treacherous
第一音節にアクセントがあります。「treach」の部分は「トゥリーチ」のように伸ばさず、短く切るように発音しましょう。/ə/(schwa)は曖昧母音で、力を抜いて「ア」と発音します。/tʃ/ の音は「チ」と「チュ」の中間のような音で、息を強く出すのがポイントです。最後の「-ous」は「アス」ではなく「ラス」に近い音で、口をあまり大きく開けないように意識すると自然に聞こえます。
専門的な内容に関するご注意
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裏切る
信頼を裏切るような性質を表す。人に対してだけでなく、天候や状況など、頼りにしていたものが期待を裏切る場合にも使われる。例えば、treacherous weather(変わりやすい天気)、treacherous ally(信用できない同盟国)など。
He discovered his closest friend was a treacherous person.
彼は親友が裏切り者だと知った。
※ 信頼していた相手が裏切り行為をした際に使います。この文では、親友だと思っていた人が実は裏切りの性質を持っていた、という衝撃的な場面を表しています。
The beautiful path looked safe, but it was treacherous with hidden rocks.
その美しい道は安全そうに見えたが、隠れた岩があって危険だった。
※ 「treacherous」は、場所や状況が「見た目とは裏腹に危険である」という意味でもよく使われます。この例文では、美しい見た目に反して足元が危ない山道などの情景が浮かびます。安全を裏切るような危険性を表します。
He realized that his partner's promises were treacherous and couldn't be trusted.
彼はパートナーの約束が当てにならず、信頼できないと気づいた。
※ 約束や記憶など、抽象的なものが「信頼できない」「当てにならない」という意味でも使われます。この例文では、何度も破られてきた約束に対する失望感が伝わります。期待や信用を裏切る状況で使われます。
危険な
見かけは安全そうでも、実際には危険が潜んでいる状態を指す。道や場所など、物理的な危険性がある場合に使われることが多い。例えば、a treacherous road(危険な道)、treacherous currents(危険な潮流)など。
The icy mountain trail became very treacherous after the snowstorm.
吹雪の後、凍結した山道は非常に危険になりました。
※ 冬の山道は、雪で覆われて見えない場所に氷があったり、滑りやすくなっていたりして、足元が予測できないほど危険になることがあります。「treacherous」は、このように「見た目以上に危険で、信頼できない」という状況によく使われます。この文では、吹雪のせいで道がさらに危険になった様子が伝わり、慎重に一歩一歩進むハイカーの姿が目に浮かびますね。
Fishermen knew the rough sea near the cliffs was always treacherous.
漁師たちは、崖の近くの荒れた海が常に危険だと知っていました。
※ 嵐の海や、隠れた岩礁がある場所など、船乗りにとって予測不可能な危険が潜む海域を「treacherous sea」と表現します。ここでは、長年の経験から漁師たちがその海の危険性をよく知っている様子が描かれています。高波が押し寄せ、船が大きく揺れる中、海の恐ろしさを肌で感じている漁師たちの緊張感が伝わってきます。
Working on the old, unstable roof was a treacherous task.
その古くて不安定な屋根での作業は、危険な仕事でした。
※ この例文は、物理的な構造物が不安定で、いつ崩れるか分からないような「危険な状況」を表しています。作業員が足元に気をつけながら、いつ何が落ちてくるか、どこが崩れるか分からないという緊張感を持って仕事をしている場面が目に浮かびますね。「treacherous task」という形で、その仕事自体が危険を伴うものであることを示しています。単に「dangerous」よりも、予測できない要素や裏切り的な危険のニュアンスが含まれます。
コロケーション
危険な状況、特に自然環境における
※ 気象条件(吹雪、豪雨、濃霧など)、地形(険しい山道、凍った道、不安定な足場など)、海象(荒波、暗礁、潮流など)といった自然環境が原因で、事故や災害のリスクが高い状況を指します。単に"dangerous conditions"と言うよりも、自然の脅威が潜んでいるニュアンスが強く、登山、航海、ドライブなど、屋外活動に関するニュースや記事でよく見られます。例えば"treacherous mountain pass"(危険な山道)のように使われます。
危険な道、困難な道のり(比喩的にも物理的にも)
