tongue
母音 /ʌ/ は日本語の『ア』と『オ』の中間のような音で、口をリラックスさせて短く発音します。/ŋ/ は日本語にはない音で、舌の奥を上あごの奥につけて鼻から息を出すように発音します。『ン』と言う時のように口を閉じないように注意しましょう。
専門的な内容に関するご注意
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言葉
言語そのもの、または話す能力を指す。特定の言語(英語、日本語など)を指す場合もあれば、抽象的なコミュニケーション能力を指す場合もある。
Even though he lives abroad, he never forgets his mother tongue.
彼は海外に住んでいても、決して母国語を忘れません。
※ この例文は、海外で暮らす人が自分のルーツである「母国語」を大切にしている気持ちを表しています。'mother tongue' は「母国語」という意味で、最も自然でよく使われる 'tongue' の使い方の一つです。自分が話す言語を「私の舌」ではなく「私の言葉」と表現する感覚を掴みましょう。
She learned a new foreign tongue to travel the world.
彼女は世界を旅するために、新しい外国語を学びました。
※ ここでは 'foreign tongue' で「外国語」という意味になります。世界中を旅したいという強い気持ちが、新しい言葉を学ぶモチベーションになっている様子が目に浮かびますね。'tongue' はこのように、具体的な「言語」そのものを指す場合によく使われます。
It was hard for her to understand the local tongue in the market.
市場で、彼女はその土地の言葉を理解するのが難しかった。
※ この例文は、旅行先などで、その土地ならではの言葉('local tongue')に戸惑う状況を描いています。賑やかな市場で、懸命に耳を傾けても言葉が分からず、困っている彼女の姿が想像できますね。「~するのが難しい」は 'It is hard for someone to do something' という形で表現できます。
意見
個人的な意見や考え、特に発言された意見を指す。「hold one's tongue(口をつぐむ)」のように、発言を控える意味合いで使われることもある。
He held his tongue during the long meeting.
彼は長い会議の間、黙っていた。
※ 彼は何か言いたいことがあったけれど、あえて意見を言わずに口を閉ざした状況です。この「hold one's tongue」は、自分の考えや意見を言わずに「口をつぐむ」「黙る」という意味で、特に言わない方が良いと判断した時に使われます。
She bit her tongue so she wouldn't argue.
彼女は口をつぐんだので、言い争いにならなかった。
※ 彼女は何か反論したかったり、怒りを感じたりしましたが、ぐっとこらえて黙った状況です。「bite one's tongue」は、言ってしまうと後悔するようなことや、相手との関係を悪くするような発言を避けるために、言いたいことを我慢して口をつぐむ、という意味で使われます。
Please hold your tongue about the big surprise!
その大きなサプライズについては、黙っていてくださいね!
※ これは、誰かに秘密をばらさないように、口外しないように頼む場面です。「hold your tongue」は、自分の意見だけでなく、知っている情報を漏らさないように注意を促すときにも使えます。親しい間柄で「お願い」として使われることもあります。
話す
何かを言う、発言するという意味。「tongue-tied(言葉に詰まる)」のように、話すことに関連する表現で使われる。
She is learning a new language and still tongues it a little awkwardly.
彼女は新しい言語を学んでいて、まだ少しぎこちなく話します。
※ この例文は、新しい言語を学び始めた人が、まだ慣れていないために、言葉がスムーズに出てこない様子を描写しています。'tongue' は、特に「(特定の言語を)話す」という能力や方法を指すときに使われることがあります。この文では、言葉を『口から出す』という行為が、まだ不慣れで『ぎこちない (awkwardly)』という感情が伝わってきます。
He was drunk and no one could understand what he was tonguing.
彼は酔っぱらっていて、誰も彼が何を話しているのか理解できませんでした。
※ この文は、お酒を飲んで呂律が回らなかったり、支離滅裂なことを話している人の情景を伝えています。'tongue' は、このように『口から言葉を発する』という行為自体に焦点を当てるときにも使われます。ここでは、話し方が不明瞭で、相手に内容が伝わらない状況がリアルにイメージできますね。
Please don't tongue a single word about this secret to anyone.
