the whole thing
全部
文字通り、全体を指す。出来事、計画、物事など、何かの完全な範囲を指す時に使う。しばしば、話し手が強調や感情を込めたい時に用いられる。
I cooked the whole thing for dinner, and it took me three hours.
夕食のために全部料理したんです、それで3時間もかかりました。
※ 休日のキッチンで、レシピを見ながら初めての料理に挑戦している場面です。たくさんの工程がある料理を「全部」自分で作った、という達成感や少しの疲れが伝わってきます。「the whole thing」は、ある作業やプロジェクトの「全体」を指して「全てをやり終えた」というニュアンスでよく使われます。
The movie was so exciting that I watched the whole thing without blinking.
その映画はとても面白くて、瞬きもせずに全部見ました。
※ 映画館やリビングで、夢中になって映画を見ている情景です。面白すぎて、最初から最後まで(=the whole thing)目が離せなかった、という気持ちが伝わります。このように、物語や体験の「最初から最後まで全部」を指す際に非常に自然に使われる典型的な例文です。
At the meeting, I finally understood the whole thing after he explained it clearly.
会議で、彼がはっきり説明してくれた後、ようやく全部理解できました。
※ 会議室で、複雑な説明を聞いている場面です。最初は分かりにくかったけれど、ポイントを整理して説明してもらったことで、全体像(=the whole thing)がすっきりと頭に入ってきた様子を表しています。情報や状況の「全体」や「すべて」を把握したときにぴったりの表現です。
顛末
ある出来事の最初から最後までの一連の流れ。特に、問題や事件について語る際に、その全体像や詳細を含めて伝えたい時に使用する。
I told my best friend the whole thing about what happened at school today.
私は親友に、今日学校で何が起こったのか、その顛末を全部話しました。
※ 今日学校であった出来事のすべてを、一番の友達に打ち明けている場面です。秘密や驚きなど、誰かに話したくなるような出来事の「一部始終」を指す典型的な使い方です。「the whole thing」は「その出来事全体、すべて」という意味で、よく「tell someone the whole thing」のように使われます。
After weeks of hard work, we finally finished the whole thing.
何週間もの大変な努力の末、私たちはついにその仕事をすべて終えました。
※ 何週間も大変な努力を重ねた後、ついにプロジェクトや作業が完成した時の達成感を表しています。一つの大きな仕事や計画の「全体」を指すときにぴったりです。「the whole thing」は、物理的なものだけでなく、計画やプロジェクト、出来事など、形のない「全体」にも使えます。達成感や安堵の気持ちが込められることが多いです。
I listened carefully to his story, trying to understand the whole thing.
私は彼の話を注意深く聞き、その顛末をすべて理解しようとしました。
※ 誰かの話にじっと耳を傾け、その複雑な状況や出来事の「すべて」を理解しようと努めている様子です。話の筋や背景、理由など、全体像を把握したい時に使います。「understand the whole thing」のように、何かを完全に理解しようとするときによく使われます。物事の「全体像」や「顛末」を指す重要な表現です。
まるごと
全体をまとめて、という意味合い。例えば、「家をまるごと買い取った」のように、何かを分割せずに完全に取得・処理する状況を表す。
After working all night, she finally finished the whole thing.
一晩中働いた後、彼女はついにそれをまるごと終わらせた。
※ 【情景】徹夜で頑張って、ようやく大きな仕事やプロジェクトを終えてホッとしている女性の姿です。 「the whole thing」は、直前の文脈(この場合は「一晩中働いた」という状況から推測できる「仕事」や「タスク」)全体を指します。このように、具体的な何かを指さなくても、会話の流れで「それ」が何であるか明確な場合によく使われます。
The little boy was so hungry that he quickly ate the whole thing on his plate.
その小さな男の子はとてもお腹が空いていたので、お皿の上のものをまるごとすぐに食べてしまった。
※ 【情景】目を輝かせた男の子が、目の前のおいしい料理(お皿の上のもの)をあっという間に平らげる様子です。 ここでは「the whole thing」が「お皿の上の食べ物」全体を指し、何も残さず全部食べた、という状況を表現しています。「on his plate」という言葉が、「thing」が食べ物であることを示していますね。
When he explained the accident, he tried to tell us the whole thing.
