faithful
第1音節にアクセントがあります。/eɪ/ は二重母音で、日本語の『エイ』よりも口を大きく開けて発音します。/θ/ は無声音で、舌先を上下の前歯で軽く挟んで息を摩擦させる音です。最後の /fʊl/ は、/ʊ/ が日本語の『ウ』よりも唇を丸めて短く発音し、/l/ は舌先を上の歯の裏につけて発音します。
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忠実な
約束や義務をきちんと守る様子。人に対してだけでなく、動物(犬など)の忠誠心を表現する際にも使われる。恋愛関係においては誠実さを意味する。
Our old dog always waits by the window, faithful to our family.
うちの老犬はいつも窓辺で待っていて、家族にとても忠実です。
※ この例文は、犬が飼い主を慕い、忠実に待つ情景を描いています。犬が「人間の最良の友」と言われるように、動物、特に犬の「忠実さ」を表す際に'faithful'を使うのは非常に典型的です。'faithful to A'で「Aに忠実な」という意味になります。
She has been a faithful friend to me for many years, always supporting my dreams.
彼女は何年もの間、私にとって忠実な友人であり、いつも私の夢を応援してくれています。
※ この例文は、長年にわたる友情の中で、困難な時も支え続けてくれる親友の姿を表しています。'faithful'は、人間関係において「信頼できる」「裏切らない」といった意味合いでよく使われます。'faithful friend'(忠実な友人)は非常によく使われる表現です。
He was faithful to his promise, even when it was difficult to keep.
彼は、守るのが難しくても、自分の約束に忠実でした。
※ この例文は、どんなに大変な状況でも、一度した約束を必ず守る人の誠実さを描いています。'faithful to one's promise'(自分の約束に忠実な)や'faithful to one's word'(自分の言葉に忠実な)は、人の信頼性を表す際によく用いられる表現です。'even when...'は「~の時でさえ」という逆接のニュアンスを加えます。
誠実な
事実や真実に対して嘘をつかない、ごまかさない態度。報道や記録などが正確である場合にも用いられる。
My best friend always keeps my secrets; he is very faithful.
私の親友はいつも私の秘密を守ってくれます。彼はとても誠実です。
※ この例文は、誰かの「秘密を守る」という、信頼できる誠実な友人の姿を描いています。「faithful」は、このように約束や信頼を裏切らない人の性格を表すのにぴったりです。親友があなたの秘密を大切にしている情景が目に浮かびませんか?
Our team leader is always faithful to his duties, so we trust him.
私たちのチームリーダーはいつも自分の仕事に誠実なので、私たちは彼を信頼しています。
※ ここでは、「faithful」が仕事や義務に対して真面目に、責任感を持って取り組む様子を表しています。チームリーダーが自分の役割をきちんと果たし、それによってチームメンバーからの信頼を得ている、という職場の温かい雰囲気が伝わりますね。「be faithful to one's duties」は「職務に忠実である」という典型的なフレーズです。
My dog waited for me at the door, showing how faithful he is.
私の犬はドアのところで私を待っていました。それが彼がいかに忠実かを示しています。
※ この例文は、動物、特に犬が飼い主に対して示す「忠実さ」を表すのに使われています。飼い主の帰りを健気に待つ犬の姿は、多くの人の心に響くでしょう。「faithful」は、このように人だけでなく、動物が特定の相手に対して示す深い愛情や忠誠心を表す時にもよく使われます。
熱心な
特定の宗教や主義、支持する対象に対して、深く献身的な様子。単なる好きという感情を超え、行動を伴う強い思いを表す。
He has been a faithful fan of the team for twenty years.
