英単語学習ラボ

thaw

/θɔː/(ソォー)

th の音は、舌先を上下の前歯で軽く挟んで息を出す無声音です。日本語のサ行の発音に似ていますが、舌の位置が異なります。ɔː は口を大きく開け、日本語の『オ』と『ア』の中間のような音を長く伸ばします。日本語の『ソ』とは全く異なる音なので注意しましょう。

動詞

雪解け

氷や雪が温かさで溶けること。比喩的に、緊張やわだかまりが解消される場面でも使われる。例:国際関係の雪解け

After a long winter, the thick snow on the mountains slowly began to thaw.

長い冬の後、山の分厚い雪がゆっくりと溶け始めた。

この例文は、寒い冬が終わり、春の兆しが見え始める頃、山に積もった大量の雪が、暖かい日差しを浴びて少しずつ水に変わっていく様子を描いています。厳しい冬の終わりと、新しい季節の始まりを感じさせる、希望に満ちた場面です。「thaw」は「(雪や氷が)溶ける」という自然現象を表す動詞として、非常によく使われます。ここでは「began to thaw」で「溶け始めた」という変化を表しています。

The icy path outside my house started to thaw in the warm morning sun.

家の外の凍った道が、暖かい朝日に当たって溶け始めた。

夜間に凍結して滑りやすくなっていた家の前の道が、朝になって太陽の光を浴びて、つるつるの氷が水に変わっていく様子です。転ばないかと心配していた人が、安心して歩けるようになる、日常の小さな安堵感が伝わります。「thaw」は、このように「凍結していたものが溶ける」状況にも使えます。「started to thaw」で、「溶け始めた」という変化を具体的に示しています。

All the snow began to thaw, making the ground very wet and muddy.

全ての雪が溶け始め、地面はとても湿ってぬかるんだ。

大量に積もっていた雪が溶けて、地面が水浸しになり、土が泥になって足元がぐちゃぐちゃになる様子です。春の訪れとともに、雪解けによって起こる地面の変化を具体的に描写しており、靴が汚れることへのちょっとした困惑や、春の地面の感触が伝わります。ここでは「thaw」が原因となって「地面がぬかるむ」という結果につながる様子を描いています。このように「making the ground...」と「〜ing」を使って「〜して…になる」という結果を表すこともできます。

動詞

打ち解ける

人との関係が温まり、親しくなること。例:初対面の人と打ち解ける

At the party, she was quiet at first, but slowly began to thaw after talking about her hobbies.

パーティーで、彼女は最初は静かでしたが、趣味の話をしてからゆっくりと打ち解け始めました。

この例文は、初対面の場所で緊張していた人が、共通の話題を見つけて安心し、笑顔で話し始める様子を描いています。「thaw」は、冷たい雰囲気やよそよそしい態度が、温かく友好的になる変化を表すのにぴったりです。「begin to thaw」で「打ち解け始める」という変化を表し、「at first」は「最初は」という意味で、時間とともに変化する様子を伝えます。

The boss's friendly joke helped to thaw the serious mood in the meeting.

上司の親しみやすいジョークが、会議の真面目な雰囲気を和らげるのに役立ちました。

会議室のピリピリした空気が、上司のちょっとしたユーモアで和らぎ、みんながリラックスする様子が目に浮かびます。「thaw」は、張り詰めた空気や緊張した状況が、柔らかく穏やかになる際によく使われます。「help to 動詞」で「~するのに役立つ」という意味になり、誰かの行動が状況を好転させる典型的なパターンです。

It took time, but the new student finally began to thaw and make friends.

時間はかかりましたが、新しい生徒はついに打ち解けて友達を作り始めました。

転校生が新しいクラスに馴染めず戸惑っていたけれど、少しずつ心を開き、クラスメイトと仲良くなっていく様子が分かります。「thaw」は、心を閉ざしていた人が、徐々に心を開いていく心理的な変化を表すのにも使われます。「It took time」は「時間がかかった」というニュアンスを伝える便利な表現で、新しい環境に慣れる過程でよく使われます。

名詞

雪解けの時期

春先に雪や氷が溶け出す時期。比喩的に、閉塞状況から解放される時期を指すこともある

The warm sun marked the beginning of the thaw after a long, cold winter.