彼がその事故について説明したとき、彼は私たちにそのことのすべてを話そうとした。
※ 【情景】事故の目撃者が、思い出しながら、できる限り詳細に状況を伝えようとしている真剣な様子です。 この文では「the whole thing」が「事故の状況全体」や「詳細のすべて」を指します。隠さずに全てを話そうとする姿勢が伝わります。このように、具体的な物だけでなく、出来事や状況全体を「まるごと」「全て」と表現する際にも使われます。
コロケーション
すべては~にかかっている、~が成否の鍵を握る
※ 「hinge」は蝶番(ちょうつがい)のことで、ドアの開閉を左右する要(かなめ)であることから、比喩的に『最も重要な要素』を指します。つまり、『the whole thing hinges on X』は、『全体の成否はXという要素に完全に依存している』という意味合いになります。ビジネスシーンや交渉事など、結果を左右する決定的な要素を強調したい時に使われます。文法的には「the whole thing」という名詞句が主語となり、他動詞「hinges on」がそれに続く形です。フォーマルな響きがあり、口語よりも書き言葉でよく見られます。
すべてを鵜呑みにする、完全に信じ込む
※ 「swallow」は文字通りには『飲み込む』という意味ですが、ここでは比喩的に『情報を受け入れる』ことを指します。『the whole thing』は『すべて』なので、『swallow the whole thing』は『情報を精査せずに、まるごと信じてしまう』という意味になります。特に、疑う余地もなく信じてしまうニュアンスが強く、批判的な意味合いで使われることが多いです。例えば、誰かが嘘を言った時に『He swallowed the whole thing!(彼は全部信じ込んだ!)』のように使います。文法的には動詞+名詞の構造で、日常会話でよく使われます。
すべてが台無しになった、計画が完全に失敗した
※ 「blow up in one's face」は『(計画などが)自分の目の前で爆発する』というイメージで、『自分の努力や計画が完全に裏目に出て、ひどい結果になる』ことを意味します。『the whole thing』が主語になることで、『すべてが台無しになった』という絶望感を強調します。個人的なプロジェクトから大規模なビジネス戦略まで、様々な状況で使えます。口語的な表現で、感情的なニュアンスが強いです。
すべてを終わらせる、片付ける
※ 「get something over with」は『嫌なことや面倒なことを終わらせて、解放される』という意味のイディオムです。『the whole thing』を目的語にすることで、『すべてのこと、一連の作業を終わらせる』という意味になります。例えば、面倒な仕事やイベントなどを早く終わらせたい時に、『Let's just get the whole thing over with.(さっさと全部終わらせよう)』のように使います。日常会話で頻繁に使われ、口語的な表現です。
蒸し返す、再検討する
※ 「rehash」は『(古いものを)再び調理する』という意味から転じて、『(議論や問題を)蒸し返す、再検討する』という意味になります。『the whole thing』を目的語にすることで、『問題全体を再び議論する』というニュアンスになります。過去の失敗や解決済みの問題を再び持ち出す際に使われ、多くの場合、否定的な意味合いを含みます。例えば、『Why do we have to rehash the whole thing again?(なぜまた全部蒸し返さなければならないんだ?)』のように使います。ビジネスシーンや政治的な議論でよく見られます。
全体の馬鹿らしさ、不条理さ
※ ここでは「absurdity」という名詞が「the whole thing」を修飾しています。「absurdity」は「不合理さ、ばかばかしさ」という意味で、「the absurdity of the whole thing」で「事の顛末全体のばかばかしさ」といった意味合いになります。一連の出来事や状況があまりにも理にかなっていない、あるいは不条理だと感じた時に使われます。例えば、計画の失敗や不運な出来事が重なった状況を振り返って、「The absurdity of the whole thing is just unbelievable.(事の顛末全体の馬鹿らしさは信じられないほどだ)」のように使います。ややフォーマルな表現で、書き言葉でよく見られます。
使用シーン
学術論文では、「the whole thing」は口語的なニュアンスが強いため、頻繁には使用されません。よりフォーマルな表現が好まれます。ただし、研究対象の全体像を包括的に議論する際に、研究の文脈によっては使用されることがあります。例:「この研究は、現象の全体像(the whole thing)を理解するための基礎となる。」