この秘密について、誰にも一言も話さないでください。
※ この例文は、誰かに秘密を絶対に話さないでほしいと強く願う場面を表しています。'tongue a word' は『一言も話さない』という意味でよく使われるフレーズです。文字通り『舌を使って言葉を出す』というニュアンスから、口を滑らせて秘密を漏らすことを防ぐ、という切迫した気持ちが伝わってきます。
コロケーション
母語、第一言語
※ 生まれたときから自然に身につけた言語を指します。文化的アイデンティティと深く結びついており、単なるコミュニケーションツール以上の意味を持ちます。類似表現に 'native language' がありますが、'mother tongue' はより感情的なニュアンスを含むことがあります。教育や文化に関する議論で頻繁に使われます。
言い間違い、失言
※ 意図せず口から出てしまった言葉、特にうっかり秘密や本音を漏らしてしまう場合に使われます。心理学では、フロイト的スリップ(Freudian slip)として、無意識の願望や考えが表出されたものと解釈されることもあります。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われますが、フォーマルな場では注意が必要です。
黙っている、発言を控える
※ 言いたいことを我慢して黙っている状態を表します。状況を悪化させないため、または相手を尊重するために発言を控えるという意味合いが含まれます。しばしば、感情的な状況や議論の際に用いられ、「今は黙っておくのが賢明だ」という判断を表します。類似表現に 'bite one's tongue' があります。
言葉を見つける、話し始める
※ 緊張や驚きなどで言葉が出なかった人が、ようやく話し始めることを意味します。演説やプレゼンテーションの冒頭、または感動的な場面などで使われることが多いです。比喩的に、意見を表明し始めるという意味合いも持ちます。例えば、今まで発言できなかった人が勇気を出して意見を言う場合などに使えます。
(言葉が)喉まで出かかっている
※ 思い出せない言葉や名前が、もう少しで思い出せそうな状態を表します。記憶の曖昧さや、思い出そうとするもどかしさを表現する際に用いられます。日常会話でよく使われる表現で、軽いニュアンスで使われることが多いです。
二枚舌
※ 嘘をつくこと、または矛盾したことを言うことを意味します。蛇の分かれた舌に由来する表現で、信頼できない人物や欺瞞的な行為を非難する際に使われます。政治的な文脈や人間関係において、強い非難の意を込めて使われることが多いです。
異言を話す
※ 宗教的な儀式やエクスタシー状態において、理解不能な言葉を話すことを指します。主にキリスト教のペンテコステ派などの宗教的文脈で用いられます。通常の言語とは異なり、神からの霊感によって話されると信じられています。文化的な背景を理解することが重要です。
使用シーン
学術論文や研究発表で、比喩表現として用いられることがあります。例えば、ある理論や学説を「~の舌(tongue)で語る」というように、特定の視点や解釈を強調する際に使われます。また、言語学の分野では、特定の言語や方言の特徴を指して「~の舌(tongue)」と表現することがあります。
ビジネスシーンでは、直接的な意味での「舌」よりも、「言葉」や「意見」という意味合いで使われることがあります。例えば、市場調査の結果を報告する際に、「消費者の声(tongue)を聞く」というように、顧客の意見や要望を尊重する姿勢を示す際に用いられます。ただし、フォーマルな文書では、より直接的な表現が好まれる傾向があります。
日常会話では、「tongue」は比喩的な意味合いで使われることは比較的少ないです。ただし、「hold one's tongue(黙っている)」や「cat got your tongue?(どうして黙っているの?)」といったイディオムは、状況によっては使われることがあります。また、料理や食文化に関する話題では、動物の舌を使った料理について言及することがあります。
関連語
類義語
言語体系全体を指す。特定の国や地域で話される言葉、またはコミュニケーションの手段として用いられる。 【ニュアンスの違い】"Tongue"は肉体的な器官としての舌、または話す能力そのものを指すのに対し、"language"はより抽象的で体系的な概念。"Tongue"が具体的な行為(舌を出す、言葉を発する)に関連するのに対し、"language"は文化、歴史、社会と深く結びついている。 【混同しやすい点】"Tongue"は特定の言語を指す場合もあるが、その場合は比喩的な用法であり、"mother tongue"(母語)のように用いられる。"Language"は常に言語体系全体を指す。