※ 文字通り危険な道(崖っぷちの道、地雷が埋まっているかもしれない道など)を指すこともありますが、比喩的に「困難で危険な道のり」を表すこともあります。例えば、起業の道や、政治的なキャリアなど、障害が多く、予期せぬ裏切りや困難が待ち受けている状況を指すことがあります。"The road to success is often treacherous."(成功への道はしばしば険しい)のように使われます。
非常に危険な氷、特に薄くて割れやすい氷
※ 湖や川、道路などに張った、非常に薄くて割れやすい氷を指します。見た目には安全そうでも、踏むと簡単に割れてしまうため、注意が必要です。冬のニュースや気象情報でよく使われます。"The treacherous ice claimed the lives of two children."(危険な氷が2人の子供の命を奪った)のように、痛ましい事故を伝える際に用いられることがあります。
信用できない同盟国、裏切る可能性のある味方
※ 表面的には同盟関係にあるものの、裏で敵と通じていたり、いざという時に裏切る可能性のある同盟国を指します。政治的な文脈や、歴史的な出来事を語る際に用いられることが多い表現です。"Beware of treacherous allies."(信用できない同盟国に気をつけろ)というように、警告の意味合いを込めて使われることがあります。
当てにならない記憶、記憶違い
※ 記憶は時に不正確で、都合の良いように書き換えられたり、曖昧になったりするものです。そのような、信頼できない記憶を指して"treacherous memory"と表現します。特に、過去の出来事について証言する際や、歴史的な事実を検証する際に、記憶の曖昧さや不確実性を指摘する文脈で使われます。"Memory is a treacherous thing."(記憶とは当てにならないものだ)のように、人間の記憶の儚さを表現する際に用いられることがあります。
使用シーン
学術論文、特に歴史学や政治学で、信頼を裏切る行為や、予測できない危険な状況を指す際に用いられます。例:『その条約は、当事国にとって「treacherous(裏切りを伴う)」ものとなり、予期せぬ紛争を招いた』
契約書やリスク管理に関する報告書など、フォーマルなビジネス文書で使用されます。例:『市場の変動は「treacherous(危険な)」投資環境を作り出しており、慎重な判断が求められる』
日常会話では稀ですが、ニュース報道やノンフィクション作品で、自然災害や犯罪など、危険な状況を表現する際に用いられることがあります。例:『登山道は雨で「treacherous(危険な)」状態になっており、注意が必要だ』
関連語
類義語
- perfidious
信用を裏切る、不誠実なという意味で、特に約束や忠誠を破る行為に対して使われる。フォーマルな場面や、文学作品でよく見られる。 【ニュアンスの違い】"treacherous"よりも意図的な裏切りや不誠実さを強調する。道徳的な非難のニュアンスが強く、感情的な表現というよりは、倫理的な判断を含む。 【混同しやすい点】日常会話ではあまり使われず、フォーマルな場面や文学的な文脈で使われることが多い点。また、人に対して使う場合、その人の性格や行動を強く非難する意味合いを持つ。
人を欺く、騙すという意味で、嘘をついたり、誤解を招くようなことをしたりする行為を指す。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"treacherous"が危険を伴う裏切りを意味するのに対し、"deceitful"はより一般的な欺瞞行為を指す。必ずしも危険を伴うとは限らない。 【混同しやすい点】"deceitful"は人や行動を形容するが、"treacherous"は人だけでなく、状況や場所など、危険な状態を指すことができる点。
- disloyal
不誠実な、忠誠心がないという意味で、友人、家族、組織など、特定の対象に対する忠誠を欠く行為を指す。日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"treacherous"が裏切りによって危険をもたらすことを強調するのに対し、"disloyal"は単に忠誠心がないことを意味する。危険の有無は問わない。 【混同しやすい点】"disloyal"は人に対して使われることがほとんどだが、"treacherous"は人以外にも、状況や場所などにも使われる点。また、"disloyal"は感情的な失望や怒りを伴うことが多い。
- unfaithful
不誠実な、浮気なという意味で、配偶者や恋人に対する忠誠を欠く行為を指す。日常会話でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"treacherous"がより広範な裏切りを意味するのに対し、"unfaithful"は主に恋愛関係における不誠実さを指す。対象が限定的である。 【混同しやすい点】"unfaithful"は恋愛関係に限定されるため、ビジネスや政治など、他の文脈では"treacherous"が適切である点。また、"unfaithful"は感情的な苦痛を伴うことが多い。
- traitorous