彼は20年間、そのチームの熱心なファンです。
※ この例文は、ある対象(この場合はスポーツチーム)に対して「長い間、変わらず熱心に応援し続けている」様子を表しています。まるで、雨の日も風の日もスタジアムに通い、チームのユニフォームを着て声援を送る人の姿が目に浮かびますね。「faithful fan」は「熱心なファン」という意味で非常によく使われる表現です。動詞 'has been' は「ずっと〜である」という継続を表し、'for twenty years' でその期間を示しています。
She is a faithful volunteer who helps people every weekend.
彼女は毎週週末、人々を助ける熱心なボランティアです。
※ ここでは、「faithful」が、ある活動(ボランティア)に「献身的に、そして継続的に熱心に取り組む」様子を描写しています。彼女が毎週欠かさず、誰かのために時間を使っている姿が想像できます。単に「手伝う」だけでなく、その活動に対する強い思いや責任感が伝わりますね。「who helps people every weekend」の部分は、彼女がどのようなボランティア活動をしているのかを具体的に説明しています。
He remained faithful to his promise even when it was difficult.
彼は困難な時でさえ、自分の約束に熱心に忠実であり続けました。
※ この例文では、「faithful」が「約束や信念、義務などに対して、困難があっても変わらず忠実に、熱心に守り続ける」という意味で使われています。どれほど大変な状況でも、彼は自分の言葉を裏切らなかった、その誠実さと揺るぎない姿勢が伝わります。「remain faithful to ~」で「〜に忠実であり続ける」という、よく使われる表現です。「even when it was difficult」は「それが困難だった時でさえ」という意味で、状況の厳しさを加えています。
コロケーション
忠実な仲間、信頼できる相棒
※ 文字通り「忠実な仲間」を意味しますが、単なる友人というよりは、犬などのペットや、長年苦楽を共にしてきたビジネスパートナーなど、深い信頼関係で結ばれた存在を指すことが多いです。比喩的に、常に寄り添い助けてくれるものを指すこともあります(例:『読書は私のfaithful companionだ』)。「loyal companion」も同様の意味で使えますが、「faithful」はより献身的なニュアンスを含むことがあります。
忠実な使用人、献身的な奉仕者
※ 主人や組織に対して誠実で献身的な使用人・奉仕者を指します。歴史的な文脈や、格式高い組織(教会など)でよく用いられる表現です。現代では、企業に対する従業員の忠誠心を表現する際に、皮肉を込めて使われることもあります。類語として「loyal servant」がありますが、「faithful」は単なる義務以上の、倫理的な忠誠心を示唆することがあります。
忠実な再現、正確な複製
※ オリジナルを正確に再現・複製することを指します。美術品、音楽、歴史的文書など、オリジナルの価値を尊重し、細部まで忠実に再現する場合に使われます。例えば、「a faithful reproduction of a Van Gogh painting」(ゴッホの絵画の忠実な複製)のように使います。「accurate reproduction」も同様の意味ですが、「faithful」は単なる正確さだけでなく、オリジナルの精神や意図を汲み取ろうとするニュアンスを含みます。
約束を守る、言ったことを実行する
※ 自分の言葉、つまり約束や誓いを守ることを意味します。「He is faithful to his word」(彼は約束を守る人だ)のように使われます。単に約束を守るだけでなく、誠実さや責任感を示すニュアンスがあります。「true to one's word」も同様の意味ですが、「faithful」はより道徳的な義務感を伴うことがあります。
貞節な夫/妻
※ 配偶者に対して貞操を守る夫または妻を指します。結婚における誠実さを強調する表現で、やや古風な響きがあります。現代では、「loyal husband/wife」の方が一般的に使われますが、「faithful」はより倫理的・宗教的な意味合いを帯びることがあります。不倫や浮気といった背徳行為の対義語として用いられます。
熱心な支持者、忠実なファン