話す行為、または話された内容そのものを指す。フォーマルな演説から日常的な会話まで、幅広い場面で使用される。 【ニュアンスの違い】"Tongue"は話す能力や話し方、または特定の言語を指すのに対し、"speech"は話すという行為そのもの、またはその内容に焦点がある。"Speech"はしばしば公的な場面やフォーマルな状況で使用される。 【混同しやすい点】"Speech"は不可算名詞として使われる場合(例:freedom of speech)と、可算名詞として使われる場合(例:a speech)がある。一方、"tongue"は通常可算名詞。
- diction
言葉の選び方、言い回し、発音の明瞭さなどを指す。文学、演劇、スピーチなど、言葉の表現が重要な場面で用いられる。 【ニュアンスの違い】"Tongue"は話す能力や言語そのものを指すのに対し、"diction"はより洗練された言葉の選択と表現方法を指す。"Diction"はしばしば教養や教育レベルを示す。 【混同しやすい点】"Diction"は発音だけでなく、語彙の選択や文体の特徴も含む。"Tongue"は単に「舌」という器官、または「言語」を意味する点で、"diction"とは意味の範囲が異なる。
特定の人々や地域に特有の発音やイントネーションを指す。地理的な場所、社会階層、民族などに起因することが多い。 【ニュアンスの違い】"Tongue"は話す能力や言語そのものを指すのに対し、"accent"は特定の地域や社会集団に特有の発音の仕方。"Accent"はしばしばアイデンティティや帰属意識と結びつく。 【混同しやすい点】"Accent"は発音に限定されるが、"tongue"が意味する「言語」には、文法、語彙、文化的な背景も含まれる。
発せられた言葉、発言。特に、文脈の中で意味を持つ具体的な発話。 【ニュアンスの違い】"Tongue"は器官としての舌、または言語能力を指すのに対し、"utterance"は実際に発せられた言葉そのものに焦点を当てる。学術的な文脈で、言語学やコミュニケーションの研究においてよく用いられる。 【混同しやすい点】"Utterance"は具体的な発話行為の結果を指すため、抽象的な「言語」を意味する"tongue"とは異なる。"Utterance"は常に具体的な文脈の中で解釈される。
- vernacular
特定の地域や集団で日常的に使用される話し言葉、方言。フォーマルな場面や書き言葉とは対照的に用いられる。 【ニュアンスの違い】"Tongue"は言語能力や言語そのものを指すのに対し、"vernacular"は特定の地域や社会階層に根ざした話し言葉を指す。"Vernacular"はしばしば、その地域や集団の文化的なアイデンティティを反映する。 【混同しやすい点】"Vernacular"は書き言葉や標準語とは区別される話し言葉を指すため、フォーマルな文脈では使用を避けるべき場合がある。"Tongue"はより広い意味で言語を指し、フォーマルな場面でも使用可能。
派生語
- lingual
『舌の』、『言語の』という意味の形容詞。元々はラテン語の『lingua(舌)』に由来し、英語の『tongue』と同根。医学用語や学術論文で、特定の言語機能や舌の構造を指す際に用いられる。例えば、『lingual artery(舌動脈)』のように使われる。日常会話での使用頻度は低い。
『言語』という意味の名詞。古フランス語を経由してラテン語の『lingua(舌)』から派生。元々は『舌を使って発する言葉』という意味合いだった。日常会話から学術論文まで幅広く使われ、コミュニケーションの根幹をなす概念を表す。抽象的な意味合いで使用されることも多い(例:ボディランゲージ)。
接頭辞『multi-(多数の)』が付いた形容詞で、『多言語の』という意味。複数の言語を話せる人や、複数の言語で書かれた文書などを指す際に使用される。グローバル化が進む現代において、ビジネスや国際関係の文脈で頻繁に用いられる。
反意語
『沈黙』という意味の名詞。『tongue』が言葉を発する器官であるのに対し、『silence』は言葉を発しない状態を指す。日常会話では、文字通り声を出さない状態を表す。比喩的には、意見や情報が抑圧されている状態を表すこともある(例:メディアの沈黙)。
『寡黙』、『無口』という意味の名詞。『tongue』が言葉を積極的に発するのに対し、『taciturnity』は言葉を控える性質を表す。ややフォーマルな表現で、人の性格や態度を記述する際に用いられる。学術的な文脈や文学作品でも見られる。
- aphonia
医学用語で『失声症』を意味する名詞。接頭辞『a-(否定)』と『phon-(音)』が組み合わさり、『声が出ない』状態を表す。『tongue』が発声を可能にする器官であることとの対比が明確。医学論文や専門的な会話で使用される。
語源