ビジネスシーンでは、プレゼンテーションや会議など、口頭でのコミュニケーションにおいて、状況全体を指す際に使われることがあります。フォーマルな文書では、より明確で具体的な表現が求められるため、使用頻度は低くなります。例:「プロジェクトの全体像(the whole thing)を把握するために、各部署からの報告をまとめました。」
日常会話では、幅広い意味で使用されます。「全部」「全体」といった意味合いで、カジュアルな場面でよく使われます。出来事の顛末を話す際にも用いられます。例:「彼がその件の顛末(the whole thing)を説明してくれた。」
関連語
類義語
『全てのもの』という意味で、文字通り、ある範囲内の全ての事柄や物を指します。日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使われます。 【ニュアンスの違い】『the whole thing』よりも包括的で、抽象的な概念や具体的な物事を区別せずに全体を指すことが多いです。感情的なニュアンスは薄いです。 【混同しやすい点】『everything』は不可算名詞的な扱いを受けますが、厳密には可算名詞の複数形が省略されたものと考えると理解しやすいです。そのため、単数形の動詞を伴います(例: Everything is ready)。
- the entire thing
『全体の〜』という意味で、『entire』は『whole』よりも強調したニュアンスを持ち、完全性や無傷であることを示唆します。ややフォーマルな表現です。 【ニュアンスの違い】『the whole thing』とほぼ同義ですが、『entire』の方がより客観的で、分割されていない完全な状態を表すことに重点が置かれます。感情的な高ぶりは少ないです。 【混同しやすい点】『entire』は形容詞であり、名詞を修飾する必要があります。単独で『entire』だけを使うことは稀です。また、『entire』は部分的に欠けているものが存在しない状態を指すため、抽象的な概念には使いにくい場合があります。
- the complete thing
『完全な〜』という意味で、『complete』は必要とされる要素が全て揃っている状態を表します。フォーマルな場面や、何かが完成した状態を強調したい時に使われます。 【ニュアンスの違い】『the whole thing』が単に全体を指すのに対し、『complete』は機能的な完全性や、不足がない状態を強調します。プロセスが完了したニュアンスを含みます。 【混同しやすい点】『complete』は形容詞として使われる場合と、動詞として使われる場合があります。形容詞の場合、名詞を修飾し、動詞の場合は『〜を完了させる』という意味になります。文脈によって意味が異なるため注意が必要です。
- the sum of it all
『全ての合計』という意味で、個々の要素を足し合わせた結果としての全体を指します。やや文学的な表現で、教養のある人が使う印象を与えます。 【ニュアンスの違い】『the whole thing』が単なる全体を指すのに対し、『the sum of it all』は、複数の要素が組み合わさってできた結果としての全体を強調します。複雑な状況や経験を総括する際に用いられます。 【混同しやすい点】日常会話ではあまり使われません。ビジネスシーンや学術的な文脈で、複雑な状況を要約する際に効果的です。比喩的な意味合いが強く、具体的な物事を指す場合は不適切です。
- the full story
『完全な話』という意味で、隠された情報や背景を含めた全体像を指します。特に、一部しか知られていない状況で、全ての真実を知りたい場合に用いられます。 【ニュアンスの違い】『the whole thing』よりも、物語や出来事の全体像に焦点を当てています。断片的な情報しかない場合に、完全な情報への欲求を示すニュアンスがあります。 【混同しやすい点】『story』という言葉が含まれているため、物理的な物事には使えません。また、通常は否定的な状況や、隠された真実を明らかにしたい場合に用いられることが多いです。
- the whole shebang
『全部ひっくるめて』という意味のスラングで、くだけた日常会話で使われます。何かを強調したり、ユーモラスに表現したりする際に用いられます。 【ニュアンスの違い】『the whole thing』よりも口語的で、インフォーマルな場面でのみ使用されます。真面目な場面やフォーマルな文書では不適切です。 【混同しやすい点】フォーマルな場では絶対に避けるべき表現です。ビジネスシーンや学術的な文脈で使用すると、相手に不快感を与える可能性があります。使用する相手や場面を選ぶ必要があります。
派生語
『健康的な』『健全な』という意味の形容詞。『whole(全体)』から派生し、『全体として良い状態』を表す。食品やライフスタイル、人柄などを形容する際に用いられ、日常会話で使われる。