※ 特定の人物、団体、またはアイデアを熱心に支持する人々の集団を指します。政治家、アーティスト、宗教指導者など、カリスマ的な存在や、強い信念を持つ人物に集まる支持者を表現する際に用いられます。例えば、「The band has a faithful following of dedicated fans.」(そのバンドには熱心なファンが多い)のように使います。「loyal following」も同様の意味ですが、「faithful」はより献身的で、盲目的な支持を含むニュアンスがあります。
忠実な記録、正確な報告
※ 出来事や状況を正確かつ詳細に記録・報告することを意味します。歴史的な出来事、事件の証言、会議の議事録など、客観性と正確性が求められる場面で用いられます。例えば、「a faithful account of the events leading up to the war」(戦争に至るまでの出来事の忠実な記録)のように使います。「accurate account」も同様の意味ですが、「faithful」は単なる事実の羅列だけでなく、真実を伝えようとする意図を含むことがあります。
使用シーン
学術論文や専門書で、データの忠実性や再現性を議論する際に使用されます。例えば、実験結果を報告する際に「faithful representation(忠実な表現)」という言葉を使って、データが元の現象を正確に反映していることを強調することがあります。また、歴史学の研究で、一次資料への忠実さを評価する文脈でも使われます。
ビジネスシーンでは、契約や報告書など、公式な文書で使われることがあります。例えば、「faithful adherence to the contract(契約への忠実な遵守)」のように、義務や責任を果たすことを強調する際に用いられます。日常的な会話やメールでは、より平易な言葉(例:reliable, dependable)が好まれる傾向があります。
日常会話ではあまり使われませんが、ニュース記事やノンフィクション作品で、人物の忠誠心や信念を表す際に使われることがあります。例えば、「a faithful servant(忠実な召使い)」や「a faithful supporter(熱心な支持者)」のように、長年にわたる献身的な行動を称賛する文脈で見かけることがあります。ペット、特に犬に対して「faithful companion(忠実な相棒)」という表現が使われることもあります。
関連語
類義語
忠実、誠実。人や組織に対する忠誠心を強調する際に使われる。ビジネス、政治、個人的な関係など、幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"faithful"と同様に忠誠心を表すが、"loyal"は特に、困難な状況下でも変わらない忠誠心、献身を意味合いが強い。対象は人、組織、国など。 【混同しやすい点】"faithful"は、約束や義務を果たすことに重点が置かれる一方、"loyal"は感情的な結びつきや支持を含むことが多い。例えば、"faithful husband"は貞節な夫を指すが、"loyal friend"は困難な時でも支え続ける友人を指す。
献身的、熱心。愛情や忠誠心を深く捧げる様子を表す。家族、宗教、仕事など、個人的な感情が強く関わる対象に対して用いられる。 【ニュアンスの違い】"faithful"よりも感情的なニュアンスが強く、対象への深い愛情や情熱を伴う。自己犠牲的な献身を示す場合もある。 【混同しやすい点】"faithful"は義務や約束を果たすことを意味するのに対し、"devoted"は感情的な繋がりや愛情に基づく献身を意味する。例えば、"faithful employee"は職務を忠実にこなす従業員を指すが、"devoted mother"は子供に愛情を注ぎ、献身的に育てる母親を指す。
真実の、本物の。事実や基準に合致していることを意味する。幅広い文脈で使用される。 【ニュアンスの違い】"faithful"が人や約束に対する忠実さを表すのに対し、"true"は事実や基準に対する正確さ、真実性を表す。また、感情的な意味合いで「誠実な」という意味でも使われる。 【混同しやすい点】"true"は抽象的な概念や事柄に対しても使用できるが、"faithful"は主に人や行動に対して用いられる。例えば、"true love"は真実の愛を指すが、"faithful love"は相手に誠実な愛を指す。