"Tongue(舌、言葉、意見、話す)」は、古英語の「tunge」に由来し、さらに遡るとゲルマン祖語の「*tungōn」にたどり着きます。これはインド・ヨーロッパ祖語の「*dṇǵʰū-(舌)」に起源を持つと考えられています。つまり、非常に古い時代から、物理的な舌と、それを使って発する言葉が密接に結びついていたことがわかります。日本語でも「舌鋒鋭い」というように、舌と話す能力が関連付けられる表現があるのと似ています。舌という器官が、単に味を感じるだけでなく、コミュニケーションの根源的な役割を果たしていることを語源が示唆しています。また、「language(言語)」も、ラテン語の「lingua(舌、言語)」から派生しており、「tongue」との関連性が見られます。このように、異なる言語間で、舌とコミュニケーションが深く結びついているのは興味深い点です。
暗記法
「舌」は単なる器官を超え、言語、民族、国家の象徴。バベルの塔では、神が人々の「舌」を混乱させ、意思疎通を阻害。中世では、異端審問で舌が思想統制の対象に。母語(mother tongue)は文化的ルーツと結びつき、食文化もまた「舌」を通じて異文化理解を深めます。言葉は思考を形作り、社会を構築する力。「舌」は、統一と分断、覚醒と統制、文化と食を結びつける象徴なのです。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、特にネイティブの発音を聞き慣れていないと区別が難しい。意味は『Tバック』や『革ひも』であり、『舌』とは全く異なる。フォーマルな場面で言い間違えると恥ずかしい思いをする可能性があるため注意が必要。語源的には、tongueはゲルマン祖語の『*tangōn』(つまむ、吸う)に由来するが、thongは古英語の『thwong』(革ひも)に由来する。
最初の音が似ており、発音記号で示すと/tʌŋ/と/toʊn/となり、母音部分が異なる。しかし、早口で話されると区別がつきにくいことがある。『音色』や『口調』という意味で使われ、文脈も異なる。『舌』は具体的な器官を指すが、『tone』は抽象的な概念を指すことが多い。発音の際は、/oʊ/の二重母音を意識すると良い。
スペルの中に 'ough' が含まれており、'tongue' の 'gue' と視覚的に似ているため、スペルミスしやすい。発音は/tʌf/で全く異なり、『困難な』や『丈夫な』という意味を持つ。'ough' の発音は多様で、'cough' /kɔf/, 'through' /θruː/ など、様々なパターンがあることを覚えておくと良い。
スペルの中に 'ung' が含まれており、'tongue' の 'ong' と似ているため、視覚的に混同しやすい。意味は『若い』であり、全く異なる。発音も/jʌŋ/であり、'tongue' とは異なる。'young'は、ゲルマン祖語の『*jugunthaz』に由来し、語源的にも関連性はない。
音の響きがどことなく似ており、どちらも鼻にかかったような響きを持つ。意味は『鼻にかかった話し方』や『弦楽器の音』であり、『舌』とは異なる。アメリカ英語の特定の地域で話される英語の特徴を指す場合もある。発音記号は/twæŋ/であり、母音部分が異なる。
スペルの一部が一致しており、音の響きも短い母音で共通するため、混同しやすい。意味は『ぴりっとした味』や『強い匂い』であり、舌で感じる感覚に関わる点では 'tongue' と間接的な関連性があるとも言える。しかし、具体的な器官を指す 'tongue' とは異なり、抽象的な感覚を表す。語源的には、'tang'は古ノルド語の『tangi』(突き出たもの)に由来する。
誤用例
日本語では『舌が長い』が『おしゃべり』の比喩として使われることがありますが、英語の 'long tongue' は文字通りの意味で解釈され、言語能力とは結びつきません。言語能力が高いことを伝えるには、'have a knack for languages'(言語の才能がある)や 'be fluent in languages'(言語に堪能である)といった表現を用いるのが適切です。日本人がつい直訳してしまう癖を避け、英語の自然な表現を心がけましょう。
『tongue』を複数形『tongues』にすると、宗教的な文脈で『異言(霊的な言語)』を話す行為を指します。通常の会話や会議で『tongue』を複数形で使うことは不自然です。もし会社の会議で特定の専門用語や業界用語が飛び交う状況を表現したいのであれば、'using specialized jargon' や 'speaking in technical terms' のように表現するのが適切でしょう。文化的背景を理解せずに直訳すると、意図しない意味合いになることがあります。