暖かい太陽が、長く寒い冬の後の雪解けの始まりを告げました。

この例文は、長い冬が終わり、ようやく暖かくなり雪が溶け始める瞬間の喜びや安堵の気持ちを表しています。名詞の「thaw」が「雪解けの時期」という季節の節目を示す典型的な使い方です。「mark the beginning of 〜」で「〜の始まりを示す」という表現も一緒に覚えましょう。

Be careful walking, as the thaw makes the paths very muddy.

雪解けで道がとても泥だらけになるので、歩くときは気を付けてください。

雪解けの時期に起こる具体的な状況(道が泥濘む)と、それに対する注意喚起のシーンです。名詞の「thaw」が、日常の行動に影響を与える自然現象として使われています。「as 〜」は「〜なので、〜だから」と理由を説明する時によく使われます。また、「make O C」(OをCにする)という文型も確認できます。

Many animals start to become active again during the thaw.

多くの動物が、雪解けの時期に再び活発になり始めます。

冬の間、活動を控えていた動物たちが、暖かくなる雪解けを境に動き出す、生命の息吹を感じさせる場面です。名詞の「thaw」が、自然界のサイクルや生物の行動に密接に関わる時期として使われています。「start to do」で「〜し始める」という表現も自然に身につきます。

コロケーション

spring thaw

春の雪解け

文字通り、春になって気温が上がり、雪や氷が溶ける現象を指します。物理的な雪解けだけでなく、比喩的に『閉塞状況からの解放』や『新たな始まり』を表すこともあります。例えば、政治的な緊張緩和や経済の停滞からの脱却を『spring thaw』と表現することがあります。気象現象としての使用頻度が高いですが、比喩表現としても教養ある英語話者には理解されます。

a thaw in relations

関係の雪解け

国家間、組織間、あるいは個人間の冷え切った関係が改善に向かうことを指します。比喩的な表現で、物理的な雪解けのように、硬直した状況が徐々に緩和されるイメージです。外交や政治、ビジネスの文脈でよく用いられます。類似表現に『rapprochement』がありますが、こちらはより公式な関係改善を意味することが多いです。一方、'a thaw in relations'はより緩やかな改善を指すニュアンスがあります。

thaw out (something)

(何か)を解凍する、(感情などが)和らぐ

文字通りには冷凍された食品などを解凍することを意味しますが、比喩的に人の感情や態度が打ち解ける、和らぐという意味でも使われます。例えば、『His icy demeanor began to thaw out as he got to know us.(彼のとげとげしい態度は、私たちを知るにつれて和らいでいった)』のように使います。自動詞としても使われ、その場合は『(人が)打ち解ける』という意味になります。冷凍食品の解凍という日常的な行為と、感情の変化という抽象的な概念を結びつける点が、この表現の面白さです。

the great thaw

(歴史的な)雪解けの時代

特に、スターリン批判後のソ連における政治的・文化的な自由化の時代を指します。この時期は、抑圧的な体制が緩和され、表現の自由や芸術活動が比較的許容されるようになりました。歴史的な文脈で用いられることが多く、特定の時代を象徴する言葉として機能します。比喩的に、厳しい状況からの解放や変化の始まりを指す場合もありますが、歴史的背景を知っておくとより深く理解できます。

a gradual thaw

徐々に和らぐ、徐々に雪解けが進む

関係や状況が急激ではなく、少しずつ改善していく様子を表します。ビジネス交渉や人間関係の修復など、時間がかかるプロセスを表現する際に適しています。例えば、『After months of strained negotiations, we are seeing a gradual thaw in the relationship between the two companies.(数ヶ月にわたる緊張した交渉の後、両社の関係に徐々に雪解けが見られています)』のように使われます。形容詞 'gradual' が加わることで、より慎重で長期的な変化を強調できます。

thaw the ground

地面を解凍する

文字通りの意味ですが、気候変動の影響を語る際に重要な表現となります。永久凍土が解けることで、閉じ込められていたメタンガスが放出され、地球温暖化を加速させるという問題があります。科学的な議論や環境問題に関するニュースなどで頻繁に登場します。比喩的な意味合いは薄いですが、現代社会が直面する深刻な課題と結びついている点で、教養として知っておくべき表現です。

