うよりも、丁寧で控えめな印象を与えます。ビジネスシーンや公式な文書など、相手に配慮が必要な場面で有効です。 "The report lacks veracity in several key areas." のように使用します。
歴史的な真実性、史実に基づいていること
※ 歴史的な出来事や記録が、実際に起こったことと一致しているかどうかを指します。歴史学の研究やドキュメンタリー制作など、過去の出来事を正確に伝えようとする文脈で重要になります。"The film strives for historical veracity." のように使用します。エンターテイメント作品においても、史実に基づいていることを強調する際に用いられます。
全くの真実として、本当に
※ 副詞句として文頭に置かれ、発言内容が完全に真実であることを強調します。やや古風な表現で、現代英語ではあまり一般的ではありませんが、文学作品や演説などで見られます。 "In all veracity, I had no prior knowledge of the event." のように使用します。フォーマルで厳粛な雰囲気を出す効果があります。
使用シーン
学術論文や研究発表で、データの信頼性や証拠の真実性を議論する際に使用されます。例えば、歴史学の研究で「史料の信憑性(veracity)を検証する」といった文脈や、科学研究で「実験結果の正確性(veracity)を担保する」という文脈で用いられます。文語的な表現です。
ビジネス文書や契約書など、公式な場面で使われることがあります。例えば、「提供された情報の正確性(veracity)について保証する」といった条項や、内部監査報告書で「会計データの信頼性(veracity)を評価する」といった文脈で登場します。日常的なビジネス会話ではあまり使われません。フォーマルな文体です。
日常会話で「veracity」という単語が使われることは稀です。ニュース番組やドキュメンタリー番組などで、事件や報道の真実性を問う文脈で耳にすることがあるかもしれません。例えば、「証言の真実性(veracity)を確かめる」といった使われ方をします。やや硬い表現です。
関連語
類義語
真実、事実。一般的に広く使われる言葉で、特定の状況に限定されず、抽象的な概念から具体的な事実まで幅広く適用できます。日常会話、報道、学術論文など、あらゆる場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】"veracity"よりも頻繁に使われ、より口語的で直接的な印象を与えます。"veracity"が真実である『性質』や『正確さ』を指すのに対し、"truth"は真実そのもの、または真実であると信じられていることを指します。 【混同しやすい点】"truth"は可算名詞としても不可算名詞としても使用できますが、"veracity"は不可算名詞としてのみ使用されます。また、"the truth"のように定冠詞を伴うことで特定の真実を指す場合が多くあります。
正確さ、精密さ。事実や情報が正確である状態を指し、特にデータ、測定、報告などの正確性を強調する際に用いられます。科学、技術、ビジネスなどの分野でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"veracity"が真実であること、真実を語ることを指すのに対し、"accuracy"は情報やデータが誤りなく正確であることを指します。"veracity"は人の誠実さに関連することがありますが、"accuracy"は客観的な正確さを意味します。 【混同しやすい点】"accuracy"は数値やデータなど、検証可能な対象に対して用いられることが多いですが、"veracity"は証言や主張など、真偽の判断が難しいものに対して用いられることがあります。例えば、"the accuracy of the measurements"(測定の正確さ)は自然ですが、"the veracity of the measurements"は不自然です。
誠実さ、正直さ。人が真実を語る傾向や性質を指し、その人の誠実さや信頼性を強調する際に用いられます。法律、倫理、人間関係などの分野でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"veracity"と非常に近い意味を持ちますが、"truthfulness"はより人の性格や行動に焦点を当てています。"veracity"が客観的な真実を指すのに対し、"truthfulness"は主観的な誠実さを含みます。 【混同しやすい点】"truthfulness"は人の性質を表す言葉として使われることが多く、具体的な事実や情報の正確さを表す場合には"veracity"の方が適している場合があります。例えば、"his truthfulness is unquestionable"(彼の誠実さは疑いようがない)は自然ですが、"his veracity is unquestionable"は少し不自然です。