『bit my tongue』は文字通り『舌を噛む』という意味で、物理的な行為を表します。言いたいことを我慢するという意味で使う場合、正しい表現は『hold my tongue』です。日本語の『舌を噛む思い』という慣用句が、そのまま英語に置き換えられない典型的な例です。英語では、感情を抑える行為を『hold』という動詞で表現することが多く、より直接的なイメージを持ちます。
文化的背景
「舌(tongue)」は単なる発声器官にとどまらず、言語そのもの、さらには民族や国家のアイデンティティを象徴する言葉として、文化的に深い意味を持っています。言葉は思考を形作り、社会を構築する根幹であり、舌はその言葉を生み出す源泉として、古来より力強いイメージを伴ってきました。
聖書における「バベルの塔」の物語は、まさに「舌」の文化的な重要性を物語っています。神への反逆を企てた人間たちが、天まで届く塔を建設しようとしたとき、神は人々の「舌」を混乱させ、互いに言葉が通じなくなるようにしました。その結果、人々は意思疎通ができなくなり、塔の建設は頓挫し、世界中に散り散りになったとされています。この物語は、「舌」が統一と協力の象徴であると同時に、分断と混乱の引き金にもなりうることを示唆しています。また、使徒言行録では、聖霊降臨の際に弟子たちが異国の言葉を語り出す場面が描かれており、「舌」は神の力、あるいは霊的な覚醒の象徴としても解釈されています。
中世ヨーロッパにおいては、異端審問において「舌」は重要な役割を果たしました。拷問によって無理やり自白を引き出す際、舌を切断するという刑罰が用いられることもありました。これは、異端者の言葉を封じ、思想の拡散を防ぐためのものであり、「舌」が思想統制の対象となりうることを示しています。また、政治的な演説や扇動においては、「舌」の巧みさが権力を握るための重要な要素となりました。言葉は人を動かし、社会を揺るがす力を持つため、政治家たちはその力を最大限に利用しようとしました。
現代社会においても、「舌」の象徴性は健在です。「母語(mother tongue)」という言葉は、単なる言語能力を超え、文化的なルーツやアイデンティティと深く結びついています。言語は民族の歴史や価値観を伝える媒体であり、「舌」はそれを体現する存在として、特別な意味を持っています。また、「舌」は味覚を司る器官であることから、食文化とも密接な関係があります。各国の料理や食習慣は、その土地の文化や風土を反映しており、「舌」を通じて異文化に触れることは、新たな発見や理解につながります。このように、「舌」は言語、文化、アイデンティティ、そして食といった多岐にわたる要素を結びつけ、私たちの世界を豊かに彩る象徴的な言葉なのです。
試験傾向
1. 出題形式: 語彙問題、長文読解。
2. 頻度と級・パート: 準1級以上で頻出。1級でも出題の可能性あり。
3. 文脈・例題の特徴: 社会、文化、科学など幅広いテーマで、比喩表現やイディオムを含むことが多い。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 「言語」「味覚器官」という基本的な意味に加え、「話し方」「意見」といった比喩的な意味も理解しておく必要がある。イディオム(e.g., hold one's tongue, cat got your tongue?)も重要。
1. 出題形式: 主にPart 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)。
2. 頻度と級・パート: 比較的低い頻度。ビジネス関連の長文でまれに出題。
3. 文脈・例題の特徴: 会議、プレゼンテーション、顧客対応など、ビジネスコミュニケーションに関する文脈で「話し方」「表現」といった意味で使われることがある。
4. 学習者への注意点・アドバイス: TOEICでは、比喩的な意味での出題が多い。文脈から意味を推測する練習が必要。
1. 出題形式: リーディングセクションで頻出。
2. 頻度と級・パート: アカデミックな内容の文章で比較的頻繁に出題。
3. 文脈・例題の特徴: 言語学、人類学、生物学など、学術的な文脈で「言語」「コミュニケーション」といった意味で使われることが多い。比喩表現も含む。
4. 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文章における用法に慣れておく必要がある。類義語(e.g., language, speech)とのニュアンスの違いを理解しておくと役立つ。
1. 出題形式: 主に長文読解。
2. 頻度と級・パート: 中堅以上の大学で出題される可能性あり。
3. 文脈・例題の特徴: 社会問題、文化、科学など幅広いテーマで、評論や物語など様々なジャンルの文章で使われる。
4. 学習者への注意点・アドバイス: 基本的な意味に加え、比喩的な意味やイディオムも覚えておく必要がある。文脈から意味を推測する練習も重要。