使用シーン

アカデミック

環境科学、気象学、地質学などの分野で、雪解け現象や氷河の融解を説明する際に使われます。論文や研究発表で、「地球温暖化の影響で永久凍土の融解(thawing permafrost)が進んでいる」のように、客観的なデータや研究結果を示す文脈で用いられることが多いです。

ビジネス

経済や市場の分析において、景気回復の兆しを「雪解け」に例えて使用されることがあります。例えば、「金融市場の凍結状態がようやく解け始めた(The financial market freeze is finally beginning to thaw)」のように、比喩的な表現として、やや硬めのビジネス文書やプレゼンテーションで見かけることがあります。

日常会話

日常会話では、文字通り雪解けの話題で使われることはありますが、頻度は高くありません。ニュースや天気予報で「雪解けによる洪水に注意してください」といった注意喚起がなされることがあります。また、人間関係の改善を「氷解」に例えて、「二人の関係がようやく雪解けを迎えた(Their relationship finally began to thaw)」のように、比喩的に用いられることもあります。

関連語

類義語

  • 固体が熱によって液体に変化する一般的な現象を指します。日常会話、科学的な説明、文学作品など、幅広い場面で使用されます。 【ニュアンスの違い】"thaw"は、凍っていたものが解けるというニュアンスが強く、特に気温の上昇によって起こる場合に用いられます。一方、"melt"は熱源の種類を問わず、より一般的な溶解現象を指します。例えば、氷が太陽の光で"thaw"するのに対し、金属が炉で"melt"します。 【混同しやすい点】"melt"は自動詞としても他動詞としても使用できますが、"thaw"は自動詞として使われることが多いです。また、"melt"は比喩的に感情が和らぐ意味でも使われますが、"thaw"にはそのような用法はあまりありません。

  • defrost

    冷凍された食品や冷凍庫の霜などを取り除くことを指します。家庭やレストランなど、食品を扱う場面でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"thaw"は自然に解凍されるイメージがありますが、"defrost"は意図的に解凍する行為を指します。電子レンジで"defrost"するなど、人為的な解凍方法が伴うことが多いです。 【混同しやすい点】"defrost"は必ず他動詞として使用され、目的語が必要です。例えば、"defrost the chicken"のように使います。一方、"thaw"は自動詞として使われることが多いですが、他動詞として使われることもあります (thaw out)。

  • unfreeze

    凍結状態から解放されることを意味します。物理的な凍結だけでなく、比喩的に感情や状況が硬直状態から脱する意味でも使われます。 【ニュアンスの違い】"thaw"は徐々に解けるイメージがありますが、"unfreeze"はより急激な解放を意味することがあります。また、"unfreeze"は比喩的な用法が多く、例えば、凍結された資産を"unfreeze"するなど、経済や政治の分野でも使われます。 【混同しやすい点】"unfreeze"は他動詞として使われることが多く、目的語が必要です。一方、"thaw"は自動詞として使われることが多いです。また、"unfreeze"はビジネスシーンでもよく使われます。

  • liquefy

    気体や固体が液体に変化することを指します。科学的な文脈や技術的な説明でよく使われます。 【ニュアンスの違い】"thaw"は凍っていたものが解ける場合に限定されますが、"liquefy"はより一般的な液化現象を指します。例えば、天然ガスを"liquefy"するなど、工業的なプロセスで使われることが多いです。 【混同しやすい点】"liquefy"は専門的な用語であり、日常会話ではあまり使われません。また、"liquefy"は他動詞として使われることがほとんどです。"thaw"とは異なり、自然現象というよりは、人為的な操作によって引き起こされることが多いです。