信頼できる、信用できる。人や情報が信頼に値することを意味する。ビジネス、人間関係、ニュースなど、信頼性が重要な場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"faithful"が忠実さや誠実さを表すのに対し、"trustworthy"は信頼できる性質を表す。約束を守る、秘密を守るなど、具体的な行動を通じて信頼を得ることを強調する。 【混同しやすい点】"faithful"は過去の行動や関係性に基づいて評価されることが多いが、"trustworthy"は将来の行動に対する期待を含む。例えば、"faithful servant"は長年忠実に仕えてきた使用人を指すが、"trustworthy advisor"は今後も信頼できる助言をしてくれると期待されるアドバイザーを指す。
断固とした、揺るぎない。信念や支持が強く、動じない様子を表す。政治、宗教、スポーツなど、強い信念が求められる場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"faithful"と同様に忠誠心を表すが、"staunch"は特に、反対や困難に直面しても変わらない強い信念や支持を意味する。 【混同しやすい点】"faithful"は単に忠実であることを意味するのに対し、"staunch"は積極的な支持や擁護を含む。例えば、"faithful supporter"は忠実な支持者を指すが、"staunch defender"は積極的に擁護する人を指す。また、"staunch"はフォーマルな場面で使われることが多い。
- allegiant
忠誠を誓った、忠実な。特に組織や指導者に対して忠誠を誓っている状態を表す。政治、軍事、宗教など、組織への忠誠が求められる場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"faithful"と似ているが、"allegiant"はより正式な文脈で、組織や指導者への公式な忠誠を意味する。誓約や宣誓を伴うことが多い。 【混同しやすい点】"faithful"は個人的な感情や関係性に基づく忠実さも含むが、"allegiant"は組織への公式な忠誠に限定される。例えば、"faithful friend"は忠実な友人を指すが、"allegiant soldier"は国や軍隊に忠誠を誓った兵士を指す。また、"allegiant"は日常会話ではあまり使われず、フォーマルな場面で使われる。
派生語
『信頼』『信仰』を意味する名詞。『faithful』の語源であり、中英語の『feith』に由来。日常会話では『信頼』、宗教的な文脈では『信仰』として使われる。可算名詞/不可算名詞の両方の用法がある。
『忠実に』『誠実に』を意味する副詞。『faithful』に副詞化の接尾辞『-ly』が付いた形。手紙の結びの言葉(例:Yours faithfully)や、業務報告など、フォーマルな場面で頻繁に使われる。ニュアンスとしては、形式的・儀礼的な忠実さを表す。
『忠誠』『誠実さ』を意味する名詞。ラテン語の『fidelitas』に由来し、『faithful』よりも格式高い印象を与える。契約や結婚における忠誠、オーディオ機器の音の再現性(高忠実度)など、抽象的・専門的な文脈で用いられる。
反意語
- unfaithful
接頭辞『un-(否定)』が付加され、『不誠実な』『不貞な』を意味する形容詞。『faithful』の直接的な反意語として、特に配偶者の不貞行為を指す場合によく用いられる。日常会話でも比較的よく使われる。
- disloyal
接頭辞『dis-(否定)』と『loyal(忠実な)』が組み合わさり、『不誠実な』『不義理な』を意味する形容詞。『unfaithful』よりも対象範囲が広く、国家、組織、友人など、様々な対象への裏切りを指す。政治的な文脈や人間関係において使われる頻度が高い。
『裏切りに満ちた』『信用できない』を意味する形容詞。『faithful』とは直接的な語源関係はないものの、意味的な対立構造を持つ。人だけでなく、状況や地形などにも用いられ、『危険な』という意味合いも含む(例:treacherous road)。比喩的な意味合いが強く、文学作品などでよく見られる。
語源
"Faithful」は、「忠実な」「誠実な」という意味を持つ英単語です。その語源は、古フランス語の「feial」(忠実な、信頼できる)に遡り、さらに遡るとラテン語の「fidelis」(忠実な、信頼できる)に由来します。この「fidelis」は、「fides」(信頼、信仰)という名詞から派生しており、その根本には「信じる」という意味合いがあります。つまり、「faithful」は、信頼や信仰に基づいて行動する、またはそうした性質を持つことを意味するのです。日本語で例えるなら、「信心深い」という言葉が近いかもしれません。根底にある「信じる」という気持ちが、行動や態度に表れている状態を表していると言えるでしょう。