反逆的な、裏切り者のという意味で、国家や組織に対する忠誠を裏切る行為を指す。政治的な文脈でよく使われる。 【ニュアンスの違い】"treacherous"が一般的な裏切りを指すのに対し、"traitorous"は国家や組織に対する重大な裏切りを意味する。より深刻な行為を指す。 【混同しやすい点】"traitorous"は国家や組織に対する裏切りに限定されるため、個人的な関係における裏切りには"treacherous"が適切である点。また、"traitorous"は法的な処罰を伴う可能性もある。
危険な、冒険的なという意味で、危険やリスクを伴う状況や場所を指す。日常会話から科学的な文脈まで幅広く使われる。 【ニュアンスの違い】"treacherous"が裏切りによって危険が生じることを意味するのに対し、"hazardous"は単に危険な状態を指す。裏切りの有無は問わない。 【混同しやすい点】"hazardous"は人ではなく、状況や場所に対して使われることがほとんどである点。また、"hazardous"は必ずしも意図的な悪意を伴うとは限らない。
派生語
『裏切り』『不誠実』を意味する名詞。treacherous の名詞形であり、形容詞が持つ『裏切りの性質』という概念を抽象化したもの。日常会話よりも、文学作品や歴史的な文脈で、抽象的な概念や状態を表す際に用いられることが多い。たとえば、『彼の行為は treachery だ』のように使われる。
『裏切り的に』『危険なやり方で』を意味する副詞。treacherous に副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。行動や状況が危険や不誠実さを伴って行われる様子を表す。例えば、『彼は treacherously 笑った』のように、表面的な態度とは裏腹の危険な意図を示唆する。
語源
"Treacherous"は、古フランス語の"trecheros"(欺瞞的な、裏切りやすい)に由来し、さらに遡ると"trechier"(欺く、騙す)という動詞にたどり着きます。この"trechier"は、ラテン語の"tractare"(扱う、処理する)から派生しました。元々は「引きずる」「扱う」といった意味合いだった"tractare"が、中世ラテン語で「交渉する」「策略を弄する」といった意味に変化し、それが古フランス語に取り入れられる際に「欺く」という意味合いを帯びるようになったと考えられます。つまり、"treacherous"は、元々は中立的な意味合いの「扱う」という言葉から、交渉や策略といった意味を経て、「裏切る」「危険な」という意味へと変化してきたのです。ビジネスシーンで「交渉」が「騙し合い」に変わるような状況を想像すると、この単語の意味の変化を理解しやすいかもしれません。
暗記法
「treacherous」は、騎士道物語からスパイ映画まで、物語を動かす裏切りを意味します。権力闘争における暗殺や陰謀、嵐の海や険しい山道といった自然の脅威も指し、社会の安定を揺るがす行為や、人間の精神を試す状況を象徴します。ビジネスや政治における裏切りを非難する言葉としても使われ、欺瞞がもたらす破滅的な結果を想起させます。
混同しやすい単語
『背信的な』という意味で、発音が非常に似ています。'treacherous'は『危険な、裏切りそうな』という意味で、対象が場所や状況であるのに対し、'traitorous'は人に対して使われることが多いです。語尾の '-ous' の発音が同じなので、文脈で判断する必要があります。例えば、「treacherous road(危険な道)」と「traitorous spy(裏切り者のスパイ)」のように使われます。
発音の最初の部分が似ており、スペルも一部共通しています。'treasure'は『宝物』という意味の名詞、または『大切にする』という意味の動詞です。'treacherous'とは意味が全く異なるため、文脈から判断する必要があります。発音記号を確認し、最初の音の違い(/ˈtretʃ/ vs /ˈtreʒər/)を意識すると良いでしょう。
最初の音が似ており、スペルも一部共通しています。'teach'は『教える』という意味の動詞です。'treacherous'とは意味が全く異なるため、文脈から判断する必要があります。'treacherous'の 'ch' は /tʃ/ の音ですが、'teach'の 'ch' も同じ音であるため、注意が必要です。
スペルが長く、複雑であるため、'treacherous'と視覚的に混同しやすい単語です。'tortuous'は『曲がりくねった』という意味で、道や議論などに対して使われます。発音も異なり(/ˈtɔːrtʃuəs/)、'treacherous'よりも母音の数が多いです。単語を分解して覚えるのが有効です。例えば、'tort'(ねじれ)という語根を意識すると覚えやすいでしょう。
'trust'(信頼)という単語と、意味的な対比で混同される可能性があります。'treacherous'は信頼できない、裏切る可能性があるという意味合いを含むため、'trust'の反対の概念として捉えられます。しかし、スペルも発音も大きく異なるため、文脈で判断することが重要です。'trust'はポジティブな意味合い、'treacherous'はネガティブな意味合いを持つことを覚えておきましょう。