  • 固体が液体に溶けて均一な混合物になることを指します。化学、料理、比喩表現など、幅広い分野で使用されます。 【ニュアンスの違い】"thaw"は氷が解けるなど、温度変化による状態変化を指しますが、"dissolve"は物質が液体に溶け込む現象を指します。砂糖が水に"dissolve"する、といった使い方が一般的です。 【混同しやすい点】"dissolve"は、物理的な溶解だけでなく、組織や関係が解消されるという意味でも使われます。例えば、会社を"dissolve"する、関係を"dissolve"するなど、比喩的な意味合いが強い点が"thaw"とは異なります。

派生語

  • thawing

    動名詞または現在分詞。「thaw」が進行形になった形で、「雪解け(が進んでいる状態)」や「関係が雪解けに向かっている状況」など、動きのある状態を表す。日常会話やニュース記事で使われることが多い。

  • thawed

    過去形または過去分詞。「thaw」が完了した状態を表し、「解凍された食品」「雪解け後の地面」のように、状態の変化の結果を指す。料理のレシピや気象に関する記述で頻繁に見られる。

  • defrost

    接頭辞「de-(除去)」と「frost(霜)」が組み合わさった動詞。「霜を取り除く」「解凍する」という意味で、「thaw」よりも対象が霜や氷に限定される。家電製品の取扱説明書や料理関連の記事でよく使われる。

反意語

  • 「凍る」「凍らせる」という意味の動詞。「thaw」が温めて溶かすのに対し、「freeze」は冷やして固めるという、物理的な状態変化において明確な対義語となる。日常会話から科学的な文脈まで幅広く使用される。

  • 「霜」「霜が降りる」という意味の名詞・動詞。「thaw」が霜や氷が溶ける現象を指すのに対し、「frost」は霜が形成される現象そのものを指す。気象に関する記述や比喩表現で用いられる。

  • congeal

    (液体が)「凝固する」「固まる」という意味の動詞。「thaw」が固体から液体への変化を表すのに対し、「congeal」は液体から固体への変化を表す。科学的な文脈や料理の説明で使われ、特に液体が冷えて固まる場合に用いられる。

語源

"thaw」の語源は、古英語の「þāwian」(溶ける、解ける)に遡ります。これはさらに、ゲルマン祖語の「*thawwjanan」(温める、溶かす)に由来すると考えられています。この語根は、インド・ヨーロッパ祖語の「*tē-」(溶ける、流れる)と関連があり、水が凍った状態から液体になるイメージを表しています。日本語の「融解(ゆうかい)」という言葉も、「融」という字に溶けるという意味が含まれているように、thawも元々は固体が液体に変わる様子を表していたのです。比喩的に、感情や態度が「打ち解ける」という意味合いに発展したのは、氷が解けて水になるように、硬直した状態から解放されるイメージが連想されたためでしょう。

暗記法

「雪解け(thaw)」は単なる自然現象に留まらず、抑圧からの解放や希望の象徴として、文化的に深い意味を持ちます。冷戦下の緊張緩和を「雪解け」と表現したのは、まさにその象徴性ゆえ。文学では、凍てついた心の変化や再生のエネルギーを表現し、ビジネスや人間関係においては、行き詰まりの打開や関係修復を意味します。凍り付いた状況からの解放、新たな可能性が開かれる希望が込められています。

混同しやすい単語

『thaw』とスペルが似ており、先頭の'th'の音は共通しているため混同しやすい。意味は『~だけれども』という接続詞であり、品詞も意味も大きく異なる。発音も異なり、『thaw』は/θɔː/ですが、『though』は/ðoʊ/です。日本人学習者は、文脈と発音を意識して区別する必要があります。'though'は'think'などのthとは発音が異なる点に注意。

『thaw』と母音の音が似ており、どちらも二重母音を含むため、特にリスニング時に混同しやすい。スペルも一部似ている。意味は『痛い』や『炎症』を表す形容詞であり、名詞としても使われる。意味が全く異なるため、文脈で判断することが重要です。発音記号は『thaw』が/θɔː/、『sore』が/sɔːr/。