暗記法
「faithful」は、騎士道の忠誠、キリスト教の信仰心に深く根ざし、神と人、主君と騎士の関係を象徴してきました。アーサー王伝説の騎士たちの忠誠心、聖書の忠実な僕の物語は、この言葉に道徳的深みを与えています。シェイクスピア悲劇では、忠実さゆえの脆さも描かれます。現代では、愛、友情、仕事における信頼の基盤。困難に直面しても「faithful」であり続けることの価値を教えてくれます。
混同しやすい単語
『faithful』とスペルが酷似しており、接尾辞 '-ful' と '-less' の違いしかないため、意味を混同しやすい。『faithless』は『不誠実な』『不実な』という意味で、正反対の意味を持つ形容詞です。日本人学習者は、接尾辞が持つ意味を意識して区別する必要があります。
『faithful』と発音が似ており、最後の音が '-ful' で共通しているため、特にリスニング時に混同しやすい。『fateful』は『運命的な』『重大な』という意味で、運命や結果に大きな影響を与えることを指します。日本人学習者は、文脈から判断するだけでなく、それぞれの単語が持つイメージを掴むことが重要です。
『faithful』と同様に '-ful' で終わる形容詞であり、スペルも似ているため、特に書き言葉で混同しやすい。『fruitful』は『実り多い』『生産的な』という意味で、具体的な成果や結果を生み出すことを指します。日本人学習者は、それぞれの単語が持つ具体的なイメージを関連付けて覚えることが有効です。
『faithful』の最初の部分『faith』と発音が似ており、スペルも一部共通しているため、混同しやすい。『fable』は『寓話』という意味で、教訓を含む短い物語を指します。語源的には、『fable』は『物語る』という意味のラテン語『fabula』に由来し、『faithful』の『faith(信頼)』とは直接的な関連はありません。
『faithful』とはスペルも発音も大きく異なりますが、『-ly』で終わる副詞であるため、文法的な構造から誤って関連付けてしまう可能性があります。『finally』は『ついに』『最後に』という意味で、時間的な順序や結果を表します。日本人学習者は、品詞の違い(形容詞 vs. 副詞)を意識し、文脈における役割を理解することが重要です。
『faithful』と同様に '-ful' で終わる形容詞であり、発音も一部似ているため、特にリスニング時に混同しやすい。『fitful』は『断続的な』『気まぐれな』という意味で、安定せず変動することを指します。日本人学習者は、それぞれの単語が持つイメージを掴むだけでなく、文脈から判断することが重要です。
誤用例
『faithful』は人に対して誠実であることを表すのが一般的で、物に対して使うと、例えば古い機械などが『忠実に動き続けている』というニュアンスになります。車への愛着を表現したい場合は『attached to』を使う方が自然です。日本人が『忠実』という言葉を文字通りに捉え、対象を選ばずに使ってしまう誤用です。日本語の『愛着』には『忠実』のようなニュアンスが含まれることもありますが、英語では区別が必要です。
『faithful』は、配偶者に対する貞節や、宗教的な信仰心を表す際に強く用いられます。会社への忠誠心を表現する場合には、『loyal』を使う方が適切です。日本人が『忠実』をビジネスシーンでも使いがちなのに対し、英語では場面に応じて使い分ける必要があります。特に倫理観が強く求められる文脈では、安易な faithful の使用は避けるべきです。
『faithful』は、レシピや指示に厳密に従うという意味でも使えなくはないですが、やや感情的なニュアンスを含みます。レシピに対して客観的に従う場合は、『adhere to』を使う方が適切です。日本人が『忠実に再現する』という表現をそのまま英語にしようとする際に起こりやすい誤りです。英語では、単に事実を述べる場合は、より客観的な表現を選ぶことが重要です。
文化的背景
「faithful」は、単なる「忠実」を超え、信頼、誠実さ、献身といった人間の最も深い感情と結びついた言葉です。それは、中世騎士道における主君への絶対的な忠誠から、現代社会におけるパートナーへの変わらぬ愛まで、時代を超えて人々の心を捉え続けてきました。