『全体論的な』という意味の形容詞。『whole』から派生し、部分ではなく全体を重視する考え方を表す。学術論文やビジネス戦略などで使われる。
『全体の』『完全な』という意味の形容詞。『whole』と同様に『完全な範囲』を示すが、よりフォーマルな印象を与える。契約書や公式文書で頻繁に見られる。
語源
"The whole thing"は、語源的に複雑な構造を持つ単語ではありません。"Whole"は古英語の"hāl"(健康な、無傷の)に由来し、全体性や完全性を意味します。これは、現代英語の"hale"(健康な)という単語にもその痕跡を残しています。"Thing"は、古英語の"þing"(集会、物事)に由来し、ここでは漠然とした「事柄」や「物」を指します。したがって、"the whole thing"は文字通りには「全体的な事柄」となり、そこから「全部」「顛末」「まるごと」といった意味に発展しました。比喩的に、ある出来事や状況の全体像、あるいはある物事の完全な状態を指す際に用いられます。日本語で例えるなら、「一部始終」や「全容」といった言葉が近いでしょう。
暗記法
「the whole thing」は単なる「全部」ではない。問題や事件の核心、全体像を指す文化的ショートカットだ。探偵小説では、主人公が「the whole thing」を解き明かす事が物語の核心。法廷ドラマでは、弁護士が陪審員に「the whole thing」を理解させる。失恋、プロジェクトの失敗…感情や経験の全体を指す事も。「the whole thing」は、全体像を見ようとする姿勢、複雑な状況を理解しようとする人間の普遍的な欲求を反映する。
混同しやすい単語
発音が非常に似ており、文脈によっては意味も通じてしまうため混同しやすいです。『whole』は『全体の』という意味の形容詞で、『the whole thing』の一部として使われます。一方、『hole』は『穴』という意味の名詞です。スペルも一文字違いなので注意が必要です。日本語の『ホール』というカタカナ語は、英語の『hall』に由来することが多く、さらに混乱を招く可能性があります。
『sing』と発音が似ており、特に語尾の子音の発音が曖昧になりがちな日本人学習者にとっては聞き分けが難しいことがあります。『thing』は『物』や『事』を指す名詞ですが、『sing』は『歌う』という動詞です。文脈が異なれば意味も大きく異なるため、注意が必要です。また、thの発音は日本語にはないため練習が必要です。
『thing』と語尾の -ing の部分が共通しており、発音の区別が難しい場合があります。特に早口で話されると混同しやすくなります。『wing』は『翼』という意味の名詞で、『thing』とは全く異なる意味を持ちます。発音記号を意識して、/θɪŋ/ と /wɪŋ/ の違いを明確にすることが重要です。
『thing』と語源が近く、スペルも似ているため、意味や使い方が混同されることがあります。『thing』は名詞ですが、『think』は『考える』という動詞です。発音も /θɪŋk/ と /θɪŋ/ で最後のkの有無が異なります。文脈で判断することが重要です。
『the whole thing』と語順が異なり、意味も異なります。『all thing』は文法的に不自然な表現であり、通常は『all things』のように複数形で使われます。『all things』は『すべての物事』という意味になります。冠詞の有無や単数・複数の違いに注意が必要です。
スペルに共通する部分があり、発音も似ているため混同されることがあります。『though』は『〜だけれども』という意味の接続詞で、『the whole thing』とは文法的な役割が異なります。発音記号は /ðoʊ/ であり、/θ/ の音とは異なります。文脈から品詞を見抜くことが重要です。
誤用例
「the whole thing」を直訳的に捉え、「プロジェクトの全て」という意味で使用しようとする誤りです。しかし、「the whole thing」は、ある出来事や状況全体を指す場合に使われ、しばしばネガティブなニュアンスや、複雑で面倒な状況全体を指します。単に「プロジェクトの内容を全て知っている」と言いたい場合は、「all about」や「everything about」を使う方が自然です。日本人が「〜の全て」を安易に「the whole thing of 〜」と表現しがちなのは、日本語の「全て」という言葉が持つ包括的な意味合いをそのまま英語に当てはめようとするためです。英語では、より具体的な状況や内容に応じて適切な表現を選ぶ必要があります。