『thaw』と語感が似ており、短い音節で終わるため、特に発音練習の初期段階で混同しやすい。スペルも似ている部分がある。意味は『見る』の過去形であり、動詞として使われる。文脈が全く異なるため、区別は比較的容易ですが、発音を意識することが大切です。発音記号は『thaw』が/θɔː/、『saw』が/sɔː/。

『thaw』と母音の音が同じであり、語尾の子音がないため、発音の区別が難しいと感じる学習者もいる。意味は『法律』であり、名詞として使われる。文脈で判断できますが、発音を意識して練習することが重要です。どちらも同じ ɔː の音を含むため、前の子音の発音をしっかり区別する必要があります。例えば、日本語の『おー』を少し意識して発音すると違いがわかりやすいかもしれません。

『thaw』とスペルの最初の2文字が同じであり、短い単語であるため、視覚的に混同しやすい。意味は定冠詞であり、品詞も異なる。発音も異なり、『thaw』は/θɔː/ですが、『the』は/ðə/または/ðiː/です。文脈から容易に区別できますが、発音の練習も重要です。冠詞の 'the' は、直後に続く単語の発音によって発音が変わる点も考慮しましょう。

『thaw』とスペルが似ており、最初の2文字が同じであるため、視覚的に混同しやすい。意味は『投げる』という動詞であり、品詞が異なる。発音も異なり、『thaw』は/θɔː/ですが、『throw』は/θroʊ/です。発音と意味を意識することで区別できます。'th'の音の後ろに続く母音と子音が異なるため、注意して発音練習することが重要です。

誤用例

✖ 誤用: The political climate is thawing, so we can expect some agreements soon.
✅ 正用: The political climate is becoming more conciliatory, so we can expect some agreements soon.

『thaw』は文字通り氷が溶ける、あるいは比喩的に『硬直した関係が雪解けに向かう』という意味で使われますが、政治的な状況の変化を表現する場合には、よりニュアンスが近い『becoming more conciliatory(融和的になっている)』が適切です。日本人が『雪解け』という言葉から直訳的に『thaw』を選んでしまいがちですが、英語では政治的な文脈ではやや直接的すぎる印象を与えます。英語の『conciliatory』は、単に状況が変化するだけでなく、関係者が積極的に歩み寄る姿勢を示唆します。

✖ 誤用: After the scandal, his reputation began to thaw.
✅ 正用: After the scandal, his reputation began to recover.

『thaw』はしばしば改善の兆しを示す際に用いられますが、スキャンダルの後の評判回復には不適切です。この文脈では、『recover(回復する)』や『rehabilitate(名誉を回復する)』がより適切です。日本人は、状況が徐々に良くなる様子を『雪解け』と表現することから、『thaw』を安易に適用してしまいがちですが、英語では『thaw』は物理的な変化や、感情的なわだかまりが解消されるニュアンスが強く、抽象的な評判の回復には合いません。英語では、具体的な行動やプロセスを経て回復するイメージを伴う動詞を選ぶ必要があります。

✖ 誤用: I hope my feelings for her will thaw someday.
✅ 正用: I hope my feelings for her will fade someday.

『thaw』は感情的なわだかまりや凍り付いた関係が和らぐ際に使われますが、恋愛感情が薄れることを表現するには不適切です。この文脈では、『fade(薄れる)』や『subside(静まる)』がより適切です。日本人が感情の変化を『雪解け』と表現することから、『thaw』を適用してしまう例ですが、英語では『thaw』はネガティブな感情が解消されるニュアンスが強く、恋愛感情そのものがなくなることを表現するには不自然です。英語では、感情が徐々に弱まる、消えていくイメージを伴う動詞を選ぶ必要があります。

文化的背景

「thaw(雪解け)」は、物理的な現象であると同時に、抑圧からの解放、閉塞状況の打破、そして希望の兆しを象徴する言葉として、文化的に深い意味を持っています。冬の厳しさからの解放は、心の凍てつきからの解放、社会の硬直からの解放へとメタファーとして拡張され、文学、政治、人間関係など、多様な領域で用いられてきました。