「faithful」の文化的根源を探る上で、まず注目すべきは、キリスト教における神と人との関係です。神への信仰(faith)を持ち、その教えに忠実(faithful)であることは、中世ヨーロッパ社会において最も重要な価値観の一つでした。教会は人々の生活の中心であり、「faithful」は、神への献身、教会の教義への従順、そして隣人への愛といった意味合いを含んでいました。この文脈において、「faithful」は単なる義務ではなく、精神的な充足感や救済への希望と結びついていたのです。また、聖書に登場する忠実な僕(faithful servant)の物語は、奉仕の精神や責任感といった価値観を人々に伝え、「faithful」という言葉に深い道徳的意味合いを与えました。
さらに、文学作品における「faithful」の描写は、この言葉の多面性を物語っています。例えば、アーサー王伝説に登場する円卓の騎士たちは、王への忠誠を誓い、困難な状況においても「faithful」であり続けました。彼らの姿は、理想的な騎士道精神の象徴として、後世の文学や映画に大きな影響を与えました。一方で、シェイクスピアの作品には、「faithful」でありながらも悲劇的な結末を迎える人物も登場します。例えば、『オセロ』のデズデモーナは、夫に深く愛されながらも、疑念によって命を落とします。彼女の「faithful」さは、皮肉にも悲劇の引き金となり、人間の心の脆さや複雑さを浮き彫りにしています。
現代社会においては、「faithful」は、恋愛関係や友情、仕事など、様々な場面で使用されます。パートナーへの「faithful」な愛は、信頼関係の基盤であり、長期的な関係を築く上で不可欠な要素です。また、友人への「faithful」な友情は、困難な時を乗り越えるための支えとなります。企業における従業員の「faithful」な働きは、組織の成長に貢献します。しかし、「faithful」であることは常に容易ではありません。誘惑や困難に直面した時、人はその真価を問われます。それでも、「faithful」であり続けることによって、人はより深い信頼関係を築き、より豊かな人生を送ることができるのです。このように、「faithful」は、時代や文化を超えて、人々の心の奥底にある普遍的な価値観を反映した言葉と言えるでしょう。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解。2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題可能性あり。3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、歴史、文化など幅広いテーマの長文で使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「忠実な」「誠実な」という意味に加え、「正確な」という意味もある点に注意。文脈によって意味を判断する必要がある。
1. 出題形式: Part 5(短文穴埋め)、Part 7(長文読解)。2. 頻度と級・パート: Part 7で比較的頻出。3. 文脈・例題の特徴: 契約、報告書、顧客対応などビジネス関連の文書で使われることが多い。「忠実な顧客」のように使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 「忠実な」という意味で、主に人や組織に対して使われる。類義語の「loyal」との使い分けを意識すると良い。
1. 出題形式: リーディングセクションの長文読解。2. 頻度と級・パート: アカデミックな内容の文章で頻出。3. 文脈・例題の特徴: 歴史、科学、社会科学など、学術的な文章で使われる。「faithful representation(忠実な再現)」のような形で使われることが多い。4. 学習者への注意点・アドバイス: 比喩的な意味合いで使われることもあるため、文脈全体を理解することが重要。同義語・類義語(accurate, reliable)も合わせて学習すると理解が深まる。
1. 出題形式: 長文読解、語彙問題(同意語選択、空所補充)。2. 頻度と級・パート: 難関大学で頻出。3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、社会問題、文化、歴史など幅広いテーマで使われる。4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈から意味を推測する練習が重要。「faith(信仰)」との関連性を理解しておくと、語源からの推測も可能になる。