正直、誠実。人が嘘をつかず、欺瞞を行わないことを指し、道徳的、倫理的な文脈でよく用いられます。日常会話からビジネス、政治まで幅広く使われます。 【ニュアンスの違い】"veracity"が真実を語る能力や性質を指すのに対し、"honesty"は真実を語る意図や態度を指します。"honesty"は感情的な要素を含み、人の内面的な誠実さを強調します。 【混同しやすい点】"honesty"は人の性格や行動原理を表す言葉として使われることが多く、客観的な事実の正確さを表す場合には"veracity"の方が適している場合があります。例えば、"honesty is the best policy"(正直は最良の策)は自然ですが、"veracity is the best policy"は不自然です。
誠実さ、心からの気持ち。人が偽りなく、心から正直な気持ちで行動することを指し、人間関係や感情表現において重要視されます。日常会話、文学、芸術などの分野でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"veracity"が客観的な真実を指すのに対し、"sincerity"は主観的な感情や意図の誠実さを指します。"sincerity"は感情的な要素を強く含み、表面的な行動だけでなく、心の奥底からの気持ちを強調します。 【混同しやすい点】"sincerity"は感情や意図の真実さを表す言葉として使われることが多く、客観的な事実の正確さを表す場合には"veracity"の方が適している場合があります。例えば、"I appreciate your sincerity"(あなたの誠実さに感謝します)は自然ですが、"I appreciate your veracity"は不自然です。
- factuality
事実性、事実に基づいていること。情報や主張が事実に合致している状態を指し、客観的な証拠や検証可能性を重視する際に用いられます。報道、学術研究、法律などの分野でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"veracity"が真実を語る能力や性質を指すのに対し、"factuality"は情報や主張が事実に基づいているかどうかを指します。"factuality"は客観的な証拠に基づいて判断されるため、主観的な解釈の余地は少なくなります。 【混同しやすい点】"factuality"は情報や主張の客観的な正確さを表す言葉として使われることが多く、人の誠実さや真実を語る能力を表す場合には"veracity"の方が適している場合があります。例えば、"the factuality of the report"(報告書の事実性)は自然ですが、"the factuality of the witness"は不自然です。目撃者の場合は"veracity"を使います。
派生語
『検証する』という意味の動詞。ラテン語の『verus(真実)』と『facere(作る)』が組み合わさり、『真実にする』というニュアンスを持つ。ビジネス文書や科学論文などで、事実の確認や正当性の証明に使われる。
『真実の』、『本物の』という意味の形容詞。日常会話よりは、やや硬い文章や文学作品で、強調表現として用いられる。『a veritable feast(まさにごちそう)』のように使われる。
- verity
『真実』、『真理』を意味する名詞。『veracity』よりも抽象度が高く、哲学や宗教、倫理などの文脈で、普遍的な真理や根本的な真実を指す場合が多い。学術的な議論や論文で使われる。
反意語
- falsity
『虚偽』、『誤り』を意味する名詞。『veracity』が客観的な真実を指すのに対し、『falsity』は意図的な欺瞞や誤った情報を指すことが多い。学術論文や報道記事などで、事実の歪曲や誤情報の拡散について議論する際に用いられる。
- mendacity
『虚偽癖』、『嘘をつく傾向』を意味する名詞。単なる間違いではなく、嘘をつく性癖や習慣を指す。心理学や社会学の分野で、個人の性格特性や行動パターンを分析する際に用いられる。日常会話ではあまり使われない。
『欺瞞』、『詐欺』を意味する名詞。『veracity』が誠実さや真実を語ることを意味するのに対し、『deceit』は意図的に人を欺く行為を指す。ビジネスや法律の分野で、不正行為や詐欺事件について議論する際に用いられる。
語源
"Veracity"(真実、誠実さ)は、ラテン語の"verax"(真実を語る、正直な)に由来します。さらに遡ると、"verus"(真実の、本物の)という語が根源にあります。"Verus"は、インド・ヨーロッパ祖語の根 *wer-(真実を語る、信頼する)にまで遡ることができます。この語根は、英語の"warrant"(保証)や"aware"(気づいている)など、信頼や確信に関連する多くの単語の祖先です。つまり、"veracity"は、単に事実と合致しているだけでなく、信頼できる情報源から発せられる真実、あるいは真実を語る人の誠実さを意味するニュアンスを含んでいると言えます。日本語の「真実一路」という言葉のように、ひたすら真実を追求する姿勢を連想すると、覚えやすいかもしれません。
暗記法
「veracity」は、古代ローマの女神Veritasに由来し、真実を語る義務と社会秩序を象徴します。騎士道物語では、騎士の誠実さの証であり、アーサー王物語の円卓の騎士の誓約を支えました。シェイクスピア劇では、真実の欠如が悲劇を招きます。現代では、報道の自由や情報公開と結びつき、フェイクニュース対策の重要性が高まっています。Veracityは、社会の信頼を築く礎なのです。
混同しやすい単語
スペルが非常に似ており、'ver-' と 'vor-' の違いしかありません。発音も /vəˈræsəti/ と /vɔˈræsəti/ で母音が異なるだけなので、注意が必要です。意味は『貪欲』であり、veracity(真実性)とは全く異なります。特に、語頭の 'ver-' は『真実』に関連する意味を持つことが多いのに対し、'vor-' は『むさぼり食う』に関連する意味を持つことを覚えておくと良いでしょう。
語尾の '-ity' が共通しており、スペルと発音の両面で似ています。validity は『妥当性』や『正当性』という意味で、veracity(真実性)と意味が一部重なる場合もありますが、validity は根拠や手続きが正しいことを指すのに対し、veracity は内容そのものが真実であることを指します。文脈によって使い分ける必要があります。
語頭が同じ 'vera-' で始まるため、スペルの一部が似ています。veranda は『ベランダ』や『回廊』という意味で、名詞として使われます。veracity とは意味が全く異なりますが、発音も vera の部分が似ているため、聞き間違いに注意が必要です。特に、早口の英語では曖昧になりやすいので注意しましょう。
語幹が同じ 'ver-' を持ち、意味も関連しています。verify は『検証する』という意味の動詞であり、veracity(真実性)を確かめる行為を表します。スペルも似ていますが、品詞が異なるため、文法的な構造を意識すれば区別できます。動詞の verify と名詞の veracity をセットで覚えると理解が深まります。
語尾の '-ity' が共通しており、スペルの一部が似ています。verbosity は『多弁』や『冗長』という意味で、veracity(真実性)とは全く異なる意味を持ちます。しかし、どちらも抽象名詞であるため、文脈によっては混同される可能性があります。verbosity は言葉が多すぎる状態を指し、veracity は言葉が真実である状態を指す、と考えると区別しやすいでしょう。
発音の /ærɪs/ の部分の母音が似ており、特に日本人にとっては聞き分けが難しい場合があります。avarice は『強欲』や『貪欲』という意味で、veracity(真実性)とは全く異なる意味を持ちます。スペルも全く異なりますが、発音に注意が必要です。語源的には、avarice は『むさぼる』という意味のラテン語から来ており、veracity とは全く異なるルーツを持っています。
誤用例
『veracity』は『真実性』という意味で、客観的な事実が真実であるかどうかを指します。一方、『conviction』は『確信』という意味で、話し手がどれだけ強く信じているかを表します。この文脈では、政治家の言葉が真実かどうかではなく、彼がどれだけ確信を持って話しているかが重要なので、『conviction』が適切です。日本人は『誠実さ』のようなニュアンスで『veracity』を使ってしまいがちですが、英語では客観的な真実を指すため、話し手の主観的な状態には使いません。日本語の『誠実』は、英語では『sincerity』などがより近い表現です。