最初の音が似ており、スペルも一部共通しています。'teacher'は『先生』という意味の名詞です。'treacherous'とは意味が全く異なるため、文脈から判断する必要があります。発音も似ていますが、'treacherous'のほうが音節数が多く、より複雑な発音になります。
誤用例
『treacherous』は『裏切り』や『危険』といった意味合いが強く、文字通り『今日の天気は裏切り者だ』というニュアンスになってしまう。より自然な表現としては、単に天気が変わりやすいことを示す『unpredictable』が適切。日本人が天気予報を擬人化して捉えがちな傾向が、このような誤用を生む可能性がある。英語では、自然現象は客観的に描写されることが多い。
『treacherous』は、単なる『裏切り』よりも、もっと悪意があり、計画的な裏切りを意味することが多い。例えば、国家反逆罪や、信頼を裏切って相手を陥れるような状況で使われる。単に『彼の行動は裏切りだった』と言いたい場合は、『deceitful(人を欺くような)』の方が適切。日本人は『treacherous』を安易に『裏切り』の訳語として覚えてしまいがちだが、その背後にある悪意のレベルを理解する必要がある。
『treacherous』は『(道などが)危険』という意味でも使えるが、この場合は、信頼していた道が実は危険だった、というニュアンスが含まれる。例えば、地図には安全だと書かれていたのに、実際には非常に危険な道だった、というような状況。単に『危険な道』と言いたい場合は、『perilous』の方が適切。日本人が『treacherous』を『危険な』の同義語として暗記すると、文脈によっては不自然な印象を与える可能性がある。道そのものが信頼を裏切るわけではないため、より客観的な危険性を示す『perilous』が好ましい。
文化的背景
「treacherous(裏切りに満ちた、危険な)」という言葉は、単に物理的な危険だけでなく、信頼を裏切る行為や、見かけの安全が実は脆いものである状況を指し示す、人間関係や社会における欺瞞の深さを象徴します。中世の騎士道物語から現代のスパイ映画まで、treacherousな行為は常に物語の核心に存在し、登場人物たちの運命を大きく左右してきました。
特に、裏切りが権力闘争の道具として用いられる歴史的文脈において、「treacherous」は単なる個人の悪意を超えた意味を持ちます。例えば、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』において、クローディアスのtreacherousな行為は、デンマーク王国の根幹を揺るがす陰謀として描かれています。また、中世ヨーロッパの宮廷では、王位を狙う者がしばしばtreacherousな手段を用いて暗殺や陰謀を企て、歴史を大きく変えてきました。このように、treacherousな行為は、単なる道徳的な逸脱ではなく、社会の安定を脅かす重大な犯罪として認識されてきたのです。
さらに、「treacherous」は、自然の脅威を表現する際にも用いられます。例えば、嵐の海や険しい山道は、その予測不可能性と危険性から「treacherous」と形容されます。この用法は、自然が時に人間の努力を嘲笑い、容赦なく牙をむくという、人間と自然との間の緊張関係を浮き彫りにします。文学作品においては、treacherousな自然環境が、登場人物の精神的な試練を象徴的に表すこともあります。例えば、ジョゼフ・コンラッドの『闇の奥』では、コンゴ川のtreacherousな流れが、主人公の心の奥底に潜む闇を映し出す鏡として機能しています。
現代社会においても、「treacherous」は、ビジネスの世界や政治の世界における裏切り行為を非難する際に用いられます。情報漏洩、インサイダー取引、政治的な密約など、信頼を裏切る行為は、社会全体の信頼を損ないます。このように、「treacherous」という言葉は、時代や文化を超えて、欺瞞、裏切り、そしてそれらがもたらす破滅的な結果を象徴する言葉として、私たちの心に深く刻まれているのです。この言葉を使うとき、私たちは単に危険を述べているのではなく、人間関係や社会の脆弱性、そして信頼の重要性を改めて認識しているのです。
試験傾向
準1級、1級で語彙問題や長文読解で出題される可能性あり。特に長文読解では、文章全体の流れを把握する中で「treacherous」の意味を推測させる問題が出やすい。リスニングでの出題は比較的少ない。文脈は幅広く、ニュース記事から物語まで様々。
Part 5(短文穴埋め)やPart 7(長文読解)で稀に出題される。ビジネスシーンでのリスクや困難を説明する文脈で使われることが多い。類義語との識別がポイント。例えば、「dangerous」や「risky」などとのニュアンスの違いを理解しておく必要がある。
リーディングセクションで出題される可能性が高い。アカデミックな文章で、自然現象や歴史的事件、社会問題などを説明する際に使われることが多い。抽象的な概念を説明する文脈で使われることもあり、文脈から意味を推測する能力が求められる。ライティングセクションで使うにはやや硬い表現。
難関大学の長文読解問題で出題される可能性あり。文脈から意味を推測させる問題が多い。比喩的な意味で使われることもあるため、字義通りの意味だけでなく、文脈に応じた解釈が必要。過去問で実際にどのような文脈で出題されているかを確認することが重要。