ここでの「the whole thing」は文法的に誤りではありませんが、より自然な英語としては「the whole story」が適切です。「the whole thing」は、漠然とした「こと」や「もの」全体を指すのに対し、「the whole story」は、出来事の経緯や詳細な内容を指します。離婚の話を聞くという文脈では、単なる「こと」ではなく、物語としての詳細を知りたいというニュアンスが強いため、「story」がより適切です。日本人は「話」を「thing」と捉えがちですが、英語では物語性や詳細を伝えたい場合は「story」を選ぶ方が、より的確に意図を伝えることができます。また、離婚というデリケートな話題においては、「story」を用いることで、より人間味のある、共感的なニュアンスを伝えることができます。
「the whole thing is」を「結局のところ」「要するに」という意味で使おうとする誤りです。この表現は、文法的に間違いではありませんが、少しカジュアルで、場合によってはぶっきらぼうに聞こえることがあります。よりフォーマルな場面や、相手に配慮した言い方をしたい場合は、「The truth is」や「The fact is」を使う方が適切です。日本人が「the whole thing is」を使いがちなのは、「全体としては〜だ」という直訳的な発想から、結論を述べる際に安易にこの表現を選んでしまうためです。しかし、英語では、状況や相手との関係性に応じて、より丁寧で洗練された表現を選ぶことが重要です。特に、ビジネスシーンやフォーマルな場面では、「The truth is」のような表現を使うことで、相手に誠実さや真摯さを伝えることができます。
文化的背景
「the whole thing」は、単なる「全部」という意味を超え、しばしば状況全体、特に問題や事件の核心、あるいは複雑な事柄の全体像を指し示す際に用いられます。この表現は、全体を把握することの難しさ、そして細部にとらわれず本質を見抜くことの重要性を示唆する、一種の文化的ショートカットとして機能します。
このフレーズが持つニュアンスは、特に英語圏の物語文化において顕著です。例えば、探偵小説では、主人公が「the whole thing」を解き明かすことが物語のクライマックスとなります。これは、個々の証拠や証言だけでは見えてこない、事件全体の構造や動機を理解することを意味します。また、法廷ドラマでは、弁護士が陪審員に対して「the whole thing」を理解させるために、様々な角度から証拠を提示します。ここでは、「the whole thing」は、単なる事実の羅列ではなく、正義や真実といったより大きな概念と結びついています。
さらに、「the whole thing」は、個人的な感情や経験を表す際にも用いられます。失恋した人が「the whole thing is over」と言う場合、それは単に恋愛が終わったという事実だけでなく、それに伴う悲しみ、失望、そして未来への不安など、すべての感情を含んだ「全体」を指しています。この表現は、感情の複雑さや深さを伝えるための便利な手段として機能します。また、ビジネスシーンにおいては、プロジェクトの失敗を振り返る際に、「the whole thing went wrong」と言うことで、どこに問題があったのか、何が原因だったのかを包括的に議論するための出発点となります。
このように、「the whole thing」は、単なる「全部」という意味を超え、状況全体、感情の全体、あるいは問題の核心を指し示す、多層的な意味を持つ表現です。このフレーズを理解することは、英語圏の文化や思考様式を理解する上で、重要な手がかりとなるでしょう。それは、細部にとらわれず、全体像を見ようとする姿勢、そして、複雑な状況を単純化して理解しようとする人間の普遍的な欲求を反映していると言えるでしょう。
試験傾向
1. 出題形式:長文読解、リスニング(会話文)。2. 頻度と級・パート:準1級以上で稀に出題。3. 文脈・例題の特徴:日常会話、物語文。4. 学習者への注意点・アドバイス:口語的な表現なので、フォーマルな場面での使用は避ける。文脈から「全体」が何を指すのかを把握することが重要。
1. 出題形式:Part 7(長文読解)。2. 頻度と級・パート:TOEIC全体でやや低頻度。3. 文脈・例題の特徴:ビジネス関連の状況説明、報告書、Eメールなど。4. 学習者への注意点・アドバイス:文脈から「the whole thing」が指す具体的な事柄を特定する必要がある。契約全体、プロジェクト全体など、ビジネスシーンでよくある対象を意識する。
1. 出題形式:リーディングセクション。2. 頻度と級・パート:TOEFL iBT で低頻度。3. 文脈・例題の特徴:学術的な内容、歴史、科学など。4. 学習者への注意点・アドバイス:日常会話的な表現なので、TOEFLのアカデミックな文脈ではあまり見られない。もし出題された場合は、文脈から比喩的な意味合いを読み取る必要がある。
1. 出題形式:長文読解。2. 頻度と級・パート:難関大学で稀に出題。3. 文脈・例題の特徴:評論文、物語文など。4. 学習者への注意点・アドバイス:文脈理解が重要。「the whole thing」が具体的に何を指すのかを正確に把握する。比喩的な意味で使われる場合もあるので注意。