『veracity』は通常、事実や情報など、検証可能なものに対して使われます。感情は主観的なものであり、客観的に真偽を判断することが難しいため、『veracity』を使うのは不自然です。代わりに、『sincerity(誠実さ)』を使うことで、彼の感情が本物かどうかというニュアンスを適切に表現できます。日本人は『真実の愛』のような表現に慣れているため、『veracity』を感情に対しても使えると考えがちですが、英語では感情の真偽を問う場合は『sincerity』がより適切です。これは、英語が客観性と主観性を区別する傾向が強いことの表れでもあります。
『veracity』は『真実を語る性質』を指しますが、証人の全体的な人格や信頼性を表すには不十分です。『integrity』は『高潔さ』や『誠実さ』という意味で、証人の道徳的な強さや一貫性を強調します。法廷では、証人が単に真実を語るだけでなく、全体として信頼できる人物であることが重要なので、『integrity』がより適切な表現です。日本人は『veracity』を『誠実さ』と捉えがちですが、英語では文脈によって適切な語彙を選ぶ必要があります。この場合、証人の人格全体を表すには『integrity』がより包括的な表現となります。日本語の『誠実』を安易に『veracity』と翻訳しようとする癖に注意が必要です。
文化的背景
「veracity(真実性)」は、単に事実と合致しているだけでなく、倫理的な誠実さ、信頼、そして社会的な信頼関係の基盤を象徴する言葉です。古代ローマの美徳「Veritas(真実)」の女神に由来し、真実を語ることは市民としての義務であり、社会秩序を維持する上で不可欠な要素とされてきました。
中世の騎士道物語では、「veracity」は騎士の重要な徳の一つとして描かれました。騎士は勇敢さ、忠誠心、そして真実を重んじ、言葉に嘘偽りがないことが信頼の証とされました。例えば、アーサー王物語に登場する円卓の騎士たちは、真実を追求し、不正を暴くために冒険に旅立ちます。彼らの言葉は誓約であり、その「veracity」が王国の安定を支える力となったのです。また、シェイクスピアの作品においても、「veracity」は登場人物の性格や運命を左右する重要な要素として描かれています。例えば、『オセロ』におけるイアーゴの偽りの言葉は、オセロの心を蝕み、悲劇的な結末を招きます。このように、文学作品における「veracity」は、人間の心の脆弱性や、真実の重要性を浮き彫りにする役割を果たしてきました。
現代社会においては、「veracity」は報道の自由、情報公開、そして透明性の確保といった概念と深く結びついています。政治家や企業が「veracity」を欠く場合、それは国民の信頼を失い、社会全体の安定を揺るがす事態につながります。近年では、フェイクニュースやプロパガンダの拡散が深刻化しており、「veracity」の重要性はますます高まっています。メディアリテラシー教育の推進や、ファクトチェック機関の活動は、まさに「veracity」を守るための取り組みと言えるでしょう。
「veracity」は単なる事実の正確さだけでなく、誠実さ、倫理観、そして社会的な信頼関係の基盤となる重要な概念です。歴史、文学、そして現代社会における様々な場面で、「veracity」は人間の行動や社会のあり方を左右する力として存在し続けています。この言葉を理解することは、より良い社会を築くために不可欠な要素と言えるでしょう。
試験傾向
準1級以上の語彙問題で出題される可能性あり。長文読解で内容理解を問われることも。ライティングでの使用は難易度が高い。注意点としては、名詞であること、フォーマルな語彙であることを理解しておくこと。
Part 5, 6, 7で登場する可能性があるが、頻度は高くない。ビジネスシーンにおける誠実さや正確さを表す文脈で用いられることが多い。類義語(accuracy, truthfulness)とのニュアンスの違いを理解しておくことが重要。
アカデミックな長文読解でまれに出題される。科学、歴史、社会科学などの分野で、情報の正確性や信頼性を議論する文脈で登場しやすい。同義語・反意語を把握し、文脈から意味を推測する練習が必要。
難関大学の長文読解で出題される可能性はあるが、頻度は高くない。文脈から意味を推測する力が問われる。語源(very)から意味を推測するのも有効。関連語(veracious, verify)も一緒に覚えておくと良い。