特に政治的な文脈において、「雪解け」は重要な意味を持ちます。冷戦時代、ソ連と西側諸国の間の緊張緩和を示す言葉として「雪解け(thaw)」が用いられました。これは、イリヤ・エレンブルグの小説『雪解け』に由来し、スターリン批判後の社会の自由化、希望の光を描写したこの作品が、政治的な緊張緩和の象徴として世界に広まったのです。抑圧的な政治体制からの解放、言論の自由、文化交流の活発化など、社会全体に変化が訪れる様子が「雪解け」という言葉で表現されました。この用法は、単なる外交的な変化だけでなく、人々の心に希望の光が差し込む様子を捉えた、非常に象徴的な表現と言えるでしょう。

文学作品においても、「thaw」は重要なモチーフとして登場します。例えば、厳冬の時代を舞台とした物語において、雪解けは主人公の心の変化、希望の芽生えを象徴することがあります。凍てついた心が温かさを取り戻し、新たな一歩を踏み出すきっかけとなるのが雪解けなのです。また、自然の力強さ、再生のエネルギーを表現する手段としても用いられます。冬の眠りから覚めた大地が、再び生命力に満ち溢れる様子は、人々に勇気と希望を与えるでしょう。

現代社会においても、「thaw」は比喩的な意味合いで広く使われています。例えば、ビジネスシーンにおいては、交渉の行き詰まりを打開し、関係を修復することを「雪解け」と表現することがあります。また、人間関係においては、誤解やわだかまりが解消され、再び良好な関係を築けるようになることを意味します。このように、「thaw」は、物理的な現象だけでなく、社会的な、そして個人的な状況の変化を表現する、非常に豊かな言葉なのです。凍り付いた状況から解放され、新たな可能性が開かれる。そんな希望に満ちたイメージが、「thaw」という言葉には込められています。

試験傾向

英検

1. 出題形式: 語彙問題、長文読解

2. 頻度と級・パート: 準1級以上で出題される可能性あり。特に準1級の語彙問題で頻出。

3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、気候変動に関する長文読解で出題されることが多い。語彙問題では、比喩的な意味での使用も問われる。

4. 学習者への注意点・アドバイス: 動詞(溶ける、和らぐ)と名詞(雪解け、融解)の使い分けを理解することが重要。関連語句(freeze, melt)との違いを意識する。

TOEIC

1. 出題形式: Part 5 (短文穴埋め)、Part 7 (長文読解)

2. 頻度と級・パート: TOEIC全体では中程度の頻度。Part 5, 7で稀に出題。

3. 文脈・例題の特徴: ビジネス文書(報告書、メール)で、経済状況の緩和や関係改善などの比喩的な意味で使われることがある。

4. 学習者への注意点・アドバイス: ビジネスシーンでの比喩的な意味(関係の雪解けなど)を理解しておくことが重要。文脈から意味を推測する練習をする。

TOEFL

1. 出題形式: リーディングセクション

2. 頻度と級・パート: アカデミックな文章で頻出。

3. 文脈・例題の特徴: 地球科学、環境科学、社会科学など、幅広い分野の学術的文章で使われる。気候変動、国際関係などの文脈で登場しやすい。

4. 学習者への注意点・アドバイス: アカデミックな文脈での使用に慣れることが重要。名詞・動詞両方の用法を理解し、文脈から正確な意味を判断できるようにする。類義語(melt, unfreeze)とのニュアンスの違いを理解する。

大学受験

1. 出題形式: 長文読解

2. 頻度と級・パート: 中堅以上の大学で出題される可能性あり。

3. 文脈・例題の特徴: 環境問題、社会問題、国際関係など、幅広いテーマの文章で登場する可能性がある。

4. 学習者への注意点・アドバイス: 文脈の中で意味を推測する練習をすることが重要。比喩的な意味(緊張の緩和など)も理解しておく必要がある。類義語との使い分けも意識する。

免責事項

英単語学習ラボは生成AIで機械的に意味や英語表現を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。

このページについて

作成:英単語学習ラボ
生成支援:Google Gemini
最終更新:2025年7